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カテゴリー「The Beatles」の22件の記事

2015.05.03

ポール・マッカートニー、2015年来日公演を観る(東京ドーム初日と日本武道館公演)

●ポール・マッカートニーの2015年日本公演。私の観たのは、4月23日の東京初日・東京ドーム公演と、4月28日の日本武道館公演の2公演。

●時系列は逆ですが武道館公演から。

 1960年代前半生まれの私のような人間にとっては、75年の幻の来日公演、80年の公演中止の無念があるので、ここでポール・マッカートニーのコンサートを体験できるのはやはり感無量です。チケットの売り方とかよろしくないとは思いましたけど。買ったのは一番安いB席。当日は現場に向かいながら、じわじわ高まる不思議なワクワク感。

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●どういう事情かほぼ1時間半遅れ、8時頃に、経験のないような大歓声でステージに登場して、Can't Buy Me Love と始まった瞬間の、会場全体が一気に Rockin'になだれ込んでいった光景はやっぱり特別でした。見果てぬ夢とは知りつつ Venus and Mars/Rock Show のオープニングもちょっと期待しましたけど。とにかく、最初から最後までお客さんの熱気が半端じゃなかった。自分はこういうロックショーというのは経験がないです(若い人たちが普通に聴いてる身近なバンドでは当たり前で特別でもないんでしょうけど)。

●全体の印象は、ストレートなロック・ショーを聴いた満足感。ドームのショーではあった、ジョン、ジョージへのトリビュートである Here Today や Something がなかったことが却ってポール自身のストレートなロック・ショーとしての印象を強くしたと思います。特に中盤、Lady Madonna、(「セカイハツコウカイ」と日本語で語って始めた仰天の)Another Girl、Got To Get You Into My Life、Ob-La-Di, Ob-La-Da、Back in The U.S.S.R と連続するあたり(実際は Ob-La-Di の前に、ゆったりしたテンポの Mr. Kite が挟まってます)。私的には Another Girl、Got To Get You Into My Life での高揚感がこの日のピーク。Birthday は日本でやったのは初だったそうですが気付きませんでした。たぶんDVDで見た海外公演と記憶が混濁してるんでしょう。One After 909 は、「ひえー、出たー」って感じでやはり感激。

●ドームではあった目まぐるしく変わる映像による演出はなく、ステージ後ろは真っ黒。そのことは演奏に対する集中という点では良かったのかな(昔のロック公演はそういうのが普通でした)。Let It Be では主催者が各席に配布したライトがいっせいに光って独特の雰囲気。歌い出しでポールの声が動揺したように不安定になってましたが、彼自身あれを見て何か感じることがあったのだと勝手に思うことにします。Mr. Kiteの照明効果は広すぎない空間に光が交錯する感じで、発光点と光が投影される天井が遠すぎて間延びしたように見えてしまうドームでのそれよりもずっと綺麗でした。あと、ステージ平面上に浮き出る照明効果がものすごく凝ってる。ドームだと見下ろす席は遠いのでインパクトは薄まりますから。武道館でも10万円席からは分かりにくく、見下ろす2階席からの方が綺麗に見えたはず。

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●2時間弱のショー。フル・ショーだったドーム公演より短く、終わってから、Jet、Band On The Run、The long And Winding Road いった定番曲がないことに気付きましたけど。まあ不満は特にないです(笑)。終わった後はボーッとして、会場を去りがたい気分。月並みな表現ですが夢の一夜の終わり、という感じ。高すぎるチケット代に「こんな値段なら少し金足せばロンドン行けるし、ロンドンで見た方がましじゃん」とも思いましたけど。今回のショーは東京の日本武道館だから出来たショーであって、世界中どこでも再現不能。仮に二度目の武道館があったとしても今回のような雰囲気にはならないと思います。日本ツアーのfacebookページにあるポール・マッカートニー本人の言葉、「初めてここ武道館に立った日のことを思い出しながら、今夜の素晴らしい観客の前で演奏することができ、とても心動かされ、感極まる体験でした。49年ぶりに武道館に戻ってくることができて、とても興奮したと同時に、これまでの日本のショウでも最高のものだったと思います。とてつもなくクレイジーで、最高な夜でした。」は社交辞令ではない本心だと思います。ほんとに「とてつもなくクレイジーで、最高な夜」でしたから。
原文は、It was sensational and quite emotional remembering the first time and then experiencing this fantastic audience tonight. It was thrilling for us and we think it was probably the best show we did in Japan and it was great to be doing the Budokan 49 years later. It was crazy. We loved it. で、最後の文に少し意訳がはいってますけどね。)

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 一生忘れられない、スパーブな2時間でした。

●ドーム公演についても触れましょう。

 内容がほぼ2013年の公演と同じだった(ツアー名が同じOUT THEREツアーなので当たり前)ので新鮮味が薄れたのは仕方ないです。自分自身はチケットも前回同様友人頼みで、粛々と当日を迎えたという感じだったし。I Saw Her Standing There のような曲は以前なら血湧き肉躍るように興奮したと思いますが割と冷静。喜んでる会場を観察してたり。むしろ淡々とアコースティックなセットが続く中盤、We Can Work It Out、I've Just Seen A Face、Another Day といった曲のメランコリックな部分にふと心奪われました。Here Today だって以前聞いた時よりもストレートにジーンときたし。まあ、ポールも老いましたが、こっちも老いました。

●なんか淡白な書き方ですが、そんなことは全然ないです(笑)。セットリストを眺めながら振り返ると、あそこはああだった、こうだったとクラクラきますし。武道館がストレートなロック・ショーだとすれば、ドームは曲数もずっと多いしバラエティ豊か。この人の煌めくようなキャリアの総決算、色んな要素が混然となった面白さという点では、ドーム公演は2013年の前回同様、素晴らしかったです。

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 声は前回からさらに不安定になったとはいえ、体型はビートルズ時代と変わらず。時々スクリーンに映される背後からの演奏姿なんて、ビートルズの頃と全く一緒なのには陶然とさせられました(クラプトンやディランは全然変わっちゃいましたからね)。

●ポール・マッカートニー自身、ビートルズとして最初に来た時は日本という国は未知のエイリアンの国だったと思うし、それはソロでの初来日が実現した90年でもそうだったんじゃないかと思います。彼自身の間抜けさとはいえブタ箱に入れられたイヤな思い出もあるし。何よりポール・マッカートニーという人は、ジョン・レノンのように異文化に越境して行くような人じゃないですから。ただ、何度か来日して公演を重ねていくうちに、日本という場所がエイリアンでない、普通に演奏して楽しい身近な国にじわじわとなっていたのではないかなと勝手に思ってます。

●いつまでもお元気で、サー・ポール。

2013.11.24

ポール・マッカートニー、11年ぶりの日本公演を見る

Outtherejapan●90年、93年、02年に続く4度目の日本ツアー。今回東京の初日と2日目を見ました。これまでの日本公演は全回見てますがどれも1公演しか見てないので、複数公演見たのは今回が初。前回の日本公演からは11年。Figure of Eight で始まったソロ初来日公演から23年ですから本当に時の経つのは早いです。

 巨大なドームがびっしり満杯。ステージが見えない場所までお客さんを入れてる状態。前回は当日券でも入れたように思うのですが。当日ふらっと出掛けて最終日も見ようかなと思っていたら甘かった・・・でも東京2日目と他の日に行った人が一番多くの曲を聴けたと思って慰めました。

●さすがに71歳ですから声は細くなってるし、高音はかなりキツい感じです。今年のボナルー出演時のストリーム音源でオープニング曲の Eight Days a Week を聴いた時に、他のメンバーのボーカルがかなり被ってポールの声が埋もれているような感じだったので、声の衰えをカムフラージュするためにこういうふうになってしまうのかな、とちょっと寂しかったのですが、実際に現場で聴けばそんな思いは吹っ飛びました。というか、Eight Days a Week ってビートルズ版はレノンの声が目立つ曲なので、違和感が大きかっただけかも。

●35曲以上のセットは見返すと目眩がするよう。有名曲で聴き惚れてしまうのはもちろんなのですが、適当な鼻歌みたいな All Together Now ですらあんなに面白く聴かせてしまうのは流石。 Ob-La-Di, Ob-La-Da の底抜けの幸福感とか最高。完全にレノンの世界みたいな Being for the Benefit of Mr. Kite! ですら、自分の曲のように料理してしまうわけで。例えば、ジョン・レノンに逆のことができたのかと言えばかなり怪しい(他人様の世界なんて知ったこっちゃないのがジョン・レノン様)。ペッパーからは、自分の Lovely Rita も先にやってちゃんとバランス取ってるのも抜け目ない(笑)。

 驚くべきは、オリジナルの演奏から受ける印象がどれもそのままちゃんと再現されてしまうこと。そういうことが、例えば他の60年代からずっと活動してる人達に出来ているのかと言うとノー。異論は認めない(笑)。ディランだってクラプトンだってストーンズだって、今の彼らは昔とはかなり違います。でも、ポール・マッカートニーはずーっと同じまま。Live and Let Die なんて何十年も同じようにできるんですから、ほんと驚愕。オフステージに遭遇したファンの反応だって映画「ヤア!ヤア!ヤア!」の世界そのまんまだし。

 Wings 時代なら絶対やろうとしなかったと思われる Another Day もメランコリックで良かったけど、私的に最も感激したのは、Band On The Run。この曲はライブで何度聴いても感激します。変転する曲調は天才マッカの証。最強ウイングスの雰囲気そのまんま。Well, the rain exploded with a mighty crash で始まるパートは、時間の感覚を失い心は10代。あんな陽気な曲想なのにジーンと来た。恥も外聞もなく両手で Wings サインやりそうになったけど大人なので止めた(笑)。

●ライブでは日本公演が世界初披露(ヴェガスでの特別なあれは除く)となった新作は、Penny Lane みたいな曲想の Newや、すぐ耳に馴染むようなキャッチーな Everybody Out There は面白く聴けました。ちょっと I Am The Walrus (レノンの曲ですが)みたいな Queenie Eye もまあ悪くなかったかなと(背後の映像が面白かったです)。一緒に見た仲間は新作は曲を厳選したミニアルバムでも良かったのでは、と言ってましたが、確かにそんな印象ではあります。

●なんか淡白な感想になってしまいましたが、2時間半のショーがあっという間で感激して見てました。コンサート全編不思議な幸福感に満ちていて、過去3回の来日公演と比べてもそういう幸福感は今回が一番だったように思います。なにゆえそうなのかと訊かれてもはっきりした答えは自分で分かりません。

 本当は、ネチネチ分析するより、「わー、ポール、カッコイイ、きゃあ~!」の方が余程コンサートの真実を伝えるような気がするのですが、そうするには自分はスネた大人になりすぎました。今回は見に行った人の声がネット上ですぐに色々と見れるのも楽しかったです。前回の02年公演時にはSNSどころか、サクっと更新できるブログなんてものすら無かったですから。

●自分が生まれ育った場所で、ポール・マッカートニーのコンサートが見れる喜びは格別で、仮にロンドンやリバプールでポールのショーが見れたとしても、味わえない感激だよなあと、しみじみでした。最終日の模様はスカパーで来春放送されるそうです。

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ポール・マッカートニー
2013年11月18日&19日 東京ドーム

1. Eight Days a Week
2. Save Us
3. All My Loving
4. Listen To What The Man Said (19日は Jet)
5. Let Me Roll It
6. Paperback Writer
7. My Valentine
8. 1985 
9. The Long and Winding Road
10. Maybe I'm Amazed
11. I've Just Seen a Face (19日は Things We Said Today)
12. We Can Work It Out
13. Another Day
14. And I Love Her
15. Blackbird
16. Here Today
17. New
18. Queenie Eye
19. Lady Madonna
20. All Together Now
21. Lovely Rita
22. Everybody Out There
23. Eleanor Rigby
24. Being for the Benefit of Mr. Kite!
25. Something
26. Ob-La-Di, Ob-La-Da
27. Band on the Run
28. Back in the U.S.S.R.
29. Let It Be
30. Live and Let Die
31. Hey Jude
-encore1-
32. Day Tripper
33. Hi, Hi, Hi
34. Get Back (19日は I Saw Her Standing There)
-encore2-
35. Yesterday
36. Helter Skelter
37. Golden Slumbers
38. Carry That Weight
39. The End


2012.12.06

来週のハリケーン・サンディ被害救援コンサートが日本でも放送

●来週12月12日(日本時間13日)にNYのマディソン・スクエア・ガーデンで行われるハリケーン・サンディ被害救援のためのチャリティー・コンサート(正式名称は、121212 THE CONCERT FOR SANDY RELIEF)が日本でも録画放送されることになりました。

●放送するのはFOX系の2つのCSチャンネル、ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルとFOXムービー・プレミアム。放送されるのは12月14日で、ナショジオが24:00PMから、FOXが23:15PMから、4時間半。録画と言っても1日半遅れるだけ。

 ストリームの生中継もあるのですが、行われるのが日本時間の朝なので昼間働いている人は見れません。夜働いていて朝は自由な人、昼間働いてるけどこっそり職場のPCで見れる人、その他時間のある人とかは生でどうぞ。

●このコンサート、なにせ出演者が途方もなく豪華。ポール・マッカートニー、ザ・フー、エリック・クラプトン、ブルース・スプリングスティーン、ボン・ジョヴィ、ビリー・ジョエル、ロジャー・ウォーターズ、エディ・ヴェダー他。詳細はこちらの公式サイトで。

 個人的に楽しみなのはエディ・ヴェダーとクラプトン。単純に今の自分の好み、関心。後者の方は不安半分ですけど。もちろん、マッカもボスも、他の人も楽しみ。トリはマッカかなと思いましたが、地元に敬意をということでスプリングスティーンでしょうかねえ。

 クラプトンは、日本でもWOWOWが生中継する15日(日本時間16日)のストーンズのニュー・ジャージー公演にゲスト出演すると伝えられているので、このコンサートに出演するのはスケジュール的に容易だったと思われます。もしかしたら、ストーンズのお爺ちゃんたちも飛び入りで出たりして。出れるでしょ(笑)

●放送するナショナル・ジオグラフィック・チャンネルとFOXムービー・プレミアムは共にスカパーのチャンネルですが、今の地デジ放送が見れるデジタルTVがあれば機械を買い足さなくてもチャンネル契約すれば見れます(スカパーの基本契約も必要ですが。もちろん衛星用アンテナも)。ナショジオは343ch、FOXが299ch。もちろん用が済んだら解約できます。

 自分はナショジオ(ドキュメンタリー局でとても面白いです)の契約者なのでそちらで見る予定。



(追記)
 皆さんがお祈りしたおかげで、ストーンズの出演も決まったそうです。オールド層好みに偏ってはいますが、すごい出演者陣になりました。

 放送するチャンネルが一つ増えて、MTVも。12月13日、7:30PMから放送なので日本で一番早く見れます。

2012.11.15

ジョン・レノンがクラプトンに宛てた手紙がオークション出品

●ジョン・レノンがクラプトンに宛てて書いた自筆の手紙がオークションに出品されるようです。

 手紙は、1971年11月29日付のもので、現物の一部はオークション主催者の Profiles in History のサイトで見ることができます。日本語の記事はこの辺りで読めます(ロッキン・オンのサイトがNMEの記事を訳してます)。

 直筆手紙の推定価格2万~3万ドルは、同時に出品されるベートーヴェンのもの(4万~6万ドル)よりは安いですが、チャイコフスキー、サッチモ、ガーシュイン、コール・ポーターのものより高く、新しさを考えると破格の値段と思われます。

 上のサイトでは、A John Lennon handwritten signed letter, dated September 29, 1971 to Eric Clapton とありますが、内容説明に draft(下書き)という語があるのでクラプトンに送られた手紙の現物ではないとも思ったのですが、レノンという人は下書きを書いてからきちんと書き直す(あるいはタイプさせる)ようなまめな人には思えません(失礼)。実際に発信された現物ということでよろしいのでしょうか。

●画像で公開された部分の内容はこんな感じになっています。

僕は君にただ知って欲しかったんだよ。僕らが話し合ってきたことをね(あんなに前向きで安らげるリハーサルをした後なら、実行に移す準備が出来るもんだと思ってた)。とにかく、もっと話し合ってもいいなら、僕らに電話してくれないかな。ここ、ニューヨークに直接来てくれてもいい。僕らは少なくとも11/30まではセント・レジス・ホテルにいるから。もちろん、あご足代は全部こっちで持つ(電話番号は753-4500 内線1701)。あるいは手紙でもいい。考えてくれるだけでいいんだ。怯えないでほしい。神経症のことは分かってるけど、きっと良くなるよ。君のことを愛し、尊敬している皆と仕事をするのが、君にとって良いことになってくれればと思う。それが僕らの思いだから。ジョンとヨーコの2人からたくさんの愛を君に。

 あるいは、上のオークション主催者のページに以下のような箇所が紹介されてます(直筆部分は公開されていません)。

僕らはくだらない悩み事(shit/pain)を味わされてきたけど、君も同じだよね。僕らはお互いに助け合うことができると思う ー 特にエリック、君がね。僕だって立派なことができると思うけど、君がもっと素晴らしいものを持ってることは君の音楽を聞けば明らかだ。僕ら皆でより素晴らしいことができればと願ってる。一緒にやればきっと出来るはずだ。

という感じです。

●大変な熱愛ぶりですが、ジョン・レノンの音楽にクラプトンのような傑出したプレイヤーがそんなに必要なのかなと思います。

 ビートルズ本を読むと While My Guitar Gently Weeps の録音にクラプトンが参加した時に、エゴむき出しだった各メンバーが急にお行儀良く振る舞いだしたと書かれてますが、レノンはそういう効果をクラプトンに望んだのかなという気がします。

●手紙が書かれた71年11月29日は、クラプトン的には8月のバングラデシュ・コンサート後も相変わらずのジャンキー隠遁期。レノンはイマジンをリリースした頃です。

 ジョンは手紙の中で一緒にやった「リハーサル」に言及してますが、彼らのリハーサルって、68年のストーンズのロックンロール・サーカスと69年のプラスティック・オノ・バンドのトロント公演くらいしか見当が付きません。他にあったのかな?

●ちなみにプラスティック・オノ・バンドのトロント公演(「ロックンロール・リバイバル・ショー」というフェス出演)について、クラプトンは自伝の中に書いていて、それによるとコンサート当日(!)にロンドンにいるクラプトンにレノンが「今晩空いてる?」て電話かけてきて、全員ヒースローのファーストクラス・ラウンジに集合。リハーサルはトロント行きのBOAC機のファーストクラス・キャビンの中でやったって書いてあるんですけど(もちろん他の客も乗ってましたが苦情をいう人いなかったということです)。そんなリハーサルのどこが healthy で restful なんですか、レノンさん。

 しかも、トロント公演のビデオ見ると、オノ・ヨーコの奇天烈なパフォーマンス付きの演奏中、クラプトンは無表情で「俺はこんなバンドで弾いてていいんだろうか」って感じなんですけど(笑)。

●でも、レインボウ・コンサートでの音楽仲間のサポートといい、こんなに愛されて幸せな人です、クラプトンさん。全文見てみたいと思いますが可能になるんでしょうか。

2012.07.11

デラニー・ブラムレットの語るジョージ・ハリスン

●世間の流行は何なのかわかりませんが。最近デラニー&ボニーをよく聴いてます。スタジオ録音中心。もちろんライブ音源も聴きますが。他に彼らやFriendsについて書かれたものを読んだりと。

 関心の始まりは、例の On Tour with Eric Clapton のBOXの発売時に色々調べ物をしたことだったのですが、それに加えボビー・ホィットロックの自伝はやはり大きかったです。デラニー&ボニーの初期から、デラニー&ボニー&フレンズへの拡大、ジョージのAll Things Must Pass、ドミノスまで実によく書かれてますんで。あとスコセッシのジョージ映画もその関心圏。それから、Friends のメンバー達の他の活動も(Mad Dogs and Englishmen とか)。直接、間接みんなつながってます。

●そうして目にしたもの中で、2008年の4月に SWAMPLAND.com というサイトに載ったデラニー・ブラムレットのロング・インタビュー(聞き手はMichael Buffalo Smithという人)は非常に面白かったです(Part OnePart Two)。正直、デラニーが亡くなった2008年当時にはそれほど彼に対して感慨が湧いたわけではないのですが。

 インタビューの中で特に面白いのが、デラニーが「自分の会った中で最高に感じの良いやつの1人」と言うジョージ・ハリスンとの関係が非常に具体的に語られているところ。もちろん1969年暮れに、クラプトンらと共に、デラニー&ボニー&フレンズとしてUKを含む欧州ツアーをしていた頃の回想です(上のリンクの Part Two で出てきます)。

●デラニーがジョージにスライド・ギターを教示したことはよく語られることですが、デラニー自身の回想だとこんな感じです。

 ジョージはつねに主(the Lord)を求めていた。彼はとても宗教的な人間だったけど、自分が平穏でいられる場所を見つけられずにいた。とにかくいつも神(God)というものを探し求めてたんだ。アルバート・ホールでのコンサート後に彼が、古いミシシッピ・ブルースのスタイルでスライド・ギターをどうやって演奏すればいいか俺に教えてくれるか聞いてきたのは、そういうことも理由だったんだと思う。俺はジョージに「君は悪いギターリストじゃないよ。君が置いてきたちっぽけな老舗バンドでも、とっても上手くやってたじゃないか」「君のギターリストとしての評判は悪くないよ」って言ったんだ。でも彼は、いや、僕は君がやってるような曲をどう演奏すればよいかわからないんだ、って。「僕は知りたいんだ。だから、主を称えるゴスペル・ソングをどう書いたらいいのか教えてくれないか」って。もちろんだよ、ってことでゴスペル系の音楽を彼にたくさん聴かせた。彼は学びたがってたね。彼は「すべての類の宗教にトライしてみたけど、平穏は得られなかった。ただ進む途を示してくれるような曲が書けたらいいなと思うんだよ」って。それで、最初に思い付いたメロディがこんな感じだった...He's my kind of guy. Do-lang, do-lang, do-lang


 うーん、面白いでしょ。「君が置いてきたちっぽけな老舗バンド(that little ol'group you just left)」って、それビートルズって言うだよデラニーさん(笑)

 続き。

 そのメロディを使って、臨時レッスンを始めた。俺は“My sweet Lord. I just want to feel you Lord”と歌って、バッキング・コーラスに「ハレルヤ」ってコーラスの中で歌わせてみようよってことになったのさ。もうジョージの目はどんどん大きくなるばかりだった。しばらくして俺はラジオでその曲が流れるのを聴いた。ジョージは俺に電話をしてきて「君の名前はレコードに載ってないけど、次のプレスの時には載せるようにするから」って。俺はそんなことは起きないだろうって思ったけどね。だって、そのためにはジャケットから何から変えなきゃなんないんだから。彼が俺の名前をレコードから外したとかいうことじゃないし、どうでもいいことだったよ。まあ、彼の力になれて嬉しかったよ。彼は「あの曲は僕が探し求めていた途に僕を連れて行ってくれた」って言ってた。「そりゃ良かった」って答えたさ。


●ええ話やな~って感じです。そもそも、デラニー&ボニーに早い時期から惚れ込んで、69年夏のブラインド・フェイスのUSツアーの前座として彼らをクラプトンに推薦したのはジョージだし、スタックスを離れることになった彼らをアップルと契約させようとまでしてます(エレクトラが先に契約済であることを主張したためアップルが引いた)。そこに至るまでの伏線はあったわけです。

●例の盗作騒動の件も触れられていて、デラニーは曲がどうやって出来たか証言すべきだって言われたそうです。新しい番組の仕事(この主題歌担当)が忙しく出廷できず、代わりにボニーが出廷して証言したが判事は証拠として採用しなかったということです。

●My Sweet Lord という曲の誕生について、デラニー・ブラムレットのことが語られることってあまり自分は目にした記憶はありません。インタビュー映像でもあったなら、スコセッシのジョージ映画に使われていたこと必至の一級資料。そうですよね、スコセッシさん。

 そうやって無視されちゃうところなんか、いかにもデラニーは不当な悲運を背負わされてる感じ。もっと注目評価されるべきデラニー&ボニーでのキャリアを含めて。

●ボビー・ホィットロックの自伝の中で、デラニーはけっこう辛辣なことを書かれてます。ボビーはデラニーを完全主義者と言う一方で、「自分中心でなければ気が済まない、意地悪な男(self-centered、abusive person)」とまで言ってるのですが。まあ、実際はどうなんでしょうかねえ。上の感動秘話なんかを読む限りそんなこと想像もできないって感じです。

 クラプトンはデラニーに対してそういうことは言ってないし、ライブ音源で聞くデラニーの穏やかそうな声を聞くと、そんな嫌なやつには思えませんけど(あくまで妄想、希望的観測です)。ボビーの場合、デラニー&ボニーの初期に自分がちっぽけな役回りしか与えてもらえなかったことに対する怨念みたいなものがあるのではと読んでますが。

●上のインタビュー、デュアン・オールマンやクラプトンのことも語っていて非常に面白いです。その辺のことを含め、デラニー&ボニーのアルバムのことなど、またあらためます(つもり)。

2012.03.28

ジョージ・ハリスンのデモ・初期テイク集 Early Takes volume 1 が5月に発売

●先に、マーティン・スコセッシによるジョージ・ハリスンのドキュメンタリー映画 Living In The Material World のデラックス・エディションのボーナスディスクとして付いていた、All Things Must Pass 録音時のデモ・初期テイク集が単品で発売されることになりました。5月1日発売で発売元はHip-O Selectです。

Vol.1-Early Takes
Vol.1-Early Takes

●全10曲。フィル・スペクターのプロデュースでサウンドが膨らんでしまった All Things Must Pass ですが、この音源では、まだ未完成な段階のトラックが聴け、ジョージの声の生々しさに驚かされるし、Nakedな演奏で聴くと曲の素晴らしさが際立ちます。買うまでもないという人はこの辺で聴けるのでどうぞ。

●この音源を聴いてから久しぶりに、All Things Must Pass を、スペクターのプロデュースで付加された部分を意識しながら聴いてみたのですが、自分が思い込んでいたほど分厚く膨らまされた感じはないので、あれって感じでした。スペクター良い仕事してます。

 ただし、オマケのアップルジャムは例外。過剰にプロデュースされたサウンドが恨めしい。これだけはいじくられてない Naked なサウンドでいつか聴いてみたいです。

●高価なデラックス・エディションの購入動機がこのCDだった人も多いと思われ、単品発売と聞くと複雑な思いというか、ブチ切れる人もいるかと思いますが、まあ、多くの人がリーズナブルなお値段で普通に聞けるようになるわけですから歓迎してよいのではないですか。ふふふ。

George Harrison / Early Takes Volume One

1.My Sweet Lord (demo) 3:33
2.Run Of The Mill (demo) 1:56
3.I’d Have You Any Time (early take) 3:06
4.Mama You’ve Been On My Mind (demo) 3:04
5.Let It Be Me (demo) 2:56
6.Woman Don’t You Cry For Me (early take) 2:44
7.Awaiting On You All (early take) 2:40
8.Behind That Locked Door (demo) 3:29
9.All Things Must Pass (demo) 4:38
10.The Light That Has Lighted The World (demo) 2:23

2010.02.01

ポール・マッカートニーの Amoeba Music ライブの12曲入り盤

●2007年6月27日に、インディペンデント系レコード店の Amoeba Music ハリウッド店で行われたストア・ライブのライブ盤。

 ポール好きには知れ渡ったイベントで、4曲入りのミニアルバムはすでにCD化済みでしたが、このたび、イギリスのタブロイド紙 The Mail on Sunday 1月17日版のオマケとして12曲入りのディスクがリリースされました。これが新聞のオマケとは太っ腹ですなあ。

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 上写真は、左が4曲盤で、右が今回の12曲盤。使われてる写真は同じ。オマケ盤の紙質はペラペラであまり良くなく、いかにもオマケ。

 12曲盤の方は、右上にmplとThe Mail on Sundayのロゴ、左上に PAUL McCARTNEY LIVE IN LOS ANGELES というタイトル、左下にTHE GRAMMY NOMINATED AMOEBA SHOW の文字。

●リリース記事については、姉妹紙の Daily Mail 紙のWeb版 Mail on Line で読めますが、オマケなのでCD自体は本来無料。
 新聞を入手してCDもゲットというのが清き正しき入手方法と思われますが、私は立ち寄ったCDショップで見つけたので購入。1500円弱。

●ヴォーカルがあまり臨場感のない音でミックスされていて、小会場ぽい音という感じはあまりしないですが、Black Bird の歓声なんかはモロ小会場っぽい雰囲気が漂っていてなかなかよいです。

 4曲盤の曲間がすべてフェイド・アウトだったのに対し、12曲盤は編集されてはいるもののちゃんとつながってます。I Saw Her Standing There 前には、当日現場に来てたリンゴ・スターを紹介するシーンも収録されてます。全体的に、当日の会場の雰囲気は良く伝わってくるかなと。

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2010.01.13

Plastic Ono Band の2月のNY公演にクラプトンがゲスト出演

●1月11日付けのWHERE'S ERIC の記事によると、2月16日にニューヨークの BAM Howard Gilman Opera House で行われる、新生Plastic Ono Band の公演に同バンドのオリジナル・メンバーであったエリック・クラプトン、クラウス・フォアマンが出演するとのことです。

 チケット販売サイトの情報では、welcoming many special guests, including some original band members. とあるだけで、具体的なゲスト名は触れられてはいませんが、WEのページで見れるコンサートのポスターには、はっきりと、Eric Clapton と書いてあります。公演は2月16日ですが、2月13、14日はクラプトン/ベックのロンドン公演があるんですけど大丈夫かあ・・・

 他のゲストにベット・ミドラー、ジム・ケルトナー、ポール・サイモンの名も上がっていて、細野さんの名もしっかりあります。

●と言っても、昨年11月に日本で行われた新生 YOKO ONO PLASTIC ONO BAND を自分は見ていません。ゲストに期待してこのバンドをに興味を持つというのは本来邪道なんでしょう。

 幸い、1月24日にフジテレビNEXTで、この時のショーの模様が2時間に渡って放送されるので、自分も含め興味のある方は、お見逃しないように。

 漢の方は、冬のロンドン、ニューヨーク豪華旅行をぜひどうぞ。

2009.12.21

P.マッカートニー、Good Evening New York City (2CD+2DVD)

●今年の6月に3日間に渡って行われたNYメッツの新スタジアム Citi Field の開幕記念コンサートのライブ。2CD+2DVDの限定盤。

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 CDの方は曲間のコメントがばっさりカットで演奏オンリー。しかも曲間のタイミングが短いのでせわしなくてちょっと変な感じ。ミキシング担当はジェフ・エマリック。

 4枚組の国内盤はほとんど完売状態のようですが、輸入盤はまだちょろちょろ見かけますので、買う方はお早めにどうぞ。

●前作の Live In The US 2005 はライブシーンのあまりにもせわしない編集でうんざりしましたが、今回はそれほど酷くはないです(あらためて見比べてません。今見ればそうでもないかも)。何より、前回のDVDのような各界のVIPに登場させて「偉大なるポール様万歳」発言を繰り返させるクソ演出がないだけ数十倍マシです。
 ちなみに本作は directed by Paul McCartney という記載があるだけで、前2作のプロデューサー兼ディレクターだった Mark Haefeli の名はどこにもクレジットされてません。

 ステージ両脇に東京競馬場にある巨大ターフ・ビジョンを縦置きしたような巨大モニター。デカ。

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 以下、戯言少々。

●I'm Down は1965年のビートルズのシェイ・スタジアム公演の映像・音源を編集で挟み込んだバージョン。ギミックと言えばそれまでですが、Fab4 のあまりにも若い姿にホロリとしながら見てしまいました。

 65年と言えば、このCiti Field でのショーの45年前。仮にビートルズが解散した1970年を起点に45年遡るとなんと1925年でっせ。1925年のポピュラー音楽ってどんなん?(笑)。今から45年前のポピュラー音楽の違和感のなさというか、古ぼけなさというのはすごいなと。

 68才で、2時間半のショーをこれだけの水準で見せてしまうというのはやはり怪物です、この人。

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●Let Me Roll It はエンディングにジミ・ヘンドリックスの Foxy Lady が付いたバージョンですが、演奏後のコメントでジミを称えながら、「サージェント・ペパーのリリース直後にすぐにジミがステージでやってくれた」云々というのがあるのでホントかいなと思い調べてみるとその通りでした。

 ペパーのUKリリースは67年6月1日ですが、ジミはその3日後の6月4日に、ロンドンのシャフツベリー(Shaftesbury)にあったサヴィル・シアター公演の1曲目で、サージェント・ペパー演ってます。しかも2曲目がなんと Foxy Lady・・・

 ということは、このショーをポールは見てるということなのでしょう(ルイーソンの The Complete Beatles Chronicle には何も書いてありませんが)。
 ジミおそるべし・・・ポールの記憶力もすごい、というか、はっきり覚えてるくらいの印象的な出来事だったということでしょう。そりゃそうだ。

 上のコメントの中で、ジミがステージからクラプトンに冗談めいたコメントをした話が出てきますが、ジミのサヴィルのショーをECが見てる可能性は充分すぎるほどあります。というか見てないわけがない。

●限定盤に付いたボーナスDVDは、エド・サリヴァン・シアターの看板上での抜き打ち?野外ライブ。日本じゃ警察が絶対許さないだろうというような状態。NYおそるべし。

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●12月は欧州ツアーのポールですが、日本には来る気配は今のところなし。
 この人にとって日本というのは物理的な距離はもちろんですが、心理的な距離感が大きいんでしょうね。このライブを生で拝めないというのは残念ですが。

2009.10.13

ザ・ビートルズ・リマスターを聴く(2) レット・イット・ビー

●メディア方面の騒動はピークを過ぎたようですが、年末に向けて新旧比較なんぞしながら、だらだら聴き続けてます。とりあえず、Let It Be でも。

Let It Be [Original recording remastered]
Let It Be [Original recording remastered]

 今回のリマスターは、音を奇麗に磨き上げたというより、生々しさ追求路線なのかなと。その結果、アラが見えても、当時のテクノロジーの限界がさらされたとしてもかまいません、みたいな。私は大歓迎です。

●Let It Be は、今回の全リマスター盤の中で驚きがかなり大きい一枚でした。

 まず、Dig a Pony、I've Got a Feeling、One After 909、Get Back のルーフトップ音源
 凝ったエフェクトなし。各楽器から裸で発っせられるサウンドの生々しさとルーフトップの空気感。素晴らしい。One After 909 で右チャンネルから聞こえるギターの音はたまらんですなあ。
 Naked をうたいながら加工臭プンプンの Let It Be Naked より、こっちの方がよほど Naked ではないですか。

 66年頃のだらだらしたライブ演奏を考えると、ライブを止めスタジオ・ワークに没頭し続けたあげく、互いのエゴで崩壊寸前だった彼らが、一瞬にしてここまで一体感のあるライブバンドになれるのが驚きです。音楽のミステリーというか奇跡。ビリー・プレストンにかなり助けられてますけど(笑)。

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●ついで、フィル・スペクターがいじくった音源。私は好きですが。

 ご存じのように、スペクターにより最も辱め(?)と受けたのが、 Let It Be と The Long and Winding Road なわけですが、その wall of sound 部分の音質は旧盤よりかなり生々しいです。

 Let It Be でのスペクター風に加工されたブラス音(すごいです)、The Long and Winding Road の "many times I've been alone..."で繰り返される音階風パッセージでのストリングスの繊細な響き具合とか(ベスト盤 1 のバージョンもなかなか良かったです).....って文字で書いてても虚しいだけですね。

 書き出したらきりないですが、Across The Universe でのジョンのヴォーカルの深々とした響きも素晴らしいです。

●もちろん、新盤でまったく聞こえなかった音が突然聞こえだしたとかいう話ではないし、旧盤CDだって、無数に作られた初期のCDのなかでは丁寧に作られたクオリティーの高いマスタリングだと思います。どっちも音楽の印象は同じ、という人がいても不思議ではないでしょう。

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 でも、私には新盤が圧倒的に素晴らしい。

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