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カテゴリー「Paul McCartney」の9件の記事

2015.05.03

ポール・マッカートニー、2015年来日公演を観る(東京ドーム初日と日本武道館公演)

●ポール・マッカートニーの2015年日本公演。私の観たのは、4月23日の東京初日・東京ドーム公演と、4月28日の日本武道館公演の2公演。

●時系列は逆ですが武道館公演から。

 1960年代前半生まれの私のような人間にとっては、75年の幻の来日公演、80年の公演中止の無念があるので、ここでポール・マッカートニーのコンサートを体験できるのはやはり感無量です。チケットの売り方とかよろしくないとは思いましたけど。買ったのは一番安いB席。当日は現場に向かいながら、じわじわ高まる不思議なワクワク感。

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●どういう事情かほぼ1時間半遅れ、8時頃に、経験のないような大歓声でステージに登場して、Can't Buy Me Love と始まった瞬間の、会場全体が一気に Rockin'になだれ込んでいった光景はやっぱり特別でした。見果てぬ夢とは知りつつ Venus and Mars/Rock Show のオープニングもちょっと期待しましたけど。とにかく、最初から最後までお客さんの熱気が半端じゃなかった。自分はこういうロックショーというのは経験がないです(若い人たちが普通に聴いてる身近なバンドでは当たり前で特別でもないんでしょうけど)。

●全体の印象は、ストレートなロック・ショーを聴いた満足感。ドームのショーではあった、ジョン、ジョージへのトリビュートである Here Today や Something がなかったことが却ってポール自身のストレートなロック・ショーとしての印象を強くしたと思います。特に中盤、Lady Madonna、(「セカイハツコウカイ」と日本語で語って始めた仰天の)Another Girl、Got To Get You Into My Life、Ob-La-Di, Ob-La-Da、Back in The U.S.S.R と連続するあたり(実際は Ob-La-Di の前に、ゆったりしたテンポの Mr. Kite が挟まってます)。私的には Another Girl、Got To Get You Into My Life での高揚感がこの日のピーク。Birthday は日本でやったのは初だったそうですが気付きませんでした。たぶんDVDで見た海外公演と記憶が混濁してるんでしょう。One After 909 は、「ひえー、出たー」って感じでやはり感激。

●ドームではあった目まぐるしく変わる映像による演出はなく、ステージ後ろは真っ黒。そのことは演奏に対する集中という点では良かったのかな(昔のロック公演はそういうのが普通でした)。Let It Be では主催者が各席に配布したライトがいっせいに光って独特の雰囲気。歌い出しでポールの声が動揺したように不安定になってましたが、彼自身あれを見て何か感じることがあったのだと勝手に思うことにします。Mr. Kiteの照明効果は広すぎない空間に光が交錯する感じで、発光点と光が投影される天井が遠すぎて間延びしたように見えてしまうドームでのそれよりもずっと綺麗でした。あと、ステージ平面上に浮き出る照明効果がものすごく凝ってる。ドームだと見下ろす席は遠いのでインパクトは薄まりますから。武道館でも10万円席からは分かりにくく、見下ろす2階席からの方が綺麗に見えたはず。

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●2時間弱のショー。フル・ショーだったドーム公演より短く、終わってから、Jet、Band On The Run、The long And Winding Road いった定番曲がないことに気付きましたけど。まあ不満は特にないです(笑)。終わった後はボーッとして、会場を去りがたい気分。月並みな表現ですが夢の一夜の終わり、という感じ。高すぎるチケット代に「こんな値段なら少し金足せばロンドン行けるし、ロンドンで見た方がましじゃん」とも思いましたけど。今回のショーは東京の日本武道館だから出来たショーであって、世界中どこでも再現不能。仮に二度目の武道館があったとしても今回のような雰囲気にはならないと思います。日本ツアーのfacebookページにあるポール・マッカートニー本人の言葉、「初めてここ武道館に立った日のことを思い出しながら、今夜の素晴らしい観客の前で演奏することができ、とても心動かされ、感極まる体験でした。49年ぶりに武道館に戻ってくることができて、とても興奮したと同時に、これまでの日本のショウでも最高のものだったと思います。とてつもなくクレイジーで、最高な夜でした。」は社交辞令ではない本心だと思います。ほんとに「とてつもなくクレイジーで、最高な夜」でしたから。
原文は、It was sensational and quite emotional remembering the first time and then experiencing this fantastic audience tonight. It was thrilling for us and we think it was probably the best show we did in Japan and it was great to be doing the Budokan 49 years later. It was crazy. We loved it. で、最後の文に少し意訳がはいってますけどね。)

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 一生忘れられない、スパーブな2時間でした。

●ドーム公演についても触れましょう。

 内容がほぼ2013年の公演と同じだった(ツアー名が同じOUT THEREツアーなので当たり前)ので新鮮味が薄れたのは仕方ないです。自分自身はチケットも前回同様友人頼みで、粛々と当日を迎えたという感じだったし。I Saw Her Standing There のような曲は以前なら血湧き肉躍るように興奮したと思いますが割と冷静。喜んでる会場を観察してたり。むしろ淡々とアコースティックなセットが続く中盤、We Can Work It Out、I've Just Seen A Face、Another Day といった曲のメランコリックな部分にふと心奪われました。Here Today だって以前聞いた時よりもストレートにジーンときたし。まあ、ポールも老いましたが、こっちも老いました。

●なんか淡白な書き方ですが、そんなことは全然ないです(笑)。セットリストを眺めながら振り返ると、あそこはああだった、こうだったとクラクラきますし。武道館がストレートなロック・ショーだとすれば、ドームは曲数もずっと多いしバラエティ豊か。この人の煌めくようなキャリアの総決算、色んな要素が混然となった面白さという点では、ドーム公演は2013年の前回同様、素晴らしかったです。

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 声は前回からさらに不安定になったとはいえ、体型はビートルズ時代と変わらず。時々スクリーンに映される背後からの演奏姿なんて、ビートルズの頃と全く一緒なのには陶然とさせられました(クラプトンやディランは全然変わっちゃいましたからね)。

●ポール・マッカートニー自身、ビートルズとして最初に来た時は日本という国は未知のエイリアンの国だったと思うし、それはソロでの初来日が実現した90年でもそうだったんじゃないかと思います。彼自身の間抜けさとはいえブタ箱に入れられたイヤな思い出もあるし。何よりポール・マッカートニーという人は、ジョン・レノンのように異文化に越境して行くような人じゃないですから。ただ、何度か来日して公演を重ねていくうちに、日本という場所がエイリアンでない、普通に演奏して楽しい身近な国にじわじわとなっていたのではないかなと勝手に思ってます。

●いつまでもお元気で、サー・ポール。

2011.06.29

生誕75周年のバディ・ホリー・トリビュート・アルバム、RAVE ON BUDDY HOLLY

●バディ・ホリーの生誕75周年を記念して、ファンタジーからトリビュート・アルバムが出ました。生誕75周年って、まだ生きていても全然不思議ではないのですが、もちろんホリーは半世紀以上前に此の世の人ではありません。

Rave on Buddy Holly
Rave on Buddy Holly

 アートワークは恐ろしくシンプル。2つ折りのペーパー・スリーブですが内側には恐ろしいことに何も書いてありません。ブックレットには各曲の参加ミュージシャンは記載されてますが、録音時期は未記載。

●全19曲、52分。LP時代だったら2枚組になるボリューム。

 参加者中、私の知ってる人はポール・マッカートニー、ニック・ロウ、パティ・スミス、ルー・リード、グラハム・ナッシュといった一部の高齢者の皆様だけで、ほとんどの人は知りません。

●ポール・マッカートニーのIt's So Easy から聴いたのですが、あっさり淡々とやってるかと思いきや、これがかなりヘビーなサウンドでシャウトしまくり。やっぱマッカは侮れませんなあ。化け物。これ1曲でもう満足してしまいましたよ私は。

●各ミュージシャンそれぞれ、好き勝手にやりたい放題という感じですが、アルバム全体で散漫な印象を受けないのは原曲の素晴らしさなのでしょう。聴き出したら、もう一気にワクワクで聴けました。

 Jenny O のI'm Gonna Love You Too なんて、ポップス聴くプリミティブな喜びに満ち満ちてていいなあ。ゆったりとしたバラッドに仕上がったパティ・スミスの Words of Love も独特の美しさ。マッカやパティのぶっ飛び具合に比べたら、最後にしみじみ聴かせるグラハム・ナッシュは全然まともです。

 もちろん、イマイチ好きになれないのもありますけど。Julian Casablancas (The Strokes) の Rave On とか。ルー・リードの Peggy Sue も個人的には微妙。

●こういうトリビュート・アルバムを聴いて、なかなか良いなと思い、未知だった若いミュージシャンの作品に手を出してみることもあるのですが、いざ聴いてみると残念ながらあまり夢中に聴けないことがほとんど。2001年に出たSun Records へのトリビュート・アルバム Good Rockin Tonight で聴いた Matchbox 20 とか。年取ると好奇心落ちますわ。たぶん今回も同じだと思うので漁ることはしないかと。

●発送メールが来るまで注文したことすら忘れていて、そんな期待していたとは言えないアルバムですが、予想以上に面白かったです。繰り返し聴きそう。

2010.02.01

ポール・マッカートニーの Amoeba Music ライブの12曲入り盤

●2007年6月27日に、インディペンデント系レコード店の Amoeba Music ハリウッド店で行われたストア・ライブのライブ盤。

 ポール好きには知れ渡ったイベントで、4曲入りのミニアルバムはすでにCD化済みでしたが、このたび、イギリスのタブロイド紙 The Mail on Sunday 1月17日版のオマケとして12曲入りのディスクがリリースされました。これが新聞のオマケとは太っ腹ですなあ。

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 上写真は、左が4曲盤で、右が今回の12曲盤。使われてる写真は同じ。オマケ盤の紙質はペラペラであまり良くなく、いかにもオマケ。

 12曲盤の方は、右上にmplとThe Mail on Sundayのロゴ、左上に PAUL McCARTNEY LIVE IN LOS ANGELES というタイトル、左下にTHE GRAMMY NOMINATED AMOEBA SHOW の文字。

●リリース記事については、姉妹紙の Daily Mail 紙のWeb版 Mail on Line で読めますが、オマケなのでCD自体は本来無料。
 新聞を入手してCDもゲットというのが清き正しき入手方法と思われますが、私は立ち寄ったCDショップで見つけたので購入。1500円弱。

●ヴォーカルがあまり臨場感のない音でミックスされていて、小会場ぽい音という感じはあまりしないですが、Black Bird の歓声なんかはモロ小会場っぽい雰囲気が漂っていてなかなかよいです。

 4曲盤の曲間がすべてフェイド・アウトだったのに対し、12曲盤は編集されてはいるもののちゃんとつながってます。I Saw Her Standing There 前には、当日現場に来てたリンゴ・スターを紹介するシーンも収録されてます。全体的に、当日の会場の雰囲気は良く伝わってくるかなと。

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2009.12.21

P.マッカートニー、Good Evening New York City (2CD+2DVD)

●今年の6月に3日間に渡って行われたNYメッツの新スタジアム Citi Field の開幕記念コンサートのライブ。2CD+2DVDの限定盤。

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 CDの方は曲間のコメントがばっさりカットで演奏オンリー。しかも曲間のタイミングが短いのでせわしなくてちょっと変な感じ。ミキシング担当はジェフ・エマリック。

 4枚組の国内盤はほとんど完売状態のようですが、輸入盤はまだちょろちょろ見かけますので、買う方はお早めにどうぞ。

●前作の Live In The US 2005 はライブシーンのあまりにもせわしない編集でうんざりしましたが、今回はそれほど酷くはないです(あらためて見比べてません。今見ればそうでもないかも)。何より、前回のDVDのような各界のVIPに登場させて「偉大なるポール様万歳」発言を繰り返させるクソ演出がないだけ数十倍マシです。
 ちなみに本作は directed by Paul McCartney という記載があるだけで、前2作のプロデューサー兼ディレクターだった Mark Haefeli の名はどこにもクレジットされてません。

 ステージ両脇に東京競馬場にある巨大ターフ・ビジョンを縦置きしたような巨大モニター。デカ。

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 以下、戯言少々。

●I'm Down は1965年のビートルズのシェイ・スタジアム公演の映像・音源を編集で挟み込んだバージョン。ギミックと言えばそれまでですが、Fab4 のあまりにも若い姿にホロリとしながら見てしまいました。

 65年と言えば、このCiti Field でのショーの45年前。仮にビートルズが解散した1970年を起点に45年遡るとなんと1925年でっせ。1925年のポピュラー音楽ってどんなん?(笑)。今から45年前のポピュラー音楽の違和感のなさというか、古ぼけなさというのはすごいなと。

 68才で、2時間半のショーをこれだけの水準で見せてしまうというのはやはり怪物です、この人。

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●Let Me Roll It はエンディングにジミ・ヘンドリックスの Foxy Lady が付いたバージョンですが、演奏後のコメントでジミを称えながら、「サージェント・ペパーのリリース直後にすぐにジミがステージでやってくれた」云々というのがあるのでホントかいなと思い調べてみるとその通りでした。

 ペパーのUKリリースは67年6月1日ですが、ジミはその3日後の6月4日に、ロンドンのシャフツベリー(Shaftesbury)にあったサヴィル・シアター公演の1曲目で、サージェント・ペパー演ってます。しかも2曲目がなんと Foxy Lady・・・

 ということは、このショーをポールは見てるということなのでしょう(ルイーソンの The Complete Beatles Chronicle には何も書いてありませんが)。
 ジミおそるべし・・・ポールの記憶力もすごい、というか、はっきり覚えてるくらいの印象的な出来事だったということでしょう。そりゃそうだ。

 上のコメントの中で、ジミがステージからクラプトンに冗談めいたコメントをした話が出てきますが、ジミのサヴィルのショーをECが見てる可能性は充分すぎるほどあります。というか見てないわけがない。

●限定盤に付いたボーナスDVDは、エド・サリヴァン・シアターの看板上での抜き打ち?野外ライブ。日本じゃ警察が絶対許さないだろうというような状態。NYおそるべし。

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●12月は欧州ツアーのポールですが、日本には来る気配は今のところなし。
 この人にとって日本というのは物理的な距離はもちろんですが、心理的な距離感が大きいんでしょうね。このライブを生で拝めないというのは残念ですが。

2009.10.01

ポール・マッカートニーの2009年ライブ Good Evening New York City がCD/DVDで11月に発売

●今年の7月にニューヨーク・メッツの新本拠地 Citi Field で行われた、ポール・マッカートニーのコンサートライブ盤 Good Evening New York City が出ます。US発売は11月17日、UK発売は23日。

ライヴ・フロム・シティ・フィールド[CD+DVD]
ライヴ・フロム・シティ・フィールド[CD+DVD]

 City Field でのショーはこんな感じで、あらためてこの人はバケモノじゃないかと思ったので、正規盤で見れるのはうれしいです。正直クラプトンのRAHよりこっちに行きたかった・・・


●スタンダード・エディションが2CD+1DVDの3枚組、デラックス・ヴァージョンが2CD+ 2DVDの4枚組。
 デラックス版のボーナスDVDには、6月15日のNY、エド・サリヴァン・シアターの宣伝看板上での演奏や、デヴィッド・レターマン・ショーの未放映曲が収録されるそうです。

 7月17日のセットリストはこんなんでした。

Drive My Car
Jet
Only Mama Knows
Flaming Pie
Got To Get You Into My Life
Let Me Roll It
Highway
The Long and Winding Road
My Love
Blackbird
Here Today
Dance Tonight
Calico Skies
Mrs. Vanderbilt
Eleanor Rigby
Sing The Changes
Band on The Run
Back in The U.S.S.R.
I'm Down
Something
I've Got a Feeling
Paperback Writer
A Day in the Life/Give Peace a Chance
Let It Be
Live and Let Die
Hey Jude

-encore1-
Day Tripper
Lady Madonna
I Saw Her Standing There (w/ Billy Joel)

-encore2-
Yesterday
Helter Skelter
Get Back
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)/The End

 67歳。元気過ぎますわ、ポール。

2008.07.14

ジョンとポールの住んだ家に行く(番外編)

 ジョンとポールの住んだ家に行く「番外編」です。たぶん読んでも面白くないかと(自虐)

●実は、ツアー集合地点にたどり着くまで一苦労というか、冷や汗体験。自分の準備不足が悪いんですが。

 まずは、ヴァージン・トレインで Liverpool Lime Street 駅に到着。でも、お家訪問ツアーに申し込んだのがその3日前。下調べ適当。リヴァプールの地図・観光案内すら持ってない。

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●で、参加したジョンとポールのお家訪問ツアーですが、冬場の一時期を除き、1日4回実施されてます。

 午前中の2回が市の中心部、シティー・センターにあるコンサーヴェイション・センター(The Conservation Centre)発・戻り。
 午後の2回は、市内の名所 Speke Hall 発・戻り。午後の2回は、Fab4目当ての人に Speke Hall も見てもらおうという配慮(策略)なんでしょう。

午後のツアーの難点は、Speke Hall 直行の公共交通機関がないこと(笑)。で、昼前リヴァプール着の私の申し込んだのは Speke Hall 発のツアー。

 とりあえず、駅構内で地図を買いましたが、Speke Hall までどうやって行くか、地図見てもまったく分からん(T.T)。地下鉄駅構内にある地図によると一番近い駅は、Liverpool South Parkway 駅らしいんですが、買った地図に駅が載ってない(泣)。

 Speke Hall に一番近い、著名公共施設はジョン・レノン空港ですが、ジョン・レノン空港へ鉄道は乗り入れてない(トホホ)。

Map

●結局、空港最寄り駅の Liverpool South Parkway 駅まで行って、バスかタクシーにでも乗るかと。

 Liverpool South Parkway 駅に行く電車です。2両編成(写真は帰りに撮った同型車両です)。

Traintosouth

 発車しました。Liverpool South Parkway 駅に着きました。電車降りました。どう見ても田舎駅。

●降りた人は2人(笑)。地図に載ってない理由がわかりました。駅がピカピカ、出来たばかり(2006年オープン)。地図の改訂が間に合ってないんです。そんな地図を駅で売らんでくださいな・・

 予想通り、駅にはタクシーなんて1台もいない(ガハハ)。というか駅構内に客の姿が異常に少ない。無駄に広い構内に全部で10人もいない。

Southparkway

 駅構内には、巨大な障害レースの壁画が・・・

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 この壁画を見た瞬間、この駅が最も人で溢れる日が分かりました。

 英国ではダービーよりも盛り上がるという、英国競馬最大のイベント「グランド・ナショナル」障害レース。実は「グランド・ナショナル」が開かれるエイントリー競馬場(Aintree Racecourse)がリヴァプールの北部にあります。

 おそらくグランド・ナショナルの日には、英国・欧州中の競馬ファンが、ジョン・レノン空港から、この駅へやってくる。壁画を見て、「これからグランド・ナショナルに行くぜえ」で盛り上がるんでしょう(ほんとかいな)。

●幸い空港行きのバスが来たので飛び乗り、空港へ。

 小走りで空港のタクシー乗り場に行き 「Speke Hall へ」と告げると、ドライバーのお兄さんの話す言葉は、すんごい訛でとても英語とは思えない(泣)。こっちのヘボ英語もようわからん様子で、書類を見せてどうにか分かってくれた模様。ちなみに、Speke はスピーキーと発音するようです。

 とりあえず、ガンガン飛ばし、無事 Speke Hall に着きましたわな。タクシー代5ポンド弱とチップ少々。しばらくするとツアー用バスが到着。

Busspeke

 ちなみに Liverpool South Parkway 駅から空港まで歩くのはほぼ無理。空港から Speke Hall まで歩くのもほぼ無理ですので、行かれる方はご注意を(地図上は歩けそうに見えるのが恐ろしい)。

 ツアーに出発したバスは無事メンローブ・アヴェニュー251番に到着。左の黒い服の人がガイドさん。ポールの家のガイドさんと違って、ちょっと学究的な雰囲気。

Men251

●で、話は飛んで、ツアー後の帰りルートですが、Speke Hall からの公共の交通手段はありません。どんなツアーだいったい・・・

 ポール宅のガイドさん曰く「街の中心部に戻りたい人は、Speke に戻らずここで別れて市バスに乗るといいよ」。

 ということで(ポールの家を出て、左に行き、突き当たりを渡らず左に行くとすぐバス停があります)、市バスで無事 Liverpool Lime Street 駅まで戻りました(City Center 行きバスなので、Lime 駅手前の停留所で降りて)。
 ツアーに参加してた3人組のオージーも市バス帰り組でしたが、他の人たちはどうやって、どこに戻ったのでしょう・・・

 そういえば、地下鉄改札前にいた関西弁の女の子3人組はちゃんとガイドブック持ってたなあ・・・無事観光したことでしょう。私と違って。

 「お家訪問ツアー」に行かれる方は、早起きして、午前の The Conservation Centre 発のツアーにした方がよろしいと思います。

●帰りはぐったり疲れて、ヴァージン・トレインでロンドン、ユーストン駅へ。

 疲れた・・・

2008.07.12

ジョンとポールの住んだ家に行く

 UK訪問の続きを、あと数ネタ。

●リヴァプールにあるジョンとポールの住んだ家を見てきました ロンドンから電車に乗って日帰りで。

 2つの家とも、ナショナル・トラストが管理していて、内部に入れるツアーは、ナショナル・トラストのツアーだけです。The Beatles' childhood homes というタイトルのツアーで、Mendips にあるジョンの住んだ家と 20 Forthlin Road にあるポールの住んだ家訪問。ツアー代15ポンド。

 このツアー体験者のご報告はすでにネット上に溢れてますが、以下、屋上屋を承知で私も一筆。

●現地でこんな恥ずかしい(ギャ~)ミニバスに押し込まれてツアー出発。左にいる緑のメタボ系オヤジがドライバーの人です。

Bus

 まず、ジョンの住んだ家から訪問。ミミおばさんの家ですね。

 こちらは家の前のメンローブ・アベニュー。日本なら間違いなく高級住宅地の(というか高級住宅地にもない)美しい通りなんで驚きました。

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 帰国して開いてみた、あのドデカイ本 THE BEATLES ANTHOLOGY の中に、ジョンのこんな言葉が載ってました。


ペニー・レーンを離れて郊外のミミおばさんの家へ移った。ウールトンのメンローブ・アベニュー251番地にあって、ふたつの建物が仕切り壁でつながった小さな庭のある家だった。近所には医者や弁護士といった人たちが住んでいて、よく言われる貧しいスラム街のようなところじゃないんだ。僕は郊外に住む小ざっぱりとした感じの子供で、階層で言えば公営住宅に住んでいたポール、ジョージ、リンゴより、半階級は上だった。うちは庭付きの持ち家だったんだからね。ある意味で僕は3人より恵まれていたのさ。1980年
(THE BEATLES アンソロジー、10p)


 家の外観です。

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 出っ張ってる部分が玄関ですが、ジョンはもちろん、ジェーンシンシア、ポール、B.エプスタインといった親しい人も左奥の勝手口から出入りしてたそうです。
 ジョンの部屋は玄関の上に見える2階の部屋です。

 正面から見て外壁の右あたりに、English Heritage のブルーのプレートが見えます。下の写真はプレートを拡大したもの。

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 プレートにはシンプルに、「ジョン・レノン 1940-1980 音楽家・作曲家 1945-1963 の間ここに住む」と書いてあります。ちなみに、これも English Heritage のプレート。

 ツアーも、かつての友人達同様、裏の勝手口から入場。当時からあった鉄柵の向こう、ちょど玄関の真裏が勝手口です。

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 家の左側から裏にかけて小さな庭があり、そこからストロベリー・フィールズの敷地内へ抜けられたそうです。ジョンは、下の写真の左奥あたりから抜けていったんでしょうか。

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 残念ながら、家の中は写真撮影厳禁。荷物はいったん室内の物置のような所に預けます。

 中では、キッチン、居間、ミミの部屋で、かなり長いガイドさんの説明。説明後は、自由に家の中を見学できます。狭い家の中を10人超の参加者がひしめいていて、正直、あまり感慨にひたる余裕はないです。

 とりあえず、ジョンの部屋で1人ボーッとして、窓から見えるメンローブアヴェニューを眺めてました。置いてあるベッドは残念ながら、ジョンの使用してたオリジナルのものではなく、当時の物で代用してるそうです。

●続いてポールの家。ジョンの家とは全然違います。

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 ポールの家の周囲の雰囲気はこんな感じです。

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 ポールが、アッパーでもミドルでもないクラスの出身だということを実感できます。ガイドさん曰く「地元の人は誰もこないよ」。そりゃそうです。市内に無数にある労働者階級向けの、平凡な家の一つでしかないんですから。地元の人がそんな物見てもなんの感慨もわかんでしょう。
 ポールの家には National Heritage のプレートはありません。彼だって(もしかしてジョンより)、Working Class Hero

 こちらも室内撮影禁止ですが、ポールの家のガイドさんの説明によると、著作権の問題だということです。居間でのガイドさんの説明の後は、室内、裏庭、見学自由。

 室内には、この家に関係する写真が多く飾られているので、狭い居間でギターを弾くジョンとポールの写真を見て、「写真のこの角は、この部屋のあの角だ」なんて確認ができます。ガイドさんも、「ほら、このポールの写真に移ってる窓枠は、この部屋のあそこの部分だよ」みたいな感じ。

 この人がガイドさん。ポール似(笑)。動作も意識してます。左奥に写ってる水色の服のお兄さんはガイドのアシスタントの人。少し知的障害があるお兄さんでしたが、私には裏庭のトイレのことを、ニコニコ説明してくれました。

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●2つの家を見て感じたのが狭いこと。日本人の家がウサギ小屋なら、2人の家も十分「ウサギ小屋」。ジョンの部屋なんて4畳あるかどうかという狭さ。居間も、キッチンも、みな狭い。このページを下がっていき最初に出てくる写真がジョンの部屋です。

 ということで、リヴァプールくんだりまで来て、ここだけ見て日帰り(トホホ)・・・・・したわけですがツアー出発地点にたどり着くまでがまた一苦労。

 続く(はず)。

2007.09.02

P.マッカートニー、「ライヴ・イン・ザ・US 2005」DVDを見て戸惑う

●前回のエントリーで、ちょっとマッカ・モードに入ったので買いました。2005年の全米ツアーの記録。去年の11月発売ですけど例によって今頃。

ライヴ・イン・ザ・US 2005
ライヴ・イン・ザ・US 2005

●「戸惑う」などと書きましたが、本音は「怒る」です。

 前回同様、ショー全体をそのまま見せるというより、ドキュメンタリータッチ。これはまあいいでしょう。

 うんざりしたのが、音楽に集中しようとするこちらの気持ちをズタズタにしてくださる、マルチカメラのせわしなさ過ぎる編集。曲の構成なんてお構いなしに、頻繁に切り替わること切り替わること。演奏シーンだけでなく、楽屋その他のシーンも含め、5秒以上のカットを探し出すのがほとんど困難です。ほとんど支離滅裂なシークエンス。プロデューサー兼ディレクターは、前回同様、Mark Haefeli

 あまりにもヒドいんで、思わず、コンサート物の映像をいろいろ引っ張りだして見てしまいました。最近出た、ストーンズの The Biggest Bang も、マルチカメラのかなりスピーディーな編集ですが、こちらは冒頭から、ストーンズのショーにグイグイ引きずりこまれます。第1回クロスロード・ギター・フェスティバルも見直しましたが、なんと謙虚に演奏者達の姿を撮影していることか・・・

 いったいこの違いは何なんでしょう。簡単です。Mark Haefeli には、少なくとも音楽映像で人を感動させる才能がない(言っちゃった・・・)。ジョナサン・デミの撮った、ニール・ヤングの Heart of Gold でも見て少しは勉強してください。デミが、どれだけ謙虚に音楽の前でひざまづいているか。
 
 前回同様、演奏中にお客さんの姿が挿入されてますが、今回は度が過ぎてるのではないかという位多いです。「ほらほらポールの音楽に、みんなこんなに感動してるんですよ~」の押し売り。
 ポールが偉大なことなんてもうみんな分かってます。もうちょっと演奏に集中させてくださいな。I Will が始まるやいなや、接吻する馬鹿ップルなんて映されても萎えるだけです。客席にジャック・ニコルソンがいることがそんなに大事ですか?

●そしてとどめが、頻繁に登場する各界著名人のコメント。わたしゃ正直呆れました。

 スティーブ・ジョブズやビル・クリントンまで担ぎ出したあげく(トホホ)、皆さんのコメントが、ものの見事に結婚式の来賓祝辞なんですな。胸を打つコメントなんてほぼゼロ。
 エディー・ヴェイダーにコメントさせて、「ポールの音楽は現代のクラシックだ」・・・・んなこと、その辺歩いてるオッサンだって言えるでしょうが!
 一番悲惨なのが数回登場しては痛々しいコメントを繰り返す、カリフォルニア州立なんとかの教授ですが、コイツはもうどうでもいいです。わたしゃコイツをグーで殴りたい(怒)。ウソだと思ったら見てみてください。

 ドキュメンタリー仕立てながら、舞台外の人たちの言葉をちゃんと聞かせようという配慮もないです。前回の Back in The U.S.は少なくともその点はマシでした。

 なんてこと書いて、見て感動したという方には申し訳ないです。
 でもウソ書いても仕方ないので正直に書きましたです。m(__)m 

●とにかく、編集に落ち着きがない。結果として、25曲以上も収録しているのに、ダイジェストを見せられたような中途半端な印象が残るだけでした。

 ポールさん。何よりも雄弁なのはあなたの音楽なんですよ!

2007.08.29

P.マッカートニー、iTunes Festival Live を聴く

●7月に、ロンドンの Institute of Contemporary Arts で開かれた iTunes Festival での、ラッキーな小数の観客下で行われたライブです。たぶん iTune Music Store の独占配信

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 収録は以下の6曲。全23分弱。日本のストアでは900円。アメリカでの値段が5.94ドル・・・ま、いいか。

 Coming Up
 Only Mama knows
 That Was Me
 Jet
 Nod Your Head
 House of Wax

 6曲のトラックは切れており、その他に演奏された曲があるのかは私は知りません。

Coming Up と Jet 以外は最新アルバム Memory Almost Full 収録曲。結局日本公演はなかった前回のツアーで声の衰えがちょっと気になりましたが、いいじゃないですか、コレ。新曲も佳作揃いで良いですが、私のようなオッサン世代は Jet を聴いてると目が熱くなります。
 例の離婚問題を抱えてるポールですが、逆に吹っ切れたかのように突っ走ってます。

 高い音域で歌う House of Wax では声出すのがちょっとキツそうですが、逆にそういう曲を自分に課してしまうというのは、すごいことではないかと。やはりこの人は只者ではないです。ポール・マッカートニー、65才!

 Memory Almost Full はまだ買ってないですが、限定盤がなくならないうちに買いますかな。

●ちなみに、米iTune Music Store では、Nod Your Head のビデオ(スタジオ・ヴァージョン)が期間限定で無料でダウンロードできます(要、米ストアのアカウント)。
 ストアのレヴューでは酷評されてますが、愉快じゃないですか、この馬鹿馬鹿しさ。ちなみにリンゴも登場してます。

 残念ながら、日本のストアにはありません(ガク)。

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