テスタメントによる、ジュリーニ/ベルリン・フィルのライブ音源を聴く
●偉大なるTestament レーベルから出た、偉大なるジュリーニ指揮ベルリン・フィルのライブ音源から、ブルックナーの2曲を買ってみました。
1984年2月録音の第8番と1985年3月録音の第7番。ベルリンの壁崩壊のわずか4、5年前。たぶん共に定期演奏会のライブ。当時ジュリーニは69才から70才にならんとしてた頃で、キャリアの頂点かと。
当時は、NHK-FMで定期的に放送されるヨーロッパの放送局収録のライブ音源の放送日程をFM誌で律儀にチェックしては、せっせと聴く生活を送ってたのですが、85年のブルックナーの7番は、自分が驚愕しながら聴いた演奏で、カセットテープの録音を繰り返し聴きまくりました。あげくカセットでは音が物足りないのでブートにも手を出すわで。
●彼はこの2曲をほぼ同時期にウィーン・フィルとも演奏していて、ドイツ・グラモフォンはそちらの録音をリリースしたわけですが、ノヴァーク版準拠でアッチェレランドする7番の1楽章コーダで、付点リズムで咆哮する金管群の剛直さをベルリン・フィルの演奏で味わってしまうと、ウィーンの演奏はちょっと物足りないです。
●7番でのクラリネットの演奏が非常に素晴らしく、少し太めの音が印象的なのでザビーネ・マイヤーかな、と思ったのですが、Wikipediaの記述で調べるとマイヤーは例の騒動で退団したのが83年とあります。とすると、このクラリネットは誰なのだろう?
●昔放送で聴いたライブ音源のディスク化では、イコライズが過剰に施されてることがしばしばで、ディスクで聴いてがっくりということも少なくないのですが、このジュリーニ/ベルリン・フィルのブルックナーは当時聴いた印象と完全に一致する音質で、4半世紀前の当時の感動がまざまざと蘇ってきます。マスタリングは Paul Bailey.
●この演奏をオフィシャルリリースで聴けるとは至福。Testament恐るべし。
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