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カテゴリー「Clapton」の198件の記事

2016.08.08

クラプトンの06/07ツアーから、J.J.ケイル参加のサン・ディエゴ公演のライブ盤が正式発売

⚫︎スティーヴ・ジョーダン/ウィリー・ウィークスというリズム・セクションに、ドイル・ブラムホールとデレク・トラックスという2人の素晴らしいギタリストを擁した、クラプトン聴きにはもはや伝説感のある2006/2007ツアーですが。そのツアーのライブ盤の発売が突然発表されました。しかもJ.J.ケイルが唯一参加した2007年3月15日のサン・ディエゴ公演の完全版です。発売予定は9月30日(国内盤未定)。

Eric Clapton Live In San Diego With Special Guest JJ Cale
Eric Clapton Live In San Diego With Special Guest JJ Cale

⚫︎あれだけ素晴らしかった2006/2007ツアーの公式音源ですが、残念ながらツアー本体のライブ盤は未発売。サン・ディエゴ公演は録音・撮影されたという話を聞いたものの(一部はJJへのトリビュート・アルバムのプロモ映像で使われてました)、映像でのみ発表されたのは、同じメンバーにスティーヴ・ウィンウッドらが加わった2007年7月のクロースロード・ギター・フェスティバルでの演奏になってしまいました(これも素晴らしかったですけど)。レコード会社の偉い人は、同じような物を二つ出しても仕方ないという判断なのでしょうけど。

ファンの高音質な私的ライブ録音で溢れかえる最近ですが、こういう大事な公演にもかかわらず、この日の客録音源は質の良くないものしかなかったので、正式盤の高音質で拝めるのはとてもありがたいです(もっと色々出してくださいね)。

⚫︎今回のリリースは残念ながら音のみで、映像のリリースはなし。商売気がないというか。今回はプロモーション用にAnyway The Wind Blowsのフル映像が公開されましたが、これ見たらファンは全部見せろやと思うに決まってるでしょうに。


 J.J.ケイルが参加したのは、中間のシットダウン・セットの5曲。近づいてカルテットのように演奏する4人の目線を捉えた瞬間は見物です。客撮りの映像を見るとコカインではECは完全にJJの方に横向きになっちゃってます。

⚫︎もう10年以上前の公演。時が経つのは早いです。1年2ヶ月ぶりの更新でした。

Eric Clapton Live In San Diego With Special Guest JJ Cale

01. Tell The Truth
02. Key To The Highway
03. Got To Get Better In A Little While
04. Little Wing
05. Anyday
06. Anyway The Wind Blows (with JJ Cale)
07. After Midnight (with JJ Cale)
08. Who Am I Telling You (with JJ Cale)
09. Don't Cry Sister (with JJ Cale)
10. Cocaine (with JJ Cale)
11. Motherless Children
12. Little Queen Of Spades
13. Further On Up the Road
14. Wonderful Tonight
15. Layla
16. Crossroads (with Robert Cray)

2015.05.30

クラプトンの最後の?アルバートホール連続公演終わる

●70歳記念と銘打ったMSG公演(2回)と、恒例のロイヤル・アルバート・ホール連続公演(7回)を終えたクラプトンですが。公演プログラムに載った彼自身のメッセージがとても興味深いものだったので書いておきます(自分は現物を持っておらずいろんな人が上げてくれた画像を見ただけですが)。

皆さんへ

誓って言いますが、これが最後。
これ以上はありません。

70歳までやってきましたが、
30歳過ぎてもやってこれるなんて思いもしませんでした。

この15年、引退ということに脅かされてきましたが、
本当に止めたくなる時が来るとは思いませんでした。

自分のやっていることが好きだし、ずっとそうでしたが、
この数十年で、
自分が探し求めているものが何であるかに気付きました。
自分のありのままを愛してくれる愛しい家族、
必要な時にリラックスできて、休ませてくれる、
そのことの尊さが日に日に募っています。

様々な理由で、
50歳の時に(あるいは60歳の時に)出来たことが少し辛くなって来ました。
なので、猶予を下さいませんか。
時に、前に進むのにもがいているようで、
以前とは違うように見えるとしても。
でも、この誕生日は皆さんと一緒に過ごすことにしました。

願わくば、
また思い起こしては、ここ何年もなんとかやってきたこの老体に息を吹き込むことが出来るのかもしれません。
もし、時々もがいているように見えても
あるがままに自分を信じてくだされば。
一緒に演奏する素晴らしい仲間たちと、
人生の素晴らしい時を過ごす自分を。

今日は来てくれて、ありがとう。
皆さんのために、ベストを尽くせればと思います。

Eric C

●クラプトンがコンサートプログラムにメッセージを載せるようになったのはいつ頃からか記憶にないのですが、2008年のプログラムには載っていました。その時は、ツアーに出るのは億劫で面倒なこともあるけれど、仲間たちと演奏する楽しさがそれを消し去ってくれる、というようなポジティブな内容でした。それから7年が経ち、今度のはストレートに引退宣言みたいな内容です。

 2014年の日本ツアーのプログラムに載った彼自身のメッセージや、その後のUNCUT誌(2014年8月号)に載ったインタビューでも引退についての心境を語ってましたが、今回はさらに強い表現になってます。「誓って言うけど、もうやりません」ですから。

 内容は読んでの通りですが、最後の方を読むと、ペースダウンするけど音楽は続けますよ、とも読み取れるので、まあ悩ましいです。

●70歳は世間では引退してる年齢。お爺ちゃん年齢になって良き家族に恵まれ、親友のJ.J.ケイルを失い(音楽だけでなく生き方もクラプトンにかなり影響を与えてるはず)、RAH公演中にはB.B. キングの訃報に接し、と、定年がない職業とはいえ、自分の人生のフィニッシュを考えないはずはないです。対照的に Never Endling Tour を選んだディランのような人だって思いは一緒のはず。

●RAH公演最終日の映像を見ると、最後のアンコール曲の前に See You Down The Road Somewhere (またいつか、どこかで会うことがあれば)という異例の言葉があったり、演奏後の横並びのお辞儀の後にメンバー間で名残惜しそうにハグしあったり、と異例づくめではあります。RAH連続公演はもうやりませんよ、というだけかもしれませんが。

●自分は、ECが演奏家であることを止められるはずはない、と思うのですが、彼の身なりに対する美意識なんかを見れば、ヨボヨボになりながらステージに立つなんてことは絶対にしないだろうとも思うし、必ずどこかでスパッと線を引くのかなという気もします。いて当たり前だった人が去っていくのは悲しいですけど。

2014.08.19

UNCUT誌8月号のクラプトン・インタビュー その2

Uncut3●お友達に面白いねと言ってもらったので、少し付け足します。実は前回、ここも書こうかな思いつつ明け方まで粘って力尽きました。

 カバー曲について述べている、「逃げてると思うだろうけど。」の部分の続きです。とっても興味深いことを言ってます。

 インタビューワーは、「それは謙虚すぎるように思えますが」と、どんぴしゃりな問いかけをするのですが、それに対してECは、「謙遜かどうかはわからない。はぐらかす戦術かもしれない」と答えてます。

●それに続くやりとりが以下の部分。


- インタビューワー: 何をはぐらかすんですか?

 ハードワークにならないようにはぐらかしてる。でも、分からないというか、ある程度までは、カバー曲をやるのは簡単な抜け道なんだよ。カバー曲をやろうとしたら、まず曲を習得しなきゃならない。That Lucky Old Sun をやったとしようか。素晴らしい歌だよね。「なんだ、出来るじゃない」って思うんだよ。そこまでが自分の諦めみたいな結論。そのうえで「何だ、出来るじゃない。ちょっとレイ・チャールズっぽくやってみようか。でもギターでだよな」。ところが、ダンスフロアに出て、どうプレイするか分かってるピアノ弾きと一緒にやるとしよう。あれこれコードを覚えなきゃならなくて、それでもちゃんと鳴らせないんだよ。実際は、まさかと思うようなチャレンジしなきゃならないことが、どんとひとまとまりでやってくる。ちゃんと歌詞が分かってるように、歌いこなさなきゃみたいな感じでね。それで、曲の中に入り込んで、偽物ぽくない、他のたくさんの古いカバーみたいに出来るにはどうこの曲を解釈すればいいか考えなきゃならない。ある曲を解釈するのは、一曲書くより骨が折れる、それが自分が言ってること。ある程度までやって、そこで止めてしまって、「なんだ、簡単な抜け道じゃない」っていうのが、ありがちなんだよ。でも、昔の曲に息を吹き込むっていうのは、もっとタフなことなんだ。

●まあ、実に誠実と言うか。何気ないカバーの背後にこんな思索があったとは、という感じです。ダンスホールで演奏するなんて、今のECにはあり得ないわけですけど、そういうことまで想定して曲を解釈してるということです。立派。

 自分の経験では、たまにプロのリハーサルを見る機会のある時に(バンドじゃなくプロのオーケストラですが)、意外なところにこだわって繰り返しやり直したりしてるのを見て、自分が考えたこともなかった曲の意外な側面が見えてきたり、ここはこんな音が背後で動いてたんだ、みたいに目からウロコになることがあるんですね。だから聴く側も、一度聴けば全部分かるぜ、みたいな自信家の人以外は、「なんだまたカバーかよ、けっ!」なんてタカをくくらずにちゃんと聴いてあげましょう(笑)。

●あと、前回紹介した部分にあった「働きたくない」とか、今回も「ハードワークになりたくない」という部分がありますけど。それは単純に怠けたいというのとは違うんじゃないのという気もします。以前、デレク・トラックスがECから学んだことは、「弾き過ぎないこと、エリックが弾き過ぎないのは作曲する人だから」みたいな発言をしてましたけど。作曲する人は弾き過ぎない、という、凡人には理解しがたい深い話はともかく、音楽やるのにテンパった、余裕のない状態になりたくない、みたいなそんな感覚なのかなと、思うのでした。

●インタビューワーは Graeme Thomson という人です。それにしても、「それは謙虚すぎるように思えますが」って、さりげなくいいツッコミしますね。

2014.08.17

UNCUT誌8月号のクラプトン・インタビュー

Uncut●UNCUT誌の2014年8月号にクラプトンへのインタビュー記事が載っていて、とても面白いので紹介します。自分は身の周りに物が増えていくことに対する嫌悪感がじわじわ広がっているので電子版で買いました。本は紙で読む方が好きなんですけど。

●最近のクラプトンの話題と言えば、一つはもうツアーを止めるんじゃないかということ。これは日本ツアーの時にもすでに話題になっていて、ツアーパンフにも彼自身のそのような言葉が載ってたのは多くの人が知っていると思います。もう一つは、近年のアルバムが古い楽曲のカバー・アルバムになってきているということ。どちらについても、結構語ってます。

●まず引退について。

やりたいことは山ほどあるけど、引退ということも視野に入れている。来年は70歳。JJは賢明にそうしたけど、彼は70になったら自分の中では(unofficially)引退だと言ってた。無理のない範囲でレコーディングは続けていきたいけど、どこに行くにも時間がかり、人質になるみたいなツアーは、耐えられず、億劫になってきた。空港を往復し、飛行機にのったり、車で移動したりで。他人にずけずけと自分の生活を乱されたくないという気持ちが強くなりすぎたんだ。昔はそういうのも楽しかった。旅は楽しみだったし、色んな風景を観るのも楽しかった。新たに人と会って、違うカルチャーに触れたりするのもね。でも今はカルチャーはグローバルになってしまった。どれも皆アメリカの別バージョンなのは残念で退屈だね。インターネットのお陰で生活は捗ったけど、別のところに身体で移動するということが機能しにくくなってる。10年もすると、家から出てどこか別の所へ行くなんて出来なくなるんじゃないの。

 家から人が出なくなるとかはさすがに極論だと思いますが。自分が面倒になってきたことを語っているうちに、イヤイヤ感情がますます膨らんできていらんことまで口にするといいますか。あんた言い過ぎだ(笑)。

 それはともかく、上のような感覚というのは誰しも加齢にともなって共通して抱くようになるものだと思うわけです。刺激や好奇心よりも、自分にとって本当に必要な最小限の人や物に囲まれて暮らしたいみたいな。ストーンズみたいな勢力旺盛な人たちもいますけどね。インタビュー中で、自分の代名詞みたいな曲をさらに作りたいとは思わない。他の有名な曲と同じくらい気に入ってるのはレプタイルに入ってて、妻のことを歌ってる Believe In Life。控えめで、表に出ない小さな感じが好きだ、と語ってますけど、そういう小市民志向とツアーを嫌う感覚というのは裏腹なんでしょう。「アルバムのために何かツアーをするとかは考えてない。80年代みたいにアルバム作ってツアーなんてことをする可能性もあるかもしれないけど苦痛でしかないだろう」とも言ってるので、大規模なツアーがなくなるのは間違いないんでしょうね。

 むしろ、気になったのは、

(ステージでギター渡されたらやってみたくなる)Tell The Truth、Pretending、Sheriffみたいな曲は、古い肘掛け椅子みたいなもの。レコードではいい感じでも必ずしもステージ映えしない曲を仕上げるのは骨が折れる作業なんだよ。わかってるだろうけど、働きたくないんだよ。

みたいな発言なんですね。こういうのってヘタすると創造性の枯渇、陳腐化になりかねないので。「働きたくない」って、あなたねえ。

 まあ、70歳なんて定年年齢ですから仕方ないんでしょうけど。例えばコンサートのセットにしてもEC1人に決めさせたら刺激に乏しいルーティーンになってしまうのは、近年散々見てきたわけで。出来るだけ楽してもいいから、ドイル・ブラムホールみたいな若旦那を置いておいてですねえ、ある程度自分を刺激する部分を残して置かないとダメになりますよ。まだまだ Breeze みたいな作品を集中して作ってしまうエネルギーはあるようですけど。

●もう一つ、アルバムにカバー曲が増えてることについて。上にも書きましたが、「自分の代名詞みたいな曲(killer song)をさらに作りたいとは思わない」とはっきり言い切ってるわけですね。過去の曲について、こんなこと言ってます。

自分も最初は「丘の上の人」とか「枯葉」みたいな曲から始めて、そういう曲は脳みその一部みたいになってしまってるんだけど、そういう昔の曲の自分のバージョンなんてブルース・バージョンにしかならないだろうって、いつも思ってる。どうやってプレイしたらいいかわからないし、かっこいいバージョンを仕上げてやろうとも思わない。ロバート・ジョンソンが「ブルー・ムーン」をどんな風に歌うか聴けたらと思うよ。どういうことか分かる? 自分のカバーなんて、視野の狭い(ignorant)ブルース・バージョンでしかないんだ。それが好きなんだけどね。前にボブがビング・クロスビーの古い曲を彼が自分流にやった(rewrite)アルバムを聴いたんだけど、コード進行はその曲固有の(identical)ものであることに変わりはないんだ!と 思ったね。「何がしたいか分かったよ。過去に戻ろうとしてるんだろ」って。どんどん過去に戻って、戻って、パーセルやヘンデル、ヴィヴァルディの頃にまで戻ってみれば、自分の流儀や解釈のヒントが見つかるだろうって。でも、いざそうやってみたら、自分の価値を判断されることから逃げるために、たぶんメッセンジャー的な役割を果たそうとするんじゃないかな(笑)。僕を責めないで、自分はただのメッセンジャーだから。僕の価値なんて判断しなくていいから、コピーしてるだけだからそれを聴いてくれ、って。逃げてると思うだろうけど。

 カバー曲をやる理由というより、過去曲をカバーする難しさを語っているわけですが、この後に「曲を作るより、過去の音楽をきちんと解釈する方が難しい」と言ってるので、じゃあカバーをやるのはなぜよ、と思う人もいるでしょう。ただ、ボブ・ディランもそうですが、老境に入るにつれ、過去の音楽の枠の中に入って自己表現したい欲求って、やはりあるんでしょう。猪突猛進する中から新しい物を生み出す気力よりも、すでに形としてある様式のきちんとした物の中で簡潔な自己表現をしたい欲求とでも言うんでしょうか。自分はボブやECの近作にも魅せられてる人間ですが、ロックに若い人間の猛進するパワーみたいなイメージしか持たない人はそういうのは理解しにくいと思いますね。無理に理解しなくていいいですけど(笑)

 メッセンジャー云々、というのはECがカバー曲やるときはあまりオリジナルをいじらないこと(古典ブルース曲集 From The Cradle ですらそうだったです)を思い出すと率直な本音なのかなとも思います。

●最後に、あと一つだけ触れると、手本にしたくなるようなギタリストはいますかの質問には、カート・ローゼンウィンケルと答えてます。「ジャズギター・プレイヤーで、流れるようなプレイをする。本当に天才だよ。人間的にも良いし。耳で聴いたことを頭で受け止めてダイレクトに反応してプレイできる。自分はそんな風にはできない。古ぼけた同じ文法(phraseology)に従ってやるか、前もって準備しないと対応できない。本当のジャズ・ミュージシャンで、敬意に値する」と言ってます。ローゼンウィンケルは去年のCGFにも出演していて、DVDではオープニングのバックに彼のギターが流れてますが、ECの敬意の現れなのかもしれません。

Uncut2

●その他にも色々興味深いことを語っているのですが、私も気力がなくなってるので興味のある人は買って読んでください。面白いので、そのうち日本の雑誌に翻訳でも出るのではないですか。

2014.08.07

クラプトンの2014年中東・アジアツアーのドキュメンタリー Planes, Trains And Eric が11月に発売

●SNS上のクラプトン系のグループによると、今春のクラプトンの中東・アジアツアーのドキュメンタリーが11月に発売されるようです。発売は Eagle Rock の模様。155分というのはかなり長いです。

Planes Trains and Eric
Planes Trains and Eric

●タイトルは Planes, Trains And Eric で、ツアー中の日常を追ったドキュメンタリーのようですが、収録曲14曲がすべてフル演奏で収録というのはうれしい。日本ツアーのセットは18曲でしたからかなりの曲が聴けますね。

●気になるのは日本ツアーの映像の量ですが、カバー画像見ると新幹線が映っているし、そもそも「飛行機と電車とエリック」ってタイトルにしても、春の中東・アジアツアーで電車移動する国なんて日本しかないので、日本での映像が含まれているのは間違いないはず。

 今年の日本ツアーではECの日本でのアリーナ公演では異例の大型モニターがステージ左右上部に設置されてましたが、あれはこのドキュメンタリー映像の収録を兼ねていたということなんでしょう。

●当然日本盤も出るはず。Blu-rayは輸入盤で買って、ライブ音源をむにゃむにゃするためのDVDは国内盤で買おうかな。

Planes, Trains And Eric

1) Tell The Truth
2) Pretending
3) Crossroads
4) Driftin’
5) I Shot The Sherriff
6) Little Queen Of Spades
7) Layla
8) Wonderful Tonight
9) Key To The Highway
10) Before You Accuse Me
11) Tears In Heaven
12) Cocaine
13) Hoochie Coochie Man
14) High Time (Credits – Audio Only)

Bonus Track
1) Nobody Knows You (When You Down and Out)
2) Alabama Woman

●予告編が出たので追記。2月の日本ツアー最終日で話題になったレイラ演奏中のコメントの一部が見れます。

2014.08.04

Eric Clapton & Friends: The Breeze (An Appreciation of JJ Cale) を聴く

Ecbreeze_2●楽しみだったクラプトンのJJ. ケイル(1938-2013)へのトリビュート・アルバム The Breeze (An Appreciation of JJ Cale) が届きました。繰り返し聴いてますが、いいですね。全16曲。

●発売までに何度も見ていた印象的な表カバーのイラストは貞本義行氏でした(ブックレットに記載があります)。ECの Pilgrim のカバーのイラストを描いた人、というよりエヴァンゲリオンの人といった方が世間では通るんでしょうか。ブックレット裏面の Special thanks に Udo Artists, Inc と表記があるので、最初はウドーが何を手伝ったのか不思議に思ったのですが、Pilgrim の時と同じく、貞本氏への作画依頼のコーディネイトをウドーが担当したのでしょう。Pilgrim のカバーはあまり好きじゃないのですが、これはいいなあ。

●ECは全トラックで弾いてますが、他の参加メンバーはドラムはジム・ケルトナー、ベースはネイザン・イーストで固定のようです。ただし、Additional Drums という表記もあって、その数名の中にJ. オールデイカーの名もあり。EC以外にギター弾いてるのはペダル・スティールのグレッグ・リースを入れて12人。誰がどのトラックで弾いているか、ちゃんと記載されているので助かります。

●プロデューサーは Old Sock から引き続きサイモン・クライミー。音作りは Old Sock にそっくり。特定の楽器を際立たせるとか、クラプトンのギターだけを目立たせるとかは絶対にしない(もっとギターを目立つようにして、と感じる人もいるでしょうけど)。ものすごく緻密なのに、すべての楽器が全体のアンサンブルの中にバランスよく融け合ってる感じ。もっと参加者の「個」の違いを浮き立たせて欲しいと思う人もいるでしょうけど。クライミー自身が担当した Drum Programming という表記もありますが、ギミックな箇所はまったくなし。ほんと才人です。

●USAのAmazonで面白いメイキング映像が見れますが、驚いたのが、デレク・トラックスが参加したあの06/07年のECツアー中、唯一JJ.ケイルがステージに登場したサン・ディエゴ公演(2007年3月15日)の映像が所々断片的に入ってたこと。全部見せて~(笑)

●収録曲のうち、Someday(マーク・ノップラー)、Songbird(ウィリー・ネルソン)、Train To Nowhere(EC、マーク・ノップラー、ドン・ホワイト)の3曲は未発表曲。

 みんな、JJみたいな歌い方をしてて、微笑ましいです。Cajun Moon のボーカルはクラプトンですが、ダブル・トラックみたいに聴こえるボーカルはJJとハモってるみたいに聞こえます。どうすればこんな歌(音)にできるのか不思議。ほとんどの曲が2、3分台で終わっていて、あっという間にフェイド・アウトしてしまう曲が多いのもJJぽいというか。Cajun Moon なんてECの2ndソロが始まった途端にフェイド・アウトされていくので、オイオイって感じになりますが、JJ. ケイルという人の作った音楽の枠というか流儀に従えばそれで正しいのでしょう。

●EC以外のボーカル(トム・ペティ、マーク・ノップラー、ジョン・メイヤー、ドン・ホワイト、ウィリー・ネルソン)は皆素晴らしく、自分はECの歌より彼らの歌に魅せられたかも。自分のアルバムでも Call Me The Breeze を歌ってたメイヤーの Magnolia なんて予想以上に嵌ってます。独特の悪ガキぽい感じのはずのトム・ペティも全然浮いてないというか、まるで「JJフィルター」かけたみたいな歌で、ブラインドで聴かせたら誰が歌ってるのか分からないのではないですか。

 ウィリー・ネルソンの歌はもう別格で、未発表曲ということが信じられないSongbird(デヴィッド・リンドレイがラップ・スティール弾いてます)なんて3分切る長さなのに、JJのちょっとこじんまりとした音楽を遥かに超える彫りの深い巨大な音楽になっていて、茫然と聴き惚れてしまいます(こういう歌はJJの音楽じゃないと思う人もいるでしょう)。ドン・ホワイトの歌う I'll Be There は節回しが演歌みたいになっててちょっと可笑しい。

●各人のギターも、派手に目立つようなソロがないからこそ逆に面白いというか、ECが歌う Since You Said Goodbye のスライド(JJのオリジナルとよく似てます)は最初デレク・トラックスかなと思ってクレジット見たらドイル・ブラムホールでした。ECとトム・ペティのダブル・ボーカルの I Got The Same Old Blues でのECの歪んだ音色の格好いいソロは、オブリガートの延長でそのまま余裕で弾いてる感じ。同曲でギター弾いてるレジー・ヤングも音数は少ないですが、彼としか言いようのない音が聴けます。 I'll Be There でのECのドブロや、アルバート・リーのこれまた彼としか言いようのないソロとか、The Old Man and Meでのグレッグ・リースのペダル・スティール等々…ほんと楽しいです。

●プロモを兼ねたインタビューを基にした記事が色々と出てますが、The San Diego Union-Tribune紙に載った記事(Eric Clapton speaks up for J.J. Cale)によると、クラプトンは去年の8月のJJの葬儀に向かう時にすでにこのプロジェクトを実行しようと思っていて、飛行機の中ではどうすればトリビュートにふさわしい内容にできるかずっと考えていたそうです。葬儀の際にJJの伴侶でバンドメンバーだったクリスティン・レイクランドとマネージャーにこのプロジェクトについて話した後は、(嫁さんの故郷である)オハイオの自分のスタジオに行き、2週間で24曲ほど作り上げたとのこと。レコーディングに先立って、レイクランドから未発表曲を収めたCDを渡されていて、アルバム収録の3曲の未発表曲はそれが基になったと思われます。

 その後の作業は9月にLAで(リンク先のインタビューでは最終仕上げは英国でとのこと)。ゲストの部分はそれぞれ別スタジオ録り。作業は、最初にサイモン・クライミーがPro-Tools上で、JJの曲に少しずつキーボード、ギター、ドラムを重ねる作業をしてからJJの部分を除去。そうして作った複写(facsimile)を使って、同じキー、同じ長さで演奏し、すべての楽器を入れ替えてしまったそうです(自分はレコーディングの技術や工程のことはまったくわからないので誤解があるかも)。曲の長さがオリジナルとだいたい同じ(少し長め)になった理由がわかりました。

 クラプトン曰く「JJのように歌おうとしたけど、別の物を作り上げた達成感もある」(I try to sing like John, but I still felt we got to a place where we achieved other things.)ということです。平凡かもしれないけどこのアルバムの出来をシンプルに表している言葉かなと。常にレイクランドの確認を取るように作業を進めていったそうですが、そういうところは律儀で偉いです。

●JJ. ケイルという人は、毎日店の同じ場所に立って蕎麦を打ち続ける蕎麦屋のオヤジというか、そういうことを黙々と何十年も続けるような、限りなく控えめだけど、仕事の跡にはしっかりと個人の名前が刻まれてるような、そんな人だったのでしょう。クラプトンはそういう生き方に憧れるのかもしれないけど、あなたはそういう生き方をするにはあまりにも派手でスパーブな才能を持ちすぎてます。最近引きこもり願望出てるみたいですけど(笑)。

●でも、いいアルバム作ってくれました。天に召された友人と、残された人のためにこんなことができるなんて立派です。

2014.06.08

クラプトンによるJ.J.ケイル・トリビュート・アルバム The Breeze (An Appreciation of JJ Cale) が7月に発売

●クラプトンが中心になって企画したと思われるJ.J.ケイル(1938-2013)のトリビュート・アルバムが6月29日に出ます。タイトルは、 Eric Clapton & Friends - The Breeze (An Appreciation of JJ Cale) 。

Eric Clapton & Friends: The Breeze [Import]
Eric Clapton & Friends: The Breeze [Import]

全16曲。タイトルの由来になったJJの曲 Call Me The Breeze が先行で公開されてます。

●クラプトンがこれまでレコーディングやステージでJ.J.ケイルの曲をカバーしてきたのは皆さんご存知の通り。AVOセッションとして有名な去年11月のバーゼルでのコンサートではお約束のコケインを含めて5曲がケイルの曲が占めるという偏愛というかリスペクトぶり。これは全セットリストの1/4で、そのうちの1曲 Since You Said Goodbye はJJの未発表曲集 Rewinder に入っていた曲でした。ちなみに、JJがカバーしたECの曲は Golden Ring(同じく Rewinder 収録) だけだったと思います。

●Where's Eric の記事によると、参加メンバーは、ECの他は、ネイザン(b)、ジム・ケルトナー(dr)、ウォルト・リッチモンド(key)が基本メンバーの模様。ただし、多数のスターを含むゲストが大量。懐かしいところでは、JJの音楽とつながるタルサ出身で同じくタルサ出身の故カール・レイドルと一緒にECの70年代の録音、ツアーを支えたジェイミー・オールデイカーの名も。ジェイミーのFacebookに去年の9月にカリフォルニアのOceanway Studio でECと一緒に撮った写真が上がってましたが、このアルバムの録音と関係があったのかもしれません。例によってサイモン・クライミーがプロデューサー的に参加してます。

●Eric Clapton & Friends というタイトルからも分かるように、複数ミュージシャンが対等で参加したトリビュート・アルバムというより、クラプトンによるJ.J.ケイル・カバー集という感じ。クラプトンがこれまで特定のミュージシャンの作品だけでカバー集を作ったのはロバート・ジョンソンだけですから、すごいことです。

●録音時期は不明ですが、JJとECの2人名義の作品 The Road to Escondido(2006)のアウトテイクも入っている可能性があります。個人的にはマーク・ノップラーの参加したテイクが、それから、自分のアルバムでJJの Call Me The Breeze をカバーして、びっくりするほどクラプトンよりずっとJJぽい味わいを出していたジョン・メイヤーがどんな歌を聴かせてくれるのか楽しみです。

Eric Clapton & Friends - The Breeze (An Appreciation of JJ Cale)

( )内はヴォーカル

1. Call Me The Breeze (Eric Clapton)
2. Rock And Roll Records (Eric Clapton & Tom Petty)
3. Someday (Mark Knopfler)
4. Lies (John Mayer & Eric Clapton)
5. Sensitive Kind (Don White)
6. Cajun Moon (Eric Clapton)
7. Magnolia (John Mayer)
8. I Got The Same Old Blues (Tom Petty & Eric Clapton)
9. Songbird (Willie Nelson & Eric Clapton)
10. Since You Said Goodbye (Eric Clapton)
11. I’ll Be There (If You Ever Want Me) (Don White & Eric Clapton)
12. The Old Man And Me (Tom Petty)
13. Train To Nowhere (Mark Knopfler, Don White & Eric Clapton)
14. Starbound (Willie Nelson)
15. Don’t Wait (Eric Clapton & John Mayer)
16. Crying Eyes (Eric Clapton & Christine Lakeland)

2014.03.01

エリック・クラプトンの2014年日本ツアーを観る

●ツアー開始前は初日と最終日のチケットだけ買ったのですが、結果的に4公演を観ました。以下、4公演の間の、10日間のただの自分史。ちょっとレビュー。

Ecjapantour2014

●2013年ツアーに参加していたグレッグ・リース(スティール・ギター)とドイル・ブラムホールが抜け、リズム隊は強烈なグルーブを叩き出すスティーブ・ジョーダン&ウィリー・ウィークスからスティーブ・ガッド&ネイザン・イーストに変更。自分は去年のメンバー、セットで見たかったという気持ちが強く、さてどんなセットで来るのかと興味津々で迎えた初日、2月18日日本武道館。

 一曲目 Tell The Truth のイントロが鳴った瞬間、ああ、それなのね、と軽く失望しました。それが私の正直な気持ち。TTTに続く、Key To The Highway、Pretending、Hoochie Coochie Man が聴き慣れたアレンジで淡々と演奏されるのを聴いていて、最近のクラプトンはドイル(たぶんこの人がセットリスト選びの黒幕)のようなアクの強い番頭さんや、ウィンウッドみたいな自分と対等のカウンターパートがいないと、平凡に流れてしまうのよね、という印象のまま私のクラプトン2014年日本ツアー初日は終わりました。ご陽気担当のネイザンもなんか地味だったし。レゲエ・リズムの Wonderful Tonight イントロのミストーンは(大阪でもやらかしました)、お歳を取れば God も木から落ちますという感じ。本当に木から落ちて頭打っちゃったキース・リチャーズよりはいいか(笑)。

●良かったのは、去年のツアー(音源)で感じたポール・キャラックの弾くオルガンの素晴らしさ。私的にはECバンド歴代キーボード奏者としてはビリー・プレストンと並んで最強。バッキング、ソロも良いですが、彼が歌う Honest Man や High Time We Went のグルーブ、高揚感がなかったら今回のツアーは少し味気ないものになってたと思います。ECのソロが、キャラックのソロ直後に回ってくる場面では、明らかにECはONになっていて、淡々とソロを取るECとは別人でした。こういうのを向こうの人は chemistry というのでしょうけど。いっそセットリストの選択にもどんどん口挟んでくれたら良かったのに(笑)。

●中間のアコースティック・セットはとても良かったです。フルスロットルでかっ飛ばす必要がない、ああいう雰囲気の方が今のECは、無理なく素晴らしさが味わえます。定番の Driftin' は表現の引き出しの多さにいつも驚かされます。Tears In Heaven は去年のツアー同様レゲエ・アレンジで、グレッグ・リースが弾いていたスティール・ギターのパートはクリス・ステイントンがスティールギターの音色を模したキーボードで弾きました。自分の子を失うという体験から生まれた曲とは思えないような軽妙なアレンジ、うつむいて力なくつボソボソと歌ってたこの曲の当初の歌いっぷりとはまったく違う強い歌い方。過ぎていった年月の大きさ、曲というものは、それを作った当時者の中ですら、客観的な「作品」として自立していくのだということを思わずにはいられません。

●終演後は、恒例のステージ前に全員横並びでのお辞儀。この儀式、東京での最初の2公演でしか見られませんでしたが、この儀式を止めたのは、バッキング・ヴォーカルのシャロン・ホワイトの足の怪我のせいかなと思いました。21日は歩くのも辛そうでしたので。

 でも勝手なもんですね。Tell The Truth なんて2006年に何十年ぶりかでセットに入った時は狂喜してたくせに。なんてことを終演後の宴で友人達と話して帰宅。

●帰宅してから、公演前に買ったまま未読だったパンフレットに載ったEC自身の序言を読んで、心は千々に乱れました。

 明らかに自分のキャリアが終わりを迎えつつあることを自覚したECの言葉。「たぶんお別れツアー(probable farewell tours)になるであろうツアーの始まり 」、「ひょっとしたら、もう戻ってくることは出来ないかもしれない」、「どのくらい続けられるか分からないし、歳をとるに連れ、家族と家で過ごすことにより惹かれるようになった」…

 こんな気持で選んだメンバーが今回のメンバーです、というECの言葉を読んだら、そうだよね、もうちょっと心して聴かなきゃだめだよね。去年のツアー・メンバーの方が良かったなんて言わず、もっと大切に聴こうよ、と深く自分に言い聞かせたのでした。我ながら単純。

●というような感じ。そして、時間が出来たので初日から中2日挟んで、当日券で見た日本ツアー3公演目の2月21日、日本武道館。当日券は武道館の1階北東スタンド。ステージ真横、少し後方から眺めるような席。音は劣悪でしたが、ステージに近いこの席、視覚的にはある意味最高。実際のステージより少し高い位置からの眺めは、メンバー間のコミュニケートの様子が丸分かり。まるでスタジオ・セッションを見学するような体験でした。

 ECとお仲間達は、楽しそうに演奏していて、パンフに載った「お別れ言葉」なんて完全に忘れて見てました。実際ステージ上はそんな雰囲気全然なかったし。うーん、自分はちゃんと音楽「だけ」に集中して聴けているのか、言葉に酔わされてるのか、音楽「だけ」を聴く必要なんて別にないのか・・・取り敢えず平常心で残りの公演を見ましょうという気持ちで帰宅。

●その後の横浜、名古屋公演を称えるファンの皆さんのコメントを嫉妬まじりの気持ちで読みながら、友人のピンチヒッターとして、放浪者気分で大阪公演に参加。公演直前に慌ただしく短距離とは言えない移動をし、宿からホールまでどう行けばいい、最寄り駅行きはこっちのホームでいいのか、終演後の飯食う場所はあるのか等々悶々としてホールにたどり着くと、さすがに疲れてちょっと眠く、集中力を欠いたまま鑑賞。そういうのは演奏者にも言えるのかなという印象のECバンド。ソロの入りでロング・トーンを多用したりちょっとお疲れ感あり。

●迎えた日本ツアー・ファイナル、2月28日、日本武道館。でも、これが最後とかいう気持ちは全然なく、普通に武道館に向かいました。もしかして東京にいるストーンズの人、出るかもとか邪悪な期待はちょっとあった(笑)。結果的には、自分の見た4公演中、最高でした。演奏のどの部分が他よりどう上回ってたとかではなく。公演中所々体験できた高揚感、感傷、終わってからの満足感、充実感等々、全体の印象がこの日はMAXでした。

●ECの声域からすると低い音で歌い出す Pretending は、大阪でも感じましたが、かつてのECに比べるとヴォーカルにちょっと力がない印象。その後も淡々と聴いてましたが、多くの人が褒めている Sheriff のソロは本当に素晴らしく、この日のECはここを堺に On Fire になった感じ。

 Sheriff 演奏後は、いつも冷静で大人しい武道館のお客さんも大拍手。拍手はアコースティック・セットの準備中も延々と続き、ECが椅子に座っても続き、ECがポロポロとギタを弾きはじめてようやく収まったのでした。自分がクラプトンのコンサートで味わった中でも、忘れがたくなるであろう至福の時。Sheriff の演奏中はECってこんな体動かしてギター弾いたっけ?と思いましたが、68歳のギター奏者にとっては、たぶん肉体的にはMAX、限界なのでしょう。こういうのは生で観てこそ味わえる至福。鳴ってる「音」だけが「音楽」じゃなくても私はそれでいいです。ミーハー万歳。そういう瞬間を味わえる幸運を神様に感謝、ギター・ゴッドにも感謝。

●キャラックが素晴らしかったのは今さらなのですが、Little Queen Of Spades でのキャラックのソロでは、他のメンバーも巻き込みものすごい状態に。キャラック・ソロ場面でのスティーブ・ガッドは、ちょっと腰の重いビートを刻むいつものガッドとは別人。フィルが入りまくり、スロー・ブルースの4ビートから逸脱するようなビートでキャラックに襲いかかるような感じで、これがガッドかと思うような茫然とするような瞬間でした。この曲ではクリスのソロも素晴らしく、手癖のクリシェとは無縁。会場が聴き惚れて静まり返ってました。こういう瞬間を味わってしまうと、複数公演追っかけるようなヤバい人になる危険があるので、皆さん気をつけましょう。

 Crossroads 冒頭の無伴奏ソロは、1分程度とは思えないようなワウ踏みの印象的なソロ。パウゼ挟んでそのまま Crossroads のリフに入るのかなと思ったら、また少し無伴奏で弾いたりと、まあそういうことやらかす時はご本人は気分がいいというか好調の証。ソロ1コーラス目は Wheels of Fire でのソロを思い出すような瞬間(もちろんあれほど流麗でも激しくもありませんが)があったのですが、楽理に強い方は分析お願いします。

 本編ラストのCocaine はお馴染みの「ネイザン・イントロ」ですが、最終日はECとネイザンが距離を置いて居合抜きでもするように向き合って応酬してましたが。これって別の日でも見れましたっけ。少なくとも初日は普通に並んで演奏してたような記憶なんですけど。

 アンコールの High Time We Went(ジョー・コッカーの曲ですが、クリス・ステイントンも共作者)での主導権はヴォーカルを取るキャラックに委ねられていて、エンディングで立ち上がってキュー出すのもキャラックで、ECは気持ち良さそうにバッキングに徹してました。2001年のUSツアーのアンコールで、ビリー・プレストンにビリーの持ち歌 Will It Go Round In Circles 歌わせてたのと同じような心境なのかなと、思いました。俺のコンサートは俺が締めるみたいなこだわりのなさがいかにもEC。

●自分を含む長年聴いてきた、うるさ型の人には、やや平凡で今ひとつ魅力に乏しいセット・リストについて。

 コンサートが終わって素晴らしければ、セットだけがコンサートじゃないよ、といつも思うのですが、最近毎年見ている山下達郎が、コンサート中の語りでこんなことを言ってます。

 曰く、セット選びについて、自分のコンサートは今では親子2世代で観に来るお客さんもいる。最近の自分の曲を知り興味をもって見に来てくれる人もいる。そうするとどんな曲を演奏すればいいのか選択に悩んでしまう、マニアックな選曲をすれば一部の人は喜ぶだろうけど、それが楽しめない人もいる。だから、セット選びは本当に難しい。こんな感じの内容。ECはそういうことをコンサート中に語ったりはしませんが、たぶんECにも共通するんでしょう。Wonderful Tonight、アンプラグド版の Nobody Knows You、Layla、Tears In Heaven での大きい拍手を客席で体験すると、スレた私もこれでいいのだ、とバカボンのパパのように呟いて、自分を納得させたのでした。 同じようなブルースばかり、と思ったあなた。いつも同じようなのがブルースという音楽です(笑)。ECは最近作るアルバムとコンサートの内容が乖離しすぎてますが、まあ、それも含めて、これでいいのだと思うことにします。

●最終日の Laylaの途中では、「40年間ここで演奏してますが、まだ生まれてなかった人もいるでしょう。演奏する最高の場所、世界で最高の場所です。来てくれてありがとう」(I've been here for 40 years, before some of you were born. The best place I've ever played. The best place in the world. Thank you for coming.)という信じられないようなコメントも出て、さすがにこの時は鬼の私もジーンとなって涙腺が緩みかけました。We Love You, Eric という叫んだお客さんに控えめに Thank you と応えるシーンも。40年前は酔漢として武道館のステージに現れた29歳のギターリストは、今は68歳になり、こんな姿で同じステージの上、我々の前にいるのでした。

●自分が見た公演では、終演後に膝に手を置いて丁寧にお辞儀をしていたクラプトンですが、これが日本での最後のコンサートだという思いは、自分には全然ありません。根っからのミュージシャンのこの人がライブ演奏を辞められるとは思わないし、The Best Place In The World とのたまった落とし前として、体の動くうちはまたふらっと来て演奏していただきましょう。B.B.みたいに椅子に座って演奏したっていいです。もしロンドンでしか見られなくなったら、無理をしてでも行くかもしれない。でも自分には、生まれて、大人になって、歳を取っている所で見るクラプトンが最高なのでした。

2014budokan

Eric Clapton 2014 Japan Tour

1 Pretending (初日は Tell The Truth と曲順入れ替わり)
2 Key To They Highway
3 Tell The Truth
4 Hoochie Coochie Man
5 Honest Man (vo/Paul Carrak, song by Lowell George)
6 Wonderful Tonight
7 After Midnight (横浜公演からは I Shot The Sheriff)

-seated-
8 Driftin'
9 Nobody Knows You When You're Down And Out
10 Alabama Woman Blues (song by Leroy Carr)
11 Layla
12 Tears In Heaven

13 How Long (vo/Paul Carrack)
14 Before You Accuse Me
15 Crossroads
16 Little Queen Of Spades
17 Cocaine

-encore-
18 High Time We Went (vo/Paul Carrack, song by Joe Cocker & Chris Stainton)


2013.11.19

クラプトンのバーゼルAVOセッションのストリーム放送が聴けます

●クラプトンが11月13日、14日に出演した、スイスのバーゼルで行われた BALOISE SESSIONS(AVOセッション)のうち、11月14日公演の音源が、この公演を収録したSRF3放送公式サイトでストリームで聴けます。もちろんサウンドボードです(約101分)。曲間は若干編集されています。
(追記: 13、14日両日の音源の編集版のようです)

 該当ページはこちら。いつまであるか分かりませんので録音したい人は早めにどうぞ。同局では現地時間11月18日21時頃から電波によるこの公演の放送があるのですが、この局は放送後にmp3ファイルのダウンロードもさせてくれる太っ腹なので、このEC音源もmp3でダウンロードできるかもしれません。(追記: さすがにそこまで太っ腹ではなかったです)

 レイラの映像も公開されてます(不完全版)

 先にオーディエンスソースで聴いた時は、精彩を欠く演奏に感じましたが、聴きやすいボード音源で聴くと、そんなに悪くもないかなという印象です。AVOセッションは放送されたり、ディスクで発売されることも多いので、この映像も将来放送、発売されるかもしれません。

 ブログ更新しろ〜、と言われたので書いてみました(笑)。

●セットリストは以下の通り。

Eric Clapton Baloise Session
Event Halle, Basel, Switzerland
14 Nov 2013

01. Don't Go To Strangers
02. Key To The Highway
03. Hoochie Coochie Man
04. Got My Mojo Working
05. Since You Said Goodbye
06. After Midnight
07. Call Me The Breeze
08. Gin House (Andy Fairweather Low)
09. How Long (Paul Carrack)
10. Driftin'
11. Nobody Knows You When You're Down And Out
12. Layla
13. Pretending
14. Wonderful Tonight
15. Crossroads
16. Little Queen Of Spades
17. Cocaine
18. High Time We Went (Paul Carrack)

Band Line Up:
Eric Clapton (G)
Andy Fairweather Low (G)
Chris Stainton (Key)
Paul Carrack (Key)
Dave Bronze (B)
Henry Spinetti (Dr)
Michelle John (Backing Vocals)
Sharon White (Backing Vocals)


2013.10.07

クラプトンの2014年2月の来日公演が公式発表

Programcover●来日は2011年秋のスティーブ・ウィンウッドとのツアー以来。日程は、

2月18日(火) 武道館
2月20日(木) 武道館
2月21日(金) 武道館
2月23日(日) 横浜アリーナ
2月25日(火) 愛知県体育館
2月26日(水) 大阪城ホール
2月28日(金) 武道館

の計7公演です。招聘元によれば、これ以上の追加はないとのこと。

 公演回数は年々だんだん減ってますが、欧米ツアーではRAHの連続公演のような例外をのぞけば、基本は1都市1公演。NYCですらせいぜい2、3公演ですから、4回見れる東京は恵まれてます。

 きついから長いツアーはもうやらないよと、少し前に言ってたECですが、健康なうちはまだまだこの後も日本に来ると私は楽観してます。

●コンサートの告知にメンバーの表記はありません。

 ただし、今年のアメリカ、ヨーロッパツアーに参加したポール・キャラックは2月スタートのクラプトンのツアーに参加するとツイートしてます。また、先頃日本でクラブ公演を行った、アンディー・フェアウェザー・ロウが日本ツアーで来ると言ってたと、他のクラプトン系の掲示板で拝見しました。個人的にはドイル・ブラムホールで見たいのですけど。あと、グレッグ・リースのペダル・スティール入りのステージをぜひ聴いてみたいのですけどね。まあ、どなたでも粛々と聴かせていただきます。

●前々週にはテデスキ・トラックス・バンドの来日公演があるので、どちらかのステージに参加、飛び入りする可能性が早くも論議?されてます(笑)。クラプトンは淡白というか、決められたスケジュールやセットを淡々とこなす人という印象なので。私は「ない」に一票。もしあるとすれば、デレクがTTB公演終了後に日本に残るパターンでしょう。

 キャラックのツイートでは2月8日スタートとのことなので、他にアジア、オセアニア公演が先行する模様。RAHは遠いと言う方、近いソウルとかどうですか。九州在住の方は東京より近いんですよね・・・

●初日と最終日は行こうかなと。あとは、時間とお金の都合次第です。



(追記)
 コメントで、今回のツアーをサポートするマーティンギターの日本代理店黒澤楽器の特集ページに、来日メンバーが出てると教えていただきましたので、こちらにも転記しておきます(Toruさん、ありがとうございます)。


エリック・クラプトン(ギター/ヴォーカル)
ポール・キャラック(キーボード/ヴォーカル)
スティーヴ・ガッド(ドラムス)
クリス・ステイントン(キーボード)
ネイザン・イースト(ベース)

 ギターがECしかいないのが不気味です。アンディーは来ない?まさかデレク・トラックスとかじゃないでしょうね・・・

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