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カテゴリー「映画」の12件の記事

2012.06.17

クリント・イーストウッド監督作品「ヒア・アフター」(2010)

●イーストウッドの2番目に新しい映画です。2010年作品。公式サイトはこちら

ヒア アフター ブルーレイ&DVDセット(2枚組)
ヒア アフター ブルーレイ&DVDセット(2枚組)

 イーストウッドの映画はできるだけ映画館で見るようにしていて、この映画も例外のつもりはなかったのですが。日本公開時に映画館のそばを通り「今日見て行こうか、ちょっとくたびれてるので今日は止めよ」と見過ごしたのが去年の3月11日の数日前。その週末のあの地震に津波。スマトラ地震の被災シーンが含まれるこの映画の上映は打ち切られてしまいました。

 見たのはブルーレイで今年の2月頃です。見れるようになってから時間が経ってるので以下ネタバレを含みます。

●ヒア・アフター(Hereafter)は死後の世界という意味ですが、丹波哲郎的華麗なる死後の世界なんてものではもちろんありません。自分自身の、あるいは自分に近い他者の死というものを見つめざるを得なくなった人たちの話。タイトルから死後の世界を描いた映画のように誤解されてますが、出てくるのは「死後の世界」ではなく死と向き合いながら「生きている」人の話。被災で死に近づきながら生還した女性キャスター、妻の病死を看取った中年男、幼くして小さな兄弟を失った少年とか。

 彼らののぞきこんだ死というものに関わらざるを得なくなった霊能力者(マット・デイモン)が主人公ですが、下手するとオカルトに堕しかねない素材なのに、受ける印象はその正反対。ほんとに人間のピュアな精神の話。

 自分が一番惹かれたのは兄をなくした少年。失った兄に少しでも近づこうとする小さなロード・ムービーみたいな味わいがあり、無垢ないたいけさがたまらないです。

●イーストウッドのここ10年程の作品は、心の中に闇を抱え込んだり、世に対する違和感を抱えた人の話が非常に多いです。それ以前も「バード」や「許されざる者」はそういう系列かと(2009年の「インビクタス」だけちょっと肌合いが違いますが)。近年はそういう傾向がどんどん深まる感じで、西部のガンマン役、サンフランシスコの強面警官役としてのイーストウッドを見てた多くの人は、今の監督クリント・イーストウッドという人の作品を想像できたでしょうか。

 最新作の「エドガー」は映画館で見ましたが、こちらも素晴らしかったです。もう一度見たいので、そのうちディスク買う予定。

●イーストウッド、82歳。若い人も頑張らないかんですよ。凡人ながら私も。

2010.02.05

クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」(2008年作)

 神様イーストウッド様の2008年作品。この作品後は監督業に専念するそうなので、役者としてのラスト作品。公式サイトはこちら
 我がDVD購入候補に入ってましたが、この度、アマゾンで990円で売られていたのでポチり。

グラン・トリノ
グラン・トリノ

 自分は映画館では見ておらず、去年、機内で見ました。往路で見て素晴らしかったので、復路でもまた1回鑑賞。2回とも涙腺ゆるゆる。

●イーストウッド演じる主人公は朝鮮戦争の退役軍人。すさまじい頑固ジジイ。妻に先立たれて一人暮らし開始。仲間は犬だけ。

 隣に越してきた移民のモン族をグーク呼ばわり。自分を心配してくれる若い牧師を苦労知らずのくせに愛を説く童貞野郎と罵り、アメリカの敵?、トヨタ車ディーラーなんぞをやってる息子を嘆く元フォード職工。他人と協調する気なんてさらさらなし。
 愛車はぴかぴかのフォード・グラン・トリノ。でも乗らない(笑)。乗るのはポンコツ・トラック。

●彼が、隣人のモン族の若者をギャング団から救うためにやったことは・・・

 というお話ですが、ストーリーはもろ西部劇。そのまま舞台を19世紀の米国西部に移し替え可能。ラストで敵に向かって立ちはだかるクリントの姿は完全にガンマン姿の彼とかぶります。ロナルド・レーガン的なヒーローとはまったく異なる、ある意味アンチ・ヒーロー。

 哀しいラストですが、肉体は滅びても魂は引き継がれる、みたいな不思議な希望がじわりと残ります。

 守られるモン族の若者のお姉さん役は、Ahney Her というアジア系の人ですが、フォトジェニックな美人では全然ないのに、不思議な可愛いさがあります。

●いつまでも余韻の残るラストテーマは、息子カイル・イーストウッド作。イーストウッドもボーカル取ってます。ボーカルというより語りみたいですが。
 美しすぎるので見てすぐに、iTune Music Store で探してポチってしましました。

●クリント・イーストウッド、78才。次に日本で見れるのは、アパルトヘイト撤廃後の南アフリカが舞台の「インビクタス」で今週封切り。

 見るに決まってんでしょーが。

2009.12.29

The People Speak のサウンドトラック盤

ハワード・ジン著「民衆のアメリカ史」(A People's History of the United States)をベースにしたドキュメンタリー番組 The People Speak のサウンドトラック盤です。

The People Speak
The People Speak

 トラックリストは下記参照。すべてがこのプログラムのための新録音ではないようです。

 サウンドトラックと言っても、元の番組自体が、フィルムとナレーションだけで構成されるありきたりなドキュメンタリーとは一味違っていて、フィルムの他、日記や書簡を役者が朗読したり、演奏シーンがあったりとなかなか面白そうです。

●収録曲すべてを気に入ったわけではないですが、一番興味を惹いたのは、もちろんボブ・ディランによる ウディ・ガスリーの Do Re Mi のカヴァーなわけで。
 ボブの他、ライ・クーダーのギターにヴァン・ダイク・パークスのピアノという眩暈がするような面子で、いやが上にも高まるこちらの期待を裏切り淡々と演奏してます(笑)。

 スプリングスティーンの The Ghost of Tom Joad は、同名の彼のアルバム収録の同曲とは別テイクでした(完全なソロですが、アレンジはほぼ同じ)。

 ラストはブラック・クロウズのリッチ・ロビンソンによる、ボブのプロテスト時代の曲 Only A Pawn In Their Game のカヴァー。何度聴いても曲は圧倒的にすばらしいですが、歌はちょっと弱いかなと。

The People Speak の立ち位置は、左寄りというか、ある種の「愛国者」の方にはお気に召さないスタンスのようですが、こればかりは見てないので何とも言いようがありません。アメリカでは12月13日にヒストリー・チャンネルで初回放送されていて、1月にはDVDが出ます。

 ヒストリー・チャンネルは自分もよく見るのですが、ヒストリー・チャンネル・ジャパンのサイトには今のところ何の情報も出ていません。是非見たいので日本でも放送してくださいね、お願いします。

The People Speak

1 Do Re Mi - Bob Dylan
2 The Ghost of Tom Joad - Bruce Springsteen
3 Masters of War - Eddie Vedder
4 Dear Mr. President - P!nk
5 Sail Away - Randy Newman
6 American Terrorist - Lupe Fiasco
7 Drums Of War - Jackson Browne
8 What's Going On - John Legend
9 See How We Are - Exene Cervenka & John Doe
10 Blues With A Feeling - Taj Mahal
11 Brother, Can You Spare A Dime? - Allison Moorer
12 Only A Pawn In Their Game - Rich Robinson

2008.11.04

CSN&Y / Deja Vu Live を聴く

●最初あまり食指が伸びませんでしたが、DVDが良かったので買いました。

 全16トラックで、ニールのLiving with war から7曲、その他が7曲(バッファロー、CSN&Y(CS&N)、ソロ)。Living with war のインストゥルメンタル版が2トラック。

▲
Deja Vu Live

映画のサウンドドラックという位置付けで、Freedom of Speech tour 公演のフルでのセットリストの半分ほどの曲しか聴けませんが、1CDとしての全体の構成はよいです。

 オーディエンスと一緒に唄う、クロスビーの What Are Their Names? のアカペラ・ヴァージョンで始まり、その後は、ピアノが美しい Living with war のインストゥルメンタル版2つに挟まれた曲が13曲。
 Living with war のインストゥルメンタル版は、DVDで、ツアーに対するメディアのコメントを紹介する場面で印象的に使われてます。

 曲間がフェイド・イン、アウトする部分が多くフル・ショウの体験感からは遠いですが、不思議と散漫な感じはしません。Living with war のピアノ中心のインストゥルメンタル版がしみじみと美しくいいです。

 やはり素晴らしいのがニールのLiving with war 収録曲。
 対して、非ニール曲は正直なところ緩めの演奏。まあ今頃、4 way street ばりの演奏を期待するのも無茶ですけど。4人の中でスティルスが一番不調っぽく、DVDの方を見ても、心配になるくらいかなり不健康そうな風貌です(実際、病気ですが)。

●写真は、Find The Cost of Freedom 演奏場面(Wikipedia英語版より。PD)。背後の映像は、DVDのボーナスとして収録されてます。

Csny06tour_2

 個人的には、DVDから受けた感銘が大きかったので、CDも満足して聴いてます。
 でも、DVDを見ずにこれだけ最初に聴いてたら感想は微妙だったかもしれません。

 なんか、淡泊な感想ですが。
 結局気に入ったんで、良いか。

 CSN&Y / Deja Vu Live

1 What Are Their Names?
2 Living with War - Theme
3 After the Garden
4 Military Madness
5 Let's Impeach the President
6 Deja Vu
7 Shock and Awe
8 Families
9 Wooden Ships
10 Looking for a Leader
11 For What It's Worth
12 Living with War
13 Roger and Out
14 Find the Cost of Freedom
15 Teach Your Children
16 Living with War - Theme

2008.10.30

CSN&Y / Deja Vu のDVDを見る

●2006年に行われたCSN&Yの Freedom of Speech tour のドキュメンタリー・フィルムです。

 日本盤はまだ先みたいなので、安いアメリカ盤で買ってみました(リージョン1なので日本仕様のDVD機では見れません)。英語とスペイン語の字幕付き。96分。
 Shakey Pictures 製作で、当然監督も Shakey(二ール)。

▲
Deja Vu

 以下、ネタバレありです。

●良い作品でした。素直に感動。傑作だと思います。でも、どう書いてよいか難しいです。

 演奏シーンの割合が低く、そのシーンも断片的にしか登場しないので、曲・演奏自体をじっくり聴きたい人向けではないです。
 演奏聴きたい人はCDで。曲数が物足りない人はオーディエンス・ソースかブートを探しましょう(笑)。コンサート・フィルムと思って見ると激しく失望します。

●序盤は、専らツアーにまつわる話の概観。

 FOSツアーについて、クロスビー曰く、「CSNYは民主的でなく、むしろ独裁的に動いてるけど、それは悪意のない独裁なんだ。ニールがバンドを引っ張ってるのは、彼がそう要求したり、ボス然と振る舞いたくてそうなってるんじゃない。彼がこの問題をずっと考えて来た結果なんだよ」

 同じく、ニール。

「僕らの責任は、ショーを見た後、オーディエンスが、ラリったり、暖かい気分でいるようなショーをすることじゃなく、時代の転期が来てるということを感じてもらうショーをすることだ」

 こんなステージの光景が出てきます。巨大なマイクスタンドに結ばれた黄色いリボン。背後のスクリーンには無数の兵士のお墓の前ではためく星条旗。流れている音楽はジミのウッドストックでの「星条旗よ永遠なれ」。

Csny_yellow_ribbon_stage

 「ほら吹き大統領を弾劾しよう」とストレートに歌う Impeach The President で、オーディエンスに否定的な反応があるのはちょっと驚きました。会場から出てきたオーディエンスの1人が、「この国は戦争中なのよ!」と息巻いたり。この人なぜ、Freedom of Speech tour を見に来たんでしょう(笑)

●Ohio を演奏する昔と今のCSNYの映像などが流れ、ベトナム戦争とイラク戦争の違いを取り上げるあたりは興味深い内容になってます。

 紹介されるジャーナリストの意見。

「大統領が、民主的な生活を守るためと称してイスラムのファシストとの戦争を主張しても、彼は徴兵制を復活させることはしないだろう。それは政治的に高くつくからだ。それはイラク戦争の大きな相違点である。ベトナム戦争時は徴兵制があり、脅威を感じた学生達を団結させプロテストへ向かわせた。
 そのような事態を避けるため、ブッシュは同じ兵士達を何度も危険なイラクの戦場へ向かわせ、彼らが戦死し、障害者になる可能性を劇的に増大させている。それがベトナムとの違いだ」

 ニールの Ohio についての話、

「しばらく歌えなかったことがあった。自分が事件を利用し、不運だった人間の上で取引していたように思えて。自分たちの成功や、オーディエンスをノスタルジーに浸らせるためにね。
 だが、今は状況が違う。今の状況は歴史そのものなんだ。フォーク音楽がやるように、歴史を引っ張り出そうと思っている」

 文字だけ書くと、堅苦しい感じですけど。オハイオを演奏する昔のCSNYやフィルモア・イースト前の集会映像が出てきたりで興味深く見れます。

Csny_ohio

●当然、CSNY側、反イラク戦争の立場からの主張が多いですが、FOSツアーについてのメディアの賛否コメント(辛辣なものあり)を所々に印象的な形で挿んでいて、言いたいこと言ってお終いになっていないのはよいですね。

 ドキュメンタリーとしての構成の良さは、イラク戦争報道に現場で関わり、本作でも、documentary produced and written by として名を連ねる、Mike Cerre (作品内にも登場)の存在も大きいのかもしれません。

 後半に行くほど、ツアーよりもイラク戦争下のアメリカ社会を見つめる内容になってます。戦争がテーマですから泣けるところもあります。

 個人的にはお勧めしたい作品です。英字幕で見たので誤読があったらごめんなさい。

●ボーナスに、Living With War Today サイト(音楽が鳴るので訪問の際はご注意)で見れるビデオが収録されていて、高画質、高音質で見れます。ディスク以外のブックレットはなし。日本盤もそのうち出るでしょう。

 CDも出てますが、そちらは後ほど。

2008.08.12

スコセッシの Shine A Light を DVDで見る

12月5日からの日本公開が決まったローリング・ストーンズの Shine A Light ですが、リージョン1、NTSCの米盤DVDで先に見てしまいました。

 ディスクのみでブックレットはなし。音声は5.1chと2ch。字幕は英、仏、西のみ。
 以下、ネタバレがあるので知りたくない方はご覧にならないように。

Shine_case

●映画絡みの Special Feature は2つ。

 1つが15分程のサウンド・チェックシーン(昔のインタビューシーンやサウンド・チェック中のやりとり、クリントン様御一行の訪問シーン等含む)。これがなかなか面白く、CDでも聴けた、バディ・ガイが Motherfucker と紹介された理由もちゃんとわかります(笑)。

 2つめがボーナス・ソング4曲(Undercover of The Night、Paint It Black、Little T & A、I'm Free)。もちろん映像付き。Undercover は日本盤CDのボーナス・トラックだったものなので、日本盤を買わなかった人もこのDVDで映像付きで聴けます。

映画本編ですが、コンサートまでの準備シーンを経て、JJFからスタート。フィルム映像の美しさは格別です。
 映画全体は、「ラスト・ワルツ」のように、曲間にインタビュー・シーンを挿みながら進行。この辺は好みが別れるかと。

 ビーコン公演のプロダクション自体、スコセッシ側主導で進んだようで、ミックが「俺はこんな装置にしろなんて言ってないよ」、「ライブ中にそんなにカメラ動かしたら危険だよ」といったクレームをつける場面があります。

 演奏シーンのテンションの高い編集は素晴らしく、やはりスコセッシって人は音楽のことをちゃんと分かってます。セット・リストは直前に確定らしく、スコセッシが「どの曲かでどこを撮るかが決まるんだ。1曲目はなんだ!」と慌てるシーンが印象的です。

 B.ガイとのシーンでのメンバーのバディへの絡みっぷり、カッコいいです。これは音だけでは分からない。

Shine_buddy

●ダブル・エンディングのような構成のエンディングが良く出来ていて、やはり凡庸なコンサート・フィルムとは一味違います。

 エンド・タイトル・ロールで流れる音楽はサウンドチェック中にキースが弾いたリリカルなアコースティック・ギターの即興演奏ですが、これが美しいのなんの。彼がこんなギターを弾ける人だとは思いもしませんでした。

●一応映画館でも見る予定です(見ました)。国内盤はハード揃えた時にブルーレイで買います(ほんとかい)。

2007.08.26

「今宵、フィッツジェラルド劇場で」をDVDで見る

●すでに当ブログで何度か触れてますが。昨年亡くなった偉大なるロバート・アルトマンの遺作です。原題は、A Prairie Home Companion(牧場小屋の仲間達)。日本公開は、去年6月のアメリカ公開に遅れること9ヶ月の、今年3月。
 最後の作品くらい映画館で見ようと時間作って渋谷で見ましたが、先日DVDも購入。
 映画の概略はこちら。公開元の公式サイトはこちら

「今宵、フィッツジェラルド劇場で」
「今宵、フィッツジェラルド劇場で」

●非常に良くできた50分弱のボーナス映像によると、アルトマン夫人が、A Prairie Home Companion のファンで、アルトマンは当初、キーラーの小説「レイク・ウォビゴンの人々」を映画化しようとしたそうですが、キーラーと脚本を巡りやりとりしてるうちに考えが変わり、 A Prairie Home Companion を素材にすることにしたそうです。
 アルトマン自身体調不良を抱えながらの撮影だったそうですが、ボーナス・ディスクで見れる演出シーンや、インタビュー・シーンの彼は元気そうで、死の影はありません。

 大手資本に買収されたラジオ局の長寿音楽番組が最後を向かえるというプロットですが、予想に反し(でもないか)、アンチ・クライマックスというか、感動の大団円とは無縁。舞台裏はほとんど雑談。舞台上は平凡なカントリー・ゴスペル・ミュージック。何せ楽屋で人が死んだって、月並みな狼狽があるだけ。でもなんて美しい映画なんでしょう。
 
 もしご興味あればご覧ください(レンタルなら100円玉数枚ですんで)。照明なんて神業。多数の鏡に囲まれた楽屋場面の美しいこと。

 役者では、メリル・ストリープの歌の上手さに驚きました。私的には、彼女が、リリー・トムリンと歌う、母親の思い出の歌(Goodbye To My Mama)のシーンが映画のクライマックスかと。

●もう一つ。驚かされたのが、メリル・ストリープの娘役で出演してるリンジー・ローハン

 「リンジーローハン ゴシップ」で、ググるとトホホなゴシップが大量に出てくる、お騒がせ Bitch、あ、いや、娘ですが、この映画ではあの化粧の濃い毒々しい姿とはまるで別人。髪はブロンドに染めてますが、インテリ学生風の小娘になりきってます。オジサン少し萌えましたがな。一曲ソロで歌う姿もカッコイイです。

 一枚キャプチャー貼っておきます(この程度なら著作権法第32条の「引用」の範囲でしょう)。

Ll_phc

 現在、アル中、薬中から更生中の身だそうですが、悪いこと言わん。悪いヤツとは付き合わず、良い大人の言うこと聞いて更生しなさい。あんたは単なるジャリ・タレで終わらん。きっと大物になる。何の芸もないパリスなんとかと違って。

●100分超のボーナス・ディスクの他、まだ見てませんが、本編ディスクに、アルトマンとケヴィン・クラインのオーディオ・コメンタリー付き。公開時に売られたパンフの一部もデータとして読めます(非常に有益)。

 この映画がらみのネタは、ここここにも書きました。

2007.07.25

「アトランティック・レコード:60年の軌跡」を見る

 2007年、アメリカ PBS 製作で、同局の American Masters シリーズの一作。114分。
 原題は、Atlantic Records The House Ahmet Built で、原題の方がカッコイイですね。

 「日本盤出るか微妙だなぁ・・・」と思ましたが、ちゃんと出してくれました。発売元サイトの関連ページはこちら。PBS の American Masters の本作関連ページはこちら

アトランティック・レコード:60年の軌跡
アトランティック・レコード:60年の軌跡

 25日発売ですが、お休みの本日、即見しました。

●「アトランティックの通史+アーティガンの個人史」風な作品ですが、初期の作品をあまり知らない自分は、アリサ、オーティスが登場するあたりからが一番楽しめました。初期アトランティックこそがアトランティックの本領、という方には心外でしょうけど。

 作品中、ジェリー・ウェクスラーが、

 「メジャーカンパニーの中で経営者がスタジオで一緒にレコードを作っていたのはアトランティックだけだ」

と語りますが、重いお言葉です。 

 アリサ・フランクリンがコロンビアで売れずにくすぶっていた頃の話が出てきますが、アリサ曰く、「コロンビアでは経営者がスタジオに来ることなどなかった」ということです。

 とにかく、昔を回想する登場人物達が皆楽しそうなのが印象的です。

●もちろんクラプトンが出てこないわけはなく、以前ご紹介した、ロンドン滞在時、ウィルソン・ピケットのパーティーで、クラプトンを初めて聴いたときのあのエピソードが、アーメット本人の口から語られます。

 クリームの傑作ドキュメンタリー「クラシック・アーティスト・シリーズ / クリーム」でも、アーメットが同エピソードを語る場面が出てきますが、そちらはオフィス内の映像、本作のは屋外での映像です。「アトランティック・レコード物語」にも出てくる、この時の体験、よほど強烈な印象を、アーメットに与えたと思われます。

 NY で、クラプトンが、アリサ・フランクリン&バンドとセッションした時の話なんて秀逸ですが、ネタバレになるので、内容のご紹介は止めておきます。

 その後、アリサの Lady Soul のカバー写真とクラプトンの写真がオーバーラップするシーンがあり、背後に流れるのはもちろん、Good To Me As I Am To You でのクラプトンのソロです。寝転がって見てましたが、この辺で体がむくっと起きましたです、はい。

●もちろんツェッペリンも登場。ゼップについては、アーメットがペイジ、プラントと会うことなしに、ウェクスラーが契約したそうですが、興味深かったのが、彼らの契約内容で、「バンド側がアートワークとサウンドの決定権を持ち、経営陣は録音中スタジオに入れない」旨を、口約束でなく契約書で明文化したとのこと。これはそれまでの契約慣行にはなかったことだそうです。

 実際、コンサートの楽屋のような場所で、ゼップの名物マネージャーだった故ピーター・グラントが、初老の男性に「俺に指図するな。出て行ってくれないと始められない」と凄むシーンが拝めます。あの巨体が腕組みして。相手ビビってます(笑)。

●終盤は音楽以外の私生活の話などもあり、少々散漫な印象を受けました。個々の話は面白いのですが・・・・
 会社がワーナーに売却されビッグビジネス化し、Blues、Jazz、R&B というタームだけでは語りきれない音楽が増え出したわけで、音楽面の話が散漫になるのはやむを得ないかと。

 ミック・ジャガーの登場シーンもあり、ストーンズのお蔵入りした現在未発売のライブ映画 Ladies & Gentlemen が部分的に見れますが、なんとか正式に発売できないものでしょうか。

 あまり書くとネタバレになるので止めますが、アトランティックというか、アメリカポピュラー音楽史に興味のある方は必見。出てくるミュージシャン等については、冒頭のリンク等をどうぞ、

 私的に、「アトランティック・レコード物語」(書籍)、トム・ダウドのドキュメンタリー映画「Tom Dowd & Language of Mugic」、本作を、アトランティック三部作と勝手に命名させてもらいます。

Atlantic60

 日本盤には、登場人物について簡潔にまとめられた冊子がついていてます。よく知らない人物もいたので非常に助かります。冊子の最後に、参考文献「アトランティック・レコード物語」って書いてありますが(笑)。早川書房さん、こんな重要文献、早く再発しましょうよ。罪ですぞ。

●エンディングで流れるのは、アリサの Don't Play That Song で、これは DVD のメニュー画面の BGM にもなってます。

2007.02.22

クリント・イーストウッド / 「硫黄島からの手紙」

 クリント・イーストウッドの硫黄島2部作のもう一編。
 「父親たちの星条旗」について書いた時に、こちらも必ず見ると書きましたが、ようやく見てきました。

Iwojima

 見る前はブログに感想でも書くかと思ってましたが・・・・打ちのめされて言葉すら出ませんでした。
 機会があれば、ぜひ皆さんもご覧ください。

 全編、日本人俳優が日本語を話し続けるこの映画が、字幕嫌いの映画ファンが多くいる、かつての「敵国」米国アカデミー賞の作品賞にノミネートされていることへの、ひねくれた懐疑というか、こそばゆさのような気持ちは、見終えた後に完全に消えました。

2006.12.29

映画「トム・ダウド いとしのレイラをミックスした男」
(原題 TOM DOWD & THE LANGUAGE OF MUSIC)

 これ、「レイラ」だけに焦点を当てた映画ではないです。トム・ダウド(1925-2002)の功績を辿った映画で、「レイラ」はあくまで映画の一部。終盤に出てくるそのシーンは素晴らしすぎますけど。

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トム・ダウド いとしのレイラをミックスした男

●自分は、字幕のない輸入盤(英字幕もなし)を買って摘み食い的に見てましたが、最近、国内盤を買ってあらためてじっくり見てみました。

 国内盤は、本編とボーナス編が別ディスクの2枚組ですが、リージョン・フリーで1枚物の輸入盤にも同じボーナスが入ってます。
 チャプター画面は、国内盤は文字だけのシンプルな物に換えられていて、これは映画スタイルのチャプターの輸入盤の方が奇麗です。
 日本盤はディスクのデザインがアトランティックレコードのロゴを模していて面白いです(左が輸入盤、右が国内盤)。それだけですけど(笑)

Dowd_disc

 ま、普通は字幕のある国内盤を買うでしょう。

●以下、DVDより知ったこと。

 コロンビア大学の研究所で物理学を研究していた1人の男が、1947年、NYタイムズに載ったアトランティック・レコードのエンジニア募集広告を見なかったら、「プロデューサー」トム・ダウドはポピュラー音楽の歴史の中にはいませんでした。

 音楽界入りするまで、トムは、原爆プロジェクト「マンハッタン計画」や戦後の核実験にも関わりましたが、原爆の投下自体には、戦争終結を早めるには仕方なかった、という一般的なアメリカ人と同じ意見です。
(このシーンは本編からカットされて、ボーナス編で見れます)

 大学の研究所に採用されたのが16才。戦後、大学に戻って教員になることを止めた理由は、大学で教える内容が、すでに自分たちが研究した成果より10年古く、意義を見いだせなかったからだとか。いやはや凄いす・・・

 とにかく、音楽大好きの陽気なオジサンみたいな口調でしゃべりまくりますが、実は大変な超インテリだったんですな、トムさん。

●で、いきなり、アトランティック入りって、ちょっと、あなた(笑)。
 父親が劇場関係のマネージャー、プロデューサー、母親が歌手で、楽器を習いながら育ったということで、音楽との縁はしっかりありました。学校で吹奏楽の指揮者までやってます。

 ある程度時間をさいているシーンは、レイ・チャールズ、コルトレーン、多重録音の先駆者レス・ポール、リーバー&ストーラー、スタックスとの関わり、アレサ・フランクリン、クラプトン(クリーム、ドミノス含む。Sunshine of Your Love のエピソードは面白いです)、オールマンズ等。

 アトランティックの2大重鎮、先日亡くなったアーメット・アーティガンとジェリー・ウェクスラー(Billboad誌からアトランティックに移籍、トムより八つ年上で来年で90才)の登場シーンも当然あります。
 自分は、R&B(リズム&ブルース)という言葉を生み出したのが、ジェリー・ウェクスラーだったとは、この映画を見るまで知りませんでした(アーティガンの訃報で紹介した、「アトランティック・レコード物語」に書いてあるかもしれませんが)。

 8トラック・レコーディングの導入、スライド式コンソールの開発、それらによる録音方式の発展に、トムが、メカニカル面だけでなく「音楽的」に貢献したか良く分かります。ドミノスのシーンで、クラプトンが、トムが単なるエンジニアでなく、成熟した「音楽家」であったと強調するのは象徴的でしょう。

 なお、67年に、トムがジョージ・マーチンと会ったときに、ビートルズは4トラックしか使ってなかったというエピソードが出てきますが、むしろ、4トラックで「サージェント・ペッパー」を作ってしまった方が驚きというべきかもしれません(ビートルズが8トラックを使ったのはホワイトアルバムから)。

 個人的な思い入れを抜きにして(抜きにできんですが)、映画のクライマックスはドミノスのシーンで、レイラのマルチ・トラック・テープを再生しながら、嬉々として各トラックの音をいじるダウドの姿は感動的です。ピアノ・エンディング前のクラプトンとデュアンのバトルを両者の音だけ抜き出して鳴らすシーンは、やはり鳥肌もの。それと、ピアノ・エンディングに入ってからのカール・レイドルの生々しいベース音にも驚かされます。

 このシーンを見てて、正直、トム・ダウドによる21世紀版新リミックス・レイラを聴いてみたかったという妄想にかられましたね、わたしゃ。

ボーナス編では、本編でカットされたインタビューも見れて、

「オールマン・ブラザース・バンドは最高のフュージョンバンド」
「クラプトンは、弦楽器に限らずあらゆる楽器・奏法に興味を持っていて、それをギターにどう生かせるか考えていた」

なんて、なかなか興味深いです。

 ボーナス部で特に印象的なのは、デュアンの事故死を電話で知らされた時のことを話すシーンで、それまでオールマンズの音楽作りついて饒舌に語っていたダウドが、急に言葉に詰まりだすところは、やはりホロっときます(放心状態のダウドはデュアンの葬儀に列席してないそうです)。

 オールマンズのジェイモーは、インタビュー・シーンを見る限り、想像してたより物静かで知的な人でした。

 それから、D.ガレスピーの変形トランペットについて、地下の狭いクラブで演奏するときでも、音がステージ近くに密集している客の中に埋もれずに良く響くように作らせた、というエピソードが出てきます。
 自分の記憶では、ディジー自身が「椅子に置いてあったトランペットを誰かが誤って座って変形させてしまい、そのまま吹いてみたら意外と良かったから・・・」というような話をしてたような気がするんですが・・・後者はディジーのお茶目な作り話なのかもしれません(それか私の勘違い)。

 このボーナス編インタビューはかなり豊富な分量です。

●根気がなくなったので、まとめはしません。っていうかできんです。
 ポピュラー音楽史に興味のある人はかなり楽しめると思います。ただ演奏シーンが目当ての人は失望するので買わない方がよいです。英語版の公式サイトがあり、mp3やpdfのバイオグラフィーもあります。

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