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カテゴリー「Blues」の4件の記事

2012.02.01

ゲイリー・クラーク Jrのデビュー作、The Bright Light

●テキサス州オースティン出身のゲイリー・クラーク Jr(Gary Clark Jr)のアルバム・デビュー作。4曲入りミニ・アルバムです。

Bright Lights Ep
Bright Lights Ep

 彼の公式サイトはこちらで、このアルバム収録のThe Bright Light を無料で落とせる他、ストリームで全4曲聴けます。太っ腹というか、CDのようなパッケージ商品って難しい時代なんでしょうねえ。

●84年生まれのアフリカ系。デビュー作と言ってもすでにキャリアを積んでる人で、2010年のクロスロード・フェスティバルにも出演してます。10代の頃からキャリアを積み、オースティンの音楽シーンの重要人物クリフォード・アントンに出会って以来、ジミー・ヴォーンを含むオースティンのミュージシャンとプレイしてきたとのこと(Wikipedia英語版より)。

●4曲とも自作曲。2曲がバンド編成で、ソロが2曲。ソロはジョン・メイヤーがやっても違和感ないようバラードと、ブルーズの弾き語りですが、後者のソロは狭いブルーズの話法に留まらない表現で、好みは分かれるのでしょうけど良いです。

●CGF2010のDVDでも自分のバンド(ドイル・ブラムホールがゲスト)とやってるThe Brigh Light(本アルバムの1曲目で無料で落とせるやつ)が収録されていて、ヴォーカルは少し線が細いですが、素晴らしいギターソロを聞かせてます。

 CGFではシェリル・クロウのセットにも参加して、クラプトン、デレク、スーザン、ドイルと共演してるシーンが拝めますが、こちらは他のメンバーが凄すぎてほんの脇役という感じ。情けない短パン履いてトボトボ出てくるECとなぜか握手、挨拶するシーンが(笑)。

 余談ですが、シェリルの2曲目 Our Love Is Fading でオブリガート、ソロと弾きまくってるクラプトンのプレイ素晴らしいです。こういうプレイ聴いちゃうと、ECはギタリストとして終わったみたいな極論がいかに馬鹿げてるか分かると思います。このオッサンほんと侮れませんわ。途中、ドイルと言葉交わしながらのけぞって大笑いしてますが、あれは何なんでしょうか。

●ちょっとゲイリーから脱線しました。オーソドックスなブルーズ好きの人の趣味からは少し外れるかもしれませんが、ミニアルバムでお安いのでどうでしょう。

 下の動画は While My Guitar Gently Weeps をやってるゲイリー。オリジナルに比べるのは酷か。

2011.10.09

Johnny Winter の新作 Roots

Roots●ジョニー・ウィンターの7年ぶりの新作です。Maybelleneみたいなポップな曲もありますが、基本的にはブルース名曲集。

 JWのファンには怒られるかもしれませんが、ジョニーご本人よりもゲスト、それも一部の人に惹かれて買いました。パッケージに対する執着もなくなってきたので配信で購入。米iTune Store で9ドル。
 でも、配信だと演奏メンバーのインフォメーションとか分からないですね。ちょっと後悔。

●多ゲストでアルバムを出すのは、現役から外れつつあるというか、ピークを過ぎたちょっと微妙なポジションのミュージシャンに多く、普通あまり食指が伸びないのですが、ここでのジョニーご本人は歌もギターも十分力強くかなり好調。Come Back Baby でのヴォーカルなんて最高。あちらのファンのレビューを見ると「彼の近作中最高」、「待った甲斐があった」というレビューが多いです。

●個人的には、デレク・トラックス、スーザン・テデスキ、ウォーレン・ヘインズが参加したトラックに惹かれてしまうのですが、デレク参加のフル・パワーでぶっ飛ばすようなDust My Broomより、スーザン参加のリラックスした感じのBright Lights, Big Cityが良い感じかも。ウォーレン参加のDone Somebody Wrongも悪いわけない。

 デレクは2回目のクロスロード・フェスティバルでジョニーと共演してますが、インタビュー読むと、ジョニーは隠遁者みたい感じであまり話さなかったと話してます。こうやってお呼びがかかるのだから、御大のお気に召したということなんでしょう。

 ランドレスについてはいつも感じるように何か足りないと言う印象。音楽が素直過ぎるというか、奇麗すぎるというか。素晴らしいプレイヤーなのでしょうけど。

●けっこう聴きそうです。やはりCDにすれば良かったか(国内盤は83年のライブ音源2曲付き)。4月の初来日公演の模様はようやく11月8日にWOWOWで放送されます。会場で聴いた時はPAの状態が良くなく印象が今一つだったので、どんな感じなのか楽しみ。

●気づいたら1ヶ月何も書いてませんでしたが、止める気はないのでまたボチボチ書いて行きます。

Johnny Winter / Roots

1. T-Bone Shuffle (featuring Sonny Landreth)
2. Further On Up The Road (featuring Jimmy Vivino)
3. Done Somebody Wrong (featuring Warren Haynes)
4. Got My Mojo Workin'
5. Last Night (featuring John Popper)
6. Maybellene (featuring Vince Gill)
7. Bright Lights, Big City (featuring Susan Tedeschi)
8. Honky Tonk (featuring Edgar Winter on sax)
9. Dust My Broom (featuring Derek Trucks)
10. Short Fat Fannie (featuring Paul Nelson)
11. Come Back Baby (featuring John Medeski)

2011.05.01

ロバート・ジョンソンの The Centennial Collection (Sony Legacy)

●2011年の今年、生誕100周年のロバート・ジョンソン。The Centennial Collection としてリマスター盤が出ました。

Centennial Collection
Centennial Collection

 2枚組で42曲。20年前の1990年に最初の The Complete Recordings が出たときは41曲でしたが、その後に発見された Traveling Riverside Blues の別テイクも収録して42曲。

 CD1にサン・アントニオでの録音、CD2にダラスでの録音を振り分け。セッション順に並べていた The Complete Recordings と違い、マスターテイクを最初に並べて、別テイクは後ろに置く収録になってます。

●20年振りのマスタリングですが、音は劇的に様変わりしてます(90年代後半に出たKing Of The Delta Blues Singers は新復刻だったようですが未聴)。

 The Complete Recordings はSP盤特有のノイズを消すと同時に楽音も消えてしまったところがあったのに対し、今回は、きれいにノイズだけを低減させた感じ(残ってはいます)。聞こえてくるジョンソンのギター、ヴォーカルとも鳥肌立つくらいの生々しさ。これまでは聞きとれなかったような歌に込められた細やかなニュアンスの違いもくっきり。もう、The Complete Recordings の比じゃありません。

 復刻担当エンジニアは Steven Lasker という人で数年がかりの作業とのこと。良い仕事しました。

●ブックレットに使われてるジョンソンの写真は知られた2枚のみで、数年前に米Vanity Fair誌に3枚目の写真発見?、という記事で公開された写真は使われてません。まあ、ちょっと別人ぽい感じだったので。

●個人的にはこれを買わずに何を買う、って感じ。オマケも派手な箱も何もないけど凄い。

2010.11.10

Albert King with Stevie Ray Vaughan in Session がDVD付で再発

●1983年12月6日に、カナダ、オンタリオ州ハミルトンのCHCHスタジオで行われたTV番組用セッションの録音がスタックスから再発。

In Session
In Session

 CDとDVDの2枚組で、DVDだけでも90分近くあるのでかなりお買い得。DVD単体でも出ました(リージョンはオール)。

●この映像、自分はYoutubeで見たことがあるだけだったのですが、今回のDVDは27年前のビデオとしては画質は上々。

 軽く力抜き気味に淡々と始まる Born Under A Bad Sign から十分素晴らしいですが、SRVのギターは2曲目 Texas Flood からすでに火を噴いていて、それを見つめるアルバート・キングのニターっとした顔。

Ak_insession1

 後半、ソロを弾きまくるSRVを Play On! Play On! と煽りたてたと思ったら、おもむろにポケットから取り出したヤスリで爪を研ぎ出すわ(笑)。曲の途中からパイプ吹かし出したり(笑)。

Ak_insession2

 83年はSRVが最初のアルバム Texas Flood を出した年ですが、このセッションを聴いても彼のギターはすでに圧倒的。もちろんこの日のアルバート・キングも。Overall Junction なんてすんごいソロ弾いてます。

 SRVのギターリストとしての技量を知らなかったアルバートは当初共演を嫌がったそうですが、ここではそんな雰囲気は皆無。SRVに対するアルバートの父親のような態度が非常に印象的。SRVが凄いソロを連発すると「あははは」「がははは」「いひひ」とかお下劣に喜んでます。

 CDもDVDも、アンプから出た音を未加工でそのまま収録したような2人のギター音が素晴らしく、それを聴いてるだけで体が溶けそう。

●自分がアルバート・キングのギターに強く惹かれるようになったのはほんの最近で、正直、アルバート・キングという人をろくに聞き込んでもいないわけですが。
 きっかけは、クラプトン・バンドでソロを取るドイル・ブラムホール(左利きで、右利き用ギターを弦をそのままにして弾くのも同じ)がいかにアルバートに負ってるかを語ってくれた知人の言葉を聞いて以来。たしかに、スロー・ブルースで頻発する三連符で始まる特徴的なフレーズなどはアルバートまんま。

 このアルバムの解説文はいきなり、「アルバート・キングは偉大さに相応しいだけの認知を一般から受けることはなかった。彼はB.B.キングの影のような存在だった」で始まりますが、ロック・ギターリストに与えたとされる影響力の大きさの一方で、彼の存在をそうさせたものって何なのでしょう。ブルーズ・ファンからは何を今さらと怒られそうですが。

●気の利いたようなカメラワークなど全くなくギミックとは無縁。狭いスタジオの中でミュージシャンのピュアな魂だけがぶつかり合うような素晴らしさ。ギター好きでこれを聴かない(見ない)のはヤバイかも。

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