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カテゴリー「Albert Lee」の2件の記事

2014.06.16

今年も来たアルバート・リーのコットンクラブ公演を観る

●前回2013年1月に見た公演が素晴らしかったので、今年も来てくれたアルバート・リーのコットンクラブ公演を見てきました。6月15日のファースト・ショー。6月13日〜15日の3日間6公演の5公演目。2013年に見た時に書いたのはこちら

Lee

●バッキング・メンバーは2013年と同じ。メモってたわけではないので厳密には確認していないのですが、オープニングが I'm Ready なのを始めセットはかなりの部分が2013年と重複。今回の本編ラストが「昔の Heads Hands and Feet でやってた曲なんだけど、知ってる人もいるんじゃない」みたいな感じでやった定番の Country Boy(知ってる人もいる、どころではないですけど)。アンコールはギターでなくピアノを弾きながら歌ったグレン・キャンベルの胸に染みるような美しいバラード A Better Place (ジーンと来ました)と Tear It Up。前回は本編中で2曲続けて弾いたピアノですが(1曲はジミー・ウェブの Highwayman なのは同じ)、今回は本編とアンコールで一曲ずつに分けてました。

●セット自体が似ているので全体の印象もほとんど前回と変わらないのですが、今回の演奏は所々もっとアグレッシブな印象。行け、行け〜的なロックぽいノリは今回の方が強く感じたかも(ただし、前回、今回とも音源で聴き返したわけではないので自信なし)。R.チャールズの Leave My Woman Alone や Country Boy ではアルバートは弾きまくり、バンドはガンガン鳴らしまくりという感じで場内かなり沸いてました。ただし、お客さんの入りは前回と同じ位でキャパの半分くらい。前回より2回少ないこと、休日なのを考えるとちょっと寂しいかも(去年見たのは平日のセカンド・ショー)。

 2月にDVD、CDが出た去年のNYC、Iridium でのショーと内容がほぼ同じで(ベースは別の人)、Iridium公式アカウントの映像でその様子が見れます(レイ・チャールズ曲でのレイラの引用も見れます)。



●多くの曲で作者の名に触れながら、一曲毎にニコニコと Thank you を繰り返しながら淡々と進行していくのですが、カントリーや古典的なR&B、R&R中心のショー全体でお客さんを包み込んでしまう幸福感はお人柄そのものという感じ。デレク・トラックスのような旬真っ盛り、多種多様な音楽がシンクロした刺激的な面白さはないのですが、聴き終えた時の満足感では負けません。多くのクラブ公演がそうであるように全体で80分位のショーですけど物足りなさはないです。

●去年の12月に70歳になったアルバート・リーですが、今年の3月にロンドンで行われた70歳記念コンサートの会場はキャパ900人ほどの Cadogan Hall。多くの人達から讃えられ敬われているのに本国でもとっても地味な存在。でも、音楽シーンを派手に席巻したり、大声で自己アピールするような音楽をやって来た人ではないのでそれでいいのかもしれません。おかげでこんな素晴らしい演奏を小さなクラブで間近で見れて、誰かさんみたいに10万円とか取られないし。

●今回はアルバート側からの持ち込みの物販があったためか、ファースト・ショーの後もサイン会があり、自分も3曲入りのミニEPを買い、サインを貰いました。演奏後そのままボックス席にひょこっと座り淡々とサインに応じてる姿を見ていると、一部のあまりにも超巨大ビジネス化した音楽業界ってなんじゃろ、との思いが心をよぎったのも事実。サインもニョロニョロ曲線でなく一応ちゃんと文字になってるし(笑)。

Ep

 この Off The Cuff というタイトルのミニEP。A 3-TRACK EP AS THE PART OF THE ALBERT LEE 70TH BIRTHDAY CELEBRATION という副題で、収録されてるのは、Hey Doll Baby (エヴァリー・ブラザーズ)、Skip Rope Song (ジェシ・ウィンチェスター)、Well All Right (バディ・ホリー)の3曲。Off The Cuff (思いつき、即席)というタイトル通り、ラフな音で3曲全部アコースティック・ソロで、ウィンチェスターの曲はギターでなくピアノ(ストリングス付き)です。私的に一番楽しめたのは、もちろん Well All Right。

●満足。同じセットの繰り返しでも全然OKなので、また来てほしいです。

2013.01.14

アルバート・リーのコットンクラブ公演を見る

●アルバート・リーのコットンクラブでの公演を見てきました。

Lee 見たのは4日間全8公演中、3日目1月12日の2ndショー。

 セットは11日の2ndショーのものを Blues Ginza Blog さんが詳細に上げてくださってます。メモってたわけではなく、若干記憶曖昧で知らない曲もありましたが固定セットだと思われます。正味80分ほど。メンバーはこちらの Albert's American Band の4人編成。

 コットンクラブの公式サイト内で初日の映像がちょっと見れます。

●リー本人がステージで「日本に来るのは20年ぶりだよ」と言ってましたが、私は彼がクラプトン・バンドの一員以外で来日してたことをまったく知りませんでした。

 YAMAHAのサイト内にある今回の来日についての記事(山崎智之氏)では、85年、90年にスティーブ・モーズと Biff Baby's Allstars というグループとして来日してるそうです。

●というわけで、23年振りの来日で初めて自分のバンドでプレイしてくれたアルバート・リーですが、驚いたのは、風貌、演奏、ヴォーカルが昔と全然変わってないこと。この人、今年70才でクラプトンより2才年上なんですけど。

 神経質とは無縁な感じでニコニコ登場。「これが6回目のショーです」と言ってファッツ・ドミノ(というか自分にはムーンドッグ・マチネーのザ・バンド)の I'm Ready でスタート。曲ごとに作者に触れながら進行。狭い会場なのでメンバー間で頻繁に楽しそうにコンタクト取って、とっても良い感じでした。キーボードのJT.トーマスの過去の共演歴見ると大物がずらりですが、靴脱いで靴下姿で演奏してました。ちょっと、あんた(笑)。

 月並みですが、やはり驚くのはTwo Steps Too、Luxury Liner、Country Boy といった曲で披露する早弾きピッキングのすごさ。79年に、武道館でのクラプトン公演で彼のことを何も知らずに遭遇した時も驚きましたが、間近で見る今回の方が印象は強烈。あ、レイ・チャールズの Leave My Woman Alone のエンディングがレイラになってて笑いました。

 グラム・パーソンズの曲が2曲。うち1曲が「エミルー・ハリスと一緒にやった曲です」と紹介してやった Luxury Liner でしたが、帰宅して調べたらエミルーのバック時代に録音してんですね。安かったので買ってみました、エミルーのLuxury Liner

 後半で「年寄りだからちょっと座らせて」と言ってやった、電気ピアノの引き語り2曲も良かったです。できれば、ソロ1作のHiding収録曲、特にスローなのが聴きたかったですが、リーはもうあのアルバムには未練ないのかな。

●お客さんは開演30分位前に数えてみたら50人超。最終的にも100人いなかったと思います。小会場(キャパ180人)なんで一通り埋まった感じではありましたが、木、金曜の回とかもっとガラガラだったんじゃないでしょうか。うーん、もったいない。

 コットンクラブに行ったのは初めてだったんですが、小さくてどこからもよく見えるし、綺麗だし、ゆったり座れるし、いい感じでした。食事は、姉妹店のブルーノート東京同様に量が多いので、2人でシェアすれば意外と安くあがります。お気に入りの人が出るならまた来たいな、と。

●アルバート・リーの公式サイトによると、今年は70才記念アルバム、コンサート、その映像の発売が企画されてるそうです。素晴らしかったんで、またちょくちょくきてこういった小会場でやって欲しいです。終わった後の幸福感という点では、これを上回るショーを今年見れるかなと思うくらい良いショーでした。

Lee2



(追記)
上記のヤマハのサイトに、山崎智之氏による来日時のインタビューが載りました。へーっ、と思うようなことがかなりあって面白いです。

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