今年も来たアルバート・リーのコットンクラブ公演を観る
●前回2013年1月に見た公演が素晴らしかったので、今年も来てくれたアルバート・リーのコットンクラブ公演を見てきました。6月15日のファースト・ショー。6月13日〜15日の3日間6公演の5公演目。2013年に見た時に書いたのはこちら。
●バッキング・メンバーは2013年と同じ。メモってたわけではないので厳密には確認していないのですが、オープニングが I'm Ready なのを始めセットはかなりの部分が2013年と重複。今回の本編ラストが「昔の Heads Hands and Feet でやってた曲なんだけど、知ってる人もいるんじゃない」みたいな感じでやった定番の Country Boy(知ってる人もいる、どころではないですけど)。アンコールはギターでなくピアノを弾きながら歌ったグレン・キャンベルの胸に染みるような美しいバラード A Better Place (ジーンと来ました)と Tear It Up。前回は本編中で2曲続けて弾いたピアノですが(1曲はジミー・ウェブの Highwayman なのは同じ)、今回は本編とアンコールで一曲ずつに分けてました。
●セット自体が似ているので全体の印象もほとんど前回と変わらないのですが、今回の演奏は所々もっとアグレッシブな印象。行け、行け〜的なロックぽいノリは今回の方が強く感じたかも(ただし、前回、今回とも音源で聴き返したわけではないので自信なし)。R.チャールズの Leave My Woman Alone や Country Boy ではアルバートは弾きまくり、バンドはガンガン鳴らしまくりという感じで場内かなり沸いてました。ただし、お客さんの入りは前回と同じ位でキャパの半分くらい。前回より2回少ないこと、休日なのを考えるとちょっと寂しいかも(去年見たのは平日のセカンド・ショー)。
2月にDVD、CDが出た去年のNYC、Iridium でのショーと内容がほぼ同じで(ベースは別の人)、Iridium公式アカウントの映像でその様子が見れます(レイ・チャールズ曲でのレイラの引用も見れます)。
●多くの曲で作者の名に触れながら、一曲毎にニコニコと Thank you を繰り返しながら淡々と進行していくのですが、カントリーや古典的なR&B、R&R中心のショー全体でお客さんを包み込んでしまう幸福感はお人柄そのものという感じ。デレク・トラックスのような旬真っ盛り、多種多様な音楽がシンクロした刺激的な面白さはないのですが、聴き終えた時の満足感では負けません。多くのクラブ公演がそうであるように全体で80分位のショーですけど物足りなさはないです。
●去年の12月に70歳になったアルバート・リーですが、今年の3月にロンドンで行われた70歳記念コンサートの会場はキャパ900人ほどの Cadogan Hall。多くの人達から讃えられ敬われているのに本国でもとっても地味な存在。でも、音楽シーンを派手に席巻したり、大声で自己アピールするような音楽をやって来た人ではないのでそれでいいのかもしれません。おかげでこんな素晴らしい演奏を小さなクラブで間近で見れて、誰かさんみたいに10万円とか取られないし。
●今回はアルバート側からの持ち込みの物販があったためか、ファースト・ショーの後もサイン会があり、自分も3曲入りのミニEPを買い、サインを貰いました。演奏後そのままボックス席にひょこっと座り淡々とサインに応じてる姿を見ていると、一部のあまりにも超巨大ビジネス化した音楽業界ってなんじゃろ、との思いが心をよぎったのも事実。サインもニョロニョロ曲線でなく一応ちゃんと文字になってるし(笑)。
この Off The Cuff というタイトルのミニEP。A 3-TRACK EP AS THE PART OF THE ALBERT LEE 70TH BIRTHDAY CELEBRATION という副題で、収録されてるのは、Hey Doll Baby (エヴァリー・ブラザーズ)、Skip Rope Song (ジェシ・ウィンチェスター)、Well All Right (バディ・ホリー)の3曲。Off The Cuff (思いつき、即席)というタイトル通り、ラフな音で3曲全部アコースティック・ソロで、ウィンチェスターの曲はギターでなくピアノ(ストリングス付き)です。私的に一番楽しめたのは、もちろん Well All Right。
●満足。同じセットの繰り返しでも全然OKなので、また来てほしいです。
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