クラプトンの最後の?アルバートホール連続公演終わる
●70歳記念と銘打ったMSG公演(2回)と、恒例のロイヤル・アルバート・ホール連続公演(7回)を終えたクラプトンですが。公演プログラムに載った彼自身のメッセージがとても興味深いものだったので書いておきます(自分は現物を持っておらずいろんな人が上げてくれた画像を見ただけですが)。
皆さんへ誓って言いますが、これが最後。
これ以上はありません。70歳までやってきましたが、
30歳過ぎてもやってこれるなんて思いもしませんでした。この15年、引退ということに脅かされてきましたが、
本当に止めたくなる時が来るとは思いませんでした。自分のやっていることが好きだし、ずっとそうでしたが、
この数十年で、
自分が探し求めているものが何であるかに気付きました。
自分のありのままを愛してくれる愛しい家族、
必要な時にリラックスできて、休ませてくれる、
そのことの尊さが日に日に募っています。様々な理由で、
50歳の時に(あるいは60歳の時に)出来たことが少し辛くなって来ました。
なので、猶予を下さいませんか。
時に、前に進むのにもがいているようで、
以前とは違うように見えるとしても。
でも、この誕生日は皆さんと一緒に過ごすことにしました。願わくば、
また思い起こしては、ここ何年もなんとかやってきたこの老体に息を吹き込むことが出来るのかもしれません。
もし、時々もがいているように見えても
あるがままに自分を信じてくだされば。
一緒に演奏する素晴らしい仲間たちと、
人生の素晴らしい時を過ごす自分を。今日は来てくれて、ありがとう。
皆さんのために、ベストを尽くせればと思います。Eric C
●クラプトンがコンサートプログラムにメッセージを載せるようになったのはいつ頃からか記憶にないのですが、2008年のプログラムには載っていました。その時は、ツアーに出るのは億劫で面倒なこともあるけれど、仲間たちと演奏する楽しさがそれを消し去ってくれる、というようなポジティブな内容でした。それから7年が経ち、今度のはストレートに引退宣言みたいな内容です。
2014年の日本ツアーのプログラムに載った彼自身のメッセージや、その後のUNCUT誌(2014年8月号)に載ったインタビューでも引退についての心境を語ってましたが、今回はさらに強い表現になってます。「誓って言うけど、もうやりません」ですから。
内容は読んでの通りですが、最後の方を読むと、ペースダウンするけど音楽は続けますよ、とも読み取れるので、まあ悩ましいです。
●70歳は世間では引退してる年齢。お爺ちゃん年齢になって良き家族に恵まれ、親友のJ.J.ケイルを失い(音楽だけでなく生き方もクラプトンにかなり影響を与えてるはず)、RAH公演中にはB.B. キングの訃報に接し、と、定年がない職業とはいえ、自分の人生のフィニッシュを考えないはずはないです。対照的に Never Endling Tour を選んだディランのような人だって思いは一緒のはず。
●RAH公演最終日の映像を見ると、最後のアンコール曲の前に See You Down The Road Somewhere (またいつか、どこかで会うことがあれば)という異例の言葉があったり、演奏後の横並びのお辞儀の後にメンバー間で名残惜しそうにハグしあったり、と異例づくめではあります。RAH連続公演はもうやりませんよ、というだけかもしれませんが。
●自分は、ECが演奏家であることを止められるはずはない、と思うのですが、彼の身なりに対する美意識なんかを見れば、ヨボヨボになりながらステージに立つなんてことは絶対にしないだろうとも思うし、必ずどこかでスパッと線を引くのかなという気もします。いて当たり前だった人が去っていくのは悲しいですけど。
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