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2015年5月の記事

2015.05.30

クラプトンの最後の?アルバートホール連続公演終わる

●70歳記念と銘打ったMSG公演(2回)と、恒例のロイヤル・アルバート・ホール連続公演(7回)を終えたクラプトンですが。公演プログラムに載った彼自身のメッセージがとても興味深いものだったので書いておきます(自分は現物を持っておらずいろんな人が上げてくれた画像を見ただけですが)。

皆さんへ

誓って言いますが、これが最後。
これ以上はありません。

70歳までやってきましたが、
30歳過ぎてもやってこれるなんて思いもしませんでした。

この15年、引退ということに脅かされてきましたが、
本当に止めたくなる時が来るとは思いませんでした。

自分のやっていることが好きだし、ずっとそうでしたが、
この数十年で、
自分が探し求めているものが何であるかに気付きました。
自分のありのままを愛してくれる愛しい家族、
必要な時にリラックスできて、休ませてくれる、
そのことの尊さが日に日に募っています。

様々な理由で、
50歳の時に(あるいは60歳の時に)出来たことが少し辛くなって来ました。
なので、猶予を下さいませんか。
時に、前に進むのにもがいているようで、
以前とは違うように見えるとしても。
でも、この誕生日は皆さんと一緒に過ごすことにしました。

願わくば、
また思い起こしては、ここ何年もなんとかやってきたこの老体に息を吹き込むことが出来るのかもしれません。
もし、時々もがいているように見えても
あるがままに自分を信じてくだされば。
一緒に演奏する素晴らしい仲間たちと、
人生の素晴らしい時を過ごす自分を。

今日は来てくれて、ありがとう。
皆さんのために、ベストを尽くせればと思います。

Eric C

●クラプトンがコンサートプログラムにメッセージを載せるようになったのはいつ頃からか記憶にないのですが、2008年のプログラムには載っていました。その時は、ツアーに出るのは億劫で面倒なこともあるけれど、仲間たちと演奏する楽しさがそれを消し去ってくれる、というようなポジティブな内容でした。それから7年が経ち、今度のはストレートに引退宣言みたいな内容です。

 2014年の日本ツアーのプログラムに載った彼自身のメッセージや、その後のUNCUT誌(2014年8月号)に載ったインタビューでも引退についての心境を語ってましたが、今回はさらに強い表現になってます。「誓って言うけど、もうやりません」ですから。

 内容は読んでの通りですが、最後の方を読むと、ペースダウンするけど音楽は続けますよ、とも読み取れるので、まあ悩ましいです。

●70歳は世間では引退してる年齢。お爺ちゃん年齢になって良き家族に恵まれ、親友のJ.J.ケイルを失い(音楽だけでなく生き方もクラプトンにかなり影響を与えてるはず)、RAH公演中にはB.B. キングの訃報に接し、と、定年がない職業とはいえ、自分の人生のフィニッシュを考えないはずはないです。対照的に Never Endling Tour を選んだディランのような人だって思いは一緒のはず。

●RAH公演最終日の映像を見ると、最後のアンコール曲の前に See You Down The Road Somewhere (またいつか、どこかで会うことがあれば)という異例の言葉があったり、演奏後の横並びのお辞儀の後にメンバー間で名残惜しそうにハグしあったり、と異例づくめではあります。RAH連続公演はもうやりませんよ、というだけかもしれませんが。

●自分は、ECが演奏家であることを止められるはずはない、と思うのですが、彼の身なりに対する美意識なんかを見れば、ヨボヨボになりながらステージに立つなんてことは絶対にしないだろうとも思うし、必ずどこかでスパッと線を引くのかなという気もします。いて当たり前だった人が去っていくのは悲しいですけど。

2015.05.03

ポール・マッカートニー、2015年来日公演を観る(東京ドーム初日と日本武道館公演)

●ポール・マッカートニーの2015年日本公演。私の観たのは、4月23日の東京初日・東京ドーム公演と、4月28日の日本武道館公演の2公演。

●時系列は逆ですが武道館公演から。

 1960年代前半生まれの私のような人間にとっては、75年の幻の来日公演、80年の公演中止の無念があるので、ここでポール・マッカートニーのコンサートを体験できるのはやはり感無量です。チケットの売り方とかよろしくないとは思いましたけど。買ったのは一番安いB席。当日は現場に向かいながら、じわじわ高まる不思議なワクワク感。

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●どういう事情かほぼ1時間半遅れ、8時頃に、経験のないような大歓声でステージに登場して、Can't Buy Me Love と始まった瞬間の、会場全体が一気に Rockin'になだれ込んでいった光景はやっぱり特別でした。見果てぬ夢とは知りつつ Venus and Mars/Rock Show のオープニングもちょっと期待しましたけど。とにかく、最初から最後までお客さんの熱気が半端じゃなかった。自分はこういうロックショーというのは経験がないです(若い人たちが普通に聴いてる身近なバンドでは当たり前で特別でもないんでしょうけど)。

●全体の印象は、ストレートなロック・ショーを聴いた満足感。ドームのショーではあった、ジョン、ジョージへのトリビュートである Here Today や Something がなかったことが却ってポール自身のストレートなロック・ショーとしての印象を強くしたと思います。特に中盤、Lady Madonna、(「セカイハツコウカイ」と日本語で語って始めた仰天の)Another Girl、Got To Get You Into My Life、Ob-La-Di, Ob-La-Da、Back in The U.S.S.R と連続するあたり(実際は Ob-La-Di の前に、ゆったりしたテンポの Mr. Kite が挟まってます)。私的には Another Girl、Got To Get You Into My Life での高揚感がこの日のピーク。Birthday は日本でやったのは初だったそうですが気付きませんでした。たぶんDVDで見た海外公演と記憶が混濁してるんでしょう。One After 909 は、「ひえー、出たー」って感じでやはり感激。

●ドームではあった目まぐるしく変わる映像による演出はなく、ステージ後ろは真っ黒。そのことは演奏に対する集中という点では良かったのかな(昔のロック公演はそういうのが普通でした)。Let It Be では主催者が各席に配布したライトがいっせいに光って独特の雰囲気。歌い出しでポールの声が動揺したように不安定になってましたが、彼自身あれを見て何か感じることがあったのだと勝手に思うことにします。Mr. Kiteの照明効果は広すぎない空間に光が交錯する感じで、発光点と光が投影される天井が遠すぎて間延びしたように見えてしまうドームでのそれよりもずっと綺麗でした。あと、ステージ平面上に浮き出る照明効果がものすごく凝ってる。ドームだと見下ろす席は遠いのでインパクトは薄まりますから。武道館でも10万円席からは分かりにくく、見下ろす2階席からの方が綺麗に見えたはず。

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●2時間弱のショー。フル・ショーだったドーム公演より短く、終わってから、Jet、Band On The Run、The long And Winding Road いった定番曲がないことに気付きましたけど。まあ不満は特にないです(笑)。終わった後はボーッとして、会場を去りがたい気分。月並みな表現ですが夢の一夜の終わり、という感じ。高すぎるチケット代に「こんな値段なら少し金足せばロンドン行けるし、ロンドンで見た方がましじゃん」とも思いましたけど。今回のショーは東京の日本武道館だから出来たショーであって、世界中どこでも再現不能。仮に二度目の武道館があったとしても今回のような雰囲気にはならないと思います。日本ツアーのfacebookページにあるポール・マッカートニー本人の言葉、「初めてここ武道館に立った日のことを思い出しながら、今夜の素晴らしい観客の前で演奏することができ、とても心動かされ、感極まる体験でした。49年ぶりに武道館に戻ってくることができて、とても興奮したと同時に、これまでの日本のショウでも最高のものだったと思います。とてつもなくクレイジーで、最高な夜でした。」は社交辞令ではない本心だと思います。ほんとに「とてつもなくクレイジーで、最高な夜」でしたから。
原文は、It was sensational and quite emotional remembering the first time and then experiencing this fantastic audience tonight. It was thrilling for us and we think it was probably the best show we did in Japan and it was great to be doing the Budokan 49 years later. It was crazy. We loved it. で、最後の文に少し意訳がはいってますけどね。)

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 一生忘れられない、スパーブな2時間でした。

●ドーム公演についても触れましょう。

 内容がほぼ2013年の公演と同じだった(ツアー名が同じOUT THEREツアーなので当たり前)ので新鮮味が薄れたのは仕方ないです。自分自身はチケットも前回同様友人頼みで、粛々と当日を迎えたという感じだったし。I Saw Her Standing There のような曲は以前なら血湧き肉躍るように興奮したと思いますが割と冷静。喜んでる会場を観察してたり。むしろ淡々とアコースティックなセットが続く中盤、We Can Work It Out、I've Just Seen A Face、Another Day といった曲のメランコリックな部分にふと心奪われました。Here Today だって以前聞いた時よりもストレートにジーンときたし。まあ、ポールも老いましたが、こっちも老いました。

●なんか淡白な書き方ですが、そんなことは全然ないです(笑)。セットリストを眺めながら振り返ると、あそこはああだった、こうだったとクラクラきますし。武道館がストレートなロック・ショーだとすれば、ドームは曲数もずっと多いしバラエティ豊か。この人の煌めくようなキャリアの総決算、色んな要素が混然となった面白さという点では、ドーム公演は2013年の前回同様、素晴らしかったです。

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 声は前回からさらに不安定になったとはいえ、体型はビートルズ時代と変わらず。時々スクリーンに映される背後からの演奏姿なんて、ビートルズの頃と全く一緒なのには陶然とさせられました(クラプトンやディランは全然変わっちゃいましたからね)。

●ポール・マッカートニー自身、ビートルズとして最初に来た時は日本という国は未知のエイリアンの国だったと思うし、それはソロでの初来日が実現した90年でもそうだったんじゃないかと思います。彼自身の間抜けさとはいえブタ箱に入れられたイヤな思い出もあるし。何よりポール・マッカートニーという人は、ジョン・レノンのように異文化に越境して行くような人じゃないですから。ただ、何度か来日して公演を重ねていくうちに、日本という場所がエイリアンでない、普通に演奏して楽しい身近な国にじわじわとなっていたのではないかなと勝手に思ってます。

●いつまでもお元気で、サー・ポール。

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