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2013.09.29

クラプトンの74/75年音源ボックスが11月にリリース

●クラプトンの74年から75年にかけてのスタジオ、ライブ録音をまとめた Give Me Strength - The 1974 / 1975 Recordings いうタイトルのボックスセットが11月26日に出ます。5CD+1BDという構成。BDはマルチ・チャンネルの音声のみです。

Give Me Strength : The 1974 / 1975 Recordings
Give Me Strength : The 1974 / 1975 Recordings

●各ディスクの構成は下記の通り。収録曲はすでにすべて発表済み(Where's Eric ならこのページで見れます)。その内訳をみると、初出音源はそれほど多くありません。特にブートレッグで聴けたものを考慮すると、初出音源はほとんどありません。ディランのブートレッグ・シリーズのクオリティや驚きに比べてしまうと、うーん、という感じで、正直、物足りません。「461オーシャン・ブールヴァード」と「安息の地を求めて」本編がフルで入ってるので、物足りないというより上げ底感濃厚。「461」はすでにデラックス・エディションが出てるし、商売人ならもっと計画的にプロジェクトを組めないんでしょうか。

 もちろんブートで聴けたから価値がないとか言う気は全然ないし、むしろ、そんなヤクザな物に手を出さず公式盤で初体験するのがまっとうな道だと思いますけど。

 と言いつつ、ボックス収録曲について、以下少々。

●今回収録の「461」のアウトテイクについては、Crossroads というタイトルのコンピレーションボックスと「461」のデラックス・エディションで聴けたものが多いのですが、初出の例外が3つ(4トラック)

Pathfinder_2 2トラック収録の Getting Acquainted という曲は、2トラック目の副題 too late からすると、ブートレッグ(左写真。Archives Parhfinderというタイトルの物)では It's too late (to be sorry) と表記されてる曲かなと思うのですが、どうでしょう。ちょっとだらけたジャムっぽい感じです。なぜタイトルが Getting Acquainted なのか分かりません。歌詞にその言葉が出てくるわけではないし。あるいは別の曲でしょうか。

 他の2つは Please Be With Me (Acoustic) と Give Me Strength (Dobro 1) で、後者は歌なしと思いますが、ECのドブロはなかなか聴きものだと思います。前者は好きな曲なので、歌のある別テイクだと良いんですが、もしかしたら Gypsy というタイトルで非公式に聴けた Please Be With Me の初期テイクかもしれません。

●「安息の地を求めて」のアウトテイクは、 Crossroads ボックスで聴けたものとシングル盤「天国の扉」のA/B曲以外の初出は、Burial と Fools Like Me の2トラックだけ。前者はピーター・トッシュのレゲエ曲で(かなり脱力した演奏)、後者はジェリー・リー・ルイスの曲をブルーズにアレンジしたもの。共に非公式に聴けました。

●ディスク3と4は、E.C. WAS HERE remixed and expanded version というタイトルになっています。オリジナルの E.C. WAS HERE 収録以外のトラックも70年代のライブ録音のアンソロジー・ボックス Crossroads 2 や461のデラックス・エディションで聴けたものが多く、2CDで16トラック収録されているものの、公式初出は74年7月20日のカリフォルニア、ロングビーチ・アリーナで収録の4曲のみ。ただし、この音源はECの74年ライブ音源の中でも最も有名なもの。何種類ものブートが出ていて完全版が非公式に聴けました。今回公式初出の4曲も聴いたことある方が多いでしょう。

●ディスク5のフレディ・キングとの音源は、「安息」のためのレコーディング・セッションの直前の74年8月5日にクライテリア・スタジオで録音したもので、元々はフレディー・キングの Burglar というRSO期のアルバム用の録音です。録音メンバーは当時のECのツアーバンドのメンバーです(イボンヌ・エリマンは不参加)。ヴォーカルはすべてフレディー・キングでクラプトンは一切歌っていません。

Fk34_76 同セッションからは、Sugar Sweet  が Burglar に収録され、同曲を含む3曲が、フレディ・キングがなくなった後に出た追悼アルバム(Freddie King 1934-1976、左写真)に収録されてました。公式盤なのですでに聴いてる人も多いでしょう。

 未発表だった Boogie Funk が今回初出で、ロバーティの本には Blues Jam として記載されていましたが、フレディー・キングの Boogie Funk だったんですね。ECがどんな演奏をしてるのか、これはちょっと楽しみです。フレディーの同曲の演奏はYouTubeでたくさん見れます。これとか。

 Gambling Woman Blues は上記の追悼アルバムでは、ゆっくりフェイド・アウトしながら9分弱で中途半端に終わりますが、今回収録のものはフェイド・アウトしない完奏版(22分)です。

●今回出せる音源に未知の驚くようなものがないのは、そもそもアウトテイク自体がそんなにないのでしょう。私は正直なところ、クラプトンのアウトテイク音源を面白いなと感じたことは余りありません。

 クラプトンという人はたくさんの曲を準備し、その中からアルバム収録曲を吟味するタイプではないのだろうし、また、例えばディランのように、録音しながら、当初のアイデアやアレンジが変化して行くような音楽作りをするようなタイプではないのかなという印象を受けます。曲が出来たらそれがほぼ完成形で、少ないテイクをビシッと収録してそれで終了みたいな。

 後の My Father's Eyes や Circus Has Left Town のような、完成形ができないまま形を変えて行くケースもありますが、その話は、この2曲が収録されていて、もうすぐ出るアンプラグドの拡大版を聴くときの楽しみにとっておきます。

●1974/1975 Recordings というタイトルですが、スタジオでの音源はすべて74年録音で、75年録音はライブ音源に数曲あるだけなので、タイトルも微妙です。既出音源がほとんどの、こういうボックスを出すなら、むしろ音楽の変遷が歴然とわかる、年代別のツアー音源をシリーズ化してリリースしてくれないかなと思うんですけど。そういうのは、長期間に渡る音源を体系立てて管理するスタッフが周りにいるかどうかにかかってるんでしょう。クラプトンにはいない(笑)。

●それでも買うのが惚れたものの弱み。Amazonだと今のところ8000円台後半。


ERIC CLAPTON - GIVE ME STRENGTH: THE 1974 / 1975 RECORDINGS OUT THIS NOVEMBER

Disc 1 - 461 OCEAN BOULEVARD expanded version
Disc 2 - THERE’S ONE IN EVERY CROWD expanded version
Disc 3 - E.C. WAS HERE remixed and expanded version
Disc 4 - E.C. WAS HERE remixed and expanded version
Disc 5 - THE FREDDIE KING CRITERIA STUDIOS SESSIONS
Disc 6 (BLU-RAY)
(1) 461 OCEAN BOULEVARD 5.1 Surround Sound mix (previously unreleased Elliot Scheiner mix)
(2) 461 OCEAN BOULEVARD original 4.0 quadraphonic mix
(3) THERE'S ONE IN EVERY CROWD original 4.0 quadraphonic mix

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コメント

Layla40周年記念盤もSlowhand35周年記念盤も買ってません。今度のも当然パスです。
88年と96年の両Crossroads(アンソロジー)、そしてLayla20周年記念ボックスに小躍りしたのも今は昔・・・
クラプトン関連のスタジオ録音アウトテイクで聴きたいもの・・・「想像されたウェスタンのテーマ」のクリーム・ヴァージョンぐらいですかね。形になって存在していればの話ですが。

アーカイブ物で満足度の高かったものは、レイラの20周年とCrossroads2くらいでしょうかねえ。あとは「何だかなあ」感をぬぐえませんでした。

これも買わないのは賢明かも。私はまともでないのでオーダー済みですが。
書いた手前、聞く責任があるといいましょうか。

「想像されたウェスタンのテーマ」のクリーム・ヴァージョン、というのは全然知りませんでした。

ま、堅気の人は来年あるらしい、来日公演資金にするのが賢明です。

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