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2013年4月の記事

2013.04.28

ボブ・ディランのブートレッグ・シリーズ Vol.10 について

●次作がちょうど10作目になるボブ・ディランのブートレッグ・シリーズですが、内容は1969-1970年の音源になるようです。

Dylan_wigwam 毎年4月に行われてるインディペンデント系レコード店を支援するイベント、Record Store Day 用の商品に、この時期の音源2曲(Wigwam と Thirsty Boots)を収録した7インチ・シングルがVol.10からの先行ということで先頃リリースされてます(左写真)。ソニーの公式サイトで買ってみたのですが、アナログ・プレイヤーを外したままなのでまだ聴けてません。ちょっと不思議な曲である Wigwam については、カバーの裏面には「デモ・ヴァージョン」と書かれています。Thirsty Boots はエリック・アンダーソンの曲。

 ディランのファンジン ISIS では Self Portrait セッションのアウトテイクやオーバーダブを省いた音源がもっぱら指摘されてますが、他のサイトによると Nashville Skyline から Dylan までの音源ではないかということです。

●この時期にリリースされたアルバムをリリース年順(録音時期はクリントン・へイリンの The Recording Sessions 1960-1994 から。主なセッションのみ)に見ると、

1969 Nashville Skyline(69年2月ナッシュヴィル録音)
1970 Self Portrait(69年4月、5月ナッシュヴィル録音、70年3月NY録音)
1970 New Morning(70年5月、6月NY録音)
1971 Greatest Hits Vol. II(71年3月、9月NY録音)
1973 Dylan(70年6月、71年11月NY録音)

 一言で言えば「ナッシュヴィル期」ということになるんでしょう。

 リリース時期は73年にまで及んでますが、73年リリースの Dylan は、アサイラムに移籍の決まった後に契約上の理由で Self Portrait と New Morning のアウトテイクから作られたアルバムで、ディラン本人は制作に関与してません(米本国ではCD化されていないし、過去にCD化された日本でも再発はなく品切れ状態)。

 Self Portrait は2枚組の大作と言えば聞こえはいいですがポップソングのカバーとワイト島のライブ音源中心で自作曲は少ない変なアルバム。グリール・マーカスにローリング・ストーン誌のレヴューで「何なんだこの糞は?」と書かれてしまったそうですが、誰だって1曲目の All The Tired Horses を聴けば同じような感想を持つでしょう。自分も愛聴盤とはほど遠く、ろくに聴き込むことなく今日に至ってます。

 クリントン・へイリンの本によると、ディランはこの時期にカバー集とオリジナル集の2枚のアルバムを作ろうとしていたとありますが、Self Portrait はそれにワイト島のライブ音源が混ざって、グチャグチャになった印象です。この時期のセッションのデータはへイリンの本やオロフさんのサイトを見れば分かるのですが、実際にはどんな音源が残されてたのか、Vol.10 が楽しみです。

●70年の5月1日にはジョージ・ハリスンとNYのコロンビアのスタジオでセッションをしていて、それらはブート等で非公式に聴けますが、ハリスンの音源を収録するとなると契約上の問題もあるので、はたして収録されるんでしょうか。ザ・バンドとのワイト島でのライブ音源(69年8月31日)の未発表分もありますが、そちらもどうなるのか。

●Vol.10のリリースは秋でしょうから、それまでに Self Portrait や New Morning をもっとちゃんと聴いて、その時期の周辺についてちょっと私的に整理してリリースに臨もうかなと思います。真面目。

2013.04.07

デュアン・オールマンの新アンソロジー Skydog: The Duane Allman Retrospective について少々

●リリースされますと1月頃書きましたが、それだけでは何なので内容のことも少々書きます。

Skydog: Duane Allman Retrospective [Box Set, Limited Edition]
Skydog: Duane Allman Retrospective [Box Set, Limited Edition]

 レア音源、未発表音源がふんだんに盛り込まれているわけではないですが、セッション時のデュアンのキャリアをほぼ網羅していて、アンソロジーとしての評価は「これぞ決定版」的に高いです。これを大幅に上回るものは今後作れないでしょう。

(追記)
 完売で法外な値段がついてましたが、10月に追加プレスが出るようです。

●マスル・ショールズ等でのセッション音源についてはミュージシャン名を見れば分かりますが、逆にオールマン・ブラザース・バンドの音源は曲名を見ただけでは何の録音か判別出来ないので、ちょっとまとめてみました。「未発表音源」は「公式には未発表」の意で、ブートレッグ等で非公式に聴ける等の事情は考慮していません。

-Disc1- オールマン兄弟最初のアマ・バンド The Escorts の3曲(1965)が未発表音源(Turn On Your Love Light、No Name Instrumental、What'd I Say)。  The Allman Joys (1966)のデモ音源中2曲が未発表(Mister, You're A Better Man Than I、Lost Woman)。
 未発表ではないですが、Hour Glass の音源9曲中4曲は、デュアンとオールマンのアンソロジーでは聴けないもの。
-Disc2- 未発表音源はなし。フェイム、アトランティックでのセッション中心。
-Disc3- 未発表音源はなし。前半がフェイムでのセッション中心、後半がオールマンの1stの音源の前半4曲。
-Disc4- 未発表音源なし。オールマン結成後のマスル・ショールズ等でのセッション音源中心。  オールマンの音源は1stアルバムの音源の後半3曲収録(1stアルバム収録曲はディスクは分かれますが全曲収録です)。
-Disc5- 未発表音源なし。ドミノスとの録音はこのディスクの最後に収録。

 オールマンの音源は、
(1) 70年2月11日〜14日フィルモア・イースト公演:Hoochie Coochie Man (グレイトフル・デッドのアーカイブ・シリーズとしてリリースされていたもの。Hoochie Coochie Man を含む7曲が収録されてました)
(2) 70年2月18日、70年5月26日クライテリア・スタジオ録音:Midnight Rider、Don't Keep Me Wonderin’(Idlewild South 収録)
(3) 70年4月11日、シンシナティ、ラドロー・ガレージ公演:Dimples、I'm Gonna Move To The Outskirts Of Town(Live At Ludlow Garage 1970収録)


-Disc6- デラニー&ボニーのアルバム Motel Shot 録音時の Gift of Love が未発表音源。ゴスペル調の曲でデュアンはドブロ弾いてます。出来が悪いからお蔵になったという感じはありません。

 もう一つの未発表音源は、71年4月26日、フィルモア・イーストでのグレイトフル・デッド公演に飛び入り参加した時の音源から Sugar Magnolia。デュアンが参加した他の2曲(Hurts Me Too、Beat It On Down The Line)を含むデッドのセット全曲がConcert Vault のサイトで安くダウンロード購入出来るものですが、音質はこのボックスの方が良く、左から聞こえるデュアンのギターも聴きやすいです。デュアンの演奏はオブリガート中心ですが、後半はノン・スライドでジェリー・ガルシアとバトル状態。Concert Vault 音源にあった後半の音飛びは修復されてます。この日、ABBはデッドの前に出演してました。

 オールマンの音源は、
(1) 71年3月13日フィルモア・イースト音源:Statesboro Blues、Liz Reed(At Fillmore East 収録)
(2) 71年4月27日フィルモア・イースト音源:One Way Out(Eat A Peach 収録)

 At Fillmore East 音源は2つだけ選ぶとしたら、上の2曲が無難なところなんでしょうね。


-Disc7- 71年7月22日、A&Rスタジオ(NY)でのデラニー&ボニーとのFM局用ライブ音源のうち、Going Down The Road Feeling Bad と Poor Elijah /Trobute To Johnson の2曲が未発表音源(Come On In My Kitchen はアンソロジーIIで既出)。非公式に聴けたものですが音質は比べ物になりません。もっとあるんだからこれだけ独立してデラニー&ボニー名義のアルバムとしてリリースできないものでしょうか。

 オールマンの音源は、
(1) 71年8月26日A&Rスタジオ(NY)でのFM局用ライブ音源:You Don't Love Me / Soul Serenade(Dreams に収録)
(2) 71年9月クライテリア・スタジオ録音:Stand Back、Blue Sky(Eat A Peach 収録)
(3) 71年9月19日NY州立大Stony Brook Gym でのライブ音源:Blue Sky、Dreams(ABBのアーカイブ・シリーズでリリースされた音源)

という感じです。

●今回が初出ではなくても、Disc1収録の、31st Century 名義で吹き込んだ Mellisa(1968)や、The Bleus というバンドとのセッション録音(1969)等、他のレア盤でしか聴けない音源が簡単に聴けるようになったのは大変ありがたいです。後者の内容は微妙ですけど(笑)。31st Century 音源は針音ノイズがあり板起こしっぽいですが聴きやすいです。

 最初の The Escorts 名義の録音もその辺のアマバンド離れしていて、Turn On Your Love Light でのグルーブとか驚きます。ちゃんとスタジオ借りて録音しているので録音も良いです。

 Hour Glass については、彼らがやりたい音楽とレコード会社の思惑との間にギャップがあったとか、ABBに至るまでの途中経過というか資料くらいの感じにしか思ってなかったのですが、LA録音分はともかく、マスル・ショールズ録音分はいいですよね。つうか、その頃の Hour Glass はもはや名義だけですけど(笑)。Disc1 は Hour Glass までの音源を収録ですが、音が良いので聴きやすいです。

●Disc2 からの Fame期以降のセッション音源は有名なものだらけなので書くまでもないと思います。69年2月にマスル・ショールズで、他人のセッションのためではなく録音したギター(ヴォーカルも)のたっぷり聴ける3曲(Going Down Slow、No Money Down、Happy Married Man)はデュアン・アンソロジーI とII にも収録されてますが、今回のは音がかなり良いです([Disc3]収録)。

 ちなみに、デュアンはセッション・ミュージシャンとしての活動にフラストレーションを感じていて、客の前でギグをする活動がしたいと、妻に手紙で書いてたそうです。

Skydogbook●ギターケースを模した横長のボックスでブックレットも横長ですが(左写真)、意外と読みやすいです(特に縦に記載されたデータ部分)。何度も見返してたら、コーティングが剥がれてきましたけど(泣)。

 ブックレットには、デュアンの娘 Galadrielle(ガラドリエルと読むんでしょうか)の長文エッセイも載っているのですが、親を幼少期に失った子どもが、親と交流のあった人物、写真、音楽を通じて親のイメージを作り上げていく過程が述べられてます。遺品のギターケースのどんな些細な部分からも、父親の人生を読み取ろうとしたり(そうするしか術はないのですから)。彼女が泣いてぐずった時にデュアンはギターを弾いて落ち着かせようとしたそうですが、それも本人の記憶ではなく母親から教えられた話。内容が抽象的になってしまう部分は仕方ないでしょう。全体的に知的な文章ですがガラドリエルさんって何をしている人なんでしょうか。この辺の写真を見るとお父さんの面影があります。

●おまけや余計な飾りがなくシンプルなので、ディスクを取り出しやすくていいです。まだ買えますが、一応10000セット限定です。

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