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2013.01.02

Slowhand35周年盤の77年ハマースミス・オデオン公演音源について

●せっかく蔵出しで正式にリリースしてくれたのだからじっくり聴いてみました。77年4月27日、ハマースミス・オデオン公演。自分はそんなに熱心に聴き込んでいたわけではない音源です。

 公式盤では4曲が既出。Further On Up The Road は アンソロジーBOXの Crossroadsで、Tell The Truth、Knockin' On Heaven's Door、Stormy Monday の3曲が ライブ・アンソロジーBOXの Crossroads 2 で聴けました。

Greatsmoke●ブート(左画像。Tarantura の Live In Great Smoke という盤)と聴き比べながら聴いてみましたが、クラプトンのギターがほぼ中央に聞こえるのは両音源変わりなし。シムスのキーボードがオフになっててよく聞こえないのも同じ。今回改善されてると思ったのですが公式盤でも同じようにオフになったままでした。というか公式盤のほうがさらにオフな感じ。

●一番不思議なのが、ブートでは、アンコールの Key To The Highway で左chから聞こえたハープがほとんど聞こえなくなってること。ブートだと始まってすぐ左chからハープの演奏がはっきり聞こえ、エンディングまでソロ以外もずっと吹いてます。今回の公式盤ではヘッドフォンを付けて左chに集中すると、所々かすかにハープぽい音が聞こえるだけ。というか、ブート聴いてなかったらハープがいることすら気づかないくらいバッサリ。

 さらに両音源とも、(1:15過ぎあたりから)右chからワウのかかったギター音が聞こえます(ブートの方がはっきり聞こえます)。最初オルガンかなと思ったのですが、中間のクラプトンのソロを挟んだ後、3:45秒過ぎからはっきり聞こえる音はギターにしか聞こえません。左のジョージ・テリー、中央のクラプトン、右の誰か。ギターが3本聞こえる。

 これってどういうことなんでしょう?

 ブートで聴くと中間のソロの部分は、計8コーラスで、

A 2コーラス クラプトンのソロ
B 2コーラス ハープのソロ
C 2コーラス 無ソロ
D 2コーラス クラプトンのソロ

になってますが、Cの部分でクラプトンが誰か(第三のギター?)にソロを振ってるのに遠慮して応じようとしないような、不思議な時間が続きます。

 しかも、今回の公式盤は、Bのハープがほぼカット処理されてるので、公式盤だとB+Cの丸々4コーラス、誰もソロを取ろうとしない状態が続くというさらに不思議なことになってます。

 ロバーティの The Complete Recording Sessions のデータを見ても、27日の公演に誰かが飛び入りで出たという記載はありません(翌28日公演は Willie and The Hand Jive でロニー・レーンが飛び入りで出演したとの記載あり)。いつものメンバー以外で今回クレジットがあるのは、Sheriff の後半でド派手なパーカッション・ソロを披露してる Sergio Pastora という人だけ(ロバーティの本にも書かれてます)。

 当時のクラプトン・バンドでハープを吹く人はマーシー・レヴィで、実際、「天国の扉」でハープを吹いてるし(これは公式盤でもちゃんと聞こえます)、クレジットもされてますが、 Key To The Highway のソロはかなりブルージーです。マーシーが吹いてるならそれでいいですけど、それならカット処理する必要ってあるんでしょうか? あるいは第三のギターは誰なんだ? アンコールですから誰かが飛び入りしてる可能性は十分あるはずです。(下に追記あります)

●という謎部分があるのですが、他の部分は両者にそれほどの違いはありません。少なくとも演奏部分は同じ。Further On Up The Road をやる前に、アンプからノイズが出る場面があり、クラプトンがそこで「これはアメリカで見つけたポンコツです。カッコいいだろ」とかいうヨタ話をするのですが、それもちゃんと収録されてます。

●ただしカットされた部分はやはりあり、例えばマーシー・レヴィが Nobody Knows You を歌う前の場面。

 公式盤では、クラプトンの「ここでマーシー・レヴィに歌ってもらいます」という紹介に続き、マーシーが「レイラに入ってる古いブルースを歌います」と言ってすぐ歌い出しますが(前回書いたと78年のサンタモニカ公演と同じ流れ。曲のアレンジもまったく同じ)、ブートではチューニング音やメンバー間の語り、マーシーの雑談ぽい語りが入ってます。

 特に面白いのが、アコースティック・ギターに持ち替えたクラプトンが、軽くレイラの有名な7音のリックを弾いて客がちょっと騒ぐところ。残念ながら公式盤ではカットされてます。

 オープニングのチューニングシーン(誰かの雄叫びあり)やアンコールを求めるお客さんの手拍子もカット。曲間は短めに編集されてる箇所多し。とにかく謎なのは、上述のKey To The Highway の演奏です。

●久々に聴いてみて、演奏は思い込んでた以上に立派。前日のTV収録よりも全然良いですね。前半のレイドバックECも良いですけど、後半の方が聴き応えあり。最近の Layla 後半のソロは8ビート寄りのエンコらヤッコらの重い感じになっちゃってますが、この頃はちゃんと16ビート風に突っ走ってます。まあ、加齢でタイム感覚が変わるのは仕方ないです。スーパーマンじゃないし。

●まだまだ音源あるんでしょうから、ストーンズみたいに頑張って出して欲しいですけど、クラプトン(とその周りの人)はミック・ジャガーみたいな商売っ気ないんで多分ダメでしょう。

 でした。



(追記)
Key To The Highway での「第三のギター」問題ですが。

楽器に通じた友人から、これはやはりディック・シムスのキーボードでは、という意見を貰いました(ただし公式盤のみ聴いた印象)。こういうキーボードの音色やギター的なアプローチは、この頃のディッキーはやっていますよ、ということです。
ギターだとすると、ディッキーのキーボード音が聞こえないことになりますが、たしかに変です。

「すごくギター的な音の出し方をするな→これはギターに違いない!」という発想で書きましたが、「第三のギター」は新年に見た幻ということで、ご笑納ください。



(追記2)
と思ったら、コメントでディッキーがキーボードの位置でギターを弾くのを見たことがある、という興味深いコメントを頂きました。その発想はなかった!

うーん、面白くなってまいりました(笑)。



(追記3)

文字だけではらちが明かないので、ブートでのハマースミスのhighwayをここに上げました。

ハープはアンプリファイドな音で、下記のダラスでの同曲の演奏とはかなり違ってます。
謎の音は4:00あたりから確認できます。

下が同じメンバーによる、76年11月ダラスでのhighway
http://youtu.be/Cbb_HGnM_-w

こちらもハープがはっきり聞こえます。ただし、ハマースミスで聞けるのと違いアコースティックな音です。
5分過ぎあたりから良く聞こえるシムスのピアノは、

「 r♪♪| r♪♪」

という均質なリズムを刻むキーボード的アプローチで、ハマースミスでの謎の?演奏とは異なってます。

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Clapton」カテゴリの記事

コメント

あけましておめでとうございます。
新年はお向かいのパブでご近所の皆さんと一緒に迎えました。年越しのBGMはツェッペリン「カシミール」でした。

77年ハマースミス音源はブート、そして今回発売になったオフシャルとも未聴ですが、ナゾの第三のギターをプレイしているのは、もしかしたら故ディック・シムズではないでしょうか。75年来日では、大阪初日と京都の二回でKey To The Highwayが聴けましたが、両日ともシムズがキーボード用の椅子に腰掛けたまま赤いファイアバードを弾いていました。74年と77年来日では普通にキーボードを弾いていたので、75年から77年のその辺り(UK/ヨーロッパ・ツアー)まではギターをプレイしていたのかもしれません。

ちょっと気になるのは、客席から見て、ステージ右側にシムズとレヴィが位置していたはずなのですが、レヴィのハモニカが左chから聴こえるという点。まあ録音やミックス次第でいかようにもできるのかもしれませんが。念のためお伺いしますが、エリマンとレヴィのヴォーカルはそれぞれどちらのチャンネルから聴こえますか?

上記コメント、読めば想像がつくと思いますが、(追記)に気づく前に投稿したものです(笑)。たしかに、キーボードが聴こえるかどうかは判断のポイントになりますね。聴こえるとすれば、どなたかのご指摘のように、ギター的なアプローチでキーボードをプレイしているというのもアリでしょう。もうひとつ思いついたのが、椅子に腰掛けたままなのであれば、1曲のなかでギターとキーボード、両方を適宜使い分けてプレイしていたのかも、ということです。ただし、少なくとも75年来日時のKey To The Highwayでは、私が覚えているかぎり、1曲丸々ギターで通していました。その辺は時期が変わればアプローチが変わるのも当然ありうるでしょうね。

とんでもなく貴重な証言ありがとうございます>ブルー爺さん。
眠れなくなってしまいましたが、寝ないわけにもいかないので、疑問に対する答えは確認の上、後ほど。

ブート音源は追々々記にあるようにアップしておきました。

ご質問の女子のバック・ヴォーカルですが。
公式盤では、alberta(レヴィ)では右から聞こえます。女子2人とも歌うtell the truthでは、エリマンが左、レヴィが右から聞こえます。ただし1サビでエリマンがリードを取る時はセンターに寄り、バックに戻るとまた左になります。2サビでレヴィがリード取る時もセンターに寄り、バックに戻ると右です。天国の扉のレヴィのハープは左から。ミキシングで人工的に振り分けてるんだと思います。

75年の大阪、京都は音源引っ張り出す手間惜しんで聞いてませんが、棚からすぐ取れる11月のスタンフォード大学での音源聴いてみました。
オーディエンス録音ですが、キーボードがハマースミスより聞き取りやすいです

highwayで聞こえる音がハマースミスの「第三の」奏者の音とほぼ同じでした。うーん自分の聴く限りやはりキーボードという感じですねぇ。かなりギター的な箇所がありますがキーボート特有の和音のロングトーンはギターでは出せないかな、という感じ。
もしギターでこの音を出せるとしたらすごいです。ハモンドの音ではないですが、こちらの方によると、シムスの鍵盤楽器は、B3以外はピアノ、Rhodes、クラビネットだったそうです。
http://blog.goo.ne.jp/shu-bbak/e/3d58a81fc4999045e9b2a0fbf54643fe

ブルー爺さんの、ディッキーがギターを弾くというご指摘は、盲点でした。ディッキー訃報の記事のところでも、すでにそうコメント頂いてたんですね。素晴らしい。
彼のソロアルバムのクレジットにもB3等の他にギターも書かれてますね。
http://www.explosive.com/dicksims.php

ただ、今回のハマースミスの音については、やはりキーボードかなという感じです。
当時のミュージックマンのアンプでトレモロ効果を出せた今回教えてもらいました。Rhodesかクラビネットでトレモロ効果を加えるとこんな音が出るのかなと。

一人で勝手に騒いでみなさんを振り回してるようで、すみません。

以上に関し、自信のある方のご意見歓迎です。m(_ _)m

Satoさん、年明け早々に手間のかかる検証をしていただき、どうもありがとうございます。

まずバックヴォーカルの定位置ですが、客席から見て、イヴォンヌ=左、マーシー=右というのは、音源でも同様ですね。マーシーのハモニカが左chから聴こえるのは、おっしゃるとおり、ミキシングでふりわけているか、さもなくばハモニカ録音用のトラックがヴォーカルの収録先とは別になっているか、みたいなことでしょうね。後者であれば、ハモニカの音はヴォーカル用マイクで拾っているのではなく、アンプリファイされているんでしょう。左chということで、テリーのギターと同一のトラックに録音されている可能性もありますね。

UPしてくださったハマースミスのブート音源に耳を通してみました。4分あたりから右chに浮上してくる件のギターですが、このモワッとした音の感触、かつて現場で体験し、その後何度もアナログブートやライヴテープで聴き返した75年来日のときのものと酷似しています。たしかにハモンドの音を連想させますが、ギターをレズリースピーカーに通せばあんな感じになるんじゃないでしょうか。耳をこらせば、4:26〜7秒あたりで、指が弦を擦る音らしきものが一瞬聴こえたりもします。

上のようなサウンドは、同じくUPしてくださった76年ダラス音源ではほとんど聴かれません。エンディング間近で、わずかにハモンドらしき音が聴こえはしますが。

77年来日、現場で体験したことをすべて覚えているわけではもちろんありませんが、その後入手した大阪初日の音源では、アンコールで演奏されたKey To The Highwayで、一聴してハモンドと分かるソロを弾いているのを確認しています。

ということで、Key To The Highway@77年ハマースミスでのシムズ=ギター説に私は目下傾いています。

>4:26〜7秒あたりで、指が弦を擦る音らしきものが一瞬聴こえたりもします。

そう。ブートだと4:26、公式盤だと4:13あたりで鳴ってるミストーンというかミスタッチ音も、最初にこれギターじゃないのと思った理由でした。鍵盤楽器のミスタッチだとこういう短い瞬間的な音にはならないように思いました。なんというか、右手がギターの弦に触れてしまったときに出る音みたいな。

とすると、ギター説ですね(笑)。さらに、ディッキーがギターも弾くという事実、なにより目撃談も補強してくれます。うーん。自分がキーボード説に傾いた理由は75年のスタンフォード大音源からの類推ですが、これはあくまで別日の音源。

一度は鍵盤説で確信しましたがもう一度スタンフォード音源聴くと、逆にギターぽいところが気になり出してしまいました。特に、ギターぽい三連音を弾く場面で、2番目の音と3番目の音がスラー気味、タイ気味になる箇所。キーボードだともっと均質な三連になるのでは? 右手でミュートするように音が切れるところとかも。ロングトーンについてはペダルという可能性もあります。

どちらかの楽器でしか絶対に出せない音、とかキーボードでは不可能な運指とかが指摘できれば決定的なんでしょうけど。どなたか採譜してみませんか(笑)。

キーボード説に一票。でも気持ちは若干揺らぎます。

一番最初のコメントで「75年から77年のその辺り(UK/ヨーロッパ・ツアー)まではギターをプレイしていたのかもしれません」と書きましたが、76年ダラスではキーボードをプレイしているところからして、この推測はすべての公演に当てはまるわけではありえませんね。時期的なことについても、いつ頃からいつ頃までとは特定できなくなりました。むしろ、ツアーによって、ひょっとしたら日によって、ある日はキーボード、翌日はギター、とその都度使い分けていたのかもしれません。

これでまたひとつ思いだしたんですが、77年来日で披露されたBottle Of Red Wine、9/26大阪初日では、シムズが立ち姿でアコーディオンをプレイしていました。その後、9/29京都、10/1大阪2日目の様子は思いだせないんですが、10/7武道館2日目(来日最終日)では、前曲Cocaineに続いて、椅子に腰掛けたまま、つまりキーボードをプレイしていたような記憶があります。同じツアー、同じ曲でも、演奏楽器が変わることがありうるという例として持ちだしてみたんですが、手元に音源がないので確かめようがないんだわ〜(笑)。

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