クラプトンの新作 Old Sock が3月に発売
●ツアーが始まるんだから丸腰はないでしょう、と多くの人が思った通り、クラプトンの新作が出ます。
発売はアリゾナからスタートするツアー開始2日前の3月12日。タイトルは Old Sock で、Surfdog Records という聞き慣れないレーベルから出ます。アメリカ以外のディストリビューターはポリドールだそうですから日本はユニバーサルで変わらないと思います。
カバーはお金かけてない感じ。というかバカっぽい、あっ、いや、脱力した感じでいいんじゃないでしょうか。空も青くて綺麗だし。休暇先で適当に撮りましたぁ〜、ってか(笑)。ディランの新作もそうでしたが、もうアルバムのカバーにお金をかけるような時代ではないんでしょう。
●プロデュースは、本人、ドイル・ブラムホール、ジャスティン・スタンレーの3人は前作同様ですが、おなじみのサイモン・クライミーも復活してます。
メンバーは、スティーブ・ガッド、ウィリー・ウィークス、クリス・ステイントンといういつもツアーで付き合う人たちに、曲ごとのゲストが、チャカ・カーン、ウィンウッド、JJ.ケイル、ポール・マッカートニー。最後のガーシュインの曲はドラムが前作で叩いてたジム・ケルトナーとなってますが、まさか前作のアウトテイク?
●収録曲はカバー曲中心。1930、1940年代の曲が(3、6、7、9、12)5曲も入っていて前作の延長のにおいがプンプンします。好きな曲、やりたい曲を勝手にやりましたという感じ。前作のラストが「枯葉」で、今回は「我が恋はここに」。いいじゃないですか。ポール・マッカートニーも昔の曲ばかりのアルバム作りましたが、そういうお年頃なのでしょう。
以前、クラプトン本人がツアー中にプライベートで聴いてる曲というのをこっそり教えていただいたことがあるのですが、ロックやブルースの範疇に留まらない、シャンソンやオペラのアリアにまで及ぶ広いジャンルなのでちょっと驚きました。そういう音楽の嗜好が自然に出てるということなのでしょう。Unplugged のような売れ方はもうしないはずだし、聴きたい人だけじっくり聴けばいいのではないですか。
●誰の曲か確信できないのが2の Angel で、すぐ思い浮かぶのはジミ・ヘンドリックスですが、ジミの Angel はクラプトン向きの曲想ではないと思うし(歌うの難しそう)、かといって、アリサ・フランクリンの Angel も、うーん、やるかなという感じ。インフォではJJ. ケイルが参加とのことで、ますます判りません。ヘンドリックスの曲だとしたらちょっとすごいかも。
●10は、同名のオーティス・レディングの曲がありますが、高音域を独特の自由なメロディで歌うオーティスの曲をクラプトンが歌うのはたぶん無理(失礼)。格好良すぎるウィンウッドの曲(Refugees of The Heart 収録)はクレジット上は “your” がなく One and Only Man ですが、クラプトンにぴったり合う曲想。というか、クラプトンによるウィンウッドの One and Only Man を熱烈に聴いてみたいです。ただし、インフォメーションではウィンウッドが参加してるのはゲイリー・ムーアの曲になってるので、オーティスの方の可能性もあると思います。
●ゲイリー・ムーアの8は2011年のツアーで演奏してますが(下動画)、エモーションの濃いこの曲がクラプトンに向いてるという印象はなかったです(自分が情緒過多なムーアのブルース演奏が苦手というのもありますが)。レッドベリーの9は1983年のARMSコンサートでやってますね。
あらためて聴くと、オリジナルのゲーリー・ムーアよりあっさりした感じですね。
●というようなことをつべこべ言ってても空しいので、早く聴きたいなと。プロデューサー達はくせ者揃いなので、All of Me(マッカートニーがベースとヴォーカルで参加)のような耳タコのスタンダード曲もどんな仕上がりになってるのか楽しみです。前作のような、フォーマット、リリース国、購入サイトごとにボーナストラックが違うというのは勘弁していただきたいです。
●前作からは約2年半ぶり。時間たつの早いですね。
Eric Clapton / Old Sock
1. Further On Down The Road (タジ・マハール/ジェシ・エド・ディヴィス)
2. Angel(?)
3. The Folks Who Live On The Hill(ジェローム・カーン)
4. Gotta Get Over(新曲)
5. Till Your Well Runs Dry(ピーター・トッシュ/バニー・ウェイラー)
6. All Of Me(ジェラルド・マークス/セイモア・シモンズ)
7. Born To Lose(テッド・ダファン)
8. Still Got The Blues(ゲイリー・ムーア)
9. Goodnight Irene(レッドベリー)
10. Your One and Only Man(たぶん、スティーブ・ウィンウッド)
11. Every Little Thing(新曲)
12. Our Love Is Here To Stay(ジョージ・ガーシュイン)
※作者表記は正式に発表されたものではなく、推測を含みます
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