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2012.12.28

クラプトンのSlowhand35周年版を聴いてみました

●我が家にも一番大きなスーパー・デラックス・エディションというのが届きました。やたら大きく重くて、そしてディスクが取り出しにくいです。おまけのコンサート・プログラムのレプリカはそれなりに面白いですが。もうちょっとコンパクトに作って欲しいです。コンパクト・ディスクなんですから。

Slowhand 35th Anniversary [Import, From US]
Slowhand 35th Anniversary [Import, From US]

 制作責任者はいつもの通りビル・レヴェンソン。
 以下、今回初めて聴けるようになった部分で、気付いたことをざっと。

●DVD収録のハイレゾ音源はさすがにすごい音です。CDとは規格が違うんですから当然ですけど。でもこの音で聴き続けるのはちょっと疲れるかも。

 DVDにはサラウンド音声も入っていて、私はサラウンド環境を作ってないですが、もったいないので不完全を承知で2ch再生してみました。で、2曲目のWonderful Tonightのところで「何か変だな」と。オリジナル音源と聴き比べるとやはり変でした。次の耳タコの箇所。

 And then she asks me, "Do I look all right?"
 And I say, "Yes, you look wonderful tonight."

 オリジナルもハイレゾも、下線部の箇所にのみ女声のバックコーラスが付いてますが、サラウンド音声では、(you look wonderful tonightの前の) “Yes”の所にもバックコーラスが付いてます。2番の同箇所でも同じ。なんでじゃ?

 クラプトン音源でのこういうギミックって、「レインボウ・コンサート」が曲数を追加して再発された際に、Laylaのサビの部分に実際の演奏にはないコーラスが付加されたということがありましたが、それと同じことをやらかしてるんですか? 今回、“Yes”の部分に被って聞こえるコーラスって本当にマーシー・レヴィとイヴォンヌ・エリマンが歌ってるんですか?

 他の曲でこういう処理が行われてるかどうか、それほど聴き込んでないのでわかりません。興味のある方はどうぞネチネチ聴いてみてください。

●続いて、未発表曲4曲(ただしAlbertaは1999年に出た、Bluesというタイトルのブルース曲のコンピレーション・アルバムで既発です)。

 1曲目のLooking at The Rain(ゴードン・ライトフット作)は、先行で聴けるようになったときに何かが足りないみたいなこと書きましたけど、フェイドアウトで終わるPeaches and Dieselといい感じでつながっていて、続けて聴くとあまり本編との落差は感じないです。この曲については前に書いたので今回はこれくらい。

●今回が初出ではない2曲目のAlbertaは、うーん。まあ、良く言って鼻歌、悪く言うと酔っぱらいのデモです(失礼)。演奏の充実度は4曲中一番落ちます。

 Bluesに収録されていた音源は、冒頭1コード鳴らしてから誰か(オールデイカー?)がリズムを叩き始めるイントロのような部分が入ってましたが、今回はその部分はカットされていてその分収録時間が短くなってます。

 大きな違いはミックスで、今回のミックスはBlues版のミックスとかなり違います。新ミックスは楽器が中央に寄った音の広がりのないミキシングになっていて、個々の楽器音は聞き分けにくくなってます。結果、背後で控えめに鳴ってると思われるディック・シムスのアコーディオンがほとんど聞こえなくなってしまいました。私はBlues版のミックスの方が好きですね。たいしたテイクじゃないと言ってしまえばそれまでですけど(笑)。

 アルバム Bluesでのクレジットでは、Eric Clapton - guitar and vocals という表記しかありませんでしたが、ベース音も聞こえるし、アコーディオンの音も聞こえるので、レイドルとシムスは参加してると思います。今回のリリースでは残念ながら、メンバーのクレジットが何もありません。アーカイブの蔵出しでそういう作業をきっちりやらないというのは実にいけてません。

●3曲目のGreyhound Busは、ミディアム・テンポのフォークっぽい曲で、シムスのアコーディオンが目立ってフィーチャされてます。でも作者のクレジットがありません。調べろ~(笑)。サビの部分がどこかで聴いたような感じがする、と思ったらディランのChimes of Freedomでした。ほんのちょっとの空似ですが。

●4曲目のStars, Strays and Ashtraysはクラプトン作で、ミディアム・テンポの翳りのあるバラード調の曲。1番はちゃんと歌ってますが、2番の主部では歌詞が出来てなかったのか、LaLaLaで誤魔化して、サビだけ歌詞を歌ってます。3番に至っては歌うことすら諦めてギター流し弾きして、そのままサビへ。要するに曲は出来ていたのですが歌詞が完成してません。ロバーティ本によれば、この曲は7テイク録音されたことになってますが、歌詞の出来上がってない曲を7テイクもとるのは妙な気がします。

 そんな悪い曲じゃないと思うので完成されなかったのがもったいない感じ。シムスのオルガンがとっても良いし、サビの部分でオールディカーのドラムが劇的に盛り上げるあたり、このメンバーでは他にないような曲想と演奏。

●もうちょっと初期テイクみたいなものを聴かせてくれてもよかったんじゃないかと思いますが、そういうのを出さないのはプロデューサーの好みなんでしょうねえ。

 付属の解説冊子によると、UKツアーと欧州ツアーの間の空き日程の間に行われたセッションは当初はアルバム作り前の予備作業みたいな感じだったそうで、アメリカ人主体のツアーバンドをそのまま録音に使いたいと主張したのはクラプトン。アルバム用の録音として実現したのは、ツアー後にアメリカから再度ロンドンに呼び戻すよりも、経済的という事情もあったとのこと。プロデューサーのジョンズにしてみればタルサ・トップスと言えども見知らぬ人たちなので、公演を実際に見てミュージシャンの質を確認したそうです。結果、ジョンズはもちろんノー言う理由はなかったわけですが。

●今回、本編も含めて何度か回し聴きしていますが、あらためて思ったのは、SlowhandってBacklessと二卵性双生児みたいなアルバムなんだなということ。親しい仲間うちでリラックスして作った感じが濃厚で音楽から受ける印象がよく似てます(Backlessは枯れ気味だし、Cocaine や The Core みたいなカッコいい曲は入ってませんけど)。アル中時代とはいえクラプトン本人も屈折した感じが少ないですし。両者の録音時期は1年半近く離れてますがプロデューサー(グリン・ジョンズ)も録音場所(ロンドンのオリンピック・スタジオ)も同じなので、似ても不思議ではないのですけど。

 これらに比べると461や「安息」はちょっとクラプトン本人の不機嫌さというか弱みというか引き蘢りから脱しきれてないようなところがちらちら所々顔を出す感じ。No Reason To Cryはお客さんの多いパーティみたいなアルバムだし。

 461からBacklessまでのアルバムは、もっと音楽的にきちんと分析もできるのでしょうけど、私にはこれくらいが限界。

●3枚組のスーパー・デラックス・エディションのおまけに入ってる77年4月27日、ハマースミス・オデオン公演のライブ録音は多くの人が指摘してるように、Slowhandとの繋がりは薄いショー。これはこれで面白いですけど。2枚組のデラックス・エディションだと残念ながら5曲カットされてます。

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