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2012.12.29

クラプトンの本当の「スローハンド・ツアー」音源、1978年2月11日サンタモニカ公演を聴く

●せっかく「スローハンド」関連の音源を聴く動機付けが出来たので、しっかり心を整理してみることにしました。

 今回、スローハンド35周年版に収録されたライブ音源(1977年4月27日ハマースミス・オデオン)の内容は、前作 No Reason To Cry リリース後のツアーのもので、アルバム「スローハンド」との関連性は薄いです。もちろん正式に聴けるようになったのはありがたいことですが、残念ながら非公式には既出なのでそれを聴いてた人には喜び半分という感じ。

 ちなみに翌28日は同じくハマースミス・オデオン公演、前日の26日はシェファードブッシュでBBCの番組Old Grey Whistle Test用の収録をしてます。後者はWOWOWで放送されたこともあるので見たことある人も多いでしょう。

Americantour78crossroads2●でも以下書くのは、78年の2月に始まったUSツアーの音源。2月11日のサンタモニカ公演。「スローハンド」収録曲9曲中、7曲が披露されてる本当の「スローハンド・ツアー」。やってないのは、ジョン・マーティン作の May You Never(いい曲ですけど) とブルースのカヴァー Mean Old Frisco だけなのでほぼ全曲披露と言ってよいでしょう。

 2月11日のサンタモニカ公演は、有名なラジオ番組 The King Biscuit Flower Hour で放送されたもので、私もFENという名称だった米軍放送(AM)で聴きました。ブートだとTSPというところから American Tour '78(画像上)というタイトルで不完全盤が出たのが最初でしたか。その後に同じところからWonderful Tonight というボックスが出て全曲聴けるようになり、当然のことながらすぐ、日本製の複製が安く出回りました。今でもその手のお店で普通に買えると思いますけど、最近はブートの履歴みたいなことに興味持つ人も少ないですかね。

 公式盤では、4CDでリリースされた Crossroads 2: Live in the Seventies (画像下)に5曲だけ収録されてます。

●で、内容。頭からPeaches and Diesel / Wonderful Tonight / Lay Down Sally / Next Time to See Her / The Core / We're All the Way と怒濤の「スローハンド」攻撃。一気に聴かせてしまいます。クラプトンの公演で一つアルバムの曲を、連続・集中的に披露するというのは実はとても珍しく、他には Pilgrimのツアーの時くらいかも。

●冒頭、Wonderful Tonight の長大なイントロみたいなインスト曲 Peaches and Diesel からWonderful Tonight へのメドレーはハマり過ぎくらいハマってますけど、「スローハンド」にはバラバラに離れて収録されてるのが不思議といえば不思議。

 両曲は同じようなフレーズが出てくる瞬間もあって、この2曲はもしかしたら一つの動機から派生して出来上がった2曲でそれを隠すためにアルバムではバラバラに収録したんではないかと邪推したくなります。Peaches and Diesel の作者はクラプトンとアルビー・ガルテン(Albhy Galuten。ビージーズの仕事で有名なスティグウッド人脈の人)の共作名義ですけど、ガルテンが完成させた部分が Peaches and Diesel で、クラプトンが完成させた部分が Wonderful Tonight になり、歌詞を作らなかった Peaches and Diesel はもったいないから最後に入れとけ、みたいな。勝手な妄想ですが。

●面白いのがカントリー歌手のドン・ウイリアムスの曲が連続して演奏されてること。

 Tulsa Time といいこの時期のクラプトンはウイリアムスにハマってたんでしょうけど、2曲の中ではちょっと生彩のない We're All The Way より She's In Love With A Rodeo Man の方が全然面白いです。

 She's In Love With A Rodeo Man のウイリアムスのオリジナルはスローでベタなカントリーバラードですが、クラプトン版はアップテンポなカントリー曲に仕上がってます。ディック・シムスのアコーディオンが目立ちまくってて、私はこっちの方が楽しい。ソロは1回目がジョージ・テリーで、2回目がディック・シムスのアコーディオン・ソロ。後者では、クラプトンの Dicky! という掛け声が聴けたり、皆楽しそう。スローハンドのセッションでは録音された形跡がないし、どんな経緯で演奏されるようになったかちょっと不思議。

 ちなみに、ブックレットにドン・ウイリアムスとクラプトンの2ショット写真が載ってますが、いつどこで撮られたものかインフォなし。そういう作業こそきちんとして欲しいんですけど。

●続くバディ・ホリーの Fool's Paradise のリード・ヴォーカルは残念ながらクラプトンではなくマーシー・レヴィ。でもクラプトンもバック・ヴォーカルで結構頑張ってます。「スローハンド」セットの最後はCocaineで、イントロでお客さん湧いてますが、たぶん Sunshine of Your Love と間違って騒いだんでしょう。

●Badge 以降はブルースと持ち歌のごちゃまぜセット。

 ブルース曲はどれも聴き応えあり。特にアップテンポの Last Night(リトル・ウォルターの方) の後にやってるGoing' Down Slow > Rambling on My Mind のメドレーは冒頭からぷんぷん匂う、流れるようなソロでゾクゾクします。クラプトンのブルース聴いて「これって白人のブルーズだからさあ」とか言ってる人、これ聴いてもそんなこと言いますか?

 ここでの Going' Down Slow はECが後々頻繁に取り上げるのと違ってスローな演奏ですけど、この14分弱の演奏だけでこの公演は永遠に記憶に残るくらい。素晴らしすぎます。ひれ伏します(最近はここまで弾けないかも)。幸い、Crossroads 2: Live in the Seventies に収録されてるのでその気になればブートに無縁な人でも聴けます。しっかり拝みながら聴きましょう。

●次の曲 Laylaは適当に聴いて(ウソ)本編終了。アンコールはマーシー・レヴィのバック・ヴォーカルが印象的な Bottle of Red Wine。 ECの歌もちょっと悪のりした感じで面白いし、ギター・ソロも良いです。

 「ブギの次は静かな曲で」と演奏される最後の曲は、全世界のサッカー・ファンの聖歌のような You'll Never Walk Alone ですが、クラプトンが歌うわけがなく、ヴォーカルはマーシー・レヴィです。マーシーは、Fool's Paradise、Nobody Knows You、You'll Never Walk Alone の3曲でリード・ヴォーカル努めてます。

●でも、なんていい公演なんでしょ。Blackyもいい音でうなってるし(今使ってる楽器は何じゃありゃ)。クラプトンはこの時32歳でした。ひえー、若い。

 この公演が今回のリリースから避けられたのは、Crossroads 2との重複を嫌ったためかもしれませんが、この公演は全部フルで聴いてこそ面白さがわかると声を大にして言いたい(ハマースミスだってCrossroads2で3曲既出です)。そういう身勝手な贅沢を許してくれないのがえらい人たちの経営判断だし、バランス感覚なのはわかりますけど。35周年版はこの公演が公式にフルで聴けるようになるせっかくのチャンスだったのに残念。プロデューサーをうらみます(笑)。

●おしまい。以下が当日の全曲です。

February 11, 1978, Santa Monica Civic Auditorium, CA
(* はCrossroads 2 で聴けるもの)

Peaches and Diesel > Wonderful Tonight
Lay Down Sally *
Next Time You See Her
The Core *
We're All the Way *
She's In Love With A Rodeo Man
Fool's Paradise
Cocaine *
Badge
Double Trouble
Nobody Knows You When You're Down and Out
Let it Rain
Knockin' On Heaven's Door
Last Night
Going Down Slow > Rambling on My Mind *
Layla
Bottle of Red Wine
You'll Never Walk Alone

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