ジョン・レノンがクラプトンに宛てた手紙がオークション出品
●ジョン・レノンがクラプトンに宛てて書いた自筆の手紙がオークションに出品されるようです。
手紙は、1971年11月29日付のもので、現物の一部はオークション主催者の Profiles in History のサイトで見ることができます。日本語の記事はこの辺りで読めます(ロッキン・オンのサイトがNMEの記事を訳してます)。
直筆手紙の推定価格2万~3万ドルは、同時に出品されるベートーヴェンのもの(4万~6万ドル)よりは安いですが、チャイコフスキー、サッチモ、ガーシュイン、コール・ポーターのものより高く、新しさを考えると破格の値段と思われます。
上のサイトでは、A John Lennon handwritten signed letter, dated September 29, 1971 to Eric Clapton とありますが、内容説明に draft(下書き)という語があるのでクラプトンに送られた手紙の現物ではないとも思ったのですが、レノンという人は下書きを書いてからきちんと書き直す(あるいはタイプさせる)ようなまめな人には思えません(失礼)。実際に発信された現物ということでよろしいのでしょうか。
●画像で公開された部分の内容はこんな感じになっています。
僕は君にただ知って欲しかったんだよ。僕らが話し合ってきたことをね(あんなに前向きで安らげるリハーサルをした後なら、実行に移す準備が出来るもんだと思ってた)。とにかく、もっと話し合ってもいいなら、僕らに電話してくれないかな。ここ、ニューヨークに直接来てくれてもいい。僕らは少なくとも11/30まではセント・レジス・ホテルにいるから。もちろん、あご足代は全部こっちで持つ(電話番号は753-4500 内線1701)。あるいは手紙でもいい。考えてくれるだけでいいんだ。怯えないでほしい。神経症のことは分かってるけど、きっと良くなるよ。君のことを愛し、尊敬している皆と仕事をするのが、君にとって良いことになってくれればと思う。それが僕らの思いだから。ジョンとヨーコの2人からたくさんの愛を君に。
あるいは、上のオークション主催者のページに以下のような箇所が紹介されてます(直筆部分は公開されていません)。
僕らはくだらない悩み事(shit/pain)を味わされてきたけど、君も同じだよね。僕らはお互いに助け合うことができると思う ー 特にエリック、君がね。僕だって立派なことができると思うけど、君がもっと素晴らしいものを持ってることは君の音楽を聞けば明らかだ。僕ら皆でより素晴らしいことができればと願ってる。一緒にやればきっと出来るはずだ。
という感じです。
●大変な熱愛ぶりですが、ジョン・レノンの音楽にクラプトンのような傑出したプレイヤーがそんなに必要なのかなと思います。
ビートルズ本を読むと While My Guitar Gently Weeps の録音にクラプトンが参加した時に、エゴむき出しだった各メンバーが急にお行儀良く振る舞いだしたと書かれてますが、レノンはそういう効果をクラプトンに望んだのかなという気がします。
●手紙が書かれた71年11月29日は、クラプトン的には8月のバングラデシュ・コンサート後も相変わらずのジャンキー隠遁期。レノンはイマジンをリリースした頃です。
ジョンは手紙の中で一緒にやった「リハーサル」に言及してますが、彼らのリハーサルって、68年のストーンズのロックンロール・サーカスと69年のプラスティック・オノ・バンドのトロント公演くらいしか見当が付きません。他にあったのかな?
●ちなみにプラスティック・オノ・バンドのトロント公演(「ロックンロール・リバイバル・ショー」というフェス出演)について、クラプトンは自伝の中に書いていて、それによるとコンサート当日(!)にロンドンにいるクラプトンにレノンが「今晩空いてる?」て電話かけてきて、全員ヒースローのファーストクラス・ラウンジに集合。リハーサルはトロント行きのBOAC機のファーストクラス・キャビンの中でやったって書いてあるんですけど(もちろん他の客も乗ってましたが苦情をいう人いなかったということです)。そんなリハーサルのどこが healthy で restful なんですか、レノンさん。
しかも、トロント公演のビデオ見ると、オノ・ヨーコの奇天烈なパフォーマンス付きの演奏中、クラプトンは無表情で「俺はこんなバンドで弾いてていいんだろうか」って感じなんですけど(笑)。
●でも、レインボウ・コンサートでの音楽仲間のサポートといい、こんなに愛されて幸せな人です、クラプトンさん。全文見てみたいと思いますが可能になるんでしょうか。
« クラプトンの2001年武道館公演がNHK BSで放送されます | トップページ | クラプトンの Slowhand 35周年版から未発表曲 Looking at the Rain が先行公開 »
「Clapton」カテゴリの記事
- クラプトンの06/07ツアーから、J.J.ケイル参加のサン・ディエゴ公演のライブ盤が正式発売(2016.08.08)
- クラプトンの最後の?アルバートホール連続公演終わる(2015.05.30)
- UNCUT誌8月号のクラプトン・インタビュー その2(2014.08.19)
- UNCUT誌8月号のクラプトン・インタビュー(2014.08.17)
- クラプトンの2014年中東・アジアツアーのドキュメンタリー Planes, Trains And Eric が11月に発売(2014.08.07)
「The Beatles」カテゴリの記事
- ポール・マッカートニー、2015年来日公演を観る(東京ドーム初日と日本武道館公演)(2015.05.03)
- ポール・マッカートニー、11年ぶりの日本公演を見る(2013.11.24)
- 来週のハリケーン・サンディ被害救援コンサートが日本でも放送(2012.12.06)
- ジョン・レノンがクラプトンに宛てた手紙がオークション出品(2012.11.15)
- デラニー・ブラムレットの語るジョージ・ハリスン(2012.07.11)
この記事へのコメントは終了しました。
« クラプトンの2001年武道館公演がNHK BSで放送されます | トップページ | クラプトンの Slowhand 35周年版から未発表曲 Looking at the Rain が先行公開 »
コメント