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2012.09.29

ガルシア/サウンダースの1973年キーストン・ライブ完全版

●グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアがオルガン奏者のマール・サウンダース(Merl Saunders)と組んで行った1973年7月10日・11日のライブ音源の完全版です。収録場所はカリフォルニア、バークレーにあるキーストーンという小さなクラブ。タイトルは Keystone Companions / The Complete 1973 Fantasy Recordings です。

Keystone Companions: The Complete 1973 Fantasy Recordings
Keystone Companions: The Complete 1973 Fantasy Recordings

 今までにバラバラで出ていた音源に未発表曲7曲を加えて4CD箱にしたものですが、自分は一部しか持っておらず、ちょうど良いので買いました。

●ジェリー・ガルシアが生涯続けたデッド以外の活動の1つで、後のジェリー・ガルシア・バンドの原型になったセッション。アルバム名義は既発アルバム同様 Merl Saunders / Jerry Garcia という2人名義ですが、ベースにジョン・カーン(John Kahn)、ドラムにビル・ヴィット(Bill Vitt)という4人編成ですから、今回新たに付いた「キーストンの仲間達」(Keystone Companions)というタイトルの方が録音の内容を良く語っていると思います。実際リズム隊の2人の演奏は素晴らしいです。

●セットはスタンダード曲のカバーと若干の自作曲。

 すでに71年頃から私的にセッションをしていた彼らですが、サウンダースが90年代にインタビューで語った言葉によると、「僕らはスタンダード・ナンバーから始めた。ジェリーはそういう曲や演奏の仕方にとても興味を持っていてからね。レコードに入れた My Funny Valentine みたいな名曲とか。ジェリーはスタンダード曲に愛着を持っていて、そういうのにチャレンジしたがった」ということです(Grateful Dead Family Discography該当ページからの孫引きです)

●とはいえ内容はスタンダード・カバー集なんて甘ったるいものとはかけ離れたもので、My Funny Valentine の演奏は、同曲から想像するような、例えばマイルス・デイヴィスのカバーなどとはまったく対照的。18分を超える演奏でガルシアがギター弾きまくってます。特にDisc1に入ってる公式初出のテイクでは途中から My Funny Valentine というより My Favourite Things 化していて、実際聴きながらデレク・トラックス・バンドの My Favourite Things を思い出したくらい。ポリリズミックなヴィットのドラムもソロイスティックに動き回るカーンのベースも素晴らしく、4人が一体化したグルーブ感は最高です。続く Mystery Train なんて興奮度では、Wheels of fire でのクラプトンのクロスロードのソロあたりと変わらんです、自分は。Mystery Train はこの辺で聴けます。

●ドレス・ダウンした感じの The Harder They Come、It's Too Late、How Sweet It Is と言ったカバー曲のスウィートな演奏も良いです。かと思うと Saunders/Kahn 名義のインスト曲 Keppers での、オルガンがリズムをキープしたファンキーな盛り上がりとか、ダニー・ハサウェイのライブでの Ghetto みたいな感じ。飽きません。

 グレイトフル・デッドの音楽に全く興味がない人でも、オルガン、ギター中心の小編成のジャム色の強い即興演奏が好きな人は気に入ると思います。ベースのジョン・カーンはジェリー・ガルシアが亡くなった翌96年にヘロインのオーバードーズで亡くなってます。サウンダースも2008年に病気で亡くなってます。

●完全版と言っても、曲間はカットされていて、曲によってはフェイド・アウトします。旧盤でオーバーダブされてたディランのPositively 4th Street でのデビッド・グリスマンの電気マンドリンはそのまま入ってます。

●1枚毎にシンプルなペーパー・スリーブに入った4CDが小さなシェル型の箱に入っていて、おまけも少し。置き場に困るようなバカでかい箱で万札巻き上げるような「豪華」ボックスはウンザリなので、こういう簡潔なセットが自分は良いです。早めにオーダーしたので2600円ちょっとでした。今なら4000円前後みたい。

Keystonebox

Keystone Companions / The Complete 1973 Fantasy Recordings

DISC 1
1. Hi-Heel Sneakers 8:16
2. Keepers 7:54
3. The Harder They Come 6:23
4. It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry 6:21
5. It's Too Late (She's Gone) 7:47
6. My Funny Valentine 18:14
7. Mystery Train 11:37

DISC 2
1. I Second That Emotion 11:01
2. Someday Baby 10:15
3. Merl's Tune 13:34
4. It Ain't No Use 9:36
5. Positively 4th Street 7:45
6. How Sweet It Is (To Be Loved By You) 8:09

DISC 3
1. It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry 7:08
2. Keepers 6:34
3. One Kind Favor 6:39
4. That's All Right, Mama 4:11
5. The Harder They Come 10:09
6. My Funny Valentine 18:05
7. Money Honey 8:21

DISC 4
1. Someday Baby 10:17
2. Merl's Tune 12:21
3. Like A Road Leading Home 11:02
4. How Sweet It Is (To Be Loved By You) 10:20

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コメント

Satoさんはデッドがオキニなんですかね。
私はまつたくの門外漢で、レコード、CDともにあんまり持ってません。が、Blues For Allahはわりと気に入った覚えがあります。
デッドのライヴは1回だけ観ました。1988年9月、ニューヨーク、MSGで。初めてアメリカ旅行したときです。
東海岸なのに、2万人入るMSG9公演がソールドアウトで、かの地でのデッド人気を思い知らされました。

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