リヴォン・ヘルム(1940-2012)
●ザ・バンドのドラマーを長年務め、近年はリヴォン・ヘルム・バンドを率いて活動していたリヴォン・ヘルムが、4月19日に病気のためNYの病院で亡くなりました。71歳でした。かつて活動を共にしたボブ・ディランがツアーで滞在中のブラジルから送った言葉はこちら。
●2月に行われたヒューバート・サムリン追悼コンサートの出演者として伝えられながら出演をキャンセル。同時期に、彼の住むウッドストックで継続している Midnight Ramble セッションの出演を病気治療のためしばらく休むという告知を公式サイト上で見た時は、声帯、というより命を失いかける大病を患ったことのあるリヴォンに、こういうことも起こり得る、と覚悟はしていました。
●幸い、何度か来日して演奏、歌を聞かせてくれた彼は、日本での体験について、こんな言葉を残してます。
「日本の会場はどこも満員だった。その国の貨幣に、天皇や政治家ではなく稲の絵がついているのを知ったときから、日本を好きになるのがわかった。農民は、尊敬の対象であるといってもよかった。あの国の人たちは、何がいちばんたいせつなものなのか、それを知っている」
(「ザ・バンド軌跡」(菅野彰子訳、音楽之友社刊。原題 The Wheels on Fire by Levon Helm with Stephen Davis))
ザ・バンドのメンバー中、唯一のアメリカ人。農家の子供として生まれたリヴォンらしい言葉ですよね。彼はまた、スタジオで作った最後の2作のアルバム、Dirt Farmer と Electric Dirt で、タイトルに「土」(dirt)という言葉を付けた人でもありました。
声帯を失いかけるという大病に見舞われ、経済的な困難に見舞われながら、彼はドラムを叩き続け、歌い続けました。
●さよなら、リヴォン。あなたの歌が本当に好きでした。
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