細野晴臣のロバハウス公演を見る
●11月13日に東京、立川にあるロバハウスで開かれた、細野晴臣公演を見てきました。「細野晴臣 古楽の小屋の音楽会」
会場のロバハウスは古楽器アンサンブルの「カテリーナ古楽合奏団」の拠点。ホールというより名称通り、館という感じ。
●場内は200人も入らない位こじんまりしていて、小学校の教室より小さいです。もちろんチケットは瞬時に売り切れたようで、正攻法でチケット取ってくれた友人には感謝。
客は小さな椅子に座って見ます。最前列の2列は椅子ではなく座布団にお座り。(写真撮影禁止ではないようだったので撮りました)。
●メンバーは、細野晴臣、高田漣、コシミハル、伊賀航で、ドラムレスの4人編成。
演奏は、ひと昔前の言葉でいうとレイド・バック。かなりリラックスした感じ。最新作のHoSoNoVaの路線。
会場がとても小さく、演奏者の表情、息づかいまではっきりわかるので、最初、お客さんは固唾を飲んで見守るという感じでしたが、例によって細野さんの語りが虚実皮膜。
「あまり練習してない」とか、「今が練習だと思って聞いて」とか、「難しいから失敗しないといいな」、「ガイガーカウンター持ってるけど放射線測るのもう飽きた」とかという感じなので、じょじょに会場もリラックス。
アーヴィン・バーリンのThe song is endedでは、自訳の日本語詩で歌い出してすぐストップ。むずかしいからやっぱり英語で歌うと宣言し、場内爆笑。
すでに何度かやってるクラフトワークの Radioactivity は、「別離のテーマ」からのメドレーで、2つの曲が何の違和感もなく自然につながっていく不思議さ。
●この公演は、「カテリーナ古楽合奏団」の松本雅隆氏から細野さんがハーディ・ガーディを借りたことが縁で催されることになったようで、当日も一曲、「カテリーナ古楽合奏団」から上野哲生氏(サントゥール)と松本さん(ハーディ・ガーディ)が参加して、ドローンによる即興演奏がありました。高田漣さんが弾いたネックの長い楽器はたぶんサズ。
この即興では細野さんもハーディ・ガーディを弾きましたが、右手でホイールを回す動作が肉体的にかなりキツかったようで、最後は疲れたかき氷屋のオヤジのようにヘロヘロに。演奏後、こういうのが音楽の基本だね、と一言。
ハーディ・ガーディは細野さんも発注してるそうですが、作るのはフランスの職人。いつできるのか、お値段がいくらなのか知らないそうです(笑)。
●アンコール3曲はすべて細野さんのアコースティック・ギターによるソロ演奏。フル・コーラスでは歌わない曲もありましたが、やはり感激。ジーンときました。
●全75分程の公演でしたが至福。こういう機会を設けてくださったロバハウスの皆様、ありがとうございました。
「細野晴臣 古楽の小屋の音楽会」セットリスト
I'm a fool to care
Smile
Ramona
星めぐりの歌
メドレー:銀河鉄道の夜「別離のテーマ」>Radioactivity
The song is ended
The song is ended (ジャズ・アレンジ)
Time to hit the road to dreamland
しんしんしん
Instrumental (ドローンによる即興演奏)
Birthday Song
-アンコール (すべて細野ソロ)-
恋は桃色
ろっかばいまいべいびい
風をあつめて
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リアルタイムではYMO以降しかしらない自分にとって,細野さんがこんな小さな小屋で演奏するなんて30年前では考えられないことでした。
最近は単独ではなく,フェスが多いけど,細野さんが元気なうちに,もっと地方にも出向こうかな。
そういえば,高知のときも途中でギターのチューニングしてたなあ…。あれは主に照れ隠しに違いない。
投稿: ほちょの | 2011.11.18 13:17
神様、ほちょの様。ありがとうございました。m(__)m
先の日比谷公会堂公演のような本格的なショーをもっとやってくれ、とも思うのですが、ご本人はふらっと楽器もって出かけて、ぼそぼそっと歌って帰る、みたいな活動が楽しいのかも。今回のとか、小さな街でお笑いショーの途中で歌ったりとか。
チューニングは耳でもできるんでしょうけど、機械の方がめんどくさくなくていいでしょうね。もうめんどくさいことは嫌いそうだし(笑)。
投稿: Sato | 2011.11.18 23:42