マイルス・デイヴィスの Bitches Brew Live (Sony Legacy)
●Sony Legacy から先週発売されたエレクトリック期のマイルス・デイヴィスのライブ盤。
●収録されているのは、一つが1969年7月5日、ニューポート・ジャズ・フェスティバル出演時のライブ。もう一つが、1年以上飛んで、翌1970年8月29日、ワイト島での有名すぎるライブ。どうしてこの2つが合わさって Bitches Brew Live なのかよくわかりませんが。
(ちなみに、かの Bitches Brew は69年8月中旬の録音)
●ワイト島の演奏はDVDで見れた他、2009年に出たコロンビア・ボックス(70枚組)のオマケに付いてましたが私は後者は買ってません。本盤のブックレットの表裏を逆にすると左写真のようなワイト島仕様になります(なんだかなぁ・・・)。
●興味は初出の69年ニューポートでの演奏になるわけですが、当日出演予定のウェイン・ショーターが出演時間に遅刻するという間抜けな事情により、ロスト・クインテットからウェインの抜けたマイルスのワンホーンによるカルテット編成。
24分程しか入ってませんがこれが当日のすべてだそうです。フェイド・インで始まりますが音は悪くなく、公式発売されてる約3週間後のアンティーブ(フランス)でのライブよりもステレオ感があり聴きやすいです。
●ショーターが抜けて4人になっても、ロスト・クインテット期特有の異常なテンションの高さは変わりがないし、ワン・ホーンだからといってマイルスのブローイング度が特に高いという印象もありません(5人揃ったアンティーブでも吹きまくってるし)。
むしろ、アンティーブでは、ホランドのベースの自由度がかなり高まっているのに比べ、ベースがまだ大人しいという印象。その分、アンティーブの演奏で聴けるような「5つ巴」的な緊張感は薄いというか。それは、ホーンが1人いないという理由だけではないのではないかと。
ま、もうちょっと聴き比べてみます。それにしても、凄いグループです。私的にはマイルスの全キャリア中、最強。
●面倒くさいのでワイト島は省略。タイトルはちょっとあれですが、いいもの出してくれました。
「銀盤クローズアップ」さんの情報によると、箱のおまけディスクより音質がかなりアップしてるそうです。
なお、69年のマイルスについては、中山康樹氏の「マイルスの夏、1969」という本が出てます。
いつもの中山節ですが、あまり脱線しておらず、関係者の証言等、資料を使いながら、69年のマイルスをクロノジカルに検証していて読み応えがあります。
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