78年ヨーロッパ・ツアーでのクラプトン / MR.ROBERT JOHNSON (Mid Valley)
●1978年11月24日にスコットランドのグラスゴー・アポロで行われたコンサートの録音。
同日のAUDソース、オープニングを務めたマディ・ウォーターズのセット等を収録の豪華版(5CD+Bonus CD)もありますが値段が倍以上違うので、地味に2CD版購入。
このツアー時の映像は 映画 Rolling Hotel で見れますが、残念ながらオフィシャル未発売。
●この日の演奏はかなり前からサウンドボード録音が出回ってましたが、卓落としっぽい感じで、ドラムがオン気味で少しバランスの悪い(特に最初の2曲で極端にバランスが乱れる)従来の音源に比べると、この盤の音質は格段の違い。誇張抜きにオフィシャル級。演奏から受ける印象まで変わるくらいの差があります。
●演奏は、70年代のEC特有のヨレヨレ感も漂ってますが上々、Early In The Morning でのスライドプレイは今では聴けないような演奏なので聴き物かなと。後半ジャム風に盛り上がる Double Trouble も面白い(2009年、オールマンのビーコン・ランにゲスト出演時のLiz Reed みたい)。
オーディエンスの歓声がかなり生々しい音で入っていて、所々、MCでの当時の酔っぱらいECによる客との掛け合いも聴けます。
●ちょっと気になったのが、Layla で繰り返される Layla! というバッキング・コーラス。これ明らかにオーバーダブされてます。EC以外のメンバーは3人しかいないのにコーラス音がぶ厚過ぎで合唱団みたい(笑)。従来聴けた加工されてない音源と聴き比べるとあまりのオーバーダブの酷さにズッコケます。
以前出たオフィシャルの Rainbow Concert 拡大版でも同じことがされてましたけど、レコード会社の中の人はここでも同じことをしちゃったんでしょうか。なんでこんなことすんですかね。
●Tulsa Time、Wonderful Tonight、Kind Hearted woman の3曲は、公式発売されている70年代のライブ・アンソロジー Crossroads 2 (live in the seventies) でも聴けました。この盤の音質はこのアンソロジー収録のものと同じ・・・まあ、そういうことです。
●メンバーは、ECの他、Carl Radle、Jamie Oldaker、Dick Simsというタルサ・トップスの3人。
クラプトンは翌79年の前半に、この3人に Albert Lee を加えたメンバーでUSツアーした後、秋にはバンドメンバーを一新して日本にも来ましたが、新メンバーでほぼ1年後に武道館で録音された Just One Night と比べるとサウンドが違いすぎます。そういう意味では貴重な音源。
●Key to the Highway と Further on Up the Road では、Ian Stuart、Jerry Portnoy、Bob Margolin の3人も参加。 1920年代に建てられたグラスゴー・アポロは調べてみたら1985年に閉鎖されて、今はシネマ・コンプレックスが建っているそうです。
« ジェフ・ゴールドの語る「ディランのブランダイス・テープの発見」 | トップページ | 想い出のブートレッグ、ディープ・パープルの Perks and Tit »
「Clapton」カテゴリの記事
- クラプトンの06/07ツアーから、J.J.ケイル参加のサン・ディエゴ公演のライブ盤が正式発売(2016.08.08)
- クラプトンの最後の?アルバートホール連続公演終わる(2015.05.30)
- UNCUT誌8月号のクラプトン・インタビュー その2(2014.08.19)
- UNCUT誌8月号のクラプトン・インタビュー(2014.08.17)
- クラプトンの2014年中東・アジアツアーのドキュメンタリー Planes, Trains And Eric が11月に発売(2014.08.07)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
« ジェフ・ゴールドの語る「ディランのブランダイス・テープの発見」 | トップページ | 想い出のブートレッグ、ディープ・パープルの Perks and Tit »
もちろん、アポロ(がかつて建っていた場所)も訪問済みの爺であった(笑)。
Scotland rocks!!!
投稿: ブルー爺 | 2010.11.06 01:32
わたしゃ、あなとがどこに行ったことがあってももう驚きませんよ、ええ。はは。
投稿: Sato | 2010.11.06 14:31