クラプトン、新作 Clapton を語るインタビューを見る
●CS局の MUSIC AIR で、新作 Clapton について語るインタビューを見ました。長さは22分ちょっと。
MOJO誌に載ったインタビューはこれの一部でした。MOJO誌で省略された部分はどうでもいいような部分だったかというと、その反対で興味深い話ばかり。
●最新作の Clapton というアルバムは、当初はJ.J.ケールとの共作第2弾のような感じで始まったようで、昔のJJのアルバムのような音楽をクラプトンが望んだというのが出発点だったようです。
JJはそれに対して、曲をクラプトンが作るならいいと。ドラマーも使わず、リズムはJJ風にリズム・ボックス使用で始めたけど上手くいかず。
あれこれ考えながら 新曲ではなくクラプトンが昔からやりたかった曲を選曲。頭の中で60年間やり続けてたような曲だったのでやってみたら、そのままスムースに、という感じだったと。
●あの1曲目のLil Son Jackson のちょっと風変わりな曲は15歳頃に初めて聴いたそうでして。レコード店を探して買ったブルーズのコンピレーションアルバムに入ってたと。それ以来ずっとやりたいと思ってたというから、やはりこの人普通じゃない。
●アルバム製作の途中で胆石の手術をすることになり(Rock'n Roll Hall of Fame のアニバーサリー公演の出演をキャンセルした原因)、ミキシングやオーバーダブは病院から電話でやりとり。アラン・トゥーサン参加のニューオーリンズ・スタイルの曲はドイルが指揮を取ってニュー・オーリンズで録音。トゥーサンがECがどんな風に歌うか知りたがったので、ヴォーカルを録ってmp3にして送り、現地でそれを再生しながら録音した、とかいう興味深いエピソードも。Making mp3 on my phone ということはスマート・フォン使ったのかな(笑)。
病院からいろいろ指示を出したが、ニュー・オーリンズの現場にいたかったと語るECでした。
●「普通は最先端の音楽をやろうとするが、自分の意識は逆だった。古い音楽に戻りたかった」ようなことを語ってますが、こういう先祖返り意識というのは、ボブ・ディランあたりと共通するのかも知れません。
●当初2枚組と伝えられたアルバムが1枚になるまでにはやはり曲折があったたようで。
最終的に仕上げた曲は26曲。2枚組はレコード会社が了承しない、レコード会社曰く、「最近のやり方は、あとからiTune で小出しにリリースするんだ」とか(笑)。
クラプトンはそういうの好きじゃないそうで。ビジネス的な見地から最終的に落ち着いたのが14曲。4曲ほど小出しにされて未発表は8曲と。
●「枯葉」は元々JJに歌ってもらうつもりだったとか。最近一緒にやってるキーボードの Walt Richmond はJJの紹介、タルサ出身の人だそうです。
●「ライブでもアルバムでも反応は気になるが、自分のやりたいことをやるしかない。やりたいことに限界はない」等々、他にもいろいろ語ってますが、キャリアの長い超ベテランミュージシャンのたった一枚のアルバムがこの世に出るまでには、こんなにもの物語があるのだなと。ますます、あのアルバムに対する愛着が深まった私でした。
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