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2010年7月の記事

2010.07.31

ディランの The Bootleg Series vol.9 は Witmark Demo だそうです。

●出るごとに次作はなんだと騒がれてきたボブ・ディランのThe Bootleg Series ですが。

 次作のvol.9は、Witmark Demo として知られる、M. Witmark & Sons社へのデモ録音集(62年から64年録音)でほぼ確定したようです。一緒に収録されるのが61年にLeeds Publishing 社へのプレゼンテーション用に吹き込まれた Leeds Demo。

 10月頃発売予定。日本語の情報はこちらに。収録されるのはこんな録音

Witmarkdemo●Witmark Demo 音源は既に数曲オフィシャルで小出しにされてましたが、面倒くさいのでそれらも収録希望。

 私の持ってる音源は、針音がバチバチ聞こえるアナログブート起こしの安物ブートですが(写真)、そんな聴いてません。聴き慣れた曲がシンプルな伴奏で歌われてて、最初は「おっ」となるんですけど。

●その他に Bob Dylan から John Wesley Harding までの8枚のアルバムのモノ・ミックス箱も発売とのことで、音源は初回プレスのLPを使用する模様。

 両方買ったら2万円くらい吹き飛ぶので、おっさん共は覚悟しておきましょう。

●だんだんこのシリーズ用のネタもなくなってきましたが、vol.10は何になるんでしょう。Gaslight Tapes なんて、数年前にスターバックスから非コンプリートの半端な形で出てしまったまま放置?。個人的には69年ワイト島のコンプリートとか希望なんですけど。80年のゴスペル・ツアーも。

2010.07.28

訃報 ベン・キース(1937-2010)

 ニール・ヤングの音楽を聴いてきた者には忘れがたいベン・キース(Ben Keith)が、今月死去していたということです。詳細は不明。73才でした。

Bkingd

 さようなら。

(写真はニールの映画「グリーンデイル」でのGrandpa役のベン。BMGファンハウスのDVDより)

2010.07.18

アルバム On Tour With Eric Clapton についてちょっと考える

●実はあまり聞き込んでないアルバムですが、もうすぐ4CD BOXも出るので少々。

Ontourwithec 自分が今ひとつ好きになれない理由は録音ですかねえ。

 ブラムレット夫妻のボーカル、リズム・セクションが一緒にセンターにまとめられていて、そこだけ聴いたらほとんどモノラルで、ボーカルが引っ込んで聞こえます。で、ギターが左右にのっぺりと分離。

 クラプトン、メイスンという名手を揃えながら、聴き応えのあるギターソロが少ないというのも。まあ、そういうことを期待するバンドではないのですが。

●レコードコレクター誌8月号で、デラニー&ボニーの特集記事が組まれていて、記事によると、1CD版 On Tour の収録日も明らかになったとのことです。

、既発盤は、RAH公演の1曲(I Don't Want To Discuss It)とCroydonの1st公演の1曲(Where There's A Will, There's A Way)以外の6曲はすべて Croydonの2nd公演でした。

 4CD BOXの音源については、青山陽一氏がかなり詳細な記事を書かれていて、読み応えがありました。

●それから、「フレンズ」へのジョージ・ハリスンの参加について。

 ジョージはクロイドン公演のみに参加と言われることがあるのですが、ライノの4CD BOXページにこの点について投稿してる人がいて、数年前にドイツのファンジンに記事を書くためにデラニー&ボニー公演について調べ上げたという、その方いわく、

 ・ジョージは RAH 公演以外のすべてのUK公演(とコペンハーゲン公演)に出演
 ・ジョージはUKレグではスライド・ギターは弾いてない
  (UKレグに参加していたデイブ・メイスンがスライドを弾いたため)

 ということです。

●ジョージがクロイドン公演以外にも参加してるという点については、クラプトンの伝記にも、ジョージがデラニー&ボニーのリバプール公演でギターを弾いたという記述があるので(英語版ハードカバー121p)、クロイドン以外も参加説が正しいのでしょう。

 なお、上のレコ・コレ誌の青山氏の記事によると、UKツアーの前座に出演したトニー・アシュトンが、ジョージの自宅前を通ったツアーバスがジョージを拾い上げて、クロイドン公演に連れて行って出演させた、という逸話を語っていたそうですが(レコードコレクター誌2000年12月号)、ジョージがクロイドン公演前日に行われたリバプール公演に出演したのなら、翌日にツアーバスから離れてすでにロンドンの自宅にいた、というアシュトンの話もにわかには信じがたいです。

●それから、従来盤の Little Richard Medley(レココレ誌のデータによるとCroydon 2nd公演)中のメンバー紹介では、メイスンの名前は呼ばれますが、いるはずのジョージの名前は呼ばれてません。わざとアナウンスを控えさせたのでしょうか。

 もし、ジョージもメイスンも参加ということなら、ギターは3本(ブラムレット入れたら4本!)聞こえるはずですが、耳の良い方聞こえますか?(笑)。

●デラニー&ボニーに「フレンズ」として参加する前後のクラプトン周辺の人間関係については未だに判然としないことが多く、ホイットロックらがブラムレットのバンドを離れてクラプトンに合流するにいたった経緯にしても謎です。

 クラプトンの自伝では、「カール・レイドルから電話があり、デラニーのバンドが解散状態なので、レイドル、ホイットロック、ゴードンらと出来るようなことはないか尋ねられた」という記述があります。

 かと思えば、以前、MOJO誌に載ったハリー・シャピロの Price of Love というドミノスについての記事中では、ブラムレット夫妻のバンドを離れたくなったホイットロック自らがクラプトンに電話をしたというホイットロック自身の言葉が載ってました(MOJO誌の記事は、以前この辺に書きました)。

 少なくとも、時々単純に言われる、「クラプトンがブラムレットからバンドメンバーを盗んだ」というようなものではないと思います。

 このあたりの事情は、秋に出るホイットロックの自伝 A Rock 'n' Roll Autobiography(マーク・ロバティー協力で、クラプトンの序文付)で興味深い話が読めるかもしれません。

Bobby Whitlock: A Rock 'n' Roll Autobiography
Bobby Whitlock: A Rock 'n' Roll Autobiography

●ということで、こっち方面の話はしばらく楽しめそうです。私はライノ本家のサイトでポチリましたが、8月の頭くらいに届くのかしらん。

 ちなみに、デラニー&ボニーのUKツアーのスケジュールはこんな感じでした。CLAPTONの文字が主役よりデカく、興行上の扱いは別格ですねえ・・・

Dbecposter



(追記)
 クロイドン公演当日にジョージを自宅に拾いに言ったという話ですが。
 2011年1月に発売されたボビー・ホイットロックの自伝にその時の様子がかなり具体的に書かれています。

 ということで事実でした。

2010.07.10

ウェザー・リポートのDVD、Live In Germany 1971 を見る

 ちょっと書き込みが中断しましたが、多忙で、ほぼ精神がシャットダウンしておりました。いただいたコメントはしっかり読ませていただいてます。お返事せずにすみませんです。m(__)m

 再開。

●旧西ドイツの音楽番組 Beat Clubのために収録された1971年のスタジオ・ライブのDVD化です。

Wr71germany 黄色い看板のショップの店内で流れてるのを見つけたときは、どうせブートまがいの半端物だろと思ったのですが、小さなモニター上で見る画質が良く、安かったので買ってみました。

 家で再生してみても71年のビデオ映像としては極上。モノラルですが音も良いです。今までブートで見れたものかどうかは知りません。

●ウェザーリポートのステージ映像がまとめて見れる公式盤としては、76年モントルー(Eagle Eye Media)、78年オフェンバッハ(4枚組コンピレーションBOX Forecast:Tommorowに収録)の映像に続いて3本目(でよかったかしらん)。

 なぜか3本の中で収録時期が一番古い本映像の画質が一番良いです。奇を衒ったところのない手堅いカメラワークも良し。ドイツの放送局は本当に良い仕事します。

●観客はおらず、演奏用のセットもない殺風景なスタジオで演奏してます。撮影クルーが映像に映り込んだり。ビートルズのトゥッイケナム・セッションみたいない感じ。 ただし、演奏はスパーブ。あらためてWRは驚異的なグループだったのだなと。

Wr71a_2

●ベースがミロスラフ・ヴィトゥスだった時代のWRですが、「ソロと伴奏」的な固定的な役割分担がなく、「オレが主役でお前は脇役」みたいなヒエラルキーのない集団即興演奏でしか出せない緊張感の高い演奏は素晴らしいです。

 ジャコ期のウェザーは、集団即興演奏による興奮の極地が味わえるような Teen Townですら、ジャコが刻むビートが中心というか土台にでーんとあったわけで。こういう「中心点」のない演奏の面白さは、後のWRでは聴けなくなってしまいました。

 役割分担がルーティン化していった隠遁前のマイルスもそうですが、こういうコレクティブな演奏スタイルが長続きしない、というのはちょっとミステリーというか興味深いです。ミケルス/クライフのオランダ・チームには引き継がれましたが(ウソ)。

Wr71b
Wr71c

●ザビヌルとヴィトゥスとの間の確執で、ザビヌル/ショーター/ヴィトゥス期のWRは終わったわけですが、「ヴィトゥス期こそ真のウェザー・リポート」という人の気持ちがよくわかる極上演奏。演奏時間は49分弱ですが、こういう緊張度の高い演奏はそのくらいの演奏時間が限界なのかなと。

 全編でポリリズミックなリズムを刻み続ける Alphonse Mouzon のドラムも素晴らしいです(ヴォーカルはご愛敬ですが)。パーカッションのDom Um Romãoが机の上、床にずらりと並べた無数の打楽器も見物。木製サンダルまで叩いてますが(笑)

Wr71d_2

●得たいの知れないレーベルからのリリースですが、カバー裏にはBeat Club を放送していた Radio Bremen のロゴがちゃんと入ってるし、マスター級の高画質。冒頭にちゃんFBI Warning も出るし、どういうプロダクションなのかちょっと不思議。

 今年聴いた/見たディスク中、最驚愕かも。大手のレーベルは、ヨーロッパの放送局のアーカイブにたくさん眠ってるこういうものを単品でストレートにリリースしてほしいです。ごてごてと変な抱き合わせのオマケ付デラックス・エディションなんていらんので。

Weather Report / Live In Germany 1971

1 Umbrellas
2 Orange Lady
3 Waterfall
4 Seventh Arrow
5 TH
6 Morning Lake
7 Improvised Medley Including Dr Honoris Causa

Joe Zawinul (key)
Wayne Shorter (sax)
Mirosrav Vitouš (bass)
Alphonse Mouzon (dr)
Dom Um Romão (per)

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