デレク・トラックス・バンドの新作ライブ Roadsongs を聴く
●スタジオ録音のAlready Free から、ミニ・ライブアルバムのAlready Live を挟んで1年半振りの新作は2枚組ライブ・アルバム。
2009年4月8、9日、シカゴ、Park Westでのライブ。編成はdtb6名に、ts、tp、tb3名のホーンセクション付き。
2日間の演奏のうち、どのテイクが収録されたかについてはクレジットされていませんが、オーディエンス・ソースと照合すると、たぶん、8日から6曲、9日から8曲(内訳は下記トラックリストで)。両日のセットについては前にこのアルバムのことを書いたときにリンク貼りました。
●いつものように、アレンジの大枠はあるものの、かなり自由で即興的な演奏。スタジオ録音では、短い間奏曲みたいにあっさりした演奏だったAlreday Free も演奏時間は倍になり変化に富んでいて面白いです。
本盤やオーディエンス・ソースで同一曲の両日の演奏を比べてみましたが、ホーンですら、曲によっては入ってくるタイミングが全然違うんですね。さすがに Anyday みたいな曲ではアレンジはかっちりしてて遊び所は少ないですけど。
しかし、このAnyday でのデレクのソロの凄まじいこと。2006年のクラプトンのバンドでの彼のソロが大人しく聞こえるほどで。
快速テンポで飛ばす We're a Winner や Sweet Inspiration が収録されてないのは残念ですが、いつ聴いても興奮する Afro Blue が公式ライブ盤初登場なのでまあいいかなと。
Afro Blue でのテナーサックスのソロが聴き応えがあるので、ホーン隊の Mace Hibbard という人のことを調べてみましたが、リーダー作もある人でした。JAZZ畑では知られた人なのかしらん。
●録音は各パートの分離のクッキリした音でかなりオンな感じで鳴ります。デレクのギターの細かなニュアンスが聞きとれるのはうれしいです。つうか、本盤で聴けるデレクのギターのキレ方はちょっと尋常じゃない。
●カバー内側にローランド・カークとクラプトン(後者は85年のインタビューより)の言葉の引用あり。日本で相撲見に行ったときに撮った写真も。
カークの言葉をカッコつけて訳してみると、
また会うその日まで、素晴らしい時を。
人生という名の国境なきピアノで、
神秘の音を求め続けながら。
なんて感じですか。
デレク・トラックスはスーザン・テデスキと一緒に7月31日にフジ・ロックに出演 (FIELD OF HEAVEN) しますが私は行けません。行く羨ましい人はしっかり聴いてきてくださいね。
The Derek Trucks Band / Roadsongs
Disc1
1 I'll Find My Way (8th April)
2 Down In The Flood (9th April)
3 Sailing On (9th April)
4 Get What You Deserve (9th April)
5 Days Is Almost Gone (9th April)
6 Already Free (8th April)
7 Afro Blue (8th April)
Disc2
1 I Know (9th April)
2 Down Don't Bother Me (8th April)
3 Don't Miss Me (9th April)
4 Rastaman Chant (8th April)
5 Key To The Highway (9th April)
6 Get Out Of My Life Woman/Who Knows (8th April)
7 Anyday (9th April)
recorded at Park West, Chicago, 2009
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