ジョニ・ミッチェル、インタビューでボブ・ディランを盗作野郎と罵る
●L.A.タイムズに最近掲載された、ジョニ・ミッチェルのインタビューの中で、彼女はボブ・ディランのことを、「盗作野郎」(a plagiarist)、「まがいもの」(a deception)と罵倒した模様でございます。こえー(笑)
さすがに発言が発言だけに、Expecting Rain 内のリンクにあるものだけでも関連記事がけっこうあり、当然ながら波紋を拡げております。
●Web版では部分しか読めませんが、インタビューワーは、ジョニとボブが、それぞれ本名とは違った芸名を名乗っていることを比較しながら、そのことが活動に及ぼした影響について尋ねたようで、それに対する、彼女の答えは、
「ボブはまったく本物なんかじゃないわ。彼は盗作野郎で、名前も声もいんちき。彼に関するすべてはまがいもの。私たちは、昼と夜みたいなもので、彼は彼、私は私」
(Bob is not authentic at all. He's a plagiarist, and his name and voice are fake. Everything about Bob is a deception. We are like night and day, he and I.)
という恐いお返事だったようで。
その後、彼女は自分の本名(Roberta Joan Anderson)の由来や、「ジョニ・ミッチェル」と名乗るに至った経緯について語ってますが、正直、そんなことどうでもいいだろ、ババア・・・あ、いや、質問の趣旨から外れたことだと思いますよ、私は。
●彼女の発言の真意はともかく、ボブの音楽や詩が、デビュー当初から現在まで、多くの先達や同僚達の影響、模倣、引用を多く含んでいることは良く知られたことなわけで。
近年では Love and Theft 収録曲の歌詞が、佐賀純一氏の「浅草博徒一代」の英訳本から多く取られていて盗作ではないかという指摘があったことについては日本の一般紙ですら報道されましたし(ことの詳細はこちら)、Modern Times 収録曲については、こんな感じ(英語)で指摘されてるし、最新の Together Through Life だって、一聴して「これは・・」という曲があるわけで。
こういう「依存関係」については、単にパクリの一言で片付けてよいものか簡単に答えなんか出るわけないですね。この手の批判は、レッド・ツェッペリンやジョージ・ハリスンも、マイルス・ディヴィスも、さらにはもっと遡ってモーツァルトですら受けてきたわけで。トラディショナルはもちろん、ジャズやブルースなんて元曲の作り替えの繰り返しだし。
●彼女は同じインタビューの中で、ジミ・ヘンドリックスについて、sweetest guy とまで呼んで好意的なコメントをしてますが、ジミはボブの心酔者だったのでございますよ、ジョニさん。
上のジョニの発言については、当然ながら、ボブに同情的な意見の方が目立ちます。クソ真面目に反論するより、彼女独特の詩的な誇張表現というか、話半分くらいに受け止めた方が良いのでしょう。
●「ラスト・ワルツ」では同じステージに立った2人ですが、大人の世界は恐い、恐い。今日はジョニ・ミッチェルでも聴こうかな(笑)。
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