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2010.02.07

ようやく国内発売されたギミー・シェルターの改良版DVDを見る

●あまりにも有名過ぎる作品ですが待望の国内盤が去年の暮れに出ました。監督はアルバートとデビッドのメイズルス兄弟とシャーロット・ツヴェリン。

ザ・ローリング・ストーンズ / ギミー・シェルター 〈デジタル・リマスター版〉
ザ・ローリング・ストーンズ / ギミー・シェルター 〈デジタル・リマスター版〉

 ブラッシュ・アップ版は米クライテリオンから2000年に発売されていましたが、日本では契約の関係で未発売。今回大幅に遅れてワーナーからの発売になりました。

●国内盤もクライテリオン版と同じ素材を使っていて、新たにオリジナルの16mmからDVD用に変換し直した映像です。

 旧版は、映画用に35mmにブローアップ済みのフィルムを流用してディスク化したもので、色の鮮やかさは新版の圧勝。クライテリオン盤には新旧版を比較しながらアルバート・メイズルスがブラッシュ・アップ作業を解説するスペシャル・フィーチャー (Restoration Demonstration) が収録されてますが国内盤には収録されてません。

●初見ではないですがやはり圧倒的に素晴らしいです。今さらネタバレもない超有名作品なので、以下少々。

 ご存じ、ローリング・ストーンズの1969年のUSツアーのドキュメンタリーですが、約90分間、退屈する瞬間なしに一気に見れます。

 前半がMSGショー中心、後半がオルタモントの野外コンサート中心。ロック・ショーの幸福感に満ちた前者とあまりにも悲惨な後者(大イベントなのに完全に準備不足の見切り発車)の落差のすごいこと。これが同じツアーかい。

 ジェファーソン・エアプレインのステージあたりからヤバさ加減が激しく増していくオルタモントの場面は、あまりにも有名な例の事件以外の場面も含めて緊張感の連続。見ていて背筋凍ります。

 幸福なMSGのステージ。

Gimme_msg

 こちらオルタモント。すでに目茶苦茶のジェファーソンのステージ。

Gimme_airplane

 もはや「演奏できるレベルじゃあねーだろ」って感じのストーンズのステージ。っていうか演奏中断中。

Stones_aitamont

●ロンドンでの編集作業に立ち会いながら、フィルムを見るメンバーの表情が所々で登場しますが、これが下手な言葉よりはるかに雄弁で、各メンバーのキャラクターの違いが歴然。なぜかビル・ワイマンがまったくでてきません。

 編集フィルムを見るチャーリー・ワッツの表情良いです。

Gimme_cw

●ちょうど真ん中あたりに出てくる、今はなき旧マッスル・ショールズ・スタジオで Wild Horses のプレイバックを聴くシーンは、コメンタリーの中でアルバートも絶賛してますが、本当に素晴らしいです。

 このシーンでは、マッスルショールズ・リズムセクションのデビッド・フッドの姿も。

Gimme_msstudio

 スタジオに向かう彼らが出てくるホテルが、ラグジュアリーとは程遠いホリデー・インなのがちょっと笑えます。

●アルバートと編集担当のシャーロット・ツヴェリンによるコメンタリーは興味深い話ばかり。これが字幕で見れるようになった喜びは大きいです。

 曰く、元はハスケル・ウェクスラーが撮ることになっていたのを、直前に代わりに撮らないかと誘われて撮り始めたこと。しかも、50万ドル私財を投入しながら一般公開の話を詰めないまま作品に仕上げ。最後は公開に反対するミックを説得するのに骨折りした、云々。

 コメンタリーの中でアルバートが誉めている通り、シャーロット・ツヴェリンによる編集は本当に素晴らしいです。彼女が編集主任でなく、共同監督としてクレジットされているのに完全に納得します。

 スロー映像になる MSGでの Love In Vain はヒマそうにしてた編集の人(笑)に丸投げして、結果が面白かったのでそのまま使ったそうです。確かにこれは良いです。

●と、素晴らしい作品なのですがディスクには若干の難が。

 国内盤にはなぜかチャプター画面がありません(チャプター自体は切られてます)。ある部分だけ見ようとするとえらい苦労します。どうにかならなかったのでしょうか。クライテリオン盤はちゃんとチャプター画面があります。

Gimme_captar

●また、ボーナスの一つに入っているオルタモント公演の翌日にKSAN局で放送されたラジオ番組の音声ですが、こちらもチャプター画面がなく、早送りもできず不便。しかもディスク不良と覚しき箇所があります。

 KSAN音声を再生するとしばらくまったく無音なので「?」なのですが。しばらくするとら突然高周波のピーというノイズが連続。その後また無音になり、1:10過ぎにようやく正規の音声が始まります。
 さらに、19:57あたりから20:30迄左chにやかましいホワイトノイズが混入していて左chから正規音声が聞けません(クライテリオン盤は正常です)。
 
 これってもはや、チャプターがない不便とかを通り越して製盤不良ではないのですか?皆さんのディスクはいかがでしょう。

●ブックレットにはクライテリオン盤収録のものがすべて翻訳されて載ってますが、アートワークはクライテリオン盤のもの(左)が格好いいかも。

Gimme_book

●このDVD、しばらく前に韓国製のディスクが出回っていて、大手ショップや都内の駅のコンコース(笑)でも売られていて自分も買いました(とほほ)。ブックレットは付いてなく、メニュー画面の The Criterion Collection の文字も消されてます。表カバーからは消されてないのが間抜けですが。たぶんパイレート盤でしょう。

●ドキュメンタリー作家として高名なメイズルス兄弟は、音楽がらみのドキュメンタリーを何本か撮っていて、作品リストはこちらで確認できます(デビッドは1987年に死去)。

 自分の見てるのは、こちらも有名な The Beatles In USA、ホロヴィッツの Plays Mozart、小澤征爾のドキュメンタリー Ozawa だけですが、Ozawa は非常に感動的でした。

 Rostropovich Rreturn To Russia とか激しく見たいのですが、ディスク化されてないようで。Horowitz The Last Romantic は中古でトンデモ価格だし。地味なジャンルですけど重要作品なんですから見れるように頼みます。

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コメント

>製盤不良ではないのですか?皆さんのディスクはいかがでしょう。

わたすのも、同様な症状(?)だす!泣笑


しかしこの映画・・・私的に”たまらんシーン”は、本編序盤の方でメンバーがホテルの一室に
入った後に、キースがおもむろにポータブル・オープン・テレコを回し始め、そこから流れて来た
のが「Brown Sugar」♪(時期的に考えて、多分・・・初期ヴァージョンのラフ・ミックス?)
ミックがイントロのギターのリフに合わせながら両腕を上下させてステップを踏む!
あぁぁ~~このアクション・・・、正しく後年の映画レディジェン(’72 US TOUR)の冒頭の同曲
のイントロでみせた”あのアクション”そのもの!!嬉嬉

そして・・・そのミックの動きに同調するかの如く、キースがおもむろに煙草にマッチで火を付け
ホテルの部屋の中をウロウロと・・・。サイド・デスクに置いてあるホテルのインフォメーション・
カード(ルーム・キーパーのお姉さんのメッセージ・カード?)を煙草をふかしながら何気に眺め
ながら、「Brown Sugar」のリズムに合わせて細いお尻を振り振りステップ♪嬉嬉

この何気ない1シーン・・・、何回見ても微笑んでしまう大好きなシーンだす♪

そう思いまへんか?Satoはん♪

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