P.マッカートニー、Good Evening New York City (2CD+2DVD)
●今年の6月に3日間に渡って行われたNYメッツの新スタジアム Citi Field の開幕記念コンサートのライブ。2CD+2DVDの限定盤。
CDの方は曲間のコメントがばっさりカットで演奏オンリー。しかも曲間のタイミングが短いのでせわしなくてちょっと変な感じ。ミキシング担当はジェフ・エマリック。
4枚組の国内盤はほとんど完売状態のようですが、輸入盤はまだちょろちょろ見かけますので、買う方はお早めにどうぞ。
●前作の Live In The US 2005 はライブシーンのあまりにもせわしない編集でうんざりしましたが、今回はそれほど酷くはないです(あらためて見比べてません。今見ればそうでもないかも)。何より、前回のDVDのような各界のVIPに登場させて「偉大なるポール様万歳」発言を繰り返させるクソ演出がないだけ数十倍マシです。
ちなみに本作は directed by Paul McCartney という記載があるだけで、前2作のプロデューサー兼ディレクターだった Mark Haefeli の名はどこにもクレジットされてません。
ステージ両脇に東京競馬場にある巨大ターフ・ビジョンを縦置きしたような巨大モニター。デカ。
以下、戯言少々。
●I'm Down は1965年のビートルズのシェイ・スタジアム公演の映像・音源を編集で挟み込んだバージョン。ギミックと言えばそれまでですが、Fab4 のあまりにも若い姿にホロリとしながら見てしまいました。
65年と言えば、このCiti Field でのショーの45年前。仮にビートルズが解散した1970年を起点に45年遡るとなんと1925年でっせ。1925年のポピュラー音楽ってどんなん?(笑)。今から45年前のポピュラー音楽の違和感のなさというか、古ぼけなさというのはすごいなと。
68才で、2時間半のショーをこれだけの水準で見せてしまうというのはやはり怪物です、この人。
●Let Me Roll It はエンディングにジミ・ヘンドリックスの Foxy Lady が付いたバージョンですが、演奏後のコメントでジミを称えながら、「サージェント・ペパーのリリース直後にすぐにジミがステージでやってくれた」云々というのがあるのでホントかいなと思い調べてみるとその通りでした。
ペパーのUKリリースは67年6月1日ですが、ジミはその3日後の6月4日に、ロンドンのシャフツベリー(Shaftesbury)にあったサヴィル・シアター公演の1曲目で、サージェント・ペパー演ってます。しかも2曲目がなんと Foxy Lady・・・
ということは、このショーをポールは見てるということなのでしょう(ルイーソンの The Complete Beatles Chronicle には何も書いてありませんが)。
ジミおそるべし・・・ポールの記憶力もすごい、というか、はっきり覚えてるくらいの印象的な出来事だったということでしょう。そりゃそうだ。
上のコメントの中で、ジミがステージからクラプトンに冗談めいたコメントをした話が出てきますが、ジミのサヴィルのショーをECが見てる可能性は充分すぎるほどあります。というか見てないわけがない。
●限定盤に付いたボーナスDVDは、エド・サリヴァン・シアターの看板上での抜き打ち?野外ライブ。日本じゃ警察が絶対許さないだろうというような状態。NYおそるべし。
●12月は欧州ツアーのポールですが、日本には来る気配は今のところなし。
この人にとって日本というのは物理的な距離はもちろんですが、心理的な距離感が大きいんでしょうね。このライブを生で拝めないというのは残念ですが。
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コメント
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・・・ということで成行き上こちらにもレスさせていただきます(笑)。
DVDはまだ観てませんが、サヴィル・シアターでジミが「ペパー」をプレイした件はロンドンでもコメントしてましたねえ。Satoさんはご存じなかったようですが、これはわりと知られてるエピソードです。
クラプトンへの言及も同様に聞けました。オーディエンスの笑いを誘ってましたよ。ただ、この日クラプトンが実際に会場にいたかどうかを裏付ける客観的なデータはありませんが(いなかったとも言えません)。
サヴィル・シアターは、ジミだけでなく、クリームも何度か出演しています。当時のキャパは1200人とのこと。1994年に訪ねてみましたが、シネコンになってました。
投稿: ブルー爺 | 2010.01.11 01:47
ブルー爺さんはリアルでご覧になってきたんですね。濃いルポは拝見しました(笑)。羨ましいなあ。
ジミのショーは知られた話だったのですね。私はまたポールのことだから適当なでまかせだろう・・・いや、まあそんなふうに受け取ってしまいました。
ECの列席については手元のブツを適当にあたってみましたが裏付けるものはなかったですねえ。
まあ、他にもお歴々勢揃いで不思議でないショーなので、いたであろうということで今後の研究?を待ちます。
サヴィルは70年には映画館になってるんですね。
http://www.arthurlloyd.co.uk/SavilleTheatre.htm
該当日の半年前ですがジミのサヴィル映像らしいです。
http://www.youtube.com/watch?v=kJGhCNpaetQ
投稿: Sato | 2010.01.11 23:57
リマスター騒動には乗り遅れ(いまだに買ってません)、EC/JBは仕事とかち合って観に行けそうにないので、たまたまスケジュールの合ったマッカートニーで一発逆転を図った次第です(笑)。誰相手に(爆)?
え? ベックラよりマッカのほうが観たい? なら言うことありませんッ(笑)。
あちらの掲示板でBritish Music Experienceを紹介しましたが、その隣ではMichael Jackson: The Official Exhibitionというのもやってました。時間がなくて見れなかったのが残念でなりません。O2で行われる予定だった"This Is Itツアー(事後的にそういう呼び方をされているみたいです)"関係の展示(使う予定だった大道具小道具、コスチューム、ステージの模型等)もあったと後で知って、なおさら悔やんでいます。1/31までの開催なので、2月のEC/JBを観に行く人は、残念ながら間に合いません。それにしても、実際の会場を目の当たりにして、ここで50回やるはずだったなんて、本当にすごいな、とあらためて実感しました。
宿泊先のB&Bが、ジミが生涯最後の夜を過ごしたサマルカンド・ホテルまで歩いて5分ほどのところ(ノッティング・ヒル〜ラドブロック・グローヴ界隈)なので、ライヴの翌朝、チェックアウト後訪ねてみました。朝8時発の列車でロンドンを発たなければならなかったので、まだ暗い早朝、21&22 Landsdown Crescentめざして歩いていきました。番号を数えながら家並みを辿っていくと、19のところで道路に突き当たり、その向こうは別のエリア名になっています。角っこを曲がった隣は空き地になっていて、木々が生い茂っていました。取り壊されでもしたんでしょうか、まあきっとこの辺だったに違いない、と検討を付けて、39年前の出来事に憶いを馳せました。ロンドンは夜が明けきらず、行き交う人の姿もまばら。体の芯まで凍える寒さのなか、ひとり突っ立っているとジワ〜ッと寂しさがこみ上げてくるばかりで、追悼もそこそこに、通りかかったタクシーをつかまえてユーストン駅に向かいました。
投稿: ブルー爺 | 2010.01.12 03:28
返事遅れまして失礼。でもその間昭和ネタで盛り上がれたの思うので(笑)。
そうそう、O2ってミュージアム併設なんですよね。
あとMJがO2ショーの発表した場所って、あれO2内のロビーみたいな所だったんですね。
ロンドンってロック的に名所旧跡の宝庫で、誘惑にかられる場所がありすぎてよほど絞らないと困りますなあ。
ジミ最後の棲家はもうないんですね。
ところでユーストンからどこにいったんですか?(笑)
投稿: Sato | 2010.01.23 19:19
こんばんは~!
ユーストンからだとリバプールでしょうか?
あそこはゲニ危ない!
投稿: サライヤ | 2010.01.24 02:06
>ロンドンってロック的に名所旧跡の宝庫
前日、02併設British Music Experienceのスーベニアショップで、Rock Music LANDMARKS of LONDONという小冊子を買ったんですが、ジミの居所探しもそれを参照しながらの散策でした(笑)。
ユーストンからは友人と落ち合うのにマンチェスター方面に向かいました。
リヴァプールへは2回行ったことがあります。黄昏れた感じの街でしたね。夕方になると、何ともいえない寂寥感に胸が締め付けられそうになったものです。キャバーン・クラブへも、もちろん行きましたよ。2000年にはリヴァプール大学のホールで、ゼロ年代最大のお気に入りアーティスト、デイヴィッド・グレイのライヴを観ました。
80年代のイギリス映画で『リヴァプールから手紙』というのがあって、そんな街のくすんだ青春を描いていて、大好きな1本です。
投稿: ブルー爺 | 2010.01.25 14:49