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2009.09.20

The Beatles In Mono で サージェント・ペパーを聴く

●サージェント・ペパーのモノ盤です。アナログのアートワーク再現なので、解説文は一切ありません。

Pepper_mono1

●はじめにまず、彼らが60年代後半までモノ・ミックスを作り続けた理由ですが。あっさり書いてありました。

「一九六七年当時はまだ、大半の人々がモノラルのプレイヤーでレコードを聞いていた-----ステレオなど、一部オーディオ・マニアの専有物でしかなかったのである。」 (ジェフ・エメリック&ハワード・マッセイ著「ビートルズ・サウンド 最後の真実」265頁)

 単純な理由でした(笑)。
 再生装置のスウィッチ期って60年代中頃のような思いこみがありました。我が家にステレオが備わったのは60年代の終わりくらいだったか。すくなくとも70年に入る前にはありました。脚のついた家具みたいなやつ。メキシコ五輪はカラーテレビで見た記憶がありますが、カラーTVとステレオのどっちが先だったか記憶曖昧・・・

●気を取り直して、モノ箱の Pepper を聴いてみました(今までモノはアナログ落としのCDRでもらったのを聴いたことがあるだけ)。

 最初は、音の拡がりがなく、この作品でモノはきついかなと思ったのですが、ステレオ盤にスイッチして聴いてみると、「なんでこんな音がスカスカなんじゃい・・」。で、またモノに戻り・・・「悪くない」。

●モノ盤で驚いたのが、音の塊としての響きの美しさ。

 ステレオだと左右チャンネルで音がバラバラに鳴ってる印象。まあ、Pepper は技巧の限りを尽くした、ある意味「不自然」な作品なので、ヴォーカルが片チャンネルからしか聞こえなくても、初期作品のステレオのような違和感はないのですが。

 対して、モノ盤では、全体が訓練された一つのアンサンブルのような響きで鳴ります。サイケ的なきらめきはやや薄れますが。

 She's Leaving Home は、元々ストリングスのアレンジが安っぽく(ジョージ・マーティンは多忙で担当せず)、ステレオだと弦楽器が高弦と低減で左右に分離して細い軽めの音で鳴りますが(しかも高弦が右、低弦が左と弦楽アンサンブルの通常の配置と逆)、モノで聴くと音の拡がりはないですが、ふっくらした音で鳴ります。低弦の深々とした響きの美しいこと。

●もう一つ印象に残ったのはベースの音。サウンド全体を土台から支えるようなヘビーな音ながら、初期のサウンドとは完全に次元の違うソロイスティックな動きもはっきりと聞き取れます。素晴らしい。ステレオ盤ペパーのベース音は全体から分離したような鳴り方です。クリアですが。

●ステレオとは違うミキシング・バランスも面白いです。

 1曲目の Sgt Pepper 後半でギターのオブリガートが聞こえるので、ステレオ盤で確認してみると、右チャンネルのヴォーカルの背後で控えめに鳴ってました。モノ盤ではもう少しはっきり鳴ってます。すべてが1トラックなのに・・・というか1トラックだからこそ聞こえるようにバランスを変えたわけですが。

 Getting Better 冒頭のギター・カッティング音はモノ盤の方が強烈。一定のレベルで鳴り続けるステレオ盤と違って、冒頭のから9音くらいまでのレベルが高く、ボーカルが入るとバランスを取るためレベルが落とされてます。

 Mr.Kite の万華鏡のようなエフェクト音は、ステレオの方が素晴らしいかなと。

 Pepper のようなエフェクトの多い作品はステレオ向き、と単純に考えてましたが、そんな単純なもんではないですね。反省。

●上の引用にもあるように、ビートルズがモノ・ミックスを作ったのは、ステレオ再生装置の未普及という単純な理由であって、モノラルの方がサウンド的に素晴らしいから、という理由ではないのでしょう。Abbey Road 以降で、彼らはモノラル盤を出すこと止めたわけですが、もう少しステレオ装置の普及が早ければ Pepper もステレオのみを出していたと思います。

 エンジニアだったジェフ・エメリックは、

「真のビートルズ・ファンならば、ぜひとも≪サージェント・ペパー≫と≪リボルバー≫のモノ・ヴァージョンを入手するべきだろう。ステレオ・ミックスとは比べものにならないほどの時間と労力が、モノ・ミックスには投入されているからだ」(前掲266頁)

 と語ってますが、これはわずか1トラックに複雑怪奇なサウンドをまとめる困難な仕事をやり遂げたエンジニアの自負みたいなものであって、これをもって、「モノが本物でステレオは下」という序列付けをするのはいかがなものかなと思います。

 Pepper はステレオも充分素晴らしいです。ステレオとモノそれぞれの良さを味わえばよろしいのではないかと。

 ちなみに、マーク・ルーイソンの Recording Sessions を読むと、彼らは通常でも4つ前後のモノ・ミックスを作成。Lucy in The Sky With Diamond では11のモノ・ミックスを作りながら、メンバーにダメだしされ、さらに4つのモノ・ミックスを作成してます。たしかにすさまじい「時間と労力」。

Pepper_mono2

 続く(かも)。

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コメント

Sato さん、どうも~

私も、疑心暗鬼で SGT モノ、Past Mastersモノ 他、聴き始めました♪
喰わず嫌いでイメージを固めていた自観念(モノは音が悪い イマジネーションに欠ける音像 etc)が砕け散りました。
            
そもそも、スパがモノ大嫌い(爆)になったのは、最初期に日本独自編集の初期コンピ・モノ盤(Meet The ~ ロゴがオレンジ色のヤツ)を買ったものの、なんちゅう音のコモったレコードや!!! の印象が強く、その後、英 再発盤(ブラック&シルバー)のステレオ初期4作品を愛聴した経緯からです。(スパの青春期の物語りなぞ、どうでもえ~んですが 爆爆)
            
話しを戻して 爆
          
後期の代表音源、SGTはもちろんのこと、Whiteの1曲目 Birthday のジェット音なぞ、STEREO 定位・効果がいわばトーゼンと思っていた曲(アルバム)について、メンバーのこだわりはモノ・ミックス(だけ)だったというのは、とても不思議に感じられることです~

I'll Get You, Thank You Girl なぞ、最初期ステレオ音源の瑕疵(エコー処理の気持悪さ 爆)は目に余るものがありますが、I Feel Fine や I Need You なぞは、やっぱ、ステレオがより好みかな~
                 
ただし、聴き慣れた Long Tall Sally ですが、こいつの今回の MONO ミックスは、強烈最強爆裂でした♪♪
                
ごめんなさい、悪い癖で、スパ意味の無い感想文を綴りまして。(爆爆)
               
Satoさん、まだまだ、この話題続けてちょ~だいネ
              

              

          

スパさん、ども。
峠攻めてますか~(笑)。偉大なるセンポさんの記念館いつか行ってみたいです。


>そもそも、スパがモノ大嫌い(爆)になったのは、最初期に日本独自編集の初期コンピ・モノ盤(Meet The ~ ロゴがオレンジ色のヤツ)を買ったものの、なんちゅう音のコモったレコードや!!! の印象が強く、その後、英 再発盤(ブラック&シルバー)のステレオ初期4作品を愛聴した経緯からです。(スパの青春期の物語りなぞ、どうでもえ~んですが 爆爆)


どうでもよくない、大切な話ですよん。
個人的な履歴こそ音楽観を作るすべてだと思います。

私の原体験はステレオなので、モノに過剰な思い入れというのはないです。
今回もモノは買わないつもりでしたが、エンジニア達のお言葉につい乗せられて・・・ポチっと。
ペッパーについては、お金ない少年時代にカセットに録ってもらって散々聴いた音がいまでも血肉になってしまってます。

「ホワイト」はモノの音の良さにビックリしました。8トラックの余裕ですかね。ステレオ・リマスターはまだ聴いてません。
私もHELP!以降はステレオの方が好みです。

Sallyは、武道館バージョンが一番好きです。
そういうお話じゃない、ってか(笑)


>ごめんなさい、悪い癖で、スパ意味の無い感想文を綴りまして。(爆爆)

個人的な感想だから面白んでーす。これからも綴ってくださいな。

ごめん、重箱系をば、(爆)
               
だめよん~ Satoさん
            
武道館のトリ曲は、のっぽのサリーではなくて、I'm Down だったような気がする♪
           
WHITE の disc 1 1曲目のタイトル USSR を Birthday と、まぢ 間違えるようなスパに何も云う資格はないっすが......(核爆)
                 

>武道館のトリ曲は、のっぽのサリーではなくて、I'm Down だったような気がする♪

うわぁぁぁぁ・・・その通りです。
でも、似たような曲だしね、ははは。

>WHITE の disc 1 1曲目のタイトル USSR を Birthday と、まぢ 間違えるようなスパに何も云う資格はないっすが......(核爆)

わははははは。
でも、つかみはオッケーみたいな雰囲気は同じだし、どっちも一曲目だし、ははは。


記憶の混乱は、老いの典型だそうです。がはは(虐)。

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