ディスクもそんな買ってないので、旅ネタ追加しておきます。
●1968年から1969年にかけて、ジミ・ヘンドリックスがロンドンで住んでいたというアパートに行ってみました。
オックスフォード・サーカスの交差点から南にボンドストリートを進み、ブルック・ストリートという通りを西側に入ってすぐです。例の青い円形のEnglish Heritage の表示があるので、事前に位置と外観を確認しておけばすぐ分かると思います。

このアパートについて、ハリー・シャピロ著「エレクトリック・ジプシー」(岡山徹訳、大栄出版)にこんな記述があります。
「(ガールフレンドの)キャシー・エチンガムは、自分とジミのためのアパートを自分で決めるようになっていた。彼が金を送ってくると、二人はメイフェアーにあるブルック・ストリート25番地に引っ越した。
(略)
そのアパートは、かって17~18世紀に作曲家のジョージ・フレデリック・ヘンデルが住んでいた場所だと分かった。ジミはこれにえらくご満悦で、ヘンデルがやったようにここで作曲すると言い出し、キャシーにヘンデルのLPを全部買ってくるように言ったりした。ある面で、ヘンデルは当時のジミ・ヘンドリックスだった。ヘンデルはかってヴォクスホール・ガーデンのリハーサルを見にくるだけで1万2千人の観客を集めたことがある。音楽を勉強している学生などは、そのアパートを見学に来て、ツアー・ガイドがジミ・ヘンドリックスなので唖然としたものだ。」(下巻140p)
そりゃ唖然とするわな(笑)。
引用文中にあるように、右の建物(Brook25番)は18世紀にヘンデルが住んでたところで、現在、当時の内装に復元した上でヘンデル・ハウス・ミュージアムという博物館になっていて5ポンド払えば中に入れます。
白い建物(Brook23番地)がジミのアパートで、右の茶色の建物(Brook25番地)がヘンデル・ハウス。旗はヘンデル・ハウスの案内です。

青い円形表示の拡大です。「ジミ・ヘンドリックス(1942-1970)ギターリスト・作曲家 1968-1969 にかけてここに住む」。

●上のシャピロの著書ではジミのアパートはBrook25番地となってますが、ミュージアムのフロアマップを見るかぎり、ジミの住んでたアパートはBrook23番となっています。
ミュージアムがBrook25番なのでジミのアパートには入れないように見えますが、Brook23番の建物の2、3階部分(あちらでいう1st、2nd Floor)にミュージアムが拡張されているので部分的にですが入れます。
23番の3階の裏庭側の一部屋にはかつてそこにジミが住んでいた旨の説明文とジミの写真6点が飾られてます。
下は、2003年にこちらで開かれたらしいジミに関する催しのポスターです。どんなものだったかは残念ながらわかりません。

●ヘンデル・ハウスの方にもちょっと触れておくと、館内は当時の室内が再現されていて床の軋み音がすごいです(笑)。展示物は復元されたベッド、楽器、自筆譜、肖像画といったシンプルなものですが、250年タイムスリップしたような感覚になれます。そっち方面に興味があればそれなりに感慨に浸れると思います。
館内の一室が演奏家のためのリハーサル室に開放されていて、自分の訪問時は、チェンバロとリコーダーという編成で若い演奏家がリハーサル中でした。あちらの木で内装された部屋っていい音で響きますなあ。
見物後に裏庭で、ジンジャー・ベイカーみたいな顔したも物乞いに、「なー、何ペンスか恵んでくれないかなぁ」と話しかけられましたが、自分の未来のような気がしたので1ポンドあげました。わはは。
●繁華街のオックスフォード・ストリート、リージェント・ストリートやビートルズのアップル・ビル(空きビルになってました)のあるサヴィルも近いので、行きやすいです。お出かけの際はどうぞ。
周辺の雰囲気はグーグル・マップでヴァーチャル体験できます。
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