ティーレマン、ミュンヘン・フィルのウィーン公演を聴く
結局、ロンドンまで来てしまいましたが。
●ちょっと迂回して、クリスティアン・ティーレマン指揮ミュンヘン・フィルのウィーン公演を聴いてみました。5月28日、ムジーク・フェラインザール。曲はブルックナーの8番。
売り切れ。チケットがあっという間になくなってしまい茫然としましたが(泣)、直接メールで問い合わせたら1枚ならあると言われ購入。
Balkon-Mitteという2階の正面でしたが(下写真)、この位置だと他の客の頭が視界に入り指揮者がほとんど見えないので、視覚重視の人向けの席じゃないです。椅子幅も狭い。自分は下の階両サイドのLoge席の方が良いです。椅子も好きなように動かせるし。
●この人のブルックナーはちょっと神経質というか、聴き始めはもっとゴツゴツやってほしいと思うのですが、聴いているうちにどんどん引き込まれ、最後は降参という感じ。スケルツォで改訂版みたいに演奏する箇所がありましたが、まあいいです(笑)。
数年前に東京で同じくミュンヘン・フィルとの5番を聴いた時と同じ印象。まあ、同じコンビ、作曲者なんで。
●2階正面で聴く音は、最初ちょっと低音が足りんかなという感じでしたが、3、4楽章では無問題。特に素晴らしかったのは終楽章で完全に圧倒されました。ホール全体がガンガン響くという感じで。終楽章開始直後に左右のバルコニー席後列で聴いてる人たちがあちこちで立ち上がりだしたのがちょっと可笑しかったです。
最後の一音が鳴りやんだ後の、いつまで続くんだと思う場内の沈黙のすごいこと。演奏中に居眠りしてる爺さん婆さんはいても、フライングでブラボー飛ばす馬鹿はいません。
オーケストラ退席後も一般参賀1回あり。場内大歓声。ウィーンでは(でも)大変な人気者ですね、ティーレマン。
ティーレマンとミュンヘン・フィルは2010年に来日公演が予定されていて、ブルックナーの8番もプログラムの中に入ってます。とりあえずそちらも行くつもり。
余談ですが、この日はポディウムというステージ上の席に、○泉○一郎元首相にそっくりな人がいました。たぶん私の錯覚・・・
●この日、初めてバルコニーの階に上がったので開演前にちょっと探検。
3列ある両サイドのバルコニー席は1列目以外は見切れ席扱いで、実際こんな感じにしか見えません。
特に、ステージ背後、オルガン横のバルコニー席は、最前列でもステージが見えません。
どうしてもオルガン横しか席が取れない場合は、最後列の一番壁側の席を取って演奏中は立ち見するのがよろし・・・それなら最初から安い立ち見席で見た方がいいか。
2008年にここで聴いた時の探検報告はこの辺に書きました。
でした。
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道中のご無事を、お祈りしています♪
投稿: すろーはんど M谷 | 2009.05.30 12:05
先日の渡英の際に、クラシックも試そうとは思いました。
確かに、様々な音楽家たちの楽曲をよく聞くようにはなりました。
しかし、所詮は小中学校の時に聞かされたものを掘り下げた程度です。
イベント情報紙に載っていたコンサートは、知らない楽曲ばかり。
結局、行かずに終わってしまいました。
まだまだ修行が足りません。
他にも色々とあることでしょう。
お話を楽しみに待っています。
ところで、ロンドンにいらっしゃるということは、こちらの情報は入っているでしょうか。
http://www.udo.co.jp/Artist/DBDTB/index.html
投稿: Catpochi | 2009.05.31 00:55
Musikverein 「ウィーン楽友協会」てえと、コンサートホール中のコンサートホール、かの有名なニューイヤーズ・コンサートが行われる会場ですね。
去年の1月1日、ウィーンのホテルで遅い目覚めを迎えた私は、食堂でブランチを摂りながら、TVで生中継を観ていました。 は? 当日券? 期待するだけムダ、ハナからチェックする気すら起きませんでした(笑)。
その夜はオペラ座にシュトラウスの「こうもり」を観に行きました。会場の造りは壮麗そのもので、それ自体がひとつの見物ですね。RAHもそういうところがあって、それがそこでECを観ることへの付加価値になっていると思います。。
でも、ステージに近い、2階Rang席は2列目でもホント観にくかったです。見にくいというよりもほとんど見えないと言っていいぐらい(苦笑)。
投稿: ブルー爺 | 2009.05.31 01:33
>すろはんさん
ありがとうございます。とりあえず無難にスケジュールをこなしてます。
三ヶ国通過、滞在しましたがマスクしてる人がいないです。週末のオクスフォード・ストリートなんてまるで人大杉渋谷状態なのに・・・
UKは200人超える感染者がいるのに、ずいぶん日本とは対応が違うなという感じです。
>Catpochさん
dtb来日情報はキャッチしてます。
私的にはドゥービーとのジョイントというのは行く動機が失せるだけですねえ。ちょっと先行き不透明な事情もありますが。
>所詮は小中学校の時に聞かされたものを掘り下げた程度です。
私は、この音楽聴く人が少ない理由に義務教育時の「音楽教育」があると思ってます。
陳腐な鑑賞プログラムに加え、「つまんないから聴かなくていいよ」みたいな。思い出してもムカツクような音楽教師にしか出会わなかったというのもありますが。はは。
お手軽な音楽ではないですが、楽しみ方のすべがわかれば見返り絶大という音楽でもありますので、無責任にお勧めいたします(笑)。
>ブルー爺さん
おー、正月にウィーンにいるという状態が想像つかんでした(失礼)。こっそり?いろんなとこに出没してるようで(笑)。
「ニューイヤーズ・コンサート」で、「黙って当日券」するにはウン十万円必要ですからskipするのが無難です。でも、年末年始の「こうもり」もあちらの恒例行事なんで体験されてるのは羨ましいです。私は正月は寝てます(爆)。
>会場の造りは壮麗そのもので、それ自体がひとつの見物ですね。RAHもそういうところがあって、それがそこでECを観ることへの付加価値になっていると思います。
たしかに、こちらの古い劇場で味わえる雰囲気は日本では味わえませんからねえ。
RAHにしてもECの演奏がここだけ特別というわけではないんですが、ついフラフラと・・・
しかし見切れ席多いです>古い劇場。偉い人・金持ちが座るような席から見えればよく、あとは「この辺にも席作っておけ。とりあえず音は聞こえるから」状態と見ました(笑)。
投稿: Sato | 2009.05.31 18:36
お上品な会場にお上品な聴衆、RAHで観るECって、ライヴというよりリサイタルという雰囲気濃厚ですね。
だが、そこがいい、ってことでw
投稿: ブルー爺 | 2009.06.01 01:26