マッコイ・タイナー / Guitars
●長いキャリアを誇るマッコイ・タイナーの新作。ギタリストとのセッション・アルバムです。CD と DVD の2枚組。輸入盤で購入。
参加ギタリストは、
マーク・リボー
ジョン・スコフィールド
ベラ・フレック
デレク・トラックス
ビル・フリゼール
の5人(フレックはバンジョー奏者)。
マッコイの他、固定メンバーはロン・カーター(B)とジャック・デジョネット(Dr) 。
解説によると、意外にもマッコイはギタリストとレコーディングするのは初とのこと(共演はあるはず)。演奏曲は各ギタリストの提案によるそうです。
●自分は、マーク・リボーと ベラ・フレックについては全く無知。ただ、個人的に一番面白く聴けたのがリボーとのセッション。冒頭からいきなりフリーフォームで、ノイジーなギターをかましてます。マッコイもこういう音楽によく合わせますね。
ただし、解説によるとリボーとのセッションは一悶着あったようで、ソロのオーバーダブを望むリボーを、そういうギミックを嫌うロン・カーターがユーモラスに諭すという場面があったとのこと。一時、リボーはリズム・セクション抜きでの演奏を望んだそうで、track1&6はデュエット演奏です。デュエットでの演奏はDVDのボーナストラックにも収録されてます。
フレックについては、正直、バンジョーという楽器のこともよく知らず、当方がフレックさん初体験なのでようわからんです。フリゼールもあまり聴いたことがないので何も書けません。もうちょっとちゃんと聴いてみます。
一番組み合わせに違和感のないのがスコフィールドで、Mr..P.C.では格好良く飛ばしてます。デレクはちょっと遠慮気味でしょうか。DTBでの奔放なプレイからすると控えめな感じです。Greensleeves はDTBでの演奏とは異なりスロー・ヴァージョン。
面白かったですが、常時活動してるグループのような一体感はなく、どこか他流試合的な遠慮というか、こなれのなさが感じられるというのが正直なところです。スコフィールドとの共演に一番違和感がないのは、やはり音楽のお里が同じだからかしらん。
などと軽々しく語ってますが、ボキャ貧ゆえ、マッコイとリズム隊を含め、皆さん一聴にしかずということでお許しを。
●DVDの方は、民生用のハンディ・カメラ数台で取った映像の編集で、あまり画質は良くありません。メンバー間の会話も聴き取りにくいので、メンバー間のやりとりまでちゃんと理解したい方は12月に出る国内盤の方がよいかもしれません(字幕がどれだけつくか不明ですが)。
本編は約53分。各曲ともリハーサル・シーン+本番シーンから成ってます。
これは、デレクとのリハーサル・シーン。
本番シーンは、(1)通常編集、(2)4分割映像(下の写真)、(3)~(6)各メンバーのみの映像と6種のマルチアングルで見れるようになってます。
他に、ボーナス・トラックが約14分。上で触れた Marc Ribot の弾くノイジーなギターに合わせるフリー・フォームでのデュエットはなかなか聴き物です。ある意味、全編中で一番面白いです。特に「xxxx(聞き取れません)トーナル(アトーナル?)でやろう」と言うマークに合わせるアグレッシブな後半部分は強烈です。
●予告編はこちらで見れますが、この中のインタビュー場面はDVDには収録されていません。
ギター好きの方いかがでしょう。
McCoy Tyner / Guitars
McCoy Tyner (p)
Ron Carter (b)
Jack DeJohnette (dr)
CD
1 Improvisation 2 (w/ Marc Ribot)
2 Passion Dance (w/ Marc Ribot)
3 500 Miles (w/ Marc Ribot)
4 Mr. P.C. (w/ John Scofield)
5 Blues on the Corner (w/ John Scofield)
6 Improvisation 1 (w/ Marc Ribot)
7 Trade Winds (w/ Bela Fleck)
8 Amberjack (w/ Bela Fleck)
9 My Favorite Things (w/ Bela Fleck)
10 Slapback Blues (w/ Derek Trucks)
11 Greensleeves (w/ Derek Trucks)
12 Contemplation (w/ Bill Frisell)
13 Boubacar (w/ Bill Frisell)
14 Baba Drame (w/ Bill Frisell)
DVD
1 Mr. P.C. (w/ John Scofield)
2 Contemplation (w/ Bill Frisell)
3 500 Miles (w/ Marc Ribot)
4 Trade Winds (w/ Bela Fleck)
5 Greensleeves (w/ Derek Trucks)
-DVD Bonus Track-
Duets (guest: Marc Ribot)
Checking the Piano
McCoy's Thoughts
Rehearsing at the BlueNote (guest: Bela Fleck)
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コメント
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satoさんさっそくのレビュー有難うございます。
私まだポチっていません。
satoさんのお奨めにより国内盤を買わせて戴きます。笑
Bela Fleck知りませんでしたか?
以前カントリー系にはまった時期があったので、私は知っていました。
タイガー大越さんと云う方のLiveで競演した時、生で見ましたよ。
サインももらっちゃいました。
Bela Fleck & Flecktonesと云うバンドもやっていますよ。
以下のアルバムにはDerekも3曲Guest参加しています。
「Little Worlds (Limited Edition)」
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1960833
なかなか面白いアルバムですよ!
投稿: U.M.A. | 2008.11.18 22:15
何気なくディープに色んな音楽聴いてるじゃないですか>U.M.A.さん
タイガー大越まで見てるし。
さりげなく、アルバム購入をそそのかす技は私より上手い(笑)。
Bela Fleck 恥ずかしながらまったく知りませんでした。
有名な人なんですね。
上の本文で「他流試合的な遠慮」なんて書きましたが、聴いてるうちにそんな印象なくなりました。
いいアルバムです、Guitars
投稿: Sato | 2008.11.19 16:39