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2008.09.28

オーティス・レディングの Live in London and Paris を聴く

9月20日付で書きましたが聴きました。これは凄い。

▲
Live in London and Paris

●デジパック仕様で、ロンドン公演7曲、パリ公演10曲。どちらもオーティス・セットのフル・ショーと思われます。(注:EU盤はデジパック仕様ではないようです)

 クレジットによると、全編オリジナルのマルチトラック・テープからのリミックス(Mixed from original multi-track tapes)で、単なるリマスターではないです。
 実際、音質は、Live in Europe とはまったく別物と言える大変身。痩せて荒っぽい音質だった Live in Europe に比べ分厚い豊かな音に変わりました。

 ライナー掲載の文は、本盤のプロデューサーのビル・ベルモント(Bill Belmont)、Ace Records の創設者ロジャー・アームストロング(Roger Armstorang)によるものと、本ツアーの最重要当事者の1人 スティーブ・クロッパーによるツアー回顧の3つ。

●気になっていた 旧盤の Live in Europe との異同ですが、Live in Europe はすべてパリ、オランピア劇場公演の音源でした。
 Live in Europe では、FA-FA-FA-FA-FA の前後で、Good to me!と連呼する女性ファンの声が入っていましたが、本盤のオランピアのテイクでも同じ声が聞こえたので、オランピアでのテイクと Live in Europe を聴き比べたところ全曲一致。ただし、後者では曲間のオーティスのコメントやショー冒頭の仏語でのアナウンスがカットされてます。

 最後の Try a Little Tenderness の後半のコーラス部分では、Live in Europe では聞こえなかったバッキング・ヴォーカルが聞こえますが、ライナー掲載のビル・ベルモントの解説によると、今回のマスター整理作業の中で見つけた他公演の音源のものを貼り付けたそうです。まあ、そのくらいのお遊びはよろしいかと。

 同じくベルモントの解説によると、オランピアでのショーの方が曲数が多いのは、パリでは当時のロンドンのような23:00以降の外出禁止令がなかったという形式的理由の他に、レコード化する本命公演だったという理由もあるようです。

●と、充分楽しめる「新」オランピア音源ですが、私が仰天したのは、Stax Volt Revue のまさに初日(3月17日)に、フィンズベリー・パークのアストリアで録音されたイギリス音源
 オーティス、MG's、Mar-Keys の3者が一体になって火を吹いて突っ走るようなパフォーマンスで、オランピアでの演奏より高速で突っ走っる Respect の凄いこと。オープニングの興奮度も満点。音質も問題なし。

 先に邦訳の出たロブ・ボウマンの「スタックス・レコード物語」には10頁(163頁から)近くにわたりツアーの様子が書かれてますが(面白すぎ)、ホーンセクション、The Mar-Keys のトランペット奏者ウェイン・ジャクソンの談。


「実情を知らない連中は勝手に思っていたんだよ。(略)曲は全部覚えているに違いないって。(略)レコーディングの時は録った順に忘れていくものなんだ。(略)だから、あのツアーの時は山ほど覚えなくちゃならなかった。気合いを入れて、必死にやったよ。着いた日もすぐにリハーサルだった。一睡もしないで。もちろん二日酔いのままね。操縦不能ぎりぎりのところで何とか耐えている船、という感じだな」(165頁)


 これが、「二日酔いのまま」「操縦不能ぎりぎり」の演奏ですか。あんたら化けもんじゃ(笑)。
 同じく同書より、この時の録音についての記述。


「ポリグラム(略)のA&Rフランク・フェンターの勧めで、フィンズベリー・パークのステージを録ることになり、ダウドは大急ぎでポータブル・レコーディング機器を探したが、見つかったのは3トラックのテープレコーターが2台だけだった。彼はリール交換の際の録り漏れがないようにと、2台を両方、片方を5分遅らせて回し、録った3トラックのテープを大急ぎでミキシングした。ダウドが録ったのはフィンズベリー・パークの2ステージと、翌週の21日火曜のパリ、オリンピア劇場の2ステージである。ちなみにパリでは、4トラック・レコーダーを2台入手している。」(166頁)


 ボウマンの取材力も桁外れです(笑)。

 ベルモントの解説によると、イギリス公演の音源は、Ace Records の1000 Volts Series や Stax Volt in Europe vol.3 等でもオランピア音源と合わせて聴けたようですが、私はどちらも持っていないのでアストリアの音源が今までどのくらい聴けたのかは分かりません(たぶん、Respect、Shake、My Girl)。

●現在スタックスは、ユニヴァーサル系コンコードの傘下ですが、Stax/Volt Revue ではノルウェー公演の長尺版DVD のリリースといい、コンコード傘下スタックス、良い仕事してます。
 コンコードと、ライノが常に関与してるワーナーグループの間で音源の所有関係がどうなってるのかよくわかりません。本盤のトラック5(アストリアでの Day Tripper)だけ、なぜか produced under license from Atlantic Recording Corp という表記があります。

 解説冊子は、当時のツアープログラムのデザイン仕様。
Otis_london_paris

 それはともかく、興奮の一枚でした。一緒に、Otis Blue のデラックス・エディションも届きましたが、これだけでもうお腹一杯。

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コメント

Satoさん、はじめまして。
先日は当ブログにコメントいただきましてありがとうございました。
また、コチラ側でTBが上手く反映されなかったようで、お手数お掛けしてスミマセン。

オーティスのライヴって状況によっての良し悪しを感じることがありますが、ココでのライヴはバンドと観衆との相乗効果でスゴイ盛り上がりとなっていますね。
コレでオーティスの喉の調子がもっと良ければ・・・と思ってしまうのは贅沢でしょうか。

lonehawkさん、はじめまして。
ブログはいつも拝見してます。コメントありがとうございます(TBの件すみません)。

たしかに、本ライブでのオーティスの声は荒れ気味で、勢い重視というか暴走気味ですね。これで、喉の調子が素晴らしかったら神レベルだったかもしれません。

「スタックス・レコード物語」にこの時のツアーについての面白い話が出ていて、ステージで飛ばし過ぎのオーティスのホテルの部屋に、スタックスのジム・スチュアートが乗り込んできて、録音してるんだからもっと落ち着いて歌えと忠告したら、オーティスから、「俺は客が喜んでくれるように全力でやってんだ、うるせー」みたいな感じで追っ払われたとか(笑)。

この辺がオーティスなんでしょうけど。

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4月には『オーティス・ブルー』の拡大盤なんてトンでもないブツがリリースされたオーティス・レディングですが、今度は1967年3月のヨーロッパ公演の模様が拡大盤としてリリースされました。 コレまでは『ヨーロッパのオーティス・レディング』に10曲が収録されていましたが、実際はサム&デイヴやアーサー・コンレイなども同行していたリヴュー形式のショーで、1ステージ中で5~7曲ほど歌っていたのをベストテイクを集めて編集されたものということでした。 最初にコノCDを聴いた時にはオーティスとMG’Sと... [続きを読む]

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