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2008年8月の記事

2008.08.29

ピーター・バラカン著/「魂(ソウル)のゆくえ」(改訂版)

●平成元年に新潮文庫から初版が出版された、ピーター・バラカン氏の名著「魂(ソウル)のゆくえ」の改訂版がアルテスパブリッシング社から出ました。

▲
魂(ソウル)のゆくえ

 4月に再発されたのでもはや旧聞かもしれませんが、散々お世話になった本なので、ちょこっと書きます。

Peter_soul_2●当時440円だった文庫本(左写真。読み過ぎて表紙破けました(笑))は、ソフトカバーの1890円になりましたが、喜んで財布開きました。自分が買ったのは7月頃でしたがすでに3刷になってました。

 旧版との異同について、「新版の読者のみなさんへ」から、そのまま引用しますと、



(旧版の)原稿にコンピューターで手を入れながら少しずつ形を整えていきました。内容を大きく変えたというよりも、あくまで雰囲気やニュアンスの部分です。(略)七〇年代に関しては少しだけ情報を加えましたが、むしろ気がかりなのは八〇年代以降のほうでした。八九年の発行当時、日本の洋楽界を最も賑わしていたウィットニー・ヒューストンとマイケル・ジャクソンについては原本ではずいぶん字数を費やしていましたが、今や二人とも過去の人という印象が強いのでその部分は削り、代わりに九〇年代以降段々勢いづいてきた「ネオ・ソウル」に関する動きを追加することにしました。


 ということです。

 「ヒップ・ホップの時代」という章も加わりましたが、ピーターさん自身の筆は、この音楽についてはあまりご熱心ではありません(笑)。

CD、DVD、本のガイドもすこぶる助かります。旧版発売時には、邦訳が存在せず、英語版のみが紹介されていた、ピーター・グラルニックの SWEET SOUL MUSIC (驚異的な本です)も今では邦訳で読めるという素晴らしい時代になりました。当然、新版では、邦訳本が紹介されてます(著者は英語版で読んだ、という断り書き付きですが)

▲
スウィート・ソウル・ミュージック―リズム・アンド・ブルースと南部の自由への夢

 もし、注文をつけさせていただくとすると、紹介されている個々のエピソードについては、 SWEET SOUL MUSIC をはじめ出典となった本があるわけで、出来れば文献名が明記されているとよかったかなと。

●私なんぞが言うまでもなく、ブラック・ミュージックに興味を持つ人(特に持ち始めた人)には、格好のガイドであるわけですが、そういう実際的な価値を超えて、好きなことを美しく語れて、読み手を喜びにひたらせことができるというのは素晴らしいなあと、ページをめくりながら思うのでありました。

2008.08.24

ディランのブートレッグ・シリーズ Vol.8 が10月に発売

●世間のオリンピック騒動をよそに、ボブ・ディランのブートレッグ・シリーズ第8弾の全容が判明しました。
 タイトルは、Bootleg Series, Vol. 8: Tell Tale Signs, Rare and Unreleased 1989-2006で、10月7日発売。

▲
Bootleg Series, Vol. 8: Tell Tale Signs

 今回は、27曲収録の2CD通常盤の他、(1)12曲入りのボーナスディスクと(2)各国で発売されたシングル盤のカヴァーを収録した150ページのハードカバー写真集の付いたデラックス・エディションが出ます(下写真)。

Bob_boot8_deluxe

 さらに、BobDylan.com で直接、bobdylan.com Exclusive:Limited Deluxe Collectors Edition というのをプレオーダーすると、Dreaming of You と Ring Them Bells 2曲収録の 7インチ・アナログ盤(7" vinyl single of "Dreaming of You" and "Ring Them Bells")が付きます。

 ただし、デラックス・エディションのお値段はかなり高く、各サイトをざっと見ると約15,000円~19,000円という財布&ハート・ブレイキング価格となってます。ちなみに、Dylan.com でプレ・オーダーすると$167.98です(送料$37.99含む)。

 良い子のみんなはどれを買うんでしょうか。

●各エディションの詳細やトラックリスト等はこちらで確認できます。未発表、別テイク曲集+αという感じです。

 収録曲は、年代が 1989-2006 となっているものの、

Oh Mercy 10曲(7曲)
Time Out Of Mind 10曲(6曲)

と、89年、97年発表の2枚のアルバムにおけるセッションからの曲に集中してます(括弧内は通常盤の曲数)。

 80年代後半以降の作品の中では、この2枚は傑出したアルバムと私的には思いますが、他のアルバムからのテイクが少なくなった理由はわかりません。
 Oh Mercy のアウトテイクは、(ヤバイ方の)ブートで聴けるものと比べるのも一興ですね。

 この2枚のアルバム関連以外の収録曲は、

World Gone Wrong 2曲(1曲)
Modern Times 2曲
ライブ 8曲(5曲)
他 7曲(6曲)

となってます。

 ちなみに、収録曲のうち、Dreamin' of You (Time Out Of Mind セッションの未発表曲)は、 BobDylan.com でmp3ファイルを無料ダウンロードサービス実施中です。良い子のみんなは、早くいただきましょう。

●仮に、噂されている11月の日本公演のチケットのお値段がホントに万札2枚以上だとすると、秋から冬にかけて、日本のディラン・ファンの財布は爆発するものと思われます。ついにボブ様もフランク・シナトラやホロヴィッツのような存在におなりになったのでしょうか(笑)。USツアーはそれほど高くないのに。

 まあ、今秋のベルリン・フィル日本公演のS席が40,000円ですから、それに比べれば安い、安い。
 私はすでに、BobDylan.com でポチリました。海外からのオーダーは10月2日頃に発送してくれるそうです。

 道楽、道楽・・・



(追記)
 現在、英ガーディアン紙Web版の、CULTURE > MUSIC 欄から Time Out of Mind セッション時の Mississippi のmp3をダウンロード出来ます。


(追々記)
 CDジャーナル情報(9月10日付)によると、日本盤は2枚組仕様のみの発売になったそうです。

2008.08.16

ジェリー・ウェクスラー死去

●1953年にビルボード誌の記者からアトランティック・レコード入りし、アメリカのポピュラー音楽に大きな貢献をした、ジェリー・ウェクスラーが、8月15日にフロリダの自宅で亡くなりました。享年91。

 ニュー・ヨーク・タイムズ紙に掲載された長大な追悼記事が彼の功績を物語ってます。Industry Legend Jerry Wexler Dies At 91 という Billboard.com の追悼記事はこちら

●Race Music などという蔑称で呼ばれ、人種限定扱いされていた音楽に、Rhythm & Blues という画期的な名称を与えたのは彼でした。

 アーメット・アーティガン、トム・ダウド、そしてジェリー・ウェクスラーと、アトランティックの偉人3人が天国に行ってしまいました。

 写真は、アトランティック時代のウェクスラーとアーティガン(「アトランティック・レコード:60年の奇跡」(ワーナー・ミュージック・ジャパン)より)
Jerry_ahmet

 ニュー・ヨーク・タイムズ紙の追悼記事によると、生前、自分の墓碑銘になんて書いてほしいか聞かれたウェクスラーは、こう答えたそうです。


 「ベースをデカくしろ」(More bass)


 さようなら。

2008.08.14

VH1 で Hard Rock Calling 2008 放送される

●6月にロンドンで開かれた Hard Rock Calling 2008 の様子が、アメリカのVH1ネットワークで8月1日から放送されており、クラプトンのセットからは、

Tell The Truth
Driftin'
Motherless Child
Layla
Crossroads

の5曲が放送されました。

Hrc_vh1b

●個人的には、素晴らしかった Here But I'm Gone や Why Does あたりを、プロ・ショットのサウンドボードで拝んでみたかったですが、全出演者中最大の5曲(2日目のヘッドライナー、ポリスは3曲)を放送してくれたので贅沢は言えません。

 良い音で聴くと、あらためて Abe のドラムの素晴らしさが良くわかります。今ツアーへの彼の参加は大成功だと思います。できれば、Why Does や Motherless Children 等、快速テンポの曲での彼を味わいたかったですが。
 Crossroads はYoutubeで見れます。音だけですが Layla も。快演ですね。

 不思議なのは、放送のはるか前、7月の上旬から、Youtube にボード音源が上がっていて、なぜかVH1で放送されていない Running on Faith まであります????? ボード音源、漏れとるんでないかい(笑)。

 とりあえず、自分のアホ面が映ってなかったのでホットしました。

●日本での放送は、8月27日のPM9時よりWOWOWで。

2008.08.12

スコセッシの Shine A Light を DVDで見る

12月5日からの日本公開が決まったローリング・ストーンズの Shine A Light ですが、リージョン1、NTSCの米盤DVDで先に見てしまいました。

 ディスクのみでブックレットはなし。音声は5.1chと2ch。字幕は英、仏、西のみ。
 以下、ネタバレがあるので知りたくない方はご覧にならないように。

Shine_case

●映画絡みの Special Feature は2つ。

 1つが15分程のサウンド・チェックシーン(昔のインタビューシーンやサウンド・チェック中のやりとり、クリントン様御一行の訪問シーン等含む)。これがなかなか面白く、CDでも聴けた、バディ・ガイが Motherfucker と紹介された理由もちゃんとわかります(笑)。

 2つめがボーナス・ソング4曲(Undercover of The Night、Paint It Black、Little T & A、I'm Free)。もちろん映像付き。Undercover は日本盤CDのボーナス・トラックだったものなので、日本盤を買わなかった人もこのDVDで映像付きで聴けます。

映画本編ですが、コンサートまでの準備シーンを経て、JJFからスタート。フィルム映像の美しさは格別です。
 映画全体は、「ラスト・ワルツ」のように、曲間にインタビュー・シーンを挿みながら進行。この辺は好みが別れるかと。

 ビーコン公演のプロダクション自体、スコセッシ側主導で進んだようで、ミックが「俺はこんな装置にしろなんて言ってないよ」、「ライブ中にそんなにカメラ動かしたら危険だよ」といったクレームをつける場面があります。

 演奏シーンのテンションの高い編集は素晴らしく、やはりスコセッシって人は音楽のことをちゃんと分かってます。セット・リストは直前に確定らしく、スコセッシが「どの曲かでどこを撮るかが決まるんだ。1曲目はなんだ!」と慌てるシーンが印象的です。

 B.ガイとのシーンでのメンバーのバディへの絡みっぷり、カッコいいです。これは音だけでは分からない。

Shine_buddy

●ダブル・エンディングのような構成のエンディングが良く出来ていて、やはり凡庸なコンサート・フィルムとは一味違います。

 エンド・タイトル・ロールで流れる音楽はサウンドチェック中にキースが弾いたリリカルなアコースティック・ギターの即興演奏ですが、これが美しいのなんの。彼がこんなギターを弾ける人だとは思いもしませんでした。

●一応映画館でも見る予定です(見ました)。国内盤はハード揃えた時にブルーレイで買います(ほんとかい)。

2008.08.08

Barry Feinstein によるディラン写真集 Real Moments

 8月に入って何も書かぬまま、本日より盆休みに突入。

●ファンの間ではすでに話題になっている、写真家バリー・ファインシュタイン(Barry Feinstein)によるディラン写真集 Real Moments の邦訳 (邦題「ボブ・ディラン写真集 時代が変る瞬間」) が、9月5日にブルース・インターアクションズ社から出ます。

 ボブのキャリアの中で最高の2つのツアー、66年と74年のツアーにボブ直々に同行を頼まれた彼の写真集なのでファンは無視できません。

▲
時代が変る瞬間

 洋書でとっとと買ってしまおうという気もありますが、盆休み明けにドタバタしてたら9月5日なんてすぐでしょうから、私は日本版にします。邦訳は菅野ヘッケル氏の解説付き。

●余談ですが、バリー・ファインシュタイン絡みの物としては、BOB DYLAN WORLD TOUR 1966-1974 Through the Camera of BARRY FEINSTEIN というDVD(輸入盤は字幕なし)が出ています。

 ある意味「便乗商品」で、レビューなどではボロクソ言われてますが、どうして、どうして。撮影者のバリー自身のインタビュー、コメンタリー付きで、彼の撮った66年、74年ツアーのスチル写真が楽しめるわけですから(映像はないです)、個人的にはちょっと酷評されすぎな気がします(タイトルが悪いですけど)。
 バリー以外に変なディラン・ストーカーも出てきますが(笑)、それはそれで面白いです。

 インタビューに答えるバリーです。

Feinstein

●面白かったのが、例のバイク事故をめぐる、「事故後のバイクはそれほど損傷していなかったし、重傷ではなかったのでは?彼は休みたかったんだろう」旨の、バリーのコメントです。同じコメントは、本DVDの中でアル・アロノヴィッツも述べてますし、重傷否定説は、Howard Sounes 著「ダウン・ザ・ハイウェイ」の中でも仄めかされてました。
 なお、ディランが事故を起こしたトライアンフを買ったのは、同じくバイク乗りだったファインシュタインの紹介した店だったそうです。

●上のDVDのスライド・ショーで見れる写真は、66年ツアーの物が約90枚、74年の物が約70枚です。オフ・ステージ写真が多いのは、バリーが、ライブ中は客席で音楽聞いてる方が好きだからだそうで(笑)

 Real Moments は、邦訳が160ページ。何枚の写真が見れるのか、うち完全未発表物は何枚か、DVD収録のものと重複はあるのか等々、気になるところです(彼は3000枚のボブの写真を持ってるそうです)。

 下のディスクのカヴァーは、全部バリーの撮った写真。これもこれもこれもこれも、バリーの作品。偉大です。

Bf_cover_art

 Bootleg Series 続編の内容も判明し、秋はディラン・モードか。

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