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2008.06.13

大阪フェスティバルホールに行く

●残念ながら今年での閉館が決まった大阪フェスティバル・ホールに先日行ってきました。

 関西エリアに在住の方には存在することが当たり前のホールなのでしょうが、生まれてこのかたずーっと関東者の私は、遅すぎた初体験でありました。

Festivalhall1

 聴いたのは1958年から続いている大阪国際フェスティバル(今年がちょうど50回)の公演の一つ、大植英次指揮大阪フィル。曲は、モーツァルトの「リンツ」とマーラーの「巨人」(6月7日)。

●このホールの響きについては、昔から非常に評価が高かったわけで大変楽しみにしてました。

 果たして、素晴らしいホールでした。東京のサントリーホールのような間接音豊かな柔らかい響きと比べるとむしろデッドな響きですが、余計な+も-もしない楽器本来の素の音の素晴らしさが聴けるホールでありました。混濁のないクリアな音が遠い席にもすーっと伸びて聞こえてくるのは快感です。特に中低域の抜けの良い音は素晴らしい。

Festivalhall4

●基本的にクラシック音楽用に作られたホールですが、ご存じのように、ロック系でも名公演の現場になってきたこのホール。あまりにも有名すぎる76年ニール・ヤング初来日公演のオーディエンス・ソースのエクセレントな音質は、録音された方のスキルもさることながら、このホールの素性の良さの証でしょう。

 75年のクラプトンの大阪公演の聴きやすい音源が残ってますが、クラプトン自身、75年来日時のインタビューでこんなことを言ってます。


インタビューアー:あの会場(大阪フェスティバル・ホール)のどこに座っても、音のバランスは完璧でしたよ。

EC:それは僕にもわかったよ。女の子達がソロで歌う時、僕はうしろの方にさがっていたんだけど、それでもハッキリ聴こえたからね。多分、昨日のホールは特別にいい会場だったんだろうね。
(THE DIG 33号に再録されたミュージック・ライフ誌75年12月号のインタビュー)


 ということです(笑)。ツェッペリンの71年初来日公演の会場もここですね。フェスティバルホールで、Zep、ニール、ECを生で聴けた方々は幸せですね。

●冒頭にも書いたように、このホールはエリアの再開発による取り壊しが決定しています。このホールを愛する山下達郎氏は、「ここを壊すのはカーネギーホールやオペラ座を壊すのと同じこと。愚行です!」と語っているそうですが(Wikipedeia、「フェスティバルホール」より)、この名ホールはわずか50年でその歴史を終えることになります。

 asahi.comの再開発計画についての記事によると、このエリアには2本のタワーが建ち、新たなホールが作られます。古ぼけたホールの保存に優先する大人の事情があるということなのでしょう。新ホールのイメージ図を見ても虚しい限りです。

 私が大富豪なら買い取って、どこかに移築しますが・・・虚しい妄想です(笑)。

Festivalhall2

 でした。

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コメント

Satoさん

>私が大富豪なら買い取って、どこかに移築しますが・・・虚しい妄想です


いやっ!決して、虚しくなんかないですよ。

貴方のその「熱い思い」が、過去の名演を未来に語り継ぐ原動力となるのですから!

すろはんさん、どうも。

いや、へんなところ彷徨いてる私がアホなだけです(笑)。

でも、ロック・ファンでこのホールを惜しむ声ってあまり聞こえてこない気がしますが、私が知らないだけ?

Satoさん

>でも、ロック・ファンでこのホールを惜しむ声ってあまり聞こえてこない気がしますが

すんません!わたすの声が、世の中に響かなくて。
なら、わたすが総代表として、近日中に現地へ向かって騒ぐだす!(本気)

山下氏の番組を聴いてその愚行を知った私も、ついブログにそのことを書いていました。

ほんとにこんないい会場を…。

大阪のライブではパープルやシカゴもそうだったような記憶があります。
いずれにしろ、そうした名演といわれたライブを生むことができたのも、その環境のよさゆえ。

聴衆との一体感もほどほどに感じられる距離感も捨てがたいのではないでしょうか。

同じように故郷札幌の市民会館も取り壊され、厚生年金会館の風前の灯。
山下氏がいうように世の中にアリーナクラスの金儲けのための会場か、クラブ形式の小さな会場しか残らない。
中規模で低コスト、ほどよい聴衆を集められる1~2千人クラスの会場がなくなってしまうのは残念です。

へびGさん、どもです。ブログの記事拝見しました。

おっしゃる通り、中規模程度の良い会場ってあまりないですね(なくなった?)。クラブかアリーナ、スタジアム。
フェスティバルホールでも、「厚生年金もなくなるそうだ」という会話も耳にしました。

でかすぎる会場だと、それで行く気が萎えてしまう人もいると思うので、興行的にもマイナスではないかと思ういますが、どうなんでしょうねえ。ギャラが高すぎて小さいところでやったらペイしないという事情もあるんでしょうけど。


「ホールも楽器だ」なんて言われることもありますが、名ホールくらいは大事にしてほしいです。楽器のつもりで使いこんで育ててほしいです、ホント・・・

はじめまして。

>でも、ロック・ファンでこのホールを惜しむ声ってあまり聞こえてこない気がしますが、私が知らないだけ?

ロックで言えば、キャパ2千人クラスのライヴ会場は、今やZEPやなんばHATCHといったスタンディング形式の会場に移ってしまいましたからねえ。フェスや厚年でライヴを体験するのが普通だった世代のロックファンは、あらかたもう「現場」を離れてしまっているんじゃないでしょうか。

>フェスティバルホールで、Zep、ニール、ECを生で聴けた方々は幸せですね。

本当にそう思います。ここで行われたEC公演はすべて観ましたが(計6回)、この会場ならではのヴァイブ、サムシングがありましたね。81年、あの場の空気を通じて、ノン・ディストーションのブラッキーが奏でる、ビロードのような艶やかな音色に陶然とさせられたことは、今も忘れられません。

>このホールを愛する山下達郎氏は、「ここを壊すのはカーネギーホールやオペラ座を壊すのと同じこと。愚行です!」と語っている

氏は「日本一好きなホール」とも語っていますが、私にとっては「世界一好きなホール」です。

さらばフェスティバルホール・・・

ブルー爺さん、こんにちは。はじめまして。

フェスでのクラプトン公演すべてご覧になってるとは羨ましいかぎりです。
81年もフェスでしたか。「ノン・ディストーションのブラッキーが奏でる、ビロードのような艶やかな音色」って想像しただけでクラクラしてきます。

初めてフェスティバルホールの座席に座りながら、「昔ECがここでやったのか・・・」とボーっと考えてました。ZEPがこんな小会場でやったとはどうしても実感できないままでしたが(笑)。

当日は、名ホールと呼ばれる場所って独特の雰囲気をもってるなあとしみじみでした。ロビーの濃い茶色の古めかしい壁にはヨーロッパあたりの古い名ホールと同じ雰囲気を感じたものです。

聖なるRAHをさしおいての「世界一好き」認定。でも、それくらい素晴らしいホールだと思います。
ここに工作機械がメスを入れる瞬間が来るのかと思うとやりきれんですね。

できれば壊される前にもう一度味わいたいです。

実はここのブログ拝見したのは昨日が初めてなんですが、Satoさんって、EC系の掲示板で前からときどきお名前をお見かけするあの方なんですかね? なら、「はじめまして」ってわけでもありませんね(笑)。レスのやりとりしたことあるもの(笑)。

>できれば壊される前にもう一度味わいたいです。

21世紀に入ったあたりからフェスでライヴを観る機会はぐっと減りましたが(覚えているかぎりでは2002年のエルヴィス・コステロ、マンハッタン・トランスファー、2004年のジョアン・ジルベルト、2005年のカエターノ・ヴェローゾぐらい)、私も取り壊しまでにはせめてもう1回行って、思い出深いホールにさよならを言いたいです。
12月20日にスティングがここでやると聴いています。日にち的に考えても、おそらくこれがあそこでやるロック系最後のライヴになるのでは?

ホールと言えば、ブログを覗いていて、こんなのを見つけました。

>アメリカン・ルーツ・ミュージックの宝庫-「新星堂なんば店」訪問(2007.06.15)
>お店から少しあるけば、EC の ライブ履歴では RAH に匹敵する聖地として大阪では有名な?大阪府立体育会館もあり、ちょっと眺めてこようかと思いましたが、時間がなかったので止めました。

ECが府体のステージに立ったのは1979年12月1日の1回のみです。間違っても聖地なんかではありません(笑)。ましてやRAH に匹敵するなんて、とてもとても・・・(笑)。
ただあそこでのただ一度の公演は、過去30数年間に70回以上私が観たECライヴのなかでも、プレイの冴えと切れ、その超絶度においてダントツのNo.1として、私の中では不動の位置を占めています。その意味で私的「聖地」ではありますね(笑)。

ここも80年代後半に建て替えられて妙に小ぎれいになってしまいましたが(というオチ)。

ブルー爺さんとの会話の続きです。

>EC系の掲示板で前からときどきお名前をお見かけするあの方なんですかね?

たぶんその人です(爆)。最近は「自宅」に引きこもってますが。
ブルー爺さんとは、やりとりした記憶があるのですが、牧歌的紳士的な会話だったか、激しいバトルだったか、よく覚えてません。前者であったことを祈るばかりです(笑)


>12月20日にスティングがここでやると聴いています。

スティングは好みの射程範囲なので、これは良い情報を教えていただきました。
今から予定に入れておきます(笑)。
本当のラストは、12月29日、30日の大阪フィルの「第9」のようですね。


>ECが府体のステージに立ったのは1979年12月1日の1回のみ

たぶん、頭の中で、フェス、厚生年金、府立体育館がゴチャゴチャになってるせいです。なにせ、70-80年代の大阪は自分には「遠くにありて思うもの」でありまして記憶が適当です。
今も、伊丹~梅田あたりしか分からず東西南北感覚が目茶苦茶。府体が難波にあることすら最近知ったくらいで(なんばパークスに昔大阪球場があったとは)・・・・
阪神競馬場は寝ぼけてても行けますが(笑)。

「大阪と私」なそんな感じです。

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