サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

聴け!

無料ブログはココログ

index

« 2008年4月 | トップページ | 2008年6月 »

2008年5月の記事

2008.05.31

グールド、カラヤンの57年ライブ録音を聴く

●1957年5月、ベルリンでのライブ録音。収録は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番とシベリウスの交響曲第5番。
 グールドのピアノに、カラヤン指揮ベルリン・フィル。SONY BMGから正規音源としてはうれしい初登場。

Gg_hk_beethoven3con

 実際の公演では1曲目にヒンデミットの「画家マチス」が演奏されましたが、ディスクの解説によると、ヒンデミットだけ、1964年になぜか録音が消去されたそうです。

 会場は当時のベルリン・ホッホシューレ(旧ベルリン音楽演劇大学、現ベルリン芸術大学)のホール。
 5月24日から26日までの3公演のうち、どの日の録音かクレジットがなく、非正規盤のクレジットによると26日とされてますが(会場が当時存在しないフィルハーモニーになっており、あてにならんデータです)、24日の録音のようです。

●グールド・ファンの間ではよく知られた録音ですが、90年代前半に SONY から統一アートワークで大量にリリースされ、ザルツブルクやレニングラードでの未発表ライブ音源を含んでいた THE GLENN GOULD EDITION でも、この音源のリリースはなし。長年、非正規盤でのみ聴けた音源でしたがようやく登場です。

Gg_beethoven3con_boot気になる音質ですが、モノラルながらステレオ・プレゼンスが若干付加されてます。
 自分の持ってるキング・レコードから出ていた Music & Arts 原盤のディスク(左)の音のようなモコモコ感がなく、特に高音域の繊細な響きは非正規盤では聴けなかったものです。管楽器の分離もくっきり、バスの声部の動きもくっきりと聞こえ、ピアノ、オケの響きとも正規盤の圧勝。

演奏の素晴らしさについては今さら私が付け加えることは特にないですが、グールドが仮に特異な演奏スタイルの道を進まず(笑)、オーソドックスなコンサートピアニストの道を歩んでいたとしても大ピアニストになったであろうことを確信させます。

 非正規盤でも聴けなかった初出のシベリウスも含め、カラヤンのオーケストラ全体をコントロールする能力の素晴らしさは圧倒的で、シベリウスの2楽章から3楽章にかけての移行部分の迫力など凄まじいばかり。しばしばこの指揮者に浴びせられ続けた、精神性の欠落とかいう批判が完全にアホらしく聞こえます。 
 それにしても、当時のベルリン・フィルの低域のずしりと重い響きの素晴らしいこと。

●解説によると、グールドとカラヤンの2人は、76年に「共演」のプラン(というかグールドの希望)があったようで(バッハの1番とベートーヴェンの2番)。
 解説曰く、まず、両者が電話で解釈についてディスカッション(笑)。ついで、ソロ・パートの録音をグールドがカラヤンに送り、さらに、それを聴いたカラヤンがグールドの解釈に基づいて録音したオーケストラ・パートを送り、両者を合体させる・・・
 という信じられない話です(distant recording とか(笑))。

 話自体突拍子もないもので、所属レーベルの違いもあり実現していたとは思えませんが(グールドの健康状態により頓挫の模様)、都市伝説としては十分面白い話ではあります。

2008.05.21

ベルリン・フィルハーモニーホールで火災

 ニュース見た瞬間、ぞっとしました。

 写真や映像を見ると煙の量がかなり多いですが、幸いホール内部に被害はないとのこと。このホールが焼失してたかもしれないと考えると恐ろしい・・・

 現場の様子がよくわかるフランクフルター・アルゲマイネの記事(独語)はこちら

 月並みですが、祈復旧。



(追記)
 火災時のフィルハーモニー周辺の様子は、ベルリンからいつも素晴らしい情報を発信されている「ベルリン中央駅」(by マサトさん)が、ブログで詳しく報告されています。

 今年の1月に私がフィルハーモニーに行ったときのへっぽこルポはこちら

2008.05.17

キャロル・キングの「つづれおり」Legacy Edition(2CD)

●2CDのデジパック仕様。Legacy Edition 2CDものによくあるスリックケースはついてませんでした(下の写真のような帯みたいなのはなかったですがどうなってんでしょう?)。

▲
Tapestry

 Disc1が「つづれおり」本編、Disc2がライブ編。ライブ編の曲順は、本編と同じ曲順に並べてありますが、Where You Lead はなく全11曲。

 タペストリーのCDを買うのは3つめですが(トホホ)、本編の方の音質はどれもそんなに変わらないと思います。そんなに厳密に聴き比べたわけではありませんが。SACD版は聴いてません。

●ということで、期待はライブ編の方になります。

 Previously Unreleased Live Piano/Voice Version というクレジットがあるように、すべてピアノ弾き語りの録音。

King_tap_book

 細かな録音データは不明で、73年録音のボストン、コロンビア(メリーランド州)、セントラル・パーク(NY)、76年録音のサンフランシスコ・オペラ・ハウスという記載があるだけです。

 73年のボストン音源については、99年製作の Legacy シリーズ(K65850という番号の1CD版)で出たタペストリーのボーナストラックに Smackwater Jack が入っていて、今回の2CD版収録の同曲と聴き比べてみたらまったく同じテイクでした。

 ただし、どうしたことか、旧Legacy シリーズの方が明らかに音が良いです。旧Legacy版はちゃんとステレオですが、今回の2CD版はヴォーカルとピアノが中央にモノラルのように定位していて音が引っ込んだ感じに聞こえます。観客の拍手も遠目に処理。

 他の曲も含めて、全体的に曲間の拍手が不自然。Will You Still Love Me Tomorrow で演奏がブチ切れ気味に終了したりと、コンサートとしての自然な臨場感が希薄です。こんなことならボストン音源だけを旧Legacy シリーズの音で出してくれた方が良かったのにと思った次第。Legacy Recordings シリーズの2CDにしては、お値段安めなのもなんとなく納得してしまいました。

●などと、けなしてるようですが楽しめなかったわけではないです。まあ、彼女の70年代のライブ盤には、The Carnegie Hall Concert June 18, 1971 という素晴らしいディスクがあり、「また同じようなライブが味わえるのか」と期待し過ぎました。
 カーネギー・ホールの方はコンサートとしての臨場感もばっちりで、聴衆との和んだやりとりも存分に味わえます。

 物好きな人は、76年ボストン・ミュージック・ホール公演のブートもあります。極上オーディエンス録音で全28曲プラス70年BBC音源7曲。2CDでDVDのオマケも付いてます。

Carolking_76boston

2008.05.16

細野晴臣&ワールド・シャイネスの Billboard Live 音源が iTune Music Store からリリース

Hosono080422billboard 4月に Billboard Live 東京で行われた、細野晴臣&ワールド・シャイネスのライブ音源が、iTune Music Store からリリースされました。
 リリースされたのは22日の音源ですが、2公演中のどちらのものかは不明です。

 曲は、はらいそと Pom Pom 蒸気の2曲で1曲200円。もちろん音質極上。自分も行ったショーなのでうれしいリリースです。

 以上、単なる情報ですがブログ保守作業も兼ねて。

2008.05.06

クラプトン、サマーツアー始まる

 クラプトンのサマーツアーが5月3日に始まりました。
 以下、フロリダ、タンパの Ford Amphitheatre で行われた初日のセット・リスト。


01. Tell The Truth
02. Key To The Highway
03. Hoochie Coockie Man
04. Little Wing
05. Double Trouble
06. Don't Knock My Love
07. Outside Woman Blues

-sit down-
08. Nobody Knows You
09. Rockin' Chair
10. Motherless Child
11. Travelling Riverside Blues
12. Running On Faith

13. Motherless Children
14. Little Queen of Spades
15. Before You Accuse Me
16. Wonderful Tonight
17. Layla

-Encore-
18. Cocaine
19. Crossroads (with Robert Randolph)

 とりあえずリハでやってみた曲を全部やってみたというような雰囲気ですが、WHERE'S ERIC に寄せられたレビューを参考にすると、以下のような感じと思われます。

・全体にブルース色濃厚

・Key To The Highway は Freddie King の Getting Ready収録版(たぶん前回ツアーと同じアレンジ)

・Outside Woman Blues はCGF2でのドイル版(たぶん前回ツアーと同じアレンジ)

・08-12 が sit down set で、どこかで12弦ギターを弾いた模様

・sit down set に入ってる Rockin' Chair は The Band とは関係なく Rockin' Chair Blues の方(Big Bill Broonzy 版?)


 ほぼブルース全開のセットで、Before You Accuse Me の後に Wonderful Tonight が始まる違和感は壮絶なものがあると思われますが(笑)、これと Layla はもうアンタッチャブルな「お約束定食」なんでしょう。



(追記)

 浦島太郎というか、ボケッとしてる間に、お題は答えが出ていたようで。dimeにもう音源が上がってました。しかもいきなり極上音質。

>07. Outside Woman Blues

 stand up での演奏で、前回ツアーでの演奏とは微妙に違いました。かっこいいです。

>09. Rockin' Chair

 こちらは、ホーギー・カーマイケル作のスロー・バラッドの方でした。

« 2008年4月 | トップページ | 2008年6月 »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

アルバム(作ってみました)