フィルモア・イースト跡地を訪問する
●初NYだったわけですが。
自由の女神にも、エンパイア・ステイト・ビルにも、グラウンド・ゼロにも行かず、フィルモア・イースト跡地を訪問してきました。
ご存じのように、かつてのフィルモア・イーストは、シアターとしてはもう存在しません。
ネットで調べた、East Village, near 6th st, near St. Mark's Place というのにめぼしを付けて行ってみましたが、歩いてもその面影すらないまま、near 6th st, near St. Mark's Place からは遠ざかるばかり。
●仕方ないので、道ばたで鞄から書類出して格闘してる優しそうなビジネスマン風の中年男性に尋ねてみました。実際、優しい人でした。
曰く、こんな感じ。
「うーん、僕も小さかったからよくわからないんだけど・・・たしか教会のそばだったと思うよ。こっちじゃなくて通りの反対側だったかな・・・でも、あてにならないから、必ず誰かにもう一度確認してみてね」
ということで、通り過ぎてたらしいので、お礼を言ってから、また戻ってみると・・・・
ありました。確かにそばに教会がありました。反対側でしたが(笑)。
●かつて、フィルモア・イーストがあったことを知らせる唯一の目印がこれ。当時の写真を見ると、このポールがちゃんとあります。信号機はありませんが。
正直、泣けました。音だけしか知らないわけですが、自分の精神をガンガン揺さぶった音楽的記憶が一気に押し寄せて来て。オールマン、ドミノス、ニール、デッド、ジミ、マイルス・・・
誰が作った装飾か知りませんが、オールマン
クリーム
グレイトフル・デッド
ジミとジャニス
よく見ると、昔のエントランス部分以外、建物の外観はそのままです。左右の建物も基本的な作りはそのまんま(上写真は、Amalie R. Rothschild 女史の素晴らしい写真集 Live at the Fillmore east より)。
結局、しばらく半径5m位の場所をクルクル回ってました(笑)。そこに居ても何も起こるわけではないのに。
●周囲はニューヨーク大学の施設が多数点在してるエリアで、フィルモアの跡地は、ニューヨーク大学の校舎の左隣でした。旧エントランス部分は、現在、EMIGRANT SAVINGS BANK という店舗になってます(2008年2月28日現在)。
場所はここ(NYUのWashington Square Campus のマップより)。
ちなみに、ビーコン・シアターも見てきましたが、エントランス周りの汚らしい雰囲気が、なんとなくよく似てます。オールマンがビーコンにこだわる理由ってそのあたりでしょうか?
汚いから、というのも身も蓋もない書き方ですが、外部から見物したビーコンの雰囲気と写真でしか知らない昔のフィルモアの雰囲気ってよく似てるように感じられました。上のリンク先のビーコンシアターのページには、ビーコンは、「バンドにとって2つ目の「フィルモア」となっている」(The venue has become a second "Fillmore" for the band)とあります。
(追記)
フィルモア・イースト跡地右にあるニューヨーク大学の校舎は、芸術学部(Tisch School of the Arts)の校舎です。マーティン・スコセッシはここの出身です。
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コメント
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男の中の男とは、Satoさん♪貴方の事を言うっ!
貴方の撮ってきてくれた写真、綴られた貴方の心の叫び・・・、その場に居なかった私も一緒に泣けてくる。
真の『聖地』とは、此処の事を言うのですね!
諸々の事情があって自庵の表玄関と居間(居心地が良かったかどうか?は別にして)を停止させた私ですが、
生きている間に行かなければならない所が、後一つあった事に気がついた!
メンフィス、そして・・・・・フィルモアイースト♪
あぁ・・・・・、ニールの「シュガーマウンテン」が聴こえる。
Satoさん、ありがとう♪
投稿: すろーはんど M谷 | 2008.03.03 08:10
すろはんさん、
熱いコメントどもです。
でも「男の中の男」はこんな時期に道楽なんてこいてません。
今回の実行したすべての訪問の中で、この地に行ったことは、もっとも胸にグッとくる経験でした。ある意味、MSGのショーより感動しましたんで。
投稿: Sato | 2008.03.06 17:55