ウィーンでコンツェルトハウスに行ってみた
旅ネタですが、とりあえずけじめに書いておきます。
●ウィーンのコンサートホールとしては、ムジークフェライン・ザールと並び知られている(と思う)、コンツェルトハウスに行ってみました(外観写真はWikipediaのコピー許可版より)。
外観から見ると、右側がステージ位置になってます。
聴いたのは、1月15日。演奏はシュテファン・ヴラダー指揮カメラータ・ザルツブルク、ヴィクトリア・ムローヴァのヴァイオリン。
曲は、
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲
モーツァルト/アダージョとフーガ K546
ベートーヴェン/交響曲第8番
正直行くかどうか迷いましたが、コンツェルトハウス見物とムローヴァに惹かれて行ってみました。ピアニストとして知られたヴラダーが指揮もするとは知りませんでした。
●コンツェルトハウスは、屋根が高く、DVDなどで見ると巨大空間という感じですが、中に入るとそれほど大きい感じはしません。ホールの響きはもっと柔らかい音がすると思いましたが予想よりデッドでした。
自分は2階の最前列で聴きましたが、この場所、足元のスペースが狭く、飛行機のエコノミークラスよりシートピッチが狭いです(泣)。
むしろ可動式の椅子で、列毎の段差が高い、両サイドのバルコニー席がよいかなと。ちゃんとステージに向けて角度もついてます。
●で、演奏ですが。
怠惰な私は、ムローヴァが古楽奏法に準拠した演奏もしているということは渡欧前に調べていて初めて知りました。
当日会場に入ると、ステージ上にあるティンパニーとコントラバスは古楽器。これは古楽奏法での演奏かと思いましたが、果たしてそうでした。トランペットも古楽器の折衷編成。1曲目冒頭のティンパニは素手の指先で叩いてました。
演奏は悪くなかったですが、古楽奏法だと、ソロ・ヴァイオリンの魅力が減殺されてしまうような気がするのですが・・・この辺は好みですかね。まあ、スレンダー、長身のムローヴァの立ち姿の美しさに見惚れてましたが。
アンコールにバッハの無伴奏から1曲。偶然にもベルリン・フィル定期でツィンマーマンが弾いたアンコールとまったく同じ曲。
カメラータ・ザルツブルグは引き締まった良い音を出していて、最後のベートーヴェンの方が聴き応えがありました。ただ、こういうスタイルの演奏だと、金太郎飴というか、どの指揮者、団体の演奏から受ける印象もあまり差がなくなるかなと。
●ホール前に大きなバスが停まっていたのですが、終演後オーケストラのメンバーが乗り込んで行くので良くみると、バスの車体に、Camerata Salzburg の大きな文字が。なるほど、楽団のバスでしたが。
そのまま夜行でザルツブルクに戻るんだと思いますが、ウィーンからザルツブルクって短距離ではありません(東京~名古屋位?)。バス移動は疲れますしなかなかハードだと思います。
なんかロックバンドの移動みたいだな、と思ったのでした。
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コメント
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遅めの反応ですいません、Satoさん。仕事がかなりキツクて、帰りが極めて遅いのです(泣)。
コンツェルトハウスですかぁ。建物も実に雰囲気がありますね~。ここを牙城にヴィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団が演奏をしていたことになるんですね(極古ネタで失礼)。
ヴィクトリア様の演奏はいかがでしたか?ある本によると、この方って古楽奏法を学んで以降、「以前の私の演奏は間違っていた」とコメントしたそうですが、個人的には「そうなのかなぁ」と感じてしまいます。「古楽奏法だと、ソロ・ヴァイオリンの魅力が減殺されてしまうような気がする」というのは正にその通りだと思います。
あと最近この方素っ頓狂な格好でヴァイオリンを演奏したりしますが、当日のお姿はいかがなものでしたかねぇ?パンツ・スタイルだったのかしら。
ところで、「カメラータ・ザルツブルグ」っていう名前の楽団あったっけ?と思ったんですが、「ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団」のことだったんですね。「カメラータ・アカデミカ」といってみたりでややこしい限りですね(苦笑)。
ホームページを見たらベルンハルト・パウムガルトナーやシャーンドル・ヴェーグが振ったCDが出ていますね。さすが歴史を感じさせます(これまた極古ネタで失礼)。
投稿: Kazu | 2008.01.29 01:33
Kazuさん、どもです。
お仕事大変そうですが、ほんとご自愛くださいね。
>ここを牙城にヴィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団が演奏をしていたことになるんですね(極古ネタで失礼)。
懐かしいですねえ。私はバリリSQ派でしたが(笑)
実はコンツェルトハウスにはモーツァルト・ザールという小ホールがあって、室内楽はそちらでやるのかもしれません。
>ヴィクトリア様の演奏はいかがでしたか?
こちらは微妙でした。
正直、亡命後あたりの演奏の方が好きです。
「以前の私の演奏は間違っていた」というのはちょっと極端な発言ですねえ・・・
この人の良さは奏法云々ではないと思うんですが。
衣装は、たしか濃いワインレッドみたいな色のロングドレスでパンツ姿ではなかったです。
とにかくスレンダーで立ち姿の美しさには惚れ惚れしました。
「素っ頓狂な格好」はまだ見たことありませんが、見てみたいです(笑)。
>「カメラータ・ザルツブルグ」っていう名前の楽団あったっけ?と思ったんですが、「ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団」のことだったんですね。
そうなんです。ややこしいです。
パウムガルトナー懐かしいです。LP世代には忘れられない名前ですね。
自分がこの楽団を一番聴いたのは、ヴェーグとのCDです。
ヴェーグ良かったなぁ・・・・
でした。
投稿: Sato | 2008.01.30 00:35