A.フランクリン、72年フィラデルフィア・ライブを聴く
●10月20日付で書いた、72年フィラデルフィアで開催された NATRA のコンヴェンションでのライブ盤 Oh Me Oh My: Aretha Live In Philly, 1972 がRHINO から届きました。
ジュウェルケースと勝手に思いこんでいましたが、見開きの紙ジャケでした。7500枚限定ですが、私のは1500番台後半。
以下、彼女については中途半端なファンながら少々。
●テープを発見した David Nathan の解説によると、マルチトラックのマスターは発見できず、すでにトラックダウン済みのテープだけが見つかったそうです。
音質はエクセレントですが、曲間の拍手は若干不自然です。特に、That's The Way I Feel About Cha と Spirit in The Dark では、演奏がフェイドアウトで終わり、それに拍手がオーバーダブ処理されてるのは残念です。後者はフィルモアでのライブ演奏から推測すると実際の演奏はもっと長かったものと思われます。
ところどころで聞こえるストリングスやハープはオーバーダブのような気がしますがどうでしょう(自信なし)。仮に編集だとして、全56分というLPには中途半端な収録時間で、誰が何のために、ここまで編集、トラックダウンを済ませたか謎です。
●それはともかく、This Girl's In Love With You、I Never Loved A Man、I Say A Little Prayer、Day Dreaming、Think といった曲を72年のライブで聴けるのは格別で、メドレーで歌われ1分足らずで終わる Think の短さが恨めしいです。
バックは、ビッグバンドと言ってよいくらいの大編成(アリサ自身、That's The Way I Feel About Cha を歌う前に great big beautiful brassy and full band と紹介してます)で、フィルモアのキングピンズの演奏とは明らかにグルーブが違いますが十分聴き応えがあります。ドラムは、フィルモアのバーナード・パーディー、パンチョ・モラレスの強烈なグルーブと比べると物足りないですが、これは比べるのが気の毒ですね。ベースは素晴らしいです(メンバー不詳)。
ということで、前年のフィルモア・ウェストでのライブ盤とは別の味わいがあります。スリーブ内側の写真もカッコイイです。
●いっしょに アトランティック時代のアウトテイク中心の蔵出し盤 Rare & Unreleased Recordings from the Golden Reign of the Queen of Soul も届きました。こちらは、私ごときが語るには荷が重すぎますが、I Never Loved a Man (The Way I Love You) のデモ・バージョンなんて仰天ものです。
Blues & Soul Records 誌の最新号(vol78)がアリサ特集で、本盤については、鈴木啓志氏が4頁に渡って愛情に満ちたレビューを書かれていてとても参考になりました。
しかし、いまさらですが歌上手すぎですわ、このディーバ。
(追記)
ドラムが物足りないようなことを書きましたが、しばらく後にあらためて聴いてみたら、冒頭の「ツァラトゥストラ」からなだれ込むように始まる快速の Rock Steady からドラムもすでに爆演でした。いったい何を聴いているのやら。トホホ・・・
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» アレサの未発表集すごいですね [音・響・楽]
最近発売されたアレサ・フランクリンの未発表曲集。
これがまたすごい音源ばかり。
アトランティックの黄金期に録音された一連のアルバムやデモ音源を集めたものですが、本人の歌といい、バックの演奏といいもうすごいの一言。
なんでこれがボツになったのか、ってくらいの出来ばえばかり。
途中でとまったり、録音そのものがわるかったり、などいろいろ理由はあるにせよ、超一流の演奏とワン・アンド・オンリーな彼女の歌を聴いて満足しない人はいないでしょう。
今はだいぶ巨体になり、椅子にすわる姿はなんだかスターウォーズの... [続きを読む]
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