「今宵、フィッツジェラルド劇場で」をDVDで見る
●すでに当ブログで何度か触れてますが。昨年亡くなった偉大なるロバート・アルトマンの遺作です。原題は、A Prairie Home Companion(牧場小屋の仲間達)。日本公開は、去年6月のアメリカ公開に遅れること9ヶ月の、今年3月。
最後の作品くらい映画館で見ようと時間作って渋谷で見ましたが、先日DVDも購入。
映画の概略はこちら。公開元の公式サイトはこちら。
●非常に良くできた50分弱のボーナス映像によると、アルトマン夫人が、A Prairie Home Companion のファンで、アルトマンは当初、キーラーの小説「レイク・ウォビゴンの人々」を映画化しようとしたそうですが、キーラーと脚本を巡りやりとりしてるうちに考えが変わり、 A Prairie Home Companion を素材にすることにしたそうです。
アルトマン自身体調不良を抱えながらの撮影だったそうですが、ボーナス・ディスクで見れる演出シーンや、インタビュー・シーンの彼は元気そうで、死の影はありません。
大手資本に買収されたラジオ局の長寿音楽番組が最後を向かえるというプロットですが、予想に反し(でもないか)、アンチ・クライマックスというか、感動の大団円とは無縁。舞台裏はほとんど雑談。舞台上は平凡なカントリー・ゴスペル・ミュージック。何せ楽屋で人が死んだって、月並みな狼狽があるだけ。でもなんて美しい映画なんでしょう。
もしご興味あればご覧ください(レンタルなら100円玉数枚ですんで)。照明なんて神業。多数の鏡に囲まれた楽屋場面の美しいこと。
役者では、メリル・ストリープの歌の上手さに驚きました。私的には、彼女が、リリー・トムリンと歌う、母親の思い出の歌(Goodbye To My Mama)のシーンが映画のクライマックスかと。
●もう一つ。驚かされたのが、メリル・ストリープの娘役で出演してるリンジー・ローハン。
「リンジーローハン ゴシップ」で、ググるとトホホなゴシップが大量に出てくる、お騒がせ Bitch、あ、いや、娘ですが、この映画ではあの化粧の濃い毒々しい姿とはまるで別人。髪はブロンドに染めてますが、インテリ学生風の小娘になりきってます。オジサン少し萌えましたがな。一曲ソロで歌う姿もカッコイイです。
一枚キャプチャー貼っておきます(この程度なら著作権法第32条の「引用」の範囲でしょう)。
現在、アル中、薬中から更生中の身だそうですが、悪いこと言わん。悪いヤツとは付き合わず、良い大人の言うこと聞いて更生しなさい。あんたは単なるジャリ・タレで終わらん。きっと大物になる。何の芸もないパリスなんとかと違って。
●100分超のボーナス・ディスクの他、まだ見てませんが、本編ディスクに、アルトマンとケヴィン・クラインのオーディオ・コメンタリー付き。公開時に売られたパンフの一部もデータとして読めます(非常に有益)。
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カテゴリ
ドラマ
製作年
2006年
製作国
アメリカ
時間
105分
公開日
2007-03-03〜
監督
ロバート・アルトマン
ストーリー
ミネソタ州セントポールのフィッツジェラルド劇場で、長年親しまれてきたラジオショウ「プレイリー・ホーム・コンパニオン」の、最後の公開生放送が始まろうとしていた。私立探偵を気取った用心棒ノワール、名司会者キーラー、カント...続きを読む
出演
ギャリソン・キーラー
リンジー・ローハン
ケヴィン・クライン
トミー・リー・ジョ... [続きを読む]
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