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2007.07.25

「アトランティック・レコード:60年の軌跡」を見る

 2007年、アメリカ PBS 製作で、同局の American Masters シリーズの一作。114分。
 原題は、Atlantic Records The House Ahmet Built で、原題の方がカッコイイですね。

 「日本盤出るか微妙だなぁ・・・」と思ましたが、ちゃんと出してくれました。発売元サイトの関連ページはこちら。PBS の American Masters の本作関連ページはこちら

アトランティック・レコード:60年の軌跡
アトランティック・レコード:60年の軌跡

 25日発売ですが、お休みの本日、即見しました。

●「アトランティックの通史+アーティガンの個人史」風な作品ですが、初期の作品をあまり知らない自分は、アリサ、オーティスが登場するあたりからが一番楽しめました。初期アトランティックこそがアトランティックの本領、という方には心外でしょうけど。

 作品中、ジェリー・ウェクスラーが、

 「メジャーカンパニーの中で経営者がスタジオで一緒にレコードを作っていたのはアトランティックだけだ」

と語りますが、重いお言葉です。 

 アリサ・フランクリンがコロンビアで売れずにくすぶっていた頃の話が出てきますが、アリサ曰く、「コロンビアでは経営者がスタジオに来ることなどなかった」ということです。

 とにかく、昔を回想する登場人物達が皆楽しそうなのが印象的です。

●もちろんクラプトンが出てこないわけはなく、以前ご紹介した、ロンドン滞在時、ウィルソン・ピケットのパーティーで、クラプトンを初めて聴いたときのあのエピソードが、アーメット本人の口から語られます。

 クリームの傑作ドキュメンタリー「クラシック・アーティスト・シリーズ / クリーム」でも、アーメットが同エピソードを語る場面が出てきますが、そちらはオフィス内の映像、本作のは屋外での映像です。「アトランティック・レコード物語」にも出てくる、この時の体験、よほど強烈な印象を、アーメットに与えたと思われます。

 NY で、クラプトンが、アリサ・フランクリン&バンドとセッションした時の話なんて秀逸ですが、ネタバレになるので、内容のご紹介は止めておきます。

 その後、アリサの Lady Soul のカバー写真とクラプトンの写真がオーバーラップするシーンがあり、背後に流れるのはもちろん、Good To Me As I Am To You でのクラプトンのソロです。寝転がって見てましたが、この辺で体がむくっと起きましたです、はい。

●もちろんツェッペリンも登場。ゼップについては、アーメットがペイジ、プラントと会うことなしに、ウェクスラーが契約したそうですが、興味深かったのが、彼らの契約内容で、「バンド側がアートワークとサウンドの決定権を持ち、経営陣は録音中スタジオに入れない」旨を、口約束でなく契約書で明文化したとのこと。これはそれまでの契約慣行にはなかったことだそうです。

 実際、コンサートの楽屋のような場所で、ゼップの名物マネージャーだった故ピーター・グラントが、初老の男性に「俺に指図するな。出て行ってくれないと始められない」と凄むシーンが拝めます。あの巨体が腕組みして。相手ビビってます(笑)。

●終盤は音楽以外の私生活の話などもあり、少々散漫な印象を受けました。個々の話は面白いのですが・・・・
 会社がワーナーに売却されビッグビジネス化し、Blues、Jazz、R&B というタームだけでは語りきれない音楽が増え出したわけで、音楽面の話が散漫になるのはやむを得ないかと。

 ミック・ジャガーの登場シーンもあり、ストーンズのお蔵入りした現在未発売のライブ映画 Ladies & Gentlemen が部分的に見れますが、なんとか正式に発売できないものでしょうか。

 あまり書くとネタバレになるので止めますが、アトランティックというか、アメリカポピュラー音楽史に興味のある方は必見。出てくるミュージシャン等については、冒頭のリンク等をどうぞ、

 私的に、「アトランティック・レコード物語」(書籍)、トム・ダウドのドキュメンタリー映画「Tom Dowd & Language of Mugic」、本作を、アトランティック三部作と勝手に命名させてもらいます。

Atlantic60

 日本盤には、登場人物について簡潔にまとめられた冊子がついていてます。よく知らない人物もいたので非常に助かります。冊子の最後に、参考文献「アトランティック・レコード物語」って書いてありますが(笑)。早川書房さん、こんな重要文献、早く再発しましょうよ。罪ですぞ。

●エンディングで流れるのは、アリサの Don't Play That Song で、これは DVD のメニュー画面の BGM にもなってます。

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コメント

Satoさんの記事を読んでいると、購入したくなっちゃうんですよね~。
このDVDどうしようかなぁ~。

最近あまりCD/DVDは買っていませんが、先程トラヴェリング、ポチッちゃいました!(爆)

U.M.Aさん、どもです。

>Satoさんの記事を読んでいると、購入したくなっちゃうんですよね~。

香具師の気分になってきましたw
ご購入の際は、お値段比較の上、お安いところでそうぞ。私のリンク先が必ずしも安いとは限らないので。(^^;ゞ

「面白い!」「興奮!」って感じのDVDではないですが、いろいろと好奇心を刺激してくれます。
アーメットの、みんなに愛されたイイお爺ちゃん風味が、よーく伝わってきます。

お急ぎでなければ、またの機会にお貸ししますです。
ウィルベリーズは一家に一枚です(爆)

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