サディスティック・ミカ・バンド LIVE in Tokyo を聴く
●発売から、ちょっと経ちましたが、生見した1人として、触れないわけにはいきません。3月8日のNHKホールでの再々結成公演のライブ盤。
当夜のライブが2枚と、75年9月21日共立講堂における初代ミカ時代のライブ1枚の計3CD。
演奏された曲はすべて収録。ただし、機材トラブル(中間のマンドリン・ソロがまったく聞こえなかったためやり直し)で2回演奏された King fall (2度目は「タイムマシン」の前に演奏)はもちろん1つだけ収録。
●音質は、オフィシャルですから当然、完璧サウンド・ボード・・と言いたいところですが、サウンドが中低域にかけて分厚い仕上がりになってます。
私的には、ミキシング・スタジオで聴くならともかく、一般のご家庭で聴くにはかなり違和感のある音仕上げと感じました。まあ、この辺は好みもあるでしょうけれど。
ゲネプロ、本番共にかなりあったMC(黒船レコーディング時の回顧話や今回のレコーディングの裏話等々)は、すべてバッサリとカットされてます。これは何度も聴くCDの性格上仕方がないところでしょう。でもかなり面白かったんですよん、あのMCの数々。奥田民生登場シーンのやりとりあたりはもうちょっと残しても良かったんではないかと。
その他、若干の編集もあり、NARKISSOS終結部から、高中のソロに移っていく箇所の拍手は明らかに本番の時とは違います。他にも聴き比べれば見つかると思います.......何と聴き比べるんでしょう(自爆)。
●ボーナス・ディスクは Official Historical Bootleg とクレジットされており文字通り公式海賊盤で、ブート雑誌風にいうと「当時としては良好な」オーディエンス録音です。
当時のオーディエンス録音によくあるように曲間はカット。曲は「黒船」収録曲中心。秋川リサがオープニングのMCを務めているのにニンマリした人はかなりのオッサンです(11PM....)。ベースは後藤次利に替わってます。
音質が音質ですし、ライブは生ものなので即断するのもどうかと思いますが、Live In London で聴ける、直後のイギリスツアーの凄まじい演奏に比べるとちょっと緩いところがあり(特に前半)、逆に言うと、たった1ヶ月足らずの間にバンドっつうのは変わるもんだなと。
とはいえ、終盤立て続けに演奏される「何かが海をやってくる」「黒船」「塀までひとっとび」は、渡英前にしてすでにかなり強烈です。
録音者は微妙に伏せられていて、recorded....by whom may concern on the night before they flew to London....とあります。ちょっと変な英語ですね。どうでもいいすけど(笑)。
●コンサートの映像は、コンプリートではないものの WOWOW で5月に放送済みです(6月27日に再放送あり)。
残すは、今秋、シネカノンから公開予定のドキュメント映画です。加藤和彦氏曰く、映画「Let It Be」のように見られたくないようなところも出して貰っちゃう覚悟だそうで。あのメンバーが末期Fab4のように喧嘩してるとはとても思えませんが。
当夜のルポについてご興味ある方は、以前書いたこの辺のエントリーから遡ってご覧ください。音だけでは分かりにくい、どの曲で木村カエラが参加してるかも書いてあります。
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