サディスティック・ミカ・バンド再結成公演を見た!
3月8日、NHKホール。セットリストは3月8日のエントリーをご参照ください。
●やはり本番のテンションの高さは違いました。客の熱気も。前日の公開リハーサルも、充分楽しめる物でしたが。
セット・リストだけでなく、MCも基本的に本番とゲネプロは同じでした。
仕掛け系では、背面のスクリーンに映像が映ることがあるほか、カエラちゃんが舞台後方から NARKISSOS のCDカバーと同じ蓮にくるまれて登場する仕掛け、中盤に下りてくるシャンデリアがあったくらいで、照明もシンプル。
これらは5月3日、WOWOWの放送で確認できるでしょう。
●で、内容ですが。
まず、セットリストの配列がお見事だったと思います。全体の構成がお見事なのでライブ盤は全曲収録を切望します。もちろんWOWOWの放送も。
序盤の黒船セット、中盤の NARKISSOS セット、その後のファーストアルバムからのブギー・ロックンロール・メドレー。そして奥田民生のゲスト参加(リハにも参加しました)。それぞれまったく飽きる瞬間もなし。あっという間の2時間。特にファーストからのブギー・メドレーは場内大盛り上がりで、コンサートの1つのピークだったと思います。
黒船(嘉永六年六月~が終わったあとに、加藤氏が、「これでおわりです」とギャグをかますのはゲネプロと同じ。
驚いたのが、黒船(嘉永六年六月~に頻発する変拍子が、クリス・トーマスの編集で人工的に作られたものだという話で、生演奏時にあのリズムを出すのに苦労したそうです。当時、クリスはアナログテープのハサミ編集であのスゴイリズムを作っちゃったわけで、あらためてプロデューサとしての凄腕さに驚かされました。
●カエラちゃん登場で始まる NARKISSOS セットを聴いていて、あらためて NARKISSOS が良いアルバムだと確信しました。アルバム中 Jekyll 以外はすべて演奏。もちろん私の一番好きなTumbleweedも聴け、このときの幸宏氏はドラムでなく、中央に立ちキーボード演奏。
レコーディングも基本的にライブ録りだったそうで、ステージで演奏するのに難儀な曲はなかったいうMCがありました。
リハと本番で最も大きく違ったのは、NARKISSOS からそのまま続く高中のギターソロで、リハでは、トーキング・モジュレーターでの即興や、「帰って来たヨッパライ」、「鉄腕アトム」等々お笑いモードだったのに対し、本番では、幻想的で美しいソロを弾いていました。「帰って来たヨッパライ」は本番でも別のところで、ちょこっと聴けました。
なお、NARKISSOS の終盤で女性コーラスが、「ハレ・クリシュナ」「War is over」「ファンキーMAHJONG」とさりげなくお遊びするところは、いかにもミカ・バンドらしいです。
小原氏の漫才系ツッコミキャラは意外でした。ああいう人だったんですね(笑)。
●カエラちゃんに触れないわけにはいきませんね。あの華奢で小柄な体で、ライブでも歌がパワフルなこと。声質は細いですが、すーっと伸びて良く聞こえるヴォーカルは素晴らしい。トノバン自ら、ミカ・バンド歴代で最も歌が上手いと言うだけあります。もっとも他の2人は普通の意味での歌手じゃないですけど。
●洋楽・邦楽問わず、リユニオンするグループは少なくないですが、古いレパートリがまったく古ぼけて聞こえず、しかも新作もお見事に聴かせるなんてなかなかできることじゃありません。新旧のギャップがあったり、新曲が魅力薄だったりで。ミカ・バンドはお見事にやってのけちゃったわけですね。
最初の活動が30年以上前、1回だけの再結成から20年近くのギャップを経て、さらに1回だけの再々結成ライブで世界最高のロックンロールバンドの一つでいる。凄いバンドです。
次回があるなら、年金でチケット買って行きますわ。
最高でした。
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コメント
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>NARKISSOS が良いアルバムと確信しました。
同じくです。
のみならず,初期のアルバムのまさしく正常進化形だと確信しました。
あとは,幸宏のほぼフルドラム叩きも感動。
初期のYMOは小学生で見に行く知恵はなかったし,散会ライブで叩いたのは数曲,ソロコンサートはボーカルがメインで,ほとんどドラムは叩きませんからね。
ひいき目かもしれないけど,やっぱり巧いなあ~(特に,ハイハット)。
コーラスはこういう方ですね
http://www.infinity-music.co.jp/shanti.html
正直,このまま時間が過ぎなければいいのに,と思いました。
投稿: ほちょの | 2007.03.10 01:49