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2007年2月の記事

2007.02.28

EC ビデオ・アンソロジーのためのレア素材探索中だそうです

2月19日付けの WHERE'S ERIC によると、近い将来発売される予定のクラプトン・ビデオ・アンソロジーのためのマテリアル(ビデオ・写真)を探しているということです。

 特に探しているのは、

Yardbirds (particularly rare film footage)
John Mayalls' Bluesbreakers
Cream
Derek & The Dominos
Eric offstage in the early 1970s

のマテリアルだそうで、もしアンソロジーに収録された場合、名前がクレジットされるそうです。

●まあこういう大事な物を製作するときに、権利関係の微妙な個人のアーカイブに頼るんかいな、と皮肉の一つもいいたくなります。

 別の言い方をすると、偉大な芸術家の功績を総決算するときには、オーソライズされたマテリアルでは足りず、必ずやこういうマテリアルに頼らざるを得なくなるわけで。

 たしか、ディランの No Direction Home 製作時も、BBC出演時の録画がBBCのアーカイブに存在せず、「誰か持っている人お願い~」状態になりました。

 ツェッペリンに、あれだけの非正規ライブ音源がなかったら、彼らのライブ演奏への評価は、ゾッとするほど寂しい音源だけに頼ってせざるを得ないことになっていたでしょう。実際、公式DVDに、ブートの素材が使用されてます。

 クラシック系では、マリア・カラスが1955年に、ヴィスコンティ演出、ジュリーニ指揮のスカラ座で「椿姫」のタイトル・ロールを歌った時の正規音源がなく、結局、長い間、権利関係がグレーなまま流通していたソースが、今ではEMIから正規に発売されているのは有名な話です(音質はブートレベル。ていうか元はブート)。

 ディーン・ベネディッティという物好きな人がいなかったら、チャーリー・パーカーの・・・・・もうやめますw

 こういう事態を目の当たりにすると、過度な著作権の強調・拡張は、逆に音楽を殺し、芸術家の評価を妨害すると、つくづく思いますね、私は。

●それはともかく、上のリスト、少なくともビデオに関しては望みの低い物ばかりです。
 
 Yardbirds (particularly rare film footage)、John Mayalls' Bluesbreakers、Cream の頃は個人にまで撮影機器など普及していなかったでしょう。

 Eric offstage in the early 1970s は、ヘロイン中毒による隠遁時代なのでそもそも人前に出てない。

 Derek & The Dominos のレア映像があるくらいならとっくに、ブー○になっとるわい!

●と、皮肉、ボヤキまくりましたが、素晴らしいマテリアルが発掘されることを心より祈っております。ドミノスのライブ8ミリなんて出てきたら、サイレントでも失神します。

2007.02.27

ハリー細野 クラウン・イヤーズ 1974-1977

●「トロピカル・ダンディー」と「泰安洋行」のソロ作2CDに加え、Tin Pan Alley との中華街ライブCDと75-76年の映像集DVDからなるBOXです。

ハリー細野 クラウン イヤーズ オブ 1974-1977
ハリー細野 クラウン イヤーズ オブ 1974-1977

 ソロ2作をいったい何度買わされるのかというボヤキも聞こえてきますが、中華街ライブ完全版とDVDが付いてるのでファンの方は買うでしょう。

 再発になるソロ作の音質は、前回の紙ジャケ盤(細野氏はいっさい関与していないそうです)と比べ、私の耳で聴く限り、違いを表現するのに困るくらいの差です。ただしまったく同じではないと思います。「香港Blues」の銅鑼の音をいったい何回聴き比べたことか(苦笑)。

 ブックレット掲載の細野さんの序言によると、オリジナルの24chマスターはすでに消滅していて、テープは6mmのマスターがあるだけだそうです。今回のリマスターは、そのマスターと、今まで発売されたCDだけを元にしているそうです(「クラウン盤のBOX化に際して」 by細野晴臣、より)。
 なお、ボーナストラックは、未発表のアウトテイク、デモのような音源ではありません。

●クラウン時代のディスクをこれから聴こうという方は、普通にこれを買えば良いと思いますが、今回のBOXが決定盤かというと微妙です。

 今回のBOXは、紙ジャケのサイズを、通常のCDケースの高さに合わせたため、前回の紙ジャケに比べると、一回り小さくなっていて、しかも、前回のようにマット地の紙質になってません。サイズの関係でディスクが保護紙なしの剥きだしで入ってます。

 残念なのが、「泰安洋行」では、前回の紙ジャケで復刻されていた歌詞掲載の小冊子が入っていないこと。とても面白い出来の冊子でしたから。

 右が今回のBOX版、手前が左の旧紙ジャケで復刻されていた小冊子です。

Voyage

 ということで、コアなコレクターの皆さんは、前回の紙ジャケも手放さないように。

「中華街ライブ」については、もちろん楽しみましたが、2枚のスタジオ作品のクオリティーの高さに比べると、音質はかなり落ちます。
 マルチトラックのテープは回さなかったということで、卓落としのモノラルです。文句いったらバチがあたるでしょうけど。

 映像集DVDについてももちろん楽しみましたが、個人的には、「繰り返し見るかなあ・・」という感じです。

 当時、「音楽表現の成熟度>映像表現の成熟度」だったことは否めないかと。
 「トロピカル・ダンディ」・「泰安洋行」2作と、DVD収録の映像作品の完成度の落差に複雑な思いというか・・・前者の圧倒的なクオリティの高さに比べ、後者は、手探りというか未成熟というのが正直な感想です。もちろん充分楽しめる上で、です。

 中華街ライブとDVDだけ売れ、というファンの方の意見も少なくないですが、ミュージシャン側からは、これだけを「作品」としてリリースするのは抵抗があるのではないかと自分は思いました。

ブックレットは文句なしの素晴らしさ。インタビュー、エッセイ、レア写真、レア資料、解説等々満載です。

 個人的には、RCOオールスターズで来日した時のリヴォン・ヘルムとの2ショット写真に、グッと来ました。

 リヴォンと細野さんについては、以前レコード・コレクターズ誌(2005年10月号)にビル・ワイマンの興味深いインタビュー(聞き手 藤井貴之氏)が載っていたので引用します。


(83年にアルバムのプロモーションで来日したときの話)
「レヴォン・ヘルムが細野晴臣のカセットを持っていて、来日する前に聴かせてくれたんだ。その時僕はドクター・ジョンやブッカー・T&MG'S のメンバーと一緒にパーティー会場にいたんだが、彼の音楽がすごく気に入って、日本に行った時に会いたいと思ったんだ。彼はすごくナイスだったよ。ストーンズで90年に日本に行った時も素晴らしい花束を贈ってくれたんだ。そのときも彼に会ったし、しばらくは手紙のやりとりもしていた。彼とは随分親しくなったよ」(79頁)


 ええ、話ですなあ。
 カセットは、リヴォンがRCOオールスターズで来日したときにもらったものかもしれませんね。

●細野さんネタでは、4月にトリビュートアルバムが予定されていて、「蝶々-san」をやってるのが、なんと、ジョン・サイモン、ジョン・セバスチャン、ジェフ・マルダー、ガース・ハドソンです。他にも涎がでるような面子がずらーっと(私の知らない人もいますが)。こちらも楽しみですが・・・・・お金が(涙)

 気力が尽きたのでこの辺で。

2007.02.25

Grateful Dead / Live At The Cow Palace, New Year's Eve, 1976

●検索しても、ほとんど話題になっておらず、通販サイトのレビューも全然付かず、あらためて日本での人気のなさがよーくわかる(笑) グレイトフル・デッドの新作。

 といってもバンドはもう存在しないので、定期的に発売されてるライブ・シリーズの1つで、1976年、サンフランシスコは Cow Palace での NEW YEARS EVE CONCERT の3枚組ライブ

Live at the Cow Palace: New Years Eve 1976
Live at the Cow Palace: New Years Eve 1976

 公式サイト Grateful Dead Store で発売前にプレ・オーダーした人は、SPIRIT OF '76 という76年のライブ音源をコンピレートしたボーナス・ディスクがもらえました。私は、DMのお誘いに釣られてプレ・オーダーで買ってしまいました。
 なお、デッドのライブ音源の管理は RHINO がやってるので、RHINO マークがちゃんとついてます。RHINO恐るべし。

 個人的に70年代のデッドが好きなので嬉しいリリースです(非公式には出回ってた音源ですが)

●それにしても、グレイトフル・デッドは何で日本でこんなに人気ないんでしょうか(人気あります?)。なんて言ってる自分も、聴き出したのは、ジェリー・ガルシアが亡くなり、バンドが活動を止めてからなので偉そうなこと言えないんですけど。

 彼らの特徴の一つ、ライブ演奏時の長大な即興演奏は、ダラダラの時もあれば、トンデモない高みに上り詰めるときもあり、で、それがいつ来るかは誰にも分からない。聴く側は「ながら」聴きするのも、集中して聴くのもご自由。

 即興演奏が売り物のバンドでも、あらかじめ各人のコーラス数が決められてるバンドもあり、確かにそういう音楽の方が聴きやすいわけですが・・・・デッドみたいなのは受けないんですかね。

 ただし、聴けばわかりますが、彼らには聴きやすくまとまった(?)ポップな曲だってありまっせ。

●偶然?にも、レコード・コレクターズ誌の、私の好きな連載、P.バラカン氏の「Once Upon A Time In England ピーター・バラカンが語る十代の音楽体験」の最新版(第27回、2007年3月号掲載)が、デッドのライブ盤 Live / Dead (1969年)についての巻でした。
 題して、『グレイトフル・デッド~苦手な長い曲を楽しめるきっかけとなった「ライブ/デッド」』

Live / Dead
Live / Dead

 バラカン氏も触れてますが、このアルバムの 1曲目 Dark Star から始まって、Saint Stephen、The Eleven、Turn On Your Love Light の流れは超絶名演で、特に、Saint Stephen > The Eleven > Turn On Your Love Light メドレーは、30分超という時間を忘れる程の素晴らしさ。

 Dark Star はいかにもデッドっぽい茫漠とした曲で、取っつきにくいかもしれませんが、快速に突っ走る The Eleven > Turn On Your Love Light あたりは、オールマンやクラプトンのファンでもきっと気に入ると思うんですけど。続くスローブルース、Death Don't Have No Mercy もカッコイイです。当時のデッドのコンサートでのエンディング定番、And We Bid You Goodnight も聴けます。

 なお、ローリングストーン誌が選んだ The 100 Greatest Guitarists of All Timeジェリー・ガルシアは堂々13位にランクされてます。ジェフ・ベックがその次の14位でっせ。ちなみに、1位はジミヘンで、2位がデュアン、クラプトンは4位。

 ということで、もっとみんなデッドを聴こう。なんて、私がツベコベ言わなくても Live / Dead は普通に売れてるようですが。

●ロック・ファンには伝説的な響きのする Cow Palace ですが、今でも現存してるのを知り驚きました。公式サイトもありますが、今はさすがに微妙なイベント(苦笑)が多いですけど。

2007.02.23

Bob Dylan / Don't Look Back - 65 Tour Deluxe Edition の未公開映像

以前に書いたディランの Don't Look Back - 65 Tour Deluxe Edition ですが、いよいよ、2月27日の発売が迫ってまいりました。

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Don't Look Back: 65 Tour Deluxe Edition

●最も期待される、disc2 の未公開映像ですが、発売元の DOCURAMA 社が、It's All Over Now, Baby Blue のフル・ヴァージョンを、発売に先立って公開しました。しかもファイルを YouTube 上で公開しているところがなんともご時世といいますか。
 DOCURAMA 社の当該ページからも見ることができます。

Dlb_out_1 この映像はブートレグDVDの Don't Look Back The Outtakes ですでに見ることができたものですが、ブートでは収録場所は unknown になってました。
 正規盤に収録されるわけですから、date and venue は晴れて明らかになると思うのですが・・・
 画質は、当然、かなり良好な画質であったブートをも軽く蹴飛ばす superb クオリティーです。

●なお、公開されている映像は、イントロからの完奏ですが演奏シーンのみなのに対し、ブートでは、アンコールに呼び出されて無人のマイクに向かってボブが登場し、曲を演奏、いったん舞台袖に引っ込み、歓声に応じて再登場。何度かお辞儀した後、舞台袖に引っ込むところまで見ることができます。実際の収録はどうなるでしょうか。

Babyblue

 買いました。感想はこちら

2007.02.22

クリント・イーストウッド / 「硫黄島からの手紙」

 クリント・イーストウッドの硫黄島2部作のもう一編。
 「父親たちの星条旗」について書いた時に、こちらも必ず見ると書きましたが、ようやく見てきました。

Iwojima

 見る前はブログに感想でも書くかと思ってましたが・・・・打ちのめされて言葉すら出ませんでした。
 機会があれば、ぜひ皆さんもご覧ください。

 全編、日本人俳優が日本語を話し続けるこの映画が、字幕嫌いの映画ファンが多くいる、かつての「敵国」米国アカデミー賞の作品賞にノミネートされていることへの、ひねくれた懐疑というか、こそばゆさのような気持ちは、見終えた後に完全に消えました。

2007.02.20

クラプトン06/07ツアー、メルボルン公演初日を聴く

●聴かせていただきました。2月3日、メルボルン、Rod Laver Arena 公演。テニスの全豪オープンの会場ですね。
 セット・リストはこちら

 ハイテンション、爆演という感じではないですが、相変わらず素晴らしいです。
 以下、文字だけでなんですが、気付いた点、少々。

●Got To Get Better in a Little While でのウィーリー・ウィークスの長めのソロが素晴らしいこと。
 オーストラリア音源はこれしか聴いてないので、他公演、同曲での彼のソロがどうなのかわかりませんが。うーん他の日も聴いてみたいです。

 Why Does Love Got で短いながら、ティムのオルガン・ソロが入るのが「おっ!」って感じです。
 同曲で気になったのが ECの声。やはり高音域が辛そうで、サビ部分の So Sad の箇所を所々下げ気味に歌ってます。
 これ、ツアー疲れというより高齢化の影響もあるんでしょうねえ。P.マッカートニーも最新ツアーの音源聴くと、かなり高音域が辛そうです。

 リラックスした Little Wing も良し。個人的には、こなれきった感じで快調に飛ばす Outside Woman Blues がやはり良いです。この軽めのグルーブ、たまりません。

 その他、セットは固定化してますが、所々即興的な遊びがあって面白いです。特にジョーダンのドラム。こういうのはメンバー間の信頼関係があるからこそできるんでしょう。クリーム・リユニオンとは大違い。

●オーストラリア・ツアーでは、2月6日、ブリスベーン公演2日目の Opener に、なんと久々に Pretending 復活!

 と思ったら、翌日また Tell The Truth に戻り、そのままオーストラリア・ツアー、フィニッシュ。まったく何考えとるんだか、オッサン。

 ということで、お楽しみは、デレクが途中から抜ける、USツアー 2nd レグへ。

2007.02.14

Ry Cooder / My Name Is Buddy

●3月発売予定の ライ・クーダーの新譜です。カヴァーかわいいです。

My Name Is Buddy
My Name Is Buddy

 おそらくライのファンの多くは、ここ数年(十数年?)の彼のアルバムには、どこか煮えきれない思いでいたと思うんですが。私もその1人です。

 もちろん、あの「キューバン・ヒスパニック路線」(適当な言い方ですが)だってそれなりに楽しんできたわけですが、正直、ギターキレまくりのGet RhythmBop Till You Drop(もちろんその前も)に夢中になった方々は、もっと Rockin' なライのアルバムが聴きたいと、ずーっと思い続けて来たのではないかと思います。

 サンプルを聴く限り、My Name Is Buddy も Rockin'とは言い難いですが、「キューバン・ヒスパニック路線」とは一線を画してます。もちろん彼の音楽ですから、いろんなテイストが混じってますけど。

●Amazonの Editorial Review を斜め読みしましたが、Buddy Red Cat、Lefty Mouse、Tom Toad先生のおかしな3人組(ネコ、ネズミ、カエルだから3匹組?)の道中を通じて、古き時代(「怒りの葡萄」の時代でしょう)のアメリカ西部を描いた、ライ・クーダー版「我が輩は猫である」のようです。

 レビュー中に「クーダーは古き時代の暗部をよみがえらせて、今日の政治・社会問題を皮肉っている(Cooder conjures up the dark shadows of an earlier time to wryly comment on the political and social issues of the present.)」なんて書かれてますけど、サンプルを聴く限り、ちょっと違うんじゃないのという気がします。

 全体的にライ独特の微笑み・ユーモアが漂ってますし、上の3匹中の1匹、Tom Toad は、間違いなく「怒りの葡萄」の主人公 Tom Joad のパロディでしょう(Toad は、カエル、卑怯者といった意味)。音楽も社会派ぶった告発調ではないです。
 ライのことをアラン・ロマックス(2002年に亡くなったフォーク・民族音楽研究家)に例える向きもあるそうですが、こちらも、ちょっと違うんじゃないのという気が・・・・

 まあ、サンプルや一つのレビューだけでグダグダ言うのもなんなんで。

●個々の曲には、ライ自身によるショート・ストーリーと Vincent Valdez という人のイラストが付いてるそうです。ジム・ケルトナー、フラコ・ヒメネス、V.D.パークスが参加。

 中身が中身なんで国内盤(3月28日発売予定)買うつもりです。



 購入後の感想はこちら

2007.02.11

CDに埋もれて呆ける人生

 先日、当ブログに書いたアトランティック60周年紙ジャケット・コレクションなんてのに首突っ込んで、しばらく熱心に漁ることもなかったCD屋さんのJAZZコーナーなんぞをのぞき始めまして。

 「コルトレーン「至上の愛」かあ。高校生の時によく聴いたなあ。特にB面1発目のPursuance、エルヴィンのドラムソロも凄かったけど、その後のトレーンのソロの凄さは・・・・何?、Deluxe Edition なんてので出てるのか?ふむふむ、アンティーブでの全曲ライブ演奏がdisc2かあ・・・う~ん、これはそのうち買うかぁ・・・」

などど、脳内で(←ここ大事。時々お店で棚に向かって1人で喋ってる人いますが、私はそんな人ではありません)ブツクサ言いながら徘徊したわけですが。

Love_supreme_2 先日、グチャグチャ未整理のCD(またかw)を整理していたら、お家にありましたがな、A Love Supreme Deluxe Edition が・・・買った記憶も聴いた記憶もない、ハハハ。

 うーん。
 今まではせいぜい、

1 同じブートを15分ほどの間に2回買った。
2 CD屋さんの袋を捨てようとしたら、数ヶ月前に買って未聴のCDが3枚出てきた。

くらいだったんだけどなあ・・・・・呆けたか?

2007.02.10

THE PRICE OF LOVE by Harry Shapiro

●グチャグチャになったCD、本、ビデオの整理をしていたら、2001年1月号の MOJO誌が出てきまして。パラパラめくっていたら Harry Shapiro の書いた THE PRICE OF LOVE というデレク&ドミノスについての記事が載ってました。
 そういえば、これ読むために買ったんでした。5年以上も放置とは・・・情けな。

Dominos_pol


●辞書引き引き読み始めたら、これがべらぼうに面白い。夜更かしを超えて早朝まで読んでしまいました。
 内容はデラニーとボニーの出会いから始まって、Friends の参加、Friends の分解、ドミノスの誕生・分解とその後、という感じで、秘話?がたっぷり拝めます。

 例えば、デラニー&ボニー&フレンズ分解後のドミノス誕生の萌芽みたいなホイットロックの言葉。


「デラニー&ボニーにちょっとのめり込み過ぎたってことさ。元々彼ら夫婦がメインのツアーだったのにね。それで、俺の相談相手だったスティーブ・クロッパーに連絡して、やめたいって伝えたよ。もうどうにもならなかったから。スティーブは、エリックに連絡してみれば。ヤツとならちょっとは上手く出来るんじゃないか、って言うんだ。俺は金をもらってなかったから、一文無しみたいなもんだと言うと、スティーブは、飛行機のチケットは取ってやるから、空港に行け。とにかくエリックに連絡しろよ、って。それでエリックに電話したら、俺の家に来てしばらく泊まれば、って言ってくれたんだ。それでロンドンに飛んだけど、エリックが本気で俺に来て欲しがってるとは思えなかった。でも一緒に曲を書き始めて、ロバート(スティグウッド)に一緒にバンドをやるからって伝えたってわけさ」


 続いて、ジョージの All Things Must Pass レコーディング中、EC邸(Hurtwood Edge)での話


『オープンEでチューニングされたエリックのギターを一本借りて、曲をいじくってたんだ。結局、前に試したのをあらためてやってみたら、それが上手くいったんだ。まさに陽が昇るようにね ─“世界が動き始めたんだ(The whole world is shaking now) / わかるだろ?(Can't you feel it?) / 夜明けが闇を裂いているのが(A new dawn is breaking now) / 見えるだろ?(Can't you see it?)
 次の日エリックが起きてきたときに言ったよ。「これでどう?」ってね。ヤツは言ったね。「一晩中聞いてたよ」って』


 もちろん、この曲はTell The Truth です。こんな話がドバドバ出てきます(訳はかなり適当です。ごめんなさい)。

 邦訳されて日本の雑誌に載っててもいいような気がするのですが。すでに紹介済みで私が知らないだけでしょうか。それとも、ドミノスなんて、もはやECのエンスー以外には興味を引かない過去のバンドなのでしょうか。

 それにしても、ボビーの回想は面白いです。たしか、ボビーを取材した誰かが、その記憶力に驚いていた、とかいう話があったと思うんですが・・・誰でしたっけ。

 なお、Harry Shapiroさんはジミ・ヘンドリックスについてはこういう力作(共著)があるんですね。絶版ぽいですが。

ジミ・ヘンドリックス エレクトリック・ジプシー
ジミ・ヘンドリックス エレクトリック・ジプシー

 ドミノスについて書かれたものといえば、前にご紹介した Jan Reid のレイラ本は、ボビーがEC邸に到着したとこまで読んでストップしてます・・・・・情けな。
 犬が Clapton Is God という大きな落書きのある壁に向かって piss してる超有名な写真は、EC邸の居間にも飾ってあったんだそうです、はい。

2007.02.07

デレクが表紙の Guitar magazine 2007年2月号

 デレク・トラックスが表紙です。ギター弾けないのに買う馬鹿な私。

Guitar magazine 2007年2月号
Guitar magazine 2007年2月号

 もちろん目当てはEC来日特集。舞台裏の写真がたっぷり拝めます。もちろんドイルの足下にあったテンコ盛りのエフェクターもばっちり拝めます。
 武道館では2階席の人しか見えなかったと思いますが、アップで見ると凄いです。遊びきれないオモチャみたい、って何のこっちゃ。

 デレクのインタビュー兼自ら奏法を語るみたいな特集もありますが、私がときめいたのは、最近よく聴くのがグレン・グールドだって答えたところ。デレク君、グールド聴いて対位法の研究でもしているのでしょうか。

 ほんと、いろんな音楽吸収してるんですね。

2007.02.06

ブライアン・フェリーのディラン・アルバム

 かねてから出る出ると言われていた、ブライアン・フェリーのディラン・アルバムが3月に発売されることになりました。
 タイトルは、Dyranesque です。

Dyranesque
Dyranesque

 全13曲。収録曲を見ると、「あれも歌って欲しかった」と妄想が膨らみますが、1枚物ですからしかたないです。個人的には、Sad Eyed Lady of the Lowlands なんて聴きたかったです。All Along The Watchtower なんてどんな風に歌ってるんでしょう。楽しみです。

 日本では、スカパー!の MUSIC AIR が 放送している Later with Jools Holland 2月放送分で、ブライアン・フェリーが出演したときのショウが見れますが、そこで歌ってる、Don't Think Twice, It's All Right はアルバム未収録です(予告編でちょろっと見ました)。
 Goodnight Irene(ディラン曲ではないですが) も歌ってるので放送が楽しみです。

Bryan Ferry / Dyranesque

1 Just Like Tom Thumb's Blues
2 Simple Twist Of Fate
3 Make You Feel My Love
4 The Times They Are A-Changin'
5 All I Really Want To Do
6 Knockin' On Heaven's Door
7 Positively 4th Street
8 If Not For You
9 Baby, Let Me Follow You Down
10 Gates Of Eden
11 All Along The Watchtower

 フェリーは、他のアルバムですでに、Don't Think Twice, It's All Right をカヴァー済みでした。他にもカヴァーがありディラン好きなんですね。知らなかった・・・

2007.02.05

クラプトン、シンガポール・香港音源を聴く

●もちろん見に行ったわけでないので音源だけです。

 シンガポール公演は1月13日、Singapore Indoor Stadium、香港公演は1月17日、Asia World Arena 於。

 Where's Eric などでご存じのように、セットリスト自体は、現在進行中の豪州公演も含め、ジャパンツアーで最終的に出来上がったものと同じ。ドミノス5連発に始まって、Anyday と Further on up the Road が日によって入れ替わるセットです(クスリの歌はまかりならん場所ではCocaineが落ちました)。

 ジャパンツアーとの違いは、Motherless Children の冒頭に短いながら、S・ジョーダンのソロが入ること。
 それと、Cocaine がアンコールに回ったため、本編ラストの Layla が完全なエンディングで終わることくらいです。

●肝心の演奏ですが快調、快調。セットリストが固定されて陳腐化するどころか、逆にバンド全体のグルーブ感はどんどん高まってます。

 個人的に気に入ってるのが、Outside Woman Bluesで、ちょっとルーズに突っ走る感じがたまらんです。あらためて初登場の大阪初日を聴いてみましたが、まだこなれてないというか随分大人しく感じられます。

 Little Queen of Spades は相変わらず素晴らしく、EC御大、香港では冒頭のソロから切れまくってます。デレクはもちろんですが、ドイルのソロが素晴らしく、今ツアーで聴ける LQOS でも屈指の名演とみました。

 面白かったのが、シンガポールでの Little Wing で、EC御大、どうしたのか、Well she's と歌い出したものの そのまま沈黙。walking と歌うところがそのまま落ちちゃってます(あらら)。 Further on up the Road でも歌詞すっ飛ばしちゃってる箇所があります。
 そういえばシンガポール公演は、ツアー再開初日のためか、後半でヴォーカルがつらそうで、LQOS のヴォーカルも抑え気味です。Wonderful Tonight では高音部が明らかに苦しそう。まあ香港聴く限り心配なさそうですが。

 このままセット・リストが変わらず、仮にOne More Car One, More One Rider 同様、USツアーで録音、撮影が行われるとすると、あのドミノス5連発や LQOS がプロ・ショットで拝めることになります。是非期待したいもんです。頼む!

2007.02.01

アトランティックJAZZ紙ジャケット・コレクション 「鬼才トリスターノ」

●ということで買ってみました、アトランティックJAZZ紙ジャケット・コレクション。
 買ったのは「鬼才トリスターノ」(原題は単に、Lennie Tristano)
 
 今まで持ってた The New Tristano と合体した 2in1 のお買い得CDと聴き比べてみました。右のジュウェルケースが旧盤。

Tristano

 ガハハ。こりゃ新盤の圧勝ですわ。

 マスタリングの違いなんて問題じゃなく、明らかにマスターが違います。比べた古い方も ライノ/ アトランティックのリリースで、55年という録音年を考えれば悪くないと思ってたんですが。

 2曲目、ソロの Requiem なんて、今までぼやけていた倍音の響きまで分かるような差。
 1曲目Line Up のベースの引き締まった音。ダンゴ状に聞こえてた部分もクリア。後半のクァルテットの演奏もクリアすぎて、逆に音が薄く感じられかねないくらいです。

 今回のシリーズの中に愛聴盤があるなら激しくお勧めします。私は、ミンガス、コルトレーン、ローランド・カークあたりが欲しいですが、さ、さ、財布が痛い。

●ただ、今回の紙ジャケ・シリーズの60枚すべてが、今回初めてオリジナルマスターになったのかは疑問の余地があります。50周年シリーズの断り書きにも、「オリジナル・マスターテープ」(の経年変化などの為一部にお聴き苦しい箇所がある云々)という言葉を使ってるので。

 元々真正なマスターから作られていたものも含まれるのであれば、その盤については紙ジャケや24bitマスタリングにこだわらない限り、買い換える必要はないわけです。でも、そうだとしても、どの盤がそれか分からない・・・う~ん。

 まあ、この辺は、気になるなら自ら人柱になるほかありません。コレクターの宿命です、はい。

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