スティング、ダウランドを歌う
●ちょっと話題遅れですが、スティングの「クラシック・アルバム」。
タイトルは、「迷宮の音楽」(SONGS FROM THE LABYRINTH)で、取り上げているのは、16世紀から17世紀にかけて活躍したジョン・ダウランド(1563年-1626年)の曲。リュート伴奏は、エディン・カラマーゾフ。
レーベルは泣く子も黙る?クラシックの名門ドイツ・グラモフォン。発売元のサイトはこちら。
●スティング自身とダウランドの関わりは、82年のアムネスティ・チャリティ・コンサートで、出演した役者から「ダウランドを知っている?」と聞かれたのが最初だそうです。アムネスティのチャリティと言えば、おそらく、ロック・ファンには有名な The Secret Policeman's Ball でしょう。
81年の The Secret Policeman's Ball は、以前発売された DVD BOX に収録されてましたが、82年のはありません。
でも、スティングに、ダウランドの話をしたのは誰なんだろう・・・
●このダウランド・アルバム(ダウランド自身の書簡の朗読を含む)ですが、一曲、Robert Johnson 作とあるので、ギョっとして、思わず Wikipedia で調べてしまいました。
ロバート・ジョンソンは、16世紀後半に殉教した英国カソリックの僧侶でした17世紀初頭から活躍した英国の作曲歌でした。
ローマ・カソリック教会と対立し、プロテスタントの影響化にあった当時の英国国教下において、カソリック教徒であることは、体制に対する反逆であったそうです。
そして、ダウランドもまた、カソリック教徒であったため、英国から離れヨーロッパを点々とした世俗音楽家、つまり今で言う「大衆音楽」の作曲家でした。
CDでは、ジョンソンの曲の後のトラックが、ジョンソンについて言及した、当時の宰相ロバート・セシルへの嘆願書の朗読になってます。
●つうことで「クラシックは聴かん!」という人には、この手の音楽に違和感があるのは当然でしょうけど、ダウランドの曲は当時のポップス。何もかしこまって聴くことはないわけです。曲想、アレンジ、歌詞は我々の時代のポピュラー音楽よりはるかにシンプルです。Come Again なんて素晴らしい曲です。
公式サイトからサンプルが聴けるリンクがあるので、興味が涌いてきた方はどうぞ。
ぐだぐた前置きが長くなりましたが、実は、一部の例外をのぞいてまだCDは買ってなくて、サンプルを聴いただけですが悪くないです。来週にでも買います。ダウランドのCDは2枚持ってるだけで、そんなに熱心に聴いてきたわけではないのですが、まあ良い機会なので、ちょこっと首突っ込んでみようかなと。
●で、その一部の例外が何かというと iTunes 限定配信らしい3曲(ライブ)。
曲目は、(1)Fields of Gold、(2)Hell Hound on My Trail、(3)Message in a Bottle で、何と、2曲目 Hell Hound on My Trail、我らが「本物の」ロバート・ジョンソンの曲。
ECも Me and Mr.Johnson(のラスト)でカヴァーしてますが、スティング・ヴァージョンの方が全然カッコイイです。そういえばあんまり聴いてないな、Me and Mr.Johnson・・・
たったの300円で有名曲2曲+R.ジョンソン(紛らわしいけどブルースの方)も聴けるので、PC に iTunes環境のある方は、ポチっといかがでしょう。
Youtubeにあちらのテレビに出たときの映像があるので、とりあえず最後に控えめに書いときます。
CD買いました。
解説によると、スティングにダウランドを教えたのは、ジョン・バードというイギリスでは有名な役者さんで、スティングは翌日、ジュリアン・ブリーム伴奏のピーター・ピアーズのダウランドの録音を探し出したそうです。
イギリスでんなぁ。
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