サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

聴け!

無料ブログはココログ

index

« 2006年12月 | トップページ | 2007年2月 »

2007年1月の記事

2007.01.30

拾った SWING JOURNAL誌で知った アトランティック・レコードについての2,3の事柄

●もう去年の暮れ近くのことです。

 乗った電車の空いた隣席を見ると、降りた客が置き忘れた?らしい SWING JOURNAL誌(2006年12月号)を発見。「久しぶりだなあ」と手に取ってパラパラ見てると、結構面白かったので、所有権の放棄されたブツとみなしてそのまま持ち帰りました(おいおい)。

 特集はコルトレーン生誕80周年特集。生きてても不思議じゃない年齢ですねえ・・・グスン。
 児山紀芳氏によるA・アーティガンのインタビューも載ってました。初期のアトランティックの話中心でしたが、中々面白かったです。この時は、よもやあんな事故が起ころうとは、ですねえ・・・グスン。

Sjinterview_ahmet

●その盗んだ、もとい拾ったSJ誌で、アトランティック・レコードが今年(2007年)で創立60周年であると気づかされました。
 以下、同誌の記事(「アトランティック時代のトレーン名盤が究極の復刻」!!)・広告を踏まえたネタです。

 ご存じの方も多いかと思いますが、アトランティック・レコードは、70年代にテープ保管庫の火災で、重要なマスターテープの一部が焼失し、現在流通しているCDでマスターが焼失したものは、サブマスターを基に作っていると言われてきました。

 ところが、偉大なるライノがアトランティックのアーカイブ作業を進めている中で、オリジナルのマスターが発見されたんだそうです。ライノ恐るべし・・・

 それでもって、ワーナー・ミュージック・ジャパンは去年の11月から、そのマスターを使って、「オリジナル・マスター使用&最新24ビット・デジタル・リマスタリング」のJAZZ紙ジャケット・コレクションていうのを3期に分けて全60枚をリリースしてます。

Al60jazz_1

 ラインアップを見ると、コルトレーン、ミンガス、コールマン、MJQ、R・カーク・・・・ってアトランティックのJAZZ名盤がほとんど揃ってるでないの。マスターテープが火災で焼失っていう話は、どうなってるんじゃぁぁぁ~
 そう言えばオールマンのフィルモア・イーストのマスターテープが理髪店から出てきたとかいうトンデモ話もありました。USAアホ過ぎ?

●取り乱しましたが、そういえば10年前にも、こんなCD買ってます。帯には 50years って書いてあります。これ、60周年の今回の紙ジャケシリーズにも入ってます。また買うんでしょうか(爆)。

Konitz_1

 24ビット云々はともかく、はたしてリアルマスターの発見によって音質はどれくらい変わるんでしょうか。興味津々です。
 それから、新たに発見されたマスター・テープの「範囲」が気になってしまいます。アメリカで録音したクリームのマスターなんかどうなってるんでしょう。未発表のライブがごっそりあったりしたらヤバイです。

●なお、ライノによる音源のアーカイブ作業って、アトランティックだけでなく、旧WEA(Warner、Elektra、Atlantic)グループ系の音源すべてに渡ってると思われます。

 で、その成果が、ザ・バンドの「ラスト・ワルツ」完全盤(本当は不完全ですが)、A・フランクリンのフィルモア・ウェスト公演完全盤や、萩原健太氏も最近ブログで触れたエレクトラ・BOX等になって我々の物欲を次々と刺激していると。枚数限定リリースの Rhino Handmade なんかコレクター心をビシビシ刺激してきます。わたしゃコレクターじゃないですけど。

Rhynoworks

 リアル・オリジナル・マスター、24bitマスタリングの威力。買ったらご報告します。

 以上、構想足かけ2年の投稿でした。

2007.01.29

待ってくれジェームズ・ブラウン

 いつか、ちゃんとまとめて聴いてみたいと思っていた、ジェームズ・ブラウンが去年の暮れにあっさりあの世に行ってしまいました。
 まあ、なんというか、莫大な作品群の中のどこから手を着ければいいのかわからん状態だったわけで。今もよう分からんですが・・・

 とりあえずレビューなどを参考にして1枚買ってみました(情けなっ)。

 Love Power Peace ってベタ過ぎるタイトルの、71年パリ・オランピア劇場のライブ。ブートでは映像もあるそうです。Additional horns and strings under the direction of David Matthews というクレジットがあるので、ホーンとストリングスはオーバーダブのようです。

Jblpp_1
 
 演奏は素晴らしいです。バンドのアンサンブルは完璧。
 ただ、ちょっと「金太郎飴」っぽいというか。スライのように聴いて一発で気に入るという感じでない、というのが正直なところで。

 年明けに、NHK-BSで再放送された、84年のアトランタ、Chastain Park でのライブも結構よかったので、もうちょっと聴いてみようかなと。今度はスタジオ録音がいいかな。映像物はマント・ショーのあるやつ。

 JBのこと、詳しい方いらしたらコッソリ教えてください。m(__)m

2007.01.25

スティング、ダウランドを歌う

●ちょっと話題遅れですが、スティングの「クラシック・アルバム」。

Love
Songs from the Labyrinth

 タイトルは、「迷宮の音楽」(SONGS FROM THE LABYRINTH)で、取り上げているのは、16世紀から17世紀にかけて活躍したジョン・ダウランド(1563年-1626年)の曲。リュート伴奏は、エディン・カラマーゾフ。

 レーベルは泣く子も黙る?クラシックの名門ドイツ・グラモフォン。発売元のサイトはこちら

スティング自身とダウランドの関わりは、82年のアムネスティ・チャリティ・コンサートで、出演した役者から「ダウランドを知っている?」と聞かれたのが最初だそうです。アムネスティのチャリティと言えば、おそらく、ロック・ファンには有名な The Secret Policeman's Ball でしょう。

 81年の The Secret Policeman's Ball は、以前発売された DVD BOX に収録されてましたが、82年のはありません。

Spb_1

 でも、スティングに、ダウランドの話をしたのは誰なんだろう・・・

●このダウランド・アルバム(ダウランド自身の書簡の朗読を含む)ですが、一曲、Robert Johnson 作とあるので、ギョっとして、思わず Wikipedia で調べてしまいました。

 ロバート・ジョンソンは、16世紀後半に殉教した英国カソリックの僧侶でした17世紀初頭から活躍した英国の作曲歌でした。

 ローマ・カソリック教会と対立し、プロテスタントの影響化にあった当時の英国国教下において、カソリック教徒であることは、体制に対する反逆であったそうです。
 そして、ダウランドもまた、カソリック教徒であったため、英国から離れヨーロッパを点々とした世俗音楽家、つまり今で言う「大衆音楽」の作曲家でした。

 CDでは、ジョンソンの曲の後のトラックが、ジョンソンについて言及した、当時の宰相ロバート・セシルへの嘆願書の朗読になってます。
 
●つうことで「クラシックは聴かん!」という人には、この手の音楽に違和感があるのは当然でしょうけど、ダウランドの曲は当時のポップス。何もかしこまって聴くことはないわけです。曲想、アレンジ、歌詞は我々の時代のポピュラー音楽よりはるかにシンプルです。Come Again なんて素晴らしい曲です。

 公式サイトからサンプルが聴けるリンクがあるので、興味が涌いてきた方はどうぞ。

 ぐだぐた前置きが長くなりましたが、実は、一部の例外をのぞいてまだCDは買ってなくて、サンプルを聴いただけですが悪くないです。来週にでも買います。ダウランドのCDは2枚持ってるだけで、そんなに熱心に聴いてきたわけではないのですが、まあ良い機会なので、ちょこっと首突っ込んでみようかなと。

●で、その一部の例外が何かというと iTunes 限定配信らしい3曲(ライブ)。
 曲目は、(1)Fields of Gold、(2)Hell Hound on My Trail、(3)Message in a Bottle で、何と、2曲目 Hell Hound on My Trail、我らが「本物の」ロバート・ジョンソンの曲。
 ECも Me and Mr.Johnson(のラスト)でカヴァーしてますが、スティング・ヴァージョンの方が全然カッコイイです。そういえばあんまり聴いてないな、Me and Mr.Johnson・・・

 たったの300円で有名曲2曲+R.ジョンソン(紛らわしいけどブルースの方)も聴けるので、PC に iTunes環境のある方は、ポチっといかがでしょう。
 
 Youtubeにあちらのテレビに出たときの映像があるので、とりあえず最後に控えめに書いときます。



 CD買いました。
 解説によると、スティングにダウランドを教えたのは、ジョン・バードというイギリスでは有名な役者さんで、スティングは翌日、ジュリアン・ブリーム伴奏のピーター・ピアーズのダウランドの録音を探し出したそうです。

 イギリスでんなぁ。

2007.01.24

サディスティック・ミカ・バンド、1回だけのライブ開催

●昨年、木村カエラちゃんをヴォーカルに迎えて録音だけのリユニオンを果たしたサディスティック・ミカ・バンドですが、3月18日、NHKホールで一晩だけのコンサートをやります。
 武道館あたりでも満杯になるように思うんですが、デカい会場は嫌いなのかな?チケット代8,500円というのは若い人達には微妙な値段なのでオヤジばかり来る予感がしますw

 上のリンク先から公式サイトへのリンクもあり、加藤和彦氏のインタビューや、初回盤DVDでも見れなかったレコーディング時の動画(ちょっとだけ)もあります。カエラちゃんスタイルいいですな。saku saku の頃は子供でしたけど。

公式サイトにあるインタビューによると、アルバム作成作業に煮詰まった際、気晴らしにロンドンに遊びに行き、その時にクラプトンのコンサートも見たそうです。ってことは5月のRAH公演でしょう。
 単にクラプトンのコンサートと言うだけでなく、「スティーヴ・ジョーダンとウィリー・ウィークスがリズム隊をやってる」と言うところがいかにも加藤和彦氏、目の付け所が違う。

興味の一つは、旧作からどれだけの曲をやるのかということで、特に歴代「ミカ」がヴォーカル取った曲をはたしてカエラちゃんは歌うんでしょうか。興味津々です。「塀までひとっとび」なんてやるのかな。

 最新作で、私が好きな Tumbleweed なんか、幸宏とカエラちゃんのデュエットで聴けたら涙ものです。Tumbleweed ってこういうものだったんですね。

Love
NARKISSOS

 行く予定ですが、NHKホールはN響の定期に行くくらいで(それすら今はほとんど行かない)、ここでロック系のコンサート聴くのは久しぶりだなあ。最後に行ったのが・・・YESだから88年かな?

 年取るわけだ・・・・ガックリorz

2007.01.21

ドミノスのライブ版 Layla を聴いて妄想する週末

●1970年11月29日、メリーランド州オーウィングス・ミルズ(Owings Mills)公演での Layla の凄まじい演奏を聴いていて、この頃の Layla は、演奏中のECのタイム感覚が今と2倍くらい違うんじゃないかと痛感しました。
 後半のソロ部分のもの凄いスピード感。今のクラプトンからは、もうこういう演奏は聴けないですね。

 聴いたのは、TINKER BELL というレーベルからリリースされた音源で、宣伝文句では、近年になって出回ったロー・ジェネレーション・テープを元にしてるらしいです。
 たしかに私の持ってる4~5年前までトレードで流通してたものより聴きやすいです。音像が一回り大きくなり、楽器やヴォーカルもクリアに(マニアが喜ぶ程度ですけど)。

 これが宣伝文句通りのロー・ジェネレーション・テープによるものなのか、あるいは何らかの電気的な処理の結果なのかはわかりません。私は前者に一票。

●それはともかく、Layla がドミノスの公演で演奏された(と現時点で確認されている)日をあらためて調べてみました。

11月27日 ミズーリ州セント・ルイス公演
11月29日 メリーランド州オーウィングス・ミルズ公演
12月 1日 フロリダ州タンパ公演

の3公演。もちろん全部ブートになってます。27日音源はつい最近までは一部の人しか聴けない秘宝?でしたが。

 他に Layla が演奏されたかどうかは今となっては謎が多いのですが、上記セント・ルイス公演前日の26日オハイオ公演は有名なオーディエンス録音が残っているので、Layla が演奏されていないのを確認できます。

 28日はセットリスト自体が不明ですが、27日からの4公演中3公演で演奏されているのですから、この日も演奏された可能性は高いのではないでしょうか。

 12月2日はNY州シラキュース公演で、以前からデュアン参加説が根強く主張されてますが、真偽のほどは不明です(Marc Roberty の Eric Clapton, THE NEW VISUAL DOCUMENTARY には、デュアンが参加したと書かれてます)。
 オールマン・ファンの間では参加説・不参加説どちらが有力なのでしょうか。教えてくださ~い。

 ちなみに、ドミノスは、10月15日にスタートしたUSツアー中、11月25日から12月6日(ラスト・コンサート)まで、11月30日以外は毎日コンサートを行ってます。
 タンパ公演前日の11月30日は、オフ日ですが、おそらく、アルバムのミックスダウン確認のために30日はオフにしたと思われます(ドミノスのメンバーが、タンパ公演のためフロリダに来た際、クライテリア・スタジオ入りしたことは、The Layla Sessions の英文解説にあり)。

 タンパ公演以降で録音が残っているのは、12月5日、6日のNYでの公演ですが、レイラは演奏されていません。

●こうしてみると、Layla がライブで演奏されたのは、デュアンがバンドに加わったタンパ公演(あるいは翌2日のNY州シラキュース公演)までの数日に集中しているんですね。

 どうも、デュアンがタンパ公演に参加することが決まってから、急に予行演習をかねて Layla をやり出したような気がするんですが、どうでしょう。それとも、去年のジャパン・ツアーの Little Wing みたいに、「そういえばレイラやってないから、やってみようかな」ですか(笑)。

●余談ですが、ドミノスのツアー日程と Layla のレコーディング日程を付き合わせていて奇妙なことに気づきました。

 The Layla Sessions に記載されてる Mean Old World の録音日データ(10月2日)です。

Love
The Layla Sessions

 10月2日は、ドミノスはイギリスにおり、ノッティンガムの工科大学(College of Technology)で公演。オールマン・ブラザース・バンドは10月3日にケンタッキー公演をやってますから Mean Old World の録音日が10月2日というのは絶対にあり得ません。

Mow

●おそらく Mean Old World は、通常のレイラ・セッション時に録音されたんだと思います。

 10月2日録音と誤記された理由ですが、The Layla Sessions 掲載のテープ管理用データシートによると、10月1日に Layla と It's Too Late のオーバーダビング作業が行われています。
 そのスタジオ作業時に、管理データの記載がなかった Mean Old World のデータが「10月2日」と記載されて、それが録音日と誤解されたまま The Layla Sessions にデータとして記載されたのではないかと思います。
 つまり、10月2日というのは、「録音日」ではなく、録音テープにデータを記載した「保管作業日」の記載。

 ちなみに Layla と It's Too Late のオーバーダビング作業ですが、前者はもちろん、あのピアノ・コーダのダビング作業。後者はブリッジ部分のECのヴォーカルという地味な作業でした。よく聴いてみるとブリッジ部分のヴォーカルが後から張り付けたような響きですね。

 写真は It's Too Late のデータシートの一部で、9月9日に、ボビーとECのヴォーカルをオーバーダブ(O/D)後、EC部分だけ9月9日のを削除(×印あり)して10月1日にオーバーダブをやり直してるのがわかります。

Toolate

 もし Mean Old World の録音日データが抜けたままになってたという推測が正しいとすると、その理由ってなんなんでしょうね。リハーサル部分も含め20分以上もあるのに。

(追記)
It's Too Late の「ブリッジ部分のヴォーカルが後から張り付けたような響き」なんて書きましたが、ちょっと大げさでした。
張り付けたように聞こえる部分もある程度です。普通に聴いてるとオーバーダブとは絶対わかりません。
トム・ダウド凄すぎ。

2007.01.18

クラプトン、2006年札幌音源を聴いてみる

 文字だけなのもなんなんで、5年前のワールドカップ時の札幌ドームの写真を載せときます。ECの時はこんなに警官いません。これしか札幌ドームの写真がないもんで、ごめんちゃい。

Sapporodome_1

●で、札幌公演ですが。私にはベールに包まれておりましたが、聴かせていただきました。

 いただいたのはクリアで素晴らしい音源です。あのエコーの多い巨大なドームでこれだけの音で録れてるなんて素晴らしい。

 EC御大も快調で、Old Love や A Little Queen of Spade のソロも素晴らしいです。爆演というより、リラックスして気持ち良くプレイしてる感じ、と言うんでしょうか。
 なにかと物議?をかもしているドイル君ですが、Cocaine、Crossroadsでのエキセントリックなソロ、私は気に入りました。

 以上、淡泊な感想でなんですが、札幌公演、私の感想は○でした。
 ていうか、最近のECの公演に凡演なんてないす。

●北海道は、身内訪問や、遊びでちょろちょろ行きますが、東京に戻ってくると空気が汚れてるのにゾッとします。こんなヒデーとこで普段暮らしてんだなと。
 日高の「網元」ってお寿司屋さん、美味かったかったな~、もう一度行きたいす。
 2月に釧路行きますが美味いもん食って帰るもんね。

 ECとは関係ないですけどw

2007.01.14

Dylan 1965年 TVインタビュー完全版 / Dylan Speaks(DVD)

 こんなものまで見れる時代になりましたか。
 1965年12月3日、サン・フランシスコの KQED TV で行われたテレビ・インタビューの完全版。

undefined
Dylan Speaks

●「あなたは、自分を歌手と詩人のどちらと思いますか」という質問に、 a song and dance man (歌って踊れる芸人です)と答えた、ボブ・ファンには有名なやりとりが見られるインタビューで、映像・文献の両方で繰り返し引用されてきたものです。

 全51分。画質は極上で、ディラン入場から退場まで収録した完全版。メニュー画面も奇麗で、6つチャプターが打たれてます。
 ディスク・ケース内側の Toby Gleason のシンプルな解説によると、2インチのオリジナルマスターテープからのデジタル・リマスターだそうです。商品としては申し分のない完成度です。おまけに安い。

 ただし、リージョン1&4で、通常の日本製DVDプレイヤーでは見れません。まあ、見る方法はいろいろあるので(笑)

●字幕はなく、自分の英語力では、質問者の発言はもちろん、ただでさえ早口でモゴモゴ喋るディランの応答を一発で聞き取る能力はないですが、すぐ理解できるシンプルなやりとりもあります。

 このインタビュー映像はスコセッシの大傑作 No Direction Home にも使われてますが(ディスク2のチャプター9)、ディランは、タバコ片手に終始余裕の表情で、質問を軽くいなしながら淡々と進んで行きます。

 No Direction Home では、この映像に続いて、1週間後にロスで行われた記者会見のシーンが出てきますが、そこでのディランは表情が硬く、自分をプロテスト・シンガーとして固定して捉えたがるプレスのピントはずれな質問にウンザリした様子で、「フォーク音楽界にプロテスト・シンガーと呼べるのはどのくらいいますか」とかいうアホ過ぎる質問に、

 「136人か142人のどちらかだよ」

と完全に投げやりな解答してる傑作シーンが拝めます。

 No Direction Home では、このあたりから凄まじいシーンの連続で、例の「Judas!」クライマックスまで突き進んで行くのはご覧になった方はご存じの通り。

●上述の Toby Gleason の解説によると、このインタビューは、音楽評論家 Ralph J. Gleason の発案で実現したものだそうです。Tobyは、Ralph J. Gleasonの息子で、役者さんだそうです。検索したら声優としての活動が多いようです。

 とりあえず、内容理解できるよう頑張ってみます、はい。

クラプトン 06/07ツアー再開

 1月13日、シンガポールの Singapore Indoor Stadium 公演から、アジア・オセアニア・ツアー編に突入しました。セットリストはこちらで。

 冒頭のドミノス5連発など、基本的に日本ツアー終盤と同じですが、驚いたのが Cocaine が落ちたこと。今ツアーでは Layla とアタッカ風に続けて演奏されてきたため、よもや落ちるとは思いませんでした(報告ミスでなければ)。
 「お薬」の歌なのでタブーの多い国での演奏は自粛したのかもしれません。

2007.01.11

武田和命 / ジェントル・ノヴェンバー

 武田和命が好きという方はいらっしゃるでしょうか。

Takeda_1

●ジャズを一番良く聴いたのは、10代後半でした。まあ今でも好きですがマニアには程遠いです。
 弟が山下洋輔のファンで、よく山下トリオのLPを買ってきたので、山下トリオは結構聴いてました。山下トリオのLPの購買率では弟に完敗でしたが。

 ある日、弟が買ってきたのがこのバラード集のLP。武田は山下のコンボで吹いていた時期があったので買ったのだと思います。

 正直、聴いて驚きました。素晴らしかったんで。
 山下のコンボであれほど激しい演奏をしていた武田が、こんなに「優しい」音楽を奏でるとは。

 天下無敵?の名盤、コルトレーンのバラードを最初に聴いたときは、期待が大きすぎたのか、拍子抜けというか今ひとつピンと来ず(今は大好きですが)、自分はバラードならソニー・ロリンズの方が好きだなと思ったものですが、この「ジェントル・ノヴェンバー」というバラード集は最初からフェイヴァリットになりました。

 CDのブックレットに工藤金作氏が寄せた文章によれば、武田は「オレの本当のルーツはロリンズだよ」と語っていたそうです。当時、自分の趣味がバラードに関してはロリンズ寄りだったこともあるかもしれませんが・・・・でも、あまりロリンズっぽくないすね、これ。

●その後、クラシックばかり聴く音楽生活が続き、またロックやジャズにも戻ってきた、ある日、武田が1989年に49才で亡くなっていたことを知りました。何年も聴いてませんでしたがショックでした。

 その時すでにCD化されていてすぐCDを買ったのか、しばらく後にCD化された時に買ったのかは記憶にないです。
 今でも、ふと、このジェントル・ノヴェンバーが聴きたくなります。今回の「ふと」はCD整理中でしたが。
 聴いてると体が溶けそうになります。一番好きなのが、R.ロジャースの It's Easy to Remember・・・いや、全部イイ。

●1979年録音。武田和命(t.sax)、山下洋輔(p)、国仲勝男(b)、森山威男(dr)
 最初に出たLPは、日本フォノグラム系のFrascoレーベルでしたが、武田の死後、新星堂系のOMAGATOKI(オーマガトキ)レーベルがCD化してくれました。今も入手できるのかな?

 LPは今も押し入れの中で眠ってます。

2007.01.08

Bob Dylan / Don't Look Back: 65 Tour Deluxe Edition

 ディラン好きなら知らない者がいない、というよりロック史における最重要フィルムの一つ、D.A.ペネベイカー監督 BOB DYLAN DON'T LOOK BACK が Don't Look Back: 65 Tour Deluxe Edition として2月27日に新装発売されます。

undefined
Don't Look Back: 65 Tour Deluxe Edition

●発売元のDocurama社発売予告によると、本編の他、BOB DYLAN 65 REVISITED という未発表フィルムからなるボーナスディスクが付き、さらに、フィルムのトランスクリプション完全版を含んだ168頁のブックレットも付くようです。

 本編以外で収録が具体的に発表されてるのが、フル収録のオーディオトラック(何曲か不明)、ペネベイカーと当時のツアー・マネージャー、ボブ・ニューワースのコメンタリー、Subterranean Homesick Blues の別バージョン、オリジナルの映画予告編等ですが・・・・これらって旧版のDVDと同じなんですわな。

●とすると期待は、Disc2 の BOB DYLAN 65 REVISITED ということになりますが、実は、Don't Look Back のアウトテイク、すでにブートDVDが出ちゃってます。

Lookback_3copies
左から、国内版VHS、DVD、ブートDVD(Don't Look Back The Outtakes)

 たぶん、ブートDVDは、正規盤の製作過程で流出した物だったんでしょう。買った当初は、正規盤が出るとは知りませんでしたが、この世界?ではよくあることです(爆)。

 まあ、ブートの方は、非常に良好とはいえオフィシャル級の画質とは言い難い物だったので、楽しみではあります。

●心配されるのが、国内盤が出るのかということ。

 前回のDVDもDocurama社からの発売(リージョン・フリー)でしたが、VHS版にはないボーナス映像・音源があるにも関わらず、日本ではDocurama社の正規ディストリビューターがないためか完全放置で、未だに字幕のある国内盤は存在しません。版権が高かったのでしょうか?
 今回も放置したら怒りますよ、私は。プンプン。どこかの会社で一本買いしてください。

 ま、仮に出るとしても先でしょうから外盤買っちゃいますけどね。トランスクリプション完全版が付くのはありがたいですが、コメンタリーの字幕がないのは辛いですねえ。
 
 とりあえず2月27日を待ちましょう。

(追記)
 買いました。感想はこちらに。

2007.01.07

デレク・トラックス、米紙で記事になる

 1月4日付けの McClatchy Newspapers 紙に、Wade Tatangelo記者による Derek Trucks on playing with Allman, Clapton, Dylan という記事が掲載されたようで、PopMatters というサイトの中で、この記事を読むことができます。かなり面白いです。


Derek_article


●記事によると、デレク・トラックス・バンド、オールマン・ブラザース・バンド、エリック・クラプトンといった人達との忙しすぎる活動について、デレクは、


 “They're the good kind of problems,”(贅沢な悩み)


だそうで(笑)、オールマンズの面々が、ECとのツアーを認めてくれたことについて、


 “I'm really grateful. They understood it was something I couldn't pass up.”


と語ってます。They understood it was something I couldn't pass up(「バンドの皆は、それが逃しちゃいけない特別な経験だって理解してくれた」)なんて、昨年の素晴らしすぎる日本公演を思い出すと泣いちゃいますね。

 「(クラプトン・バンドへの参加を)グレッグが怒ると思わなかったか」、との問いには、


 
「半信半疑だったけど.......グレッグは、エリックとデュアンが尊敬し合ってたことをわかってたから、認めてくれたんだと思う」

(“I was half expecting that,” Trucks said with a nervous laugh. “But I think because of the reverence between Eric (Clapton) and Duane (Allman, Gregg’s late brother), he understood.”)


と語ってます。マジで泣けますなぁ・・・

●他にも、

・「ECに初めて会ったのは90年代の初め、バックステージだったけど、彼は覚えてないかも」

・「クラプトンから、携帯に電話があるなんて考えてもいなかったから、その時は、“It was totally out of the blue,”だった」

・「(ECとJJの共作アルバムの)レコーディングに参加して2日で、一緒にツアーしないか誘われた」

・1992年、12才の時に、フロリダ州、クリアウォーターでディランのコンサートの前座をした時、帰ろうとすると、ディランから「こっち来て、一緒に座ろうよ」と誘われた(デレクの父親の方が動転しいたそうで。そりゃそうだ)

・(その晩)ディランが、Highway 61 Revisited を演奏しているときに、舞台袖にいたデレクの方を向いて促したので、ステージに飛び出し一緒に演奏した

等、(自分には)興味津々、仰天エピソード満載でした。

 私は、ディランのオーディエンス録音はあまり詳しくないですが、テーパーが非常に多いディランですから、92年のフロリダ州、クリアウォーター公演の音源ってあるんじゃないでしょうか。探してみようかしらん。

(追記)
 デレクとディランの共演調べてみました。
 date and venue は、11th Nov 1992, Ruth Eckerd Hall, Clearwater, FL で、デレクは、Everything Is Broken, Highway 61 Revisited でプレイしているそうです。
 不覚にも全然知りませんでしたが、このことって有名なのかな?

2007.01.06

ビートルズ LOVE で聴けるクラプトンのギター・ソロ

 ビートルズの LOVE ですが。ちょくちょく聴いているうちに、舞台から切り離して聴いても悪くないんじゃないかという感想になってきました。優柔不断ですな。

Love
Love

●以下、さる方から聞いた小ネタですが。

  トラック17の Lady Madonna について。

 このトラック、途中1:58秒あたりから、Hey Bulldog に変わっていきますが、2:12~2:28秒あたりで、While My Guitar Gently Weeps でのクラプトンのギターソロが挿入されてます。
 どうもエフェクトを除外?しているようで、ビートルズのホワイトアルバムで聴けるトーンとは違って、ちょっと細めで、ビブラートの少ないストレートな音色になってます。持っている方は聴いてみてください。

 なお、ビートルズ・ファンには面白すぎる超傑作本、マーク・ルウィソーン著 The Complete Beatles Recording Sessions (シンコー・ミュージック刊)によると、この有名すぎるクラプトンのソロは、ホワイト・アルバムのミキシングの際、何時間もかけて「オシレーターを小刻みに動かしてフランジングさせた」そうです(202頁)。クラプトン自身が「あのギター・ソロをあまりクラプトンっぽくしたくない」と言ったとのことです(同頁)。

undefined
The Complete Beatles Recording Sessions

 「オシレーターを小刻みに動かしてフランジング」させるというのがどういう作業なのか私にはわかりません。結果的にもクラプトンにしか聞こえませんが(ビートルズのメンバーの弾くギターには聞こえません)、マスターテープに録音された元のソロとは変形された状態で世に出ることになったわけです。

 LOVE では「オシレーターを小刻みに動かしてフランジング」させる前のソロ・パートを使ったのは間違いないと思います。

●それから、アエラ臨時増刊 AERA ROCK HARD! によると、このLOVE プロジェクトは、ジョージの生前から、親交のあったシルク・ドゥ・ソレイユの創立者ギー・ラリバテとの間で始まった作業ということです。

 ラリバテによると、ジョージの方から、ビートルズの音楽を使って何かできないかと提案があったそうで、むしろラリバテの方が、そんなことができるもんか訝ったとか。その後、ジョージが他のメンバーの同意を得るよう行動したそうです。残念ながらジョージはLOVEを見ずして(聴かずして)天に召されてしまいましたが。

undefined
AERA ROCK HARD !

 LOVE については、プロデュース側主導のプロジェクトで、メンバー(といっても生存してるのは2人だけ)は事後承諾だけ、と勝手に思いこんでましたが、そうではないんですね。

2007.01.01

働け、iPod君

 明けましておめでとうございます。
 今年が皆さんにとって良い年でありますように。



 先日、クリームのCDを聴き比べるために、久しぶりにCDPからアンプを通した音を聴いたのですが、iPodとはあまりにも違いすぎる音にびっくりしました。

 とはいえ、じっくりオーディオ機で音楽を聴く時間がどんどんなくなる自分には、iPod君は良き相棒なのです。

 どこでも好きな音楽が聴け、うんざりする満員電車の中で気分を癒し、やかましいオバサン達のおしゃべりから私を守ってくれる、頼もしい相棒君。ピュアオーディオ様より音が悪いからって、文句なんて言いません。

Ipod_1

 左が、20Gの2台目、右が60Gの3台目、1台目のミニはどこかに遊びにいったまままだ戻ってきません。どこにいるんでしょうか。
 3台目は、20Gが容量いっぱいになったのを哀れんだお友達が、使わないからといって安く譲ってくれたやつです。photo対応の初代機なのでちょっとデブですがw

 今年も頑張って働いてね、可愛い相棒君。

« 2006年12月 | トップページ | 2007年2月 »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

アルバム(作ってみました)