Derek and The Dominos / Why Does Love Got to Be So Sad (by Clapton and Whitlock)
クラプトンのジャパン・ツアーは終わりましたが、音源を聴く楽しみは続きます。
気分は、「まだまだ!」(by 岡部幸雄)って感じですかね。
EC御大の方は、帰国後も完全オフではなく、こんなところに出入りしてるようです。
では、当ブログのカテゴリー「好きなうた」として、思い出と共に、この曲について少々。
●2006/2007年ツアーの初日のセットリストを見て、I am Yours と Anyday を目にしたときには、激しく胸がトキメキましたが、ほとんど衝撃に近い興奮を覚えたのは、5月23日のロイヤル・アルバート・ホール公演のセットリストにこの曲 Why Does Love Got to Be So Sad を見つけた時なのであります。
「恋は悲しきもの」という名邦題が付けられたこの曲に、たまらん愛情を感じる人は非常に多いようで、今ツアーでの30数年ぶりのセットインは、ECファンの間では大騒動?になったものです。
残念ながら、この曲はセットインしたり落ちたりを繰り返したあげく、ヨーロッパ・ツアーの比較的初期にセットリストから落ちてしまい、ファンは大いに狼狽しました(ですよね?)。ジャパン・ツアー中も、「この曲の復活はあるのか?ないのか?いつやるんだ?」で、ファンは悶々とし続けました。
そして、12月8日の武道館公演でついに夢は叶いました。この曲のセットインを知って、急遽、翌日の最終公演に向かうことにしたファンも少なくないようです。
●いったい、名曲・名演揃いの「レイラ」アルバム収録曲の中で、この曲の何がファンを引きつけるのでしょう?
猛烈な高速テンポで繰り広げられる、クラプトンとデュアン・オールマンのソロの応酬、アップテンポの曲なのにどことなく哀愁を帯びたメロディー、サビで曲のタイトルそのまんまの歌詞 Why Does Love Got to Be So Sad を叫びまくるボビー・ホイットロックのバックコーラス・・・・・とにかく聴いていてイキそうになる瞬間満載です。
もちろん自分が最初にこの曲を聴いたのは「レイラ」アルバムなのですが、次がフィルモア・イーストでのライブ盤 Derek and The Dominos in Concert でした。
って、普通そうだわな。
高校生の時でしたが、お小遣いでLPを買っていたガキにとって、高価な2枚組のライブ・アルバムは高値の花でした。ついでに言うと、does が使われてるのに、get でなく got なのが、学校英語しか知らない私には不思議でした(今も分からんです、ハハ)
結局ようやく買えたのが、再発米盤LP。
再発盤は、発売当初の見開きカヴァーではなく、通常の1枚用のジャケットに2枚のLPを無理矢理詰め込んだ荒技手抜き盤でした。
それゆえ、そこそこの値段で、お小遣い少年にも買えたわけですが、アメリカ人つうのは手荒なことするもんだ、と当時の少年は思ったもんです。
●Derek and The Dominos in Concert を、この曲だけを目当てに買ったわけではないんですが、衝撃だったのはこの曲の演奏でした、ハイ。
収録されていたのは10月24日のテイクで、イントロ後すぐに1コーラス目の歌が始まるオリジナルのスタジオ録音と違って、ジム・ゴードンの刻む遅めのテンポに乗って入り込んでくるクラプトンのギター。しばらくはジムのドラムとECのギターのやりとりが続きます(ここまでだと何の曲だか分からん状態)。
そこへ、手探り的にチョコっと音を鳴らしてた程度だったホィットロックのオルガンが突然、「ジョワーン、ビョーン」とグリッサンドで割り込んできて始まる、例のカッティング・イントロ。そしてファンならもう耳タコのあのECのギター。
わたしゃ、血が逆流するほど興奮しましたね。その後は、もう来る日も来る日も、この曲ばかり聴いてました。
今だに、この「ジョワーン、ビョーン」の箇所で軽くイキそうになります。
●その後、ブートレッグや、
大幅にトラックを増やして再発された公式盤
で、前日の23日のテイクも聴けるようになりました。
23日のテイクは、スタジオ録音と同じ快速テンポで、いきなりECのギター全開ヴァージョン。ホィットロックがグリッサンドで入ってくるのは、24日のテイクと同様ですが、ECのソロだけならこちらの方が興奮度が高いと思います。クリームの Wheels of Fire 収録の、サンフランシスコ・ウィンターランドでの Crossroads ライブ・ヴァージョンに匹敵するといったら言い過ぎでしょうか。
23日の快速ヴァージョンが14分台、24日のミディアムテンポ・バージョンが9分台の演奏。前者でなく後者が、最初に発売された Derek and The Dominos in Concert に収録された理由はもちろん分かりませんが、単純にLPの収録時間の関係かもしれません。
ちなみに、「レイラ」アルバムのスタジオ録音は4分台です。
●今ツアーでの2006年バージョンですが、私が最も好きなのは、終盤に近づくにつれ徐々に曲がクール・ダウンしていく時に聴ける、EC、ドイル、デレクの静かなギターの絡み合いで、ほんとに美しい瞬間です。
タイトルが長すぎて、日本のファンには、Why Does とか「恋悲」とか、略して呼ばれるこの曲ですが、今回のツアー時に使用されたセットリスト・ペーパーには、WHY DOES LOVE GOT と書かれておりましたです。
アブリビエーションで WDLGTBSS とスラスラ書けるようになれば、あなたは相当な通です(ウソ)。
「少々」ではなくなりましが、以上、「いとしの恋悲」でした。
(こぼれ話)
ホイットロックは、1976年に発表した自身のソロ・アルバム Rock Your Sox Off でこの曲をセルフ・カヴァーしています。入手困難なので、どこかで再発してくれんかい。
また、ルイジアナのバンド Buckwheat Zydeco が、彼らのアルバム Taking Home(1988)でこの曲をカヴァーした際、EC はゲスト参加して、聴きごたえのあるソロを披露してます。Taking Home を買わなくても、これで聴けます。
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