ルツェルン・フェスティバル・イン・東京 2006
●ルツェルン・フェスティバルの引っ越し公演に行ってまいりました。
10月18日 於サントリー・ホール
アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団
ブラームス・ピアノ協奏曲第2番(ピアノ:ポリーニ)
ブルックナー・交響曲第4番
クラオタの方々には周知すぎるものの蛇足ながら説明しますと、このオーケストラは、スイスのルツェルンでのフェスティバルの期間だけ、ヨーロッパの著名オケ等のメンバーと、普段はソリストとして活躍してる奏者が集まって結成する、まあスター軍団というやつで、常設のオーケストラではありません。
(今回は、本拠のルツェルンでやるときよりメンバーは落ちましたが、それは仕方ないでしょう)
ということで、大変有名なフェスティバルですが、例によって、チケ取り合戦、値段高に萎えて、全然行く気無かったのであります。
ところが。
直前に、スカパー!のクラシカで、このフェスティバルのドキュメンタリー(『トスカニーニからアバドへ~ルツェルン祝祭管弦楽団の歴史』)を見て邪悪な欲望がむくむく沸き上がって来ました。
「行きたいな・・・・」
もちろんここ数年、毎年NHKで放送されている公演が素晴らしかったというのもありますが(DVDも数枚出てます)。とはいえ、公演直前に残ってる席は、一番高い席しかなく・・・
行っちゃいましたw 財布号泣。我がイベント出費歴では、2002年W杯準決勝に次ぐ第2位にランクイン。トホホ。
●で、感想。
ブラームスはあまり好きな曲ではなく、自分から聴きたいと思うことはあまりないのですが(オイオイ)、残念ながら今回も冷めた聴き方しかできませんでした。昔は好きな曲だったんですけどねえ。
正直、もうかなーり前にFMで聴いた、ポリーニ/サヴァリッシュ/N響の公演の方がスリリングで、自分の印象ではその時ほど夢中には聴けなかったです。
ただ、第3楽章のチェロのソロ主題再現の前あたり~主題再現後しばらく(適当でスマンです)、ピアノの弱音が続くところは非常に美しかったです。
ブルックナーは、ブルックナーらしくない?ブルックナー。金管がガンガン鳴りまくるような、ゴツゴツしたブルではなかったですね。
第1楽章、トレモロの冒頭からクレッシェンドしていき、オケの全奏で主題が鳴る箇所でも、トランペットはさりげなくオケに加わる感じで、ファンファーレのようにド派手に鳴ることもなし。ちと物足りないくらい。
ただし、オケのテンションは超強烈。
びっくりしたのが、第3楽章のスケルツォ主題が戻る直前の箇所で、アバドが、「これでオケがついてこれるんかいな?」、と思われるような猛烈なアッチェレランドをかけること。名手揃いの木管セクションが必死にそれに応えるあたり、見ていてかなりスリリングでした(実際、弦楽セクションも含めて縦のアンサンブルは結構乱れてましたが)。
●終演後は、オケが退場してから、アバド1人だけ呼び出されること2回(いわゆる一般参賀)。大変感動いたしましたです。
まあ、音楽なんで好みはあるでしょうけど、この演奏聴いて不満ありありという人は、正直音楽聴くの止めた方がいいんじゃないのみたいな。
出費のことは忘れましょ。
クラシカで見たドキュメンタリーによると、世界中の大都市から招聘要請があるそうです。引っ越し公演は、去年がローマ、今年は東京。来年はニューヨークと。
つうことで、このオケ、基本的には、8月にルツェルンでしか聴けません。あとは引越し先までお付き合いするかのどちらか。
アバドは今年73才、健康状態が常に心配されますが(胃癌で胃全摘。復帰直後はショッキングなくらいの激やせ)、元気そうでした。
終演後、会場を出るとオケのメンバーもちょうど出てきたとこ。ヴィオラのクリストが捕まってサイン攻めにあってました。ニコニコ応じてましたがw
出来ればルツェルンまで聴きに行きたいな。無理だろけどw
でした。
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