ウィーン2日目
6/9、本日は昼は観光、夜はオペラ見物。
● リング内部に行ってみる
ご存じかと思うものの、ウィーンという街は昔は、壁で覆われた街でありまして。現在その痕跡は、「リング」と呼ばれる環状道路として残ってます。リング内部が繁華街というわけであります(こんな説明でほんとに良いのかしらん?)。
ホテルより、リング中心部にある聖シュテファン寺院まで一本道ながら、前日撮影し損ねた、ムジークフェラインザールを撮影するため、やや迂回。
途中、ヴァン・モリソンのコンサートポスターを見つけ撮影。実は背後の建物は、1901年にオットー・ワーグナーが設計した旧カールスプラッツ駅舎で、歴史的な価値はポスターより全然高いのですが・・・・
こちらは、途中見つけた別のコンサートポスター、ランディー・ニューマンの公演会場が国立歌劇場って・・・・
とりあえず、お約束で国立歌劇場を撮影。
国立歌劇場の右側からケルントナー通りに入る。今年は、モーツァルト生誕250周年ということで、関連の催し物も多く、ケルントナー通りには、その案内小屋も。W杯イヤーで小屋の建物の外壁のモーツァルトもサッカー仕様。
リング内部の繁華街は、フランクフルト同様、路上に出てるカフェ多し。ただし、雰囲気はフランクフルトよりお上品。
そのまま通りを歩いてシュテファン寺院へ。写真で見たまんまでしたが、向かいはモダンなデパートでありました。
●モーツァルトハウスに
シュテファン寺院はチラ見しただけで、すぐそばのモーツァルトハウスに向かう。寺院からは徒歩5分もかからない。ウィーンに来てこれを見ずして何を見よう。なにせウィーンに現存する唯一のモーツァルトの住居なのだ(彼がレクイエムを書き、没した住居は現存しない)。
入り口で、日本語のイヤフォンガイドを借りるが、内容は知ってることばかりだったので(ウシシ)、途中から使用中止。
やはり最も心打たれたのは、自筆譜だの、肖像画だの、当時のウィーンの町並み解説だの、ましてや、チープなビジュアル版魔笛ミニチュア舞台などではなく、
モーツァルトが実際に住んでいた2階の住居跡
でありました。
「ここで、彼は仕事つまり作曲をしていたのだ、コンスタンツェと日常の会話をしていたのだ、友人と楽しく騒いでいたのら、ここで寝ていたのら、フィガロを書いたのら」と感激して立ちつくす。
これが2階のモーツァルトの住居の入り口。
こちらは、間取り内部(撮影ご遠慮と言われたけど撮りました。ごめんなさい)。
部屋はたしか5部屋あり、全体はかなり広かったです。当時は、今で言う「高級賃貸マンション」であったらしいです。
途中団体客が乱入。引率のビール腹の親父の声がうるさい。あげく携帯で着メロの「ジムノペディ」を鳴らしまくる。馬鹿野郎!、ここはモーツァルトハウスじゃ。テメー、ボケー、あっち行け、しっしっ!
売店で、ガイドブック(日本語版あり)を買って。、モーツァルトハウスを出る。さようなら、アマデウス。
●美術館へ
この後は、ペーター教会脇を通って、ミュージアムクォーターという複合美術館へ向かう。
途中腹がへり、何か食おうとお店物色。ファーストフード風ながら、メニューの選べるおいしそうなお店発見。見ると NORDSEE というお店。これドイツにもたくさんあるチェーン店ですが、今まで見たのはサンドイッチみたいなパンばかり売ってる店ばかりで、ここのように、ライスだの、サーモンだの、皿料理を食える店はなかったですが・・・
料理の現物を見るとなかなか美味しそうなので、こちらで遅めの昼食にする。値段はそれほど安くないが(自分は12ユーロほど)、味はなかなかでありました。食いかけ写真失礼。
食事後、美術館に向かうため王宮を通り抜ける。下の写真は新王宮で、2階中央のバルコニーは、たしか、ナチスドイツがオーストリア併合した際、ヒトラーが演説ぶっこいたところだったはず。当時群衆で埋め尽くされた広場は、今は駐車場。
ブルク(王宮)門をくぐり、マリアテレジア広場を通り、ミュージアムクォーターに到着。ここは複合美術館で、自分は、近代美術館とレオポルド美術館の2館入れる Duo というチケット購入。
近代美術館(MUMOK)は、ピカソ、カンディンスキーの絵があるというので楽しみにしてたのですが、このときは残念ながら写真展開催中。写真展自体は面白く、我らが、天才アラーキーこと荒木経惟氏の作品もありました。
続いて、レオポルド美術館に。エゴン・シーレの絵がざくざくあって喜ぶ。時間が押してるため残念ながら、急ぎ足で鑑賞。
●セセッション(分離派会館)
ミュージアム・クォーターの後は、ホテルへの帰路途中にあるセセッション(分離派会館)に立ち寄る。
セセッションは、正直建物だけ、という感じで、内部で見るに足るのはクリムトのベートーヴェン・フリーズだけでした。展示部屋にはクリムトのスケッチもありましたが、ちょっと失望。ベートーヴェン・フリーズの部屋に居たのは私と監視員の若い女の人一人(暇そうだった)だけで、戸惑う。
今回、クリムトの絵が大量にあるというベルヴェデーレ宮殿のギャラリーに行く時間がなく残念(ベートーヴェン・フリーズも以前はベルヴェデーレにあったそうで)。まあ、2泊3日滞在ながら、観光にさけるのが実質1日じゃあ仕方なし。
この後、ホテルに戻り、着替えてから劇場へ。
●テアター・アン・デア・ウィーンへ
ホテルに戻ると、ロビーに宿泊客が集まり、開始直後のワールドカップ開幕戦、ドイツvsパラグアイ戦を観戦中。いっしょに見たかったが、自分は劇場に行かなければならぬ・・・・
劇場(テアター・アン・デア・ウィーン)はホテルからは徒歩20分程で、セセッションのすぐ近く。劇場前のメイン通りから見ると普通の建物ですが、「フィデリオ」初演劇場という由緒ある劇場であります。
ちなみに「魔笛」が初演されたと説明しているガイドブックなどがありますが、「魔笛」が初演されたのは、もう建物自体存在しない「フライハウス」という場所です。「テアター・アン・デア・ウィーン」は、「魔笛」の作曲をモーツァルトに委嘱したシカネーダーがモーツァルトの死語、支配人を務めていただけです。間違っちゃだめじゃん。(-_-メ)
演目は、モーツァルトの「コシ・ファン・トゥッテ」で、演出はパトリス・シェロー(!)、ダニエル・ハーディング指揮、マーラー・チェンバー・オーケストラ。
同日の国立歌劇場の演目は、ルーティンのレパートリーの「ドン・カルロ」で、ウィーン訪問が決まった時点で、何の迷いもなく「コシ」に即決。切符は、表向きはすでに売り切れ状態でしたが、日本から事務局に直メールでキャンセルあれば購入したいと連絡。購入成功。
上演自体の感想は別に書くつもりですが、途中また寝ましたw 1幕の数ヵ所の記憶なし・・・・幕間に眠気覚ましにコーヒー飲もうと、地下のカフェに足早に行く途中、階段から数段転げ落ちて他の客に助けられるorz・・・・
オペラといっても、新演出の初日(プレミア)ではないので、お客さんはほどほどに着飾ってる程度。ただし、一名、カジュアルな白シャツに短パン(当然ノータイ)という凄まじい輩がおりました。何者だありゃ???
劇場内部については、DVDなどで何度か見ていたそのまんまでした(当たり前ですが)。
今回、生まれて初めて、劇場の個室部屋(Loge)という所に入ったのですが。自分の入ったLogeは定員4人で、一列目に3人、二列目は1人という割り振り。座席は単に平凡な椅子が置いてあるだけで、当然自由に動かせます。自分は二列目でしたが、二列目用の椅子は、見やすいように高さが高くなってました。
前列にいた若夫婦が1幕で帰ったため、2幕は前列で見る。ラッキー、というかなぜ途中で帰るのだろう・・・
ちなみに、いったん部屋の扉を閉めると、鍵を持った人しかあけられないので、上演中は勝手に他人が入れない仕組みでした。
プログラムは3ユーロちょっと。まだちゃんと読んでないす。っていうかドイツ語なんで読めない・・・
休憩時間は、意外にも前日のウィーン・フィル公演より短く、カーテンコールもあっさり。というより個々の歌手を呼び出すようなカーテンコールはなく、舞台上で集団挨拶があっただけ。
上演の感想はそのうち、やる気が出たら書きくつもりですが・・・・
ちなみに、この舞台、南仏のエクサン・プロヴァンスの音楽祭とウィーン芸術週間の共同制作で、エクサン・プロヴァンスの音楽祭での上演がすでにDVDで発売済み(2006年7月現在輸入盤のみ。ただしキャストは違う)。お金に余裕ができたら買おうっと。
しっかし、こんなこぢんまりとした素敵な劇場でモーツァルトのオペラが見れるウィーンの方々は幸せですな・・・
終演後はホテル直帰。
帰路途中、前方にヴァイオリンを抱えた人が数人連れで歩いているので、ちらっと見ると、なんと!ウィーン・フィルのコンサートマスターのライナー・キュッヘル氏ではありませんか。うーん、ウィーン恐るべし。
ちなみに、歩いていた道は国立歌劇場脇からリングの外にまっすぐ延びるヴィードナーハウプト通りという道(ケルントナー通りの延長の通り)。
キュッヘル氏は、当夜国立歌劇場で「ドン・カルロ」のピットに入り、終演後、どこかへ行くところだったのでしょうか。
夕食は、帰り際にみすぼらしいデリで調達。哀しす・・・。
この日で、今回の旅の「音楽編」は終了。明日は、フランクフルトへ戻り、「W杯編」の始まり。
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